モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった…   作:レイトントン

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最終章:暗黒大陸再上陸編
第62話


 俺の引退会見からこっち、ひたすらモンスター狩りに回っていて疲れ切っていたが、最近ようやく数が落ち着いてきた。

 すげー勢いで狩りまくってたからな……人前に出るモンスターの数は減ってきたのだろう。それか、人前に出ると狩られると学んだか。

 

 新たに会長となった俺の指示により、ハンター協会は組織全体で暗黒大陸を目指すこととなった。

 ネテロを探すため。そして俺個人としては、ミラボレアスを倒すため。

 カキン帝国は暗黒大陸の資源を求めて、協調することとなった。

 

 俺はカキンのセレモニーに呼ばれ、そこで暗黒大陸渡航に携わるメンバーとして登場することとなる。

 それにしても……

 

「ビヨンドくんだっけ? ネテロ……アイザックの息子? マジかよ」

 

 となりに立つ、ネテロの面影のある男を見遣る。ビヨンド=ネテロ。ネテロの息子、らしい。

 あいつ子供いたんだ……教えてくれりゃーいいのに。なんか話せない事情でもあったのかな。

 

「そっちこそ『マジかよ』だぜ。親父に同年代の友人がいるとは聞いていたが……その若さ。ニトロ米を食っていやがるな? というか、オレにくん付けするヤツがいるのも驚きだ」

「アイザック……面倒いな、ネテロでいいよな。ネテロの息子なら俺にとってもガキみたいなもんだ」

「ちぃ、やり辛いのが相方になっちまったぜ」

 

 そう言いながら笑う様は、確かにネテロにそっくりだ。

 

『我々は暗黒大陸探検隊の総責任者として、適任者を擁立しましたホイ!』

「お、出番じゃん」

「んじゃお先に」

 

 ビヨンドくんが会場に出ていく。次は俺か……いやー、すげー人だな。カキン帝国って馬鹿でかい国だから、ハンターたちの前での演説の比じゃない緊張感だな。まー、俺から話すことはほぼ何もないけど。

 ビヨンドくんの紹介と演説が終わり、次は俺の番だ。

 

『続いて、ビヨンド氏により抜擢された(嘘)、暗黒大陸を知り尽くしたプロフェッショナル!(大嘘) 暗黒大陸への渡航経験を備え(微妙に嘘)、つい先日ビヨンド氏の父君、アイザック氏の後を継ぎハンター協会会長ともなった、天空闘技場の元チャンピオン……!』

 

 暗黒大陸を知り尽くしたは盛りすぎなんだよなぁ……

 ドライアイスの演出と共に、登壇する。アイドルかな?

 

『一部では神とも呼ばれる史上最強のハンター! ユータ氏でホイ!』

 

 紹介を受けて、観客に向けて手を振る。

 ……あれ、これ俺もなんか言っといた方がいい?

 じゃあちょっとだけ、テキトーにかましとくか。

 

『あー、暗黒大陸にはヤベー猛獣、モンスターもいっぱい居るんだわ。俺が連れてきちゃったヤツらみたいな、それよりもっと強いのがね。でもそいつらは絶対俺が狩るから、安心してくれ。暗黒大陸で生き延びてきた俺が言うんだから間違いねーよ』

 

 それだけで大歓声が起こる。

 おいおい、俺ってもしかして人気者?

 まー、その場のテンションに流されてるだけだろうけど。

 

 そんな感じに暗黒大陸進出の発表を終えると、アイチューベにアップされた動画は公開1時間で一億回以上再生されたそうだ。話題性はバッチリだな。

 

 ビヨンドは協専ハンター連中のところに行ったが、俺はホイコーロ国王主催のパーティーに参加することとなった。

 ヨークシンでも思ったが、スーツとかだりー。

 

 カキンは前世でいう中国っぽい文化らしく、パーティの席にはめちゃくちゃ美味そうな中華料理が並んでいた。中華とイタリアンって美味いよね……

 どれを食おうかなー、と悩んでいると、背後から強者の気配を感じ取る。振り返ると、良い体格をした屈強な男が立っていた。

 

「ユータ殿ですね」

「ベンジャミン第一王子。お会いできて光栄です」

「おやめ下さい、あなたほどの方がそのような。我々は対等なビジネスパートナーではありませんか」

 

 ベンジャミンくん……おっと、ベンジャミン殿はそう言ってくれる。王族って怖そうに思ったけど、器広いのかな。

 

「お会いできて光栄なのはこちらも同じです。天空闘技場での圧倒的な試合の数々。世界で指折りの武人であること、疑いようがありませぬ」

「ベンジャミン殿こそ、相当に鍛え上げられているようですね。さすがはカキン国軍の全権を掌握されている第一王子です」

 

 お互いを褒め称えながら、握手を交わす。

 ベンジャミン殿も念能力者のようで、握手し、オーラを接触させたことで、互いの力量を若干だが読み取る。円でない分、精度は落ちるがね。

 ベンジャミン殿は予想通りかなり鍛えているようだ。

 

「……! これほどとは……!」

 

 一方、ベンジャミン殿も俺の実力を感じ取ったらしい。

 

「感服しました。あなたが一緒であるなら、これ以上に心強いこともない」

「とんでもない。我々ハンター協会としても、貴国のような大国から得難い援助をいただき、深く感謝しております」

「是非に、今回の事業を成功させましょう」

「微力ながらお力添えさせていただきます」

 

 第一王子だけあり忙しいのか、ベンジャミン殿は失礼します、と別の来賓の下へ赴いていった。

 

 ……あー、つっかれる!

 なんだ今の喋り方!? 俺らしくなさ過ぎだろ、だっる!!

 一応、国の偉い人相手だからちょっと畏まった喋り方したけどさー、敬語合ってる? 不安だ。俺敬語苦手なんだよぉ。

 肩凝ったぁ……飯にしよ。

 と思っていたら、第三王子やら第七王子やら、複数人の王子たちからも話しかけられ、握手を求められる。

 

 う、うーん。早く帰りたい。

 

 

 

 

 

 

「馬鹿な……ハンター協会がカキンと協調して暗黒大陸への進出ですって!?」

「しかも()()ユータが会長!? ハンター協会は何を考えておるのだ!」

 

 先進5大陸のトップ、通称V5のトップ連中は議場で叫んでいた。

 

「おのれ……プロハンター故に四ヶ条に違反していなければハントできないと宣っておきながらこれか」

 

 V5は、ユータが会長に就任する前、彼が流した引退会見により触れられた暗黒大陸への渡航経験を暴露したことに関して、アンタッチャブルに触れたことによりユータのハントをハンター協会に依頼していた。

 しかし副会長のパリストンはハンター協会十ヶ条の四『ハンターたるもの同胞を標的にしてはならないただし甚だ悪質な犯罪行為に及んだ者に対してはその限りではない』という項目を振り翳し、これを拒否した。

 

 それに加えて、ハントどころか、今やユータが会長となったという。もはやV5がハンター協会を便利な駒として使うことはできないだろう。

 様々な支援を打ち切って脅すにしても、カキンとの結び付きが強まった今、カキンによる支援を受けるよう切り替わる結果になるだけだ。

 

 ただでさえカキンは国際条約にも批准しておらず、それによって行動を制限することはできない。最終的な手段として軍事的な介入も考えられている中で、武力に長けた組織であるハンター協会が完全にカキン側に付くとあっては、ハンター協会との敵対は得策ではない。

 

「引退会見で暗黒大陸渡航経験があることを仄めかしたのも、初渡航のカキンへの不信感を拭うためだったのかもしれないわね……渡航経験者がいるかで、信用度が全く変わってくる。移民希望者は予想よりも増えそうね」

「くそッ、好き勝手にやってくれる!」

 

 ドン、とテーブルを叩く音が響く。

 

「やはりカキンを受け入れV6という形を取るしかありませんね」

「ユータ……恐ろしい男だ。まさか初めから全てを計算していたのか……?」

 

 V5のトップらは頭脳派ユータという存在しない空想上の生物のことを考え、胃を痛めるのだった。

 

 また、その後日……

 ユータより「V6として受け入れどーも。暗黒大陸で採取できる資源のサンプルでーす」と抜かして送られてきたニトロ米の米袋を見て胃に穴を開けることになるのは、まだ彼らも与り知らぬことである。




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最終章です!
このまま完結まで一気に行きたいわね
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