モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった…   作:レイトントン

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第7話

 暗黒大陸に戻るまでの間、ネテロが念の訓練をしてくれることになった。ネテロ教官と呼んだ方が良いのだろうか。

 

「オマエさんはもう発の段階に至ってるから、纏くらいできると思うんだがなぁ」

 

 なんて言いつつ、纏とやらについて教えてくれた。俺の体から立ち昇るオーラ、つまりは生命エネルギーはこのままだと垂れ流しですぐヘトヘトになってしまう。だから、体の周りで循環させておく必要があるらしい。

 え、今まで俺って電気つけっぱなしみたいな状態だったの……? 電気代もったいねぇ……

 

 血液のように体を循環しているイメージが良いらしい。試しにやってみる。

 なんか……お湯みたいな温かい感じが体を巡っている。纏してると、ポカポカした気持ちになるの。

 

「やっぱ出来るんじゃねェか。元々念知ってんだろ? ジジイを揶揄うなよ、ユータ」

「いやいや、マジで知らないんだって。もっとおせーて」

「ったく……まあいいけどよ」

 

 オーラを閉じる絶、一気にオーラを爆発的に増加させる練。言われてやってみるけど、たしかにスムーズに出来過ぎてるような気はする。

 俺は自分が覚えの良い方だとは思わないので、なんか違和感があるのはマジだ。体に染みついた感覚を思い出してる的な?

 

「マジでこんなペースで出来てんなら、オマエさんは100万年に1人の天才だぜ」

「そんなに!?」

 

 おっかしいなあ……

 

「纏・絶・練・発。この四つが四大行っつって、念で最も重要な基礎だ。とりあえずコレをひたすら練習してりゃいい」

「了解。ありがとな」

 

 船に乗ってる間はすることもないので、ひたすらこの四つを繰り返してみることにした。

 纏や絶をしている間は瞑想に近い状態なのでちょっと苦手だ。

 

 逆に発は楽しい。指先に小さく球体状にオーラを集中させ、それを遠くに飛ばすというもの。

 紙飛行機飛ばしてるみたいで、色々工夫しがいがある。口からブレスを吐くのは先になりそうだがね。

 

 しかし、俺自身船の上で他に娯楽がないからとはいえ、こんな地道な修業が数週間も続けられるとは思わなかった。

 俺が念の修業を続けられたのは、ネテロの言うように随分と成果が出やすかったのがとても大きい。トントン拍子で物事が進んでくのは楽しいもんだ。

 

「ユータ、随分纏が滑らかになったんじゃないか?」

 

 とはベンの言葉だ。

 

「ベン……おまえ念のこと知ってたんなら教えてくれたってよかったじゃねぇかよ」

「纏が雑なだけで、知ってるものだと思ってたんだよ。あの箱が能力だろ?」

 

 ベンはどうやら、アイテムBOXを使っている様を見ていたから俺が念能力を知らないとは思いもしなかったらしい。

 そうだったのか……薄情者とか思ってごめんな……

 ベンの能力は何なのか教えて貰おうかと思ったが、ネテロ曰く能力は気軽に他人に教えるようなものではないそうなので、必要に迫られた時に聞くことにしよう。

 

 

 

 念能力の訓練を行いながらの船旅はやがて終わりを迎え、俺たちは暗黒大陸に出戻りすることになった。が、着岸早々にトラブルが発生する。

 

「ここどこぉ……?」

 

 そりゃそうだ。羅針盤もねぇ、海図もねぇ、オラこんな船嫌だ状態で海に出た俺たちに、出発地点に戻る航海技術などあろうはずがなかった。あるのは後悔技術だけだ。

 まずい。知らない道のガイドなんてできねぇぞ俺は。寧ろできるヤツいる? いねぇよなぁ!?

 俺はベンの方をチラ見する。ベンも引き攣った顔でなんとか笑みを浮かべていた。よし帰ろう。

 

「どうした、ユータ?」

 

 無理だった。俺たちの後ろには、暗黒大陸に初上陸し緊張と僅かな期待を抱いた3人がいる。

 どうしよう。正直に言った方がいいのかな、『俺たちが出発したとこと全然違うから案内できましぇん!!』って。

 いや、そうしたら別大陸への移動手段を失う可能性がある。それは避けたい。

 

「よ、よぉし……まずはあの山の——」

 

 天辺まで登るぞ!!

 高いところから見下ろせば道が分かるかもしれねぇからなぁ!!

 と適当な山を指さそうとしたところで、俺たち5人の前にモンスターが颯爽と現れる。あれは……

 

「ジンオウガか……!」

 

 か、カッコいい。さすが人気モンスターランキング1位だ。

 その体には既にバチバチと雷を纏わせている。超電雷光虫との共生関係により、莫大な雷のエネルギーを振るう雷狼竜は、既にこちらを見据えて臨戦態勢を取っている。

 

「あれが暗黒大陸の生物……!」

 

 俺は早速、アイテムBOXよりベリオロス素材の太刀を抜く。

 ネテロやジグ、リンネは緊張したままジンオウガと睨み合っている。しかし、その手には武器はないし、防具も着ていない。普通の服だ。

 

「早くおまえらも装備整えろよ。一狩り行こうぜ」

「装備……?」

「え?」

 

 何? こいつらまさか裸で挑むつもりなの? プロハンなの?

 だとすれば並ハンの俺から言えることは何もないが、でもせめて武器くらいは持とうぜ……

 

「ユータ、あの生物は危険なのか?」

「ああ、ジンオウガって言ってな。詳しいことは省くが、雷を纏っているし動きも素早い、強力なモンスターだ。あとカッコいい」

「最後の情報要らねぇよ」

「なんだとジグ! カッコいいだろうが!」

「カッコいいのは見りゃ分かるって」

「ジグ!!!」

 

 ジグと友情を深めつつ、俺はジンオウガの動きを注視する。今にも襲いかかってきそうだが、こちらを警戒しているようだな。

 

「いつ襲いかかってきてもおかしくない。早く武器だけでも——」

「先手必勝だぜ」

 

 話聞けよ、と思いながらも飛び出したネテロの方に目を向ける。そして信じ難いものを見た。

 

「百式観音」

 

 ネテロの背後に……巨大な、かつ無数の手を持つ観音様が出現した。

 

 え?

 

「壱乃掌」

 

 そのままネテロが腕を振り下ろすのに連動し、背後の巨大な観音様が手を振り下ろす。寸分違わずジンオウガの頭部にヒットし、ジンオウガは苦しげに吠える。

 

 え?

 

「ちっ、硬ぇな……ユータ、何をぼーっとしてんだ。一狩りすんだろ?」

 

 ネテロがこちらを向いてサムズアップすると、観音様も同じようにサムズアップしていた。

 

 えぇ……? 何コレぇ……?




閲覧・お気に入り・感想・評価・ここすき・誤字報告していただいた皆さん、ありがとうございます。

ちょっとずつしか返せてませんが、感想貰えてとても喜んでいます!
モンハンもHUNTER×HUNTERも把握しきれてない設定とかもあるみたいで勉強になります。
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