モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった…   作:レイトントン

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第47話

 一進一退の攻防は続く。

 残りの内野は、こちらがゴン、キルア、ヒソカ、マチ。レイザー側はレイザー本人、合体念獣(三体分)。

 再びレイザー側の攻撃。しかも、マチの糸の結界を攻略し始めた。

 外野を経由した、高速のパス回し。糸を少しずつ狙い撃ちにして、数をどんどん削って行っている。マチも慎重に糸を張り直しているが、いつボールが飛んでくるか分からない状況ではスムーズには進まない。

 

 四方八方から飛んでくる、高威力のボール。皆は避けるのに手一杯のようだ。

 そんなパスワークの中で狙われたのは、ヒソカ。『伸縮自在の愛(バンジーガム)』でなんとかボールを受け止めるものの、指2本が折れてしまった。もう右手での投球、捕球は難しいだろう。

 

「ヘイ」

 

 フィンクスがヒソカからボールを受け取り、俺の方に駆け寄る。

 

「ユータ様、支えを頼む。ゴンに良いとこ持ってかれっぱなしだからな、俺の実力も見せてやらないと」

「オッケー。あ、ただその前に。コルトピ、頼む」

「うん」

 

 今のうちに切り札を用意するよう、コルトピに頼む。

 準備を悟られないためのパフォーマンスの意味も込めて、フィンクスはどんどん腕を回し始める。『廻天(リッパーサイクロトロン)』は腕を回せば回すほど、パンチの威力が上がる能力だ。たっぷり数十回は回したところ、フィンクスの拳に宿るオーラが爆発的に増える。

 その陰、俺の背後で、コルトピは念能力を発動。仕込みを終え、元のボールを俺に渡す。よし、ボールを支えるとしよう。

 

 キルアは極めてスムーズな攻防力移動で、ゴンのオーラから自分の手を守れているようだが、俺はタイミング間違えて威力を殺しそうだったのでノーガードで行こうと思う。

 

 フィンクスは全力のパンチをボールに叩き込んだ。レイザー、ではなく合体念獣の方を狙い撃ちし、結果念獣は破壊された。

 

「やるぜフィンクス!」

「へへっ。ま、相手ボールだけどな」

 

 これで内野は残りレイザーただ一人。

 が、ここからボールを奪うのは至難の業だろう。マチの糸の結界も攻略されているし。

 

 レイザーは俺の予想をさらに超え、本気を出してきた。高く高くジャンプし、念獣に適切なタイミングでトスをさせる、まさにバレーのスパイク。

 一方ゴン、キルア、ヒソカは合体を披露し、しかもマチの糸により威力の減衰も試みていた。

 

 レイザーのパワーと、ゴンたちのセンスのぶつかり合い。制したのはゴンたちだ。

 

「ボールを、マチが弱め! ゴンが捕り! ヒソカが覆い! キルアが支える! 見事な連携だ」

 

 レイザーからも賞賛されている。凄かったもんな、実際。

 さて、今度はこっちの攻撃だ。

 

「審判質問。内野の選手が自分で外野に出るのはアリ?」

「アリですが、もう内野には戻れませんよ?」

「オーケー。マチ!」

 

 マチが外野に出ることで、クロロ、マチ、コルトピ、内野の四角形のルート(ダイヤモンド)が出来上がる。

 ちなみに、俺とフィンクスはクロロの隣に陣取っている。

 

「行くぞレイザー!」

 

 こちらもレイザー側と同様に高速のパスワークを始める。目まぐるしく移動するボール。レイザーは目で追いつつも、どっしりと構えている。

 その目前に、ふわりと空を飛ぶ念魚が現れる。

 

「『密室遊魚(インドアフィッシュ)』……人肉を好む念魚だが、今回アナタに噛み付くことはないから、安心してくれていい」

「目眩しか……しかも、目立った囮までいるとは」

 

 レイザーが指しているのは、俺の隣のフィンクスだ。ぐるぐると腕を回し、パンチの威力を上げ続けている。が、その額には脂汗が滲んでいた。折れた左手が痛むのだろう。

 

 レイザーの隙を窺う、長いパスワーク。しかしそれにも終わりが来る。

 ゴンの目の前にきたボールを素早くキルアが掴み、適切な位置にセットする。キルアに対し絶大な信頼を置くゴンは、躊躇うことなく拳を突き出した。

 

「『超破壊拳(ビックバンインパクト)』ォ!!!」

 

 今までで最高の威力の砲撃。しかし、レイザーの視線ははっきりとそれを捉えていた。まっすぐ、ゴンの正面でレシーブの構え。加えて外野の念獣は、ジャンプの構えを見せている。ヒソカの『伸縮自在の愛(バンジーガム)』対策だろう。

 

 レイザーが衝撃を受け流そうと、僅かに後方に退く。そして、レシーブの腕とボールが接触する瞬間。

 ボールが消えた。

 

「!?」

「『神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)』」

 

 ゴンが撃ったのは、コルトピの用意した偽のボールだったのだ。

 クロロの念魚による目隠しも、ボールの入れ替えを悟られないようにするため。

 

「本物は!?」

「ここだ!」

 

 本物のボールは俺の手の中にあり、そしてたっぷりと腕を回したフィンクスが、衝撃を逃すため僅かに宙に浮いたレイザーに照準を合わせる。

 

「『廻天(リッパーサイクロトロン)』!」

 

 フィンクス最大の一撃。

 割って入った念獣を貫き、レイザーを外野まで吹き飛ばす。

 

「念獣消滅、レイザー選手アウト! これにより挑戦者チームの勝利です!」

 

 審判役の念獣が、俺たちの勝利をコールする。

 わっ、とギャラリーと化していた旅団メンバーたちが歓喜に湧いた。

 

「やったぜお前ら!」

「ゴンもキルアも成長したなあ」

「フィンクスも、最後に良いとこ持っていきやがって!」

「いてっ! 叩くな、左手折れてんだから!」

 

 わいわいと喜び合う仲間たち。よし、ここは年長者かつ纏め役として、締めの一言を添えたるか!

 

「まあ、俺たちの結束の勝利ってヤツだな」

『アンタは何もしてねぇだろ!!!』

 

 全員が異口(ほぼ)同音に叫ぶ。

 い、いやいや。ボール支えたし!

 クロロたちで良かった? それはそう。

 

 

 

 

 ゴンはレイザーと何やら話し込んでいた。どうやらジンについて、そしてグリードアイランドそのものについて聞いているらしい。補足説明のため、GMのレイザーからは言えないだろうから、俺の口からグリードアイランドが現実で行われているゲームであることを教えてあげた。

 

 そんな一幕もあったが、無事に『一坪の海岸線』は手に入った。が、今回俺は貢献度がゼロだったため、ゴンにオリジナルのカードを渡し、『複製(クローン)』で増やしたコピーを一枚もらうことにした。あとの一枚はミルキの指定ポケットに入れてある。

 

 さ、これで俺はあと3枚、『奇運アレキサンドライト』『身代わりの鎧』『浮遊石』のみ。『奇運アレキサンドライト』はクロロにでも取ってもらえばいいし、残り2枚もツェズゲラさんの独占を妨げれば入手は難しくない。

 

 ということで、俺はラストのカード収集に向けて動き始めた。

 

 クロロは指示通りあっさりと『奇運アレキサンドライト』を入手してきてくれた。ドッジボールもクロロの采配はデカかったし、旅団には今度なんか送らないとな。

 旅団はゲーム外に戻っていった。

 

 で、最後の相手、ツェズゲラさん相手はジンから教えてもらった『離脱(リーブ)』戦法で独占を崩し、また独占するまでの間に2枚のカードを入手。99枚のカードを揃えた。

 『離脱(リーブ)』食らうとフリーポケット内のスペルも全部消えるのが痛ぇよな……俺も気をつけよ。もうスペル使う機会はないだろうけど……

 

 最後のカードを指定ポケットにはめると、全プレイヤーを巻き込んだクイズ大会が発生。指定ポケットカード入手に関する問題が100問出て、一番多く正解したプレイヤーが、ナンバー000『支配者の祝福』を貰えるらしい。

 ここに来てクイズ大会とはな。

 俺の周りには野次馬やら、優勝したらカードを買い取って欲しいとか言い出すヤツやらが集まってくる。ラストに近い雰囲気になってきたな。

 

 よぉし、やったりますか!

 

 そう思っていたが、俺には大きな誤算が二つあった。

 

『最高点は100点満点中92点。プレイヤー名、ミルキ選手です!』

 

 まず一点。前回のバトルオリンピア優勝から1年以上かけ、ゆっくり進めていたものだから、結構な数、イベントの内容忘れてたんだよね……つーか、1年前にやったイベントに出てきたNPCの名前なんて覚えてないってぇ……

 あともう一点は、俺ってBランク以下のカードは大体トレードショップで買ったんだったわ……そもそもイベント内容知らないっていうね……

 

「その、ドンマイ」

 

 なんか知らないゴリラ顔の優しい人からも慰められるし!

 居た堪れねえよぉ!!!




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皆大好きあの人の優しさ
やはりゴリラは格が違った
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