モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
「……倒した、のか?」
「まー、虫の生命力ってすげーけどよ。上半身ふっ飛ばせば流石に死んだんじゃねーかな」
カイトが半信半疑というように聞いてくる。そんだけ、コイツの強さを肌で感じていたんだろう。
確かに、なかなか強かった。ちょっとマジになっちゃったぜ。
「一応、死体は回収しとくか。素材剥ぎ取れるかもだし、このくらいのサイズならアイテムBOXに入るかもしれないし」
アイテムBOXからビニール袋を出して、それにキメラアントの下半身、ちぎった腕を包み、中に入れてみる。どこが素材になるか分からないからな。上半身を消し飛ばしたのは勿体なかったかもしれないけど、蟻の生命力ってすげーから、油断はできなかった。
ちゃんと死んでいたようで、かつ、サイズ的にもアイテムBOXには問題なく収納できた。
「ありがとう。命を助けられたな」
「良いってことよ。ゴンとキルアの友達だろ。なら俺の友達も同じだ」
「フ……やはりゴンとキルアは良いハンターだ」
「ん?」
「良いハンターは、良い仲間に恵まれる」
なんか照れるぜ。
「キミは、何者だ? あれだけのオーラを発するハンターなんて聞いたことがない」
「ハンターとしてはまだ新人だからなぁ。287期のユータだ。モンスターハンターをやってる。よろしく」
「モンスターハンター……ジンさんと同じか」
「お? ジンのこと知ってんの?」
「ああ。オレはジンさんの弟子でな。そちらこそ、ジンさんとは知人のようだな。……話したいことは多いが、まずはキルアのところに向かおう」
カイトの意見に同意し、キルアのところに向かおうとするが、しかし。
「おっと」
時間切れらしい。俺の体が元の場所、カキン帝国にある協専ハンターのアジトに戻ってくる。
「あり? まだ報酬もらってねーのに」
俺の『
前提として、この能力で依頼を達成したあと、元の場所にワープするには条件がある。それが、
が、この報酬ってのは流星街の信者でも用意できるくらい軽いものでしかない。受ける受けないは俺の匙加減だ。なので、たとえば『飯を食わせる』が報酬だった場合、それを作り終え(あるいは店に連れて行き)俺が食い終わるまでワープせずにその場に残るのだ。
もちろん、料理を作ること自体や、飯を食うことをわざと遅延するような真似はできない。そういった不正を働こうとすれば、念により強制的に報酬の支払いが行われるからだ。肉体を操るなりなんなりして。そもそも実行不可能な報酬を設定しようとした場合は依頼ができない。
報酬を受け取る過程までを依頼に組み込むことで、ワープ先の滞在時間を長引かせることに成功したわけだ。
で、今回のキルアからの報酬はキルアの口座内の全額、約500万ジェニー。俺はまだ受け取ってないから、強制ワープは起こらないはずなんだけど……一応、俺の口座を確認してみる。
「んー? あれ、入金されてやがる!」
しかもちゃんとキルアの口座から金が移動してるし。
キルアに俺の能力が作用して、強制的に報酬を支払わせたのか?
あるいは、キルアのケータイやらなにやらに作用して、勝手に入金させたのだろうか? 念ってモノによっては電子機器にも作用するからな……グリードアイランドとか。
マジかー! まだ時間あると思ってたのに、余裕ぶっこきすぎた!
慌ててキルアに電話するが、出ない。
なんでぇ!?
「まー、当面の危機は去ったと思うけど。気絶したゴンと片腕のカイトを連れて、キルア大丈夫かな」
人を喰うキメラアントの存在も放っておけないし、キルアたちのところに向かおう。
たしか、NGL自治国ってとこだったよな?
「おーいクルリ。NGL自治国ってどこか分かる?」
ハーバード、じゃなかったバーバード大の教授であるクルリに聞いてみる。クルリはビン底メガネをくいと上げた。
「NGL自治国、ですか。バルサ諸島南端にある連邦国家、ミテネ連邦の西端にある国ですね。ネオグリーンライフという自然保護団体が母体となっています。機械文明を全て捨て自然の中で生活するのを信条としており、国内に電子機器は疎か金属、石油製品ガラス製品の持ち込みが禁じられています」
「へー。だからキルアはケータイ置いてってるのか。サンキュー、クルリ」
まー、俺はアイテムBOXあるし、電子機器なんて持ち込み放題やがな。
早速NGLに向かうとしよう。
というわけで、飛行船に乗りながらミテネ連邦はNGL自治国まで向かう。
でもカキンからミテネ連邦ってクソ遠いみたいだ。タラタラしてたら蟻に逃げられちまうよぉ。
やっぱ泳いで行こうかな……?
なんて考えながら、とりあえず飛行船をチャーターする。泳ぎに切り替えるのはいつでもできるからな。
NGLに向けてしばらく飛んでいると、キルアから折り返しの電話が来た。
「おーキルア! 無事で良かった」
『ユータのおかげだよ。ゴンとカイトも一緒だ』
「そりゃ良かった。今どこ? 俺はNGLに向かってるとこだけど」
『オレらは逆にNGLを出てきたとこ。雑魚兵隊相手なら渡り合えたんだけど……悪ぃ、今のオレらじゃ足手纏いだ。もちろん、アイツのレベルが何匹もいるとは思えないけど』
まー、あの猫強かったからな、割と。
あれが単なる兵隊レベルなのかボス級なのか分からないけど、キルアは既に何匹かキメラアントと戦ったらしい。が、あいつ並の個体はいなかったそうだ。
キメラアントの中でもトップクラスの個体と見ていいのかな。四天王的な?
でも、俺やキルアの予想が外れて、あのレベルがうようよ生まれるようなら、割とマジで人類が滅ぶぞ。こりゃとっとと狩らないと。
『ユータ、さっきからカイトにも試してもらってもう一回『
「んー? どんな内容で依頼したん?」
『対象はキメラアントの女王で、場所は同じ、報酬は10億ジェニー』
「それなら、対象の調査不足かもな。ターゲットの姿形とかがハッキリしてないと依頼できないんだよ。対象を目視してたり、目撃者から話聞いて依頼作ったりすれば通るんだけど」
対象がある程度はっきりしてないとクエストの発注ができないんだよな。仕方ない。やっぱり能力ではなく、直に叩くしかないか。
予定通り飛行船でNGLに向かうが、途中で今度はネテロから連絡が来た。カイトの仲間の報告で人喰いキメラアントの存在を知ったとのこと。
少数精鋭ということで、ネテロの他には2名、モラウとノヴというハンターが参加しているらしい。ノヴの能力がもんのすごく便利で、マーキングした箇所から瞬間移動できる、マンションのような念空間を構成している『
飛行船の旅の途中で最寄りのマンションの出入り口から拾ってくれるとのことだったので、途中で飛行船を降り、スーツ姿のメガネイケメンと合流する。
「こんにちは! ノヴさんすか?」
「ええ。ユータさん、話は会長から伺っています。どうぞ中へ」
「お邪魔しまーす」
ずずず、と念空間へ移動する。マンション内は殺風景だが、お菓子とか水とかが転がっている。電気は通ってないのかぁ。それでも死ぬほど便利だけど。
部屋を経由して、あっという間にNGLの手前まで到着した。
スッゲー便利。俺もこの能力マネしようかなぁ……ノヴさんも放出系らしいし行けると思うんだよね。
まーでも、対ミラボレアス用に戦闘用の能力も考えてあるし、一旦やめとくか。
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やっぱり便利……ノヴの4次元マンション♥