モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった…   作:レイトントン

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第74話

 ミラボレアスは、倒れてなお不気味な存在感を示していた。が、剥ぎ取りの最中も目を覚ますというホラー映画みたいな演出はなく、淡々と剥ぎ取りは行われた。

 ただ、そのあまりに圧倒的なオーラは死してなお留まり続ける。ある種の死後強まる念だろうか。

 ミラボレアス素材の武器を使って発狂した人とかもいるらしいし、なんか変なオーラを纏っているのかもしれない。

 結果、俺以外の誰も、ミラボレアスの亡骸のある無人島に近付けなかった。

 

 また、船に乗せるわけにもいかないので、素材を剥ぎ取った後の遺体は島に残す。

 より強いオーラを持つ俺が剥ぎ取ったためか、持っている素材にはパッと見オーラは残留していないようだが、ベンに渡すのは少し様子を見てからにしよう。

 

 ということで、俺は無人島で少しアイテムBOX内の食糧を摘んで休んでからブラックホエール号に戻った。

 

 一層の豪華客船、その甲板には、多くの人が集まっていた。

 中でも、流星教信者と思われる人たちが跪いて祈っているのは派手に目立つ。

 そんな中、クロロが立ってこちらに近づいてくる。今は流星教のトップはクロロだもんな。俺? 俺は神様役でいるだけだからな……

 

「ただいまー」

「お帰りなさいませ、ユータ様。鮮やかな狩猟、お見事でございました」

「あんがとあんがと。俺がいない間は異常なかった?」

「はい。あの神話の戦いを前に、海の生物たちも逃げ出してしまったようです」

「ははは。まー黒龍相手じゃそうもなるか」

 

 俺が離れている間にモンスターに襲われたりしなくてよかった。

 流星教信者や、戦闘の映像を見たという人たちの熱烈な歓迎を受けながら、俺はカキン国王であるホイコーロ氏のところに向かっていた。

 

「ユータ殿。あれだけ強力なモンスターの討伐、感謝に堪えないホイな」

「いえ、仕事ですからね。それより、苦戦して民を不安にさせてしまって申し訳ない」

 

 まだ暗黒大陸への渡航中だというのに、ラスボスが飛んできたような事態が起こってしまった。が、乗客はそんなこと分からないだろうから、暗黒大陸にはあのレベルのモンスターがごろごろいると思われても不思議じゃない。

 

「問題ないホイ。元々、ビヨンド氏とハンター協会の提案に乗って暗黒大陸手前の未開の大陸に一般人を降ろす計画だったホイ」

 

 そういやそうだったな……

 

「実際はどうホイ? あの黒龍は暗黒大陸では有象無象なのホイか?」

「いえ、そんなことはありません。アレは例外中の例外ですよ。アレのレベルがその辺にウロウロしているような場所があれば、ぜひお目にかかりたいですな」

 

 同格と格上だらけの大陸か。暗黒大陸は広そうだし、もしかしたらそんな場所もあるかもしれないな。

 

「ホッホッホ……安心したホイな。引き続きモンスターからの船の警護は任せるホイ」

「ええ、お任せを」

 

 いやー、偉い人と話すのってキンチョーするわ。国王との謁見を済ませ、退室しようとした時……ふと思い出す。

 そういや、すっかり忘れてたけど、ミラボレアスと戦う前ってカミーラ王子にも会ってたんだった。で、俺を僕にしたいだのなんだのと言っていたな。

 はわわ……ミラボレアスにテンション上がって挑みに行っちゃったけど、いきなり壁に穴開けてどっか行くってかなり無礼なんじゃないか?

 国王に今のうちに説明しておこう……

 

「あ、あのー」

「どうしたホイ?」

「いえ、実はカミーラ王子のことで……」

 

 事情を説明すると、ホイコーロ氏は穴を開けたことや、そのままミラボレアスのところへ飛んだことよりも、別なところに食いついた。

 

「カミーラがあなたを僕に? これは娘が失礼を」

「いえ、それは申し訳ないがお断りをしようと思っておりまして」

「ふむ。……なら、婚約ならどうでホイ?」

「えっ?」

「あなたほどの実力者の血をカキン王家に取り込めるなら、これ以上のことはないホイな。ましてカミーラは傲慢、かつ非常に我儘で……嫁の貰い手に困っていたでホイ」

 

 いやいやいや!

 全然知らん人といきなり結婚?

 無理だよぉ……

 

「重ね重ね申し訳ないですが、ご結婚の話もお受けできません」

「ふむ。まあ娘はワガママ放題だし、仕方ないホイな」

 

 ほっ……

 

「ツベッパにタイソン、カチョウやフウゲツ、モモゼはどうホイか?」

 

 いや相手の問題じゃねーのよ!

 政略結婚は嫌じゃ……というか恋愛結婚も俺にはできない……寿命が違いすぎるからな……

 

 とりあえず話は断って退室し、カミーラ王子のところに謝罪に行った。

 

「全く、私を放ってモンスターを狩りに行くなんて。普通の人間なら処刑ものよ」

「緊急事態だったもので、申し訳ない」

「まあ、いいわ。許してあげる」

 

 意外にも、カミーラ王子はあっさりと俺を許した。

 

「あなたは私の僕で収まる存在じゃないってことを目の当たりにしたわ。精々、暗黒大陸でも私のためにモンスターを狩ってちょうだい」

「ありがとうございます、カミーラ王子」

「……あと、もし私の前にモンスターが出たらあなたを呼んであげるわ。頭の中で呼びかければいいのよね? その時はお願いね」

「そういうことでしたらお任せを。私はモンスターを狩る者。ハンターですので」

 

 ふん、とカミーラは頬杖を突いてそっぽを向いた。

 

 

 

 

 

 

 暗黒大陸の手前にある、未開拓の大陸。そこに一般乗客を降ろし、俺たちハンター協会やビヨンドなど、暗黒大陸を冒険するメンバーが船には残り、再び出航する。

 ブラックホエール号ではない。あれだけ巨大な船には20万人もの人が収容できたが、実際に暗黒大陸に向かう人は1000人にも満たない。

 

 別の船に乗り換え、暗黒大陸へ進んでいく。

 やはりというか、暗黒大陸に近付くほど、強いモンスターが増えてくる。一度、ナバルデウスに襲撃された時は船が沈むんじゃねーかとヒヤヒヤさせられた。

 

 が、円に加えオーラの放出で水中での動きもかなり軽快になったため、苦戦することなく倒すことができた。

 

 また、シーハンターたちに道中のハントを任せることも度々あった。

 モラウと、友人のグラチャンというハンターは海を知っている男たちで、モラウは煙を船にして、グラチャンは雨の日のみ発動する能力『TUBE(イナムラ)』を使い、ボードと銛を具現化して戦った。

 が、ボードの方は巨大な波を起こせるなど強力な能力を持つのに対し、銛の方は単なる具現化された武器のようで大した火力はなかった。まして、モンスター相手には通らないことも多々ある。

 そんな時は俺が武器を貸してやることで火力をなんとかして、シーハンターたちは海のモンスターたちと戦った。

 

 ただ、暗黒大陸産のモンスターは人類領域のモンスターより強いからな。かなり苦戦を強いられていた。

 俺も手助けをしつつ、モラウたちや、他のハンターたちの育成を行いながら、遂に辿り着いた。

 

 懐かしき暗黒大陸に。




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ミラボレアスと戦った無人島には、その後誰も近付かんかったそうな……
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