モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった…   作:レイトントン

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第8話

 何コレぇ? という疑問は尽きないが、取り敢えず今は目の前のジンオウガだ。俺とネテロ、ジグ、リンネの4人で連携して追い詰めていく。ベンは加工屋が本業だから下がっている。

 

 ジグが動くと、ゆったりした動きにも関わらず何人もに分かれて見えてきた。え、分身の術……?

 そのままベンズナイフでジンオウガを斬り付けていく。よかった。さっきの足運びは気になるが、ネテロと比べればまだハンターらしい戦い方だ。

 

 しかし、そこは流石、既に超帯電状態のジンオウガ。ジグや俺たち全員を巻き込むように、尻尾を振って攻撃してくる。想定外の速さだったのか、リンネが攻撃を貰ってしまう。

 

 弾き飛ばされ、血反吐を吐くリンネ。結構な深手だ。

 

「リンネ!」

「まずいな、手当をする暇がない……!」

 

 見たところ致命傷ってわけじゃないが、ピヨってるっぽいな。

 

「オッケ、じゃあ取り敢えず粉塵撒くわ」

「え?」

 

 俺はお手製の生命の粉塵を撒く。不死虫(っぽい白い虫)とアオキノコ(っぽい青いキノコ)をまじぇまじぇしたものだ。回復効果があるのは自分の身で実験済み。

 ばさ、と袋に入れておいた薬が空中に散布され、主にリンネの方に気持ち多めに粉が舞う。

 

 やがてリンネはまだ苦痛が残ってはいるようだが、なんとか傷が塞がり血反吐が止まった。

 

「は?」

「え?」

「うん?」

 

 ネテロとジグが何故だかビックリしている。いや、前々。ジンオウガ来てるって。

 ネテロはそれを謎の観音様で迎撃する。だから何なんだよそれは!!

 

「あれ、私……」

 

 おっと。こっちはこっちで、リンネが意識を取り戻したようだ。

 

「粉塵の回復量じゃ全快しないだろうから、回復薬飲んどけよ。俺引きつけとくわ」

「回復薬……?」

「え……忘れてきたの……? そんなことある……?」

 

 古のホットドリンクやらクーラードリンクならともかく、回復薬忘れんなよ!!

 まあ、忘れたもんは仕方ない。ポイ、と瓶詰めした回復薬グレートを投げ渡し、ジンオウガの方へ向かう。

 ネテロのこれは相変わらず意味が分からんが、使えるものは使うか。俺は観音様の体を駆け上がり、跳び上がるとジンオウガに向けて兜割りを放つ。

 

 ネテロとジグがだいぶ削ってくれていたようで、俺の技がトドメとなった。

 

「ナイスナイス」

 

 ネテロたちとハイタッチを交わす。

 ただ、皆釈然としない様子だ。それは俺もだけど。

 

「ユータ……幾つか聞きたいんだが」

「ああ、実は俺もだ……」

 

「あの粉なんなんだよ!!」

「あの観音様なんなんだよ!!」

 

 ということで、暗黒大陸着岸直後にして緊急会議が行われることになった。

 

「まずオレから聞かせてくれ。もしかしてユータは、リンネのために暗黒大陸のお宝を使ってくれたのか?」

「はん?」

「とぼけんなよ。空気中に撒くだけで周囲の人間の怪我を癒す。そんなもん『新大陸紀行』にも記述がなかったぜ」

「いや……ただの生命の粉塵だけど……」

 

 そんなレアアイテムってわけでもなくね……?

 

「生命の粉塵って言うのか、アレは。暗黒大陸で手に入れたいものが増えたな」

「いや調合すればいいだろ」

 

 俺が素材さえあれば粉塵が調合できる旨を伝えると、リンネとジグがひっくり返った。

 

「そ、素材が超希少とか……」

「不死虫はちっこいから探しづらいくらいでその辺に生息してるし、アオキノコもその辺に生えてるぞ」

「えぇ……」

 

 そっか、ならいっぱい集めよ……となんだか空笑いしながらリンネが呟いた。

 今度はこっちが質問する番だ。

 

「あの観音様はなんだよ!! おかしいだろ!!」

「ネテロは念能力者の中でも規格外だからな……気持ちは分かるぜ」

「そういうことじゃねぇ……」

 

 ネテロが言うには、あれがネテロの持つ念能力、『百式観音』らしい。

 いくらなんでも狩技とかそういう次元じゃないだろアレは。

 こいつらジンオウガのことも知らないっぽいし、回復薬のことも知らないし。ハンターじゃないのか……?

 

「なあ、ネテロたちってハンターじゃないのか?」

「いや? ハンターだぜ、オレたちは」

 

 ほなハンターか……

 

「じゃあクエスト受けたりするだろ? ギルドからの依頼でさ」

「クエスト、ギルド……? 何のことだ?」

「!?!!??!??」

 

 はぁ!?

 ちょ、待て待て待て。理解が追いつかない。

 ハンターズギルドをご存知ない……? ハンターなのに……?

 

「あ、あの……参考までに。あなたにとってハンターとは?」

「なんのインタビューだよ……」

 

 と言いつつ、ネテロは答えてくれた。

 財宝やら幻獣やら遺跡やら美食やら、そういった未知の物事を追い求める人たちの総称らしい。

 モンスターを狩る人ちゃうんか……

 

 え? え?

 それってもしかして……この人たち、ハンターはハンターでも『モンスターハンター』じゃない……ってコト!?

 

 そんな現実を突き付けられた俺は……俺は……

 

「ゆ、ユータ!?」

 

 泡を吹いて倒れた。

 

 

 

 

 整理しよう。

 俺はてっきりここがモンスターハンターの世界だと思っていたが、どうにもそれは正確じゃないらしい。

 ただ、先のジンオウガはじめモンハンのモンスターがこの世界に息衝いているのも事実。

 

 ではこの世界はなんなのか?

 

 思い付いた可能性は2つある。

 

①モンスターハンターの外伝作品

 プレイしたことはないが、ぽかぽかアイルー村だのモンスターハンターストーリーズだのという言葉は聞いたことがある。

 モンハンのモンスターが出現するのも頷けようというものだ。

 

②ソシャゲか何かの世界

 ソシャゲ等でままあるのが、他作品とのコラボだ。モンハンとコラボした結果、モンスターが世界に放たれたという可能性。

 個人的にはこっちの方が可能性が高いような気がする。外伝作品って言っても、本家にあるハンターという役職と名前を被らせるような真似はしないと思うからだ。

 

「まじかぁ……いや、別に構わないんだけどね……」

 

 も、モンスターがいるのは事実だし……楽しく狩りもできるし……私は一向に構わんよ? ほんとだよ?

 ただ、それが事実だった場合、俺の行動は迂闊にすぎるな。完全に世界の異物ムーブかましとるがな。

 

 ネテロたちにも不審がられているだろうし、ミスったな。

 

 まあいい、過ぎてしまったことは仕方ない。今後どうするかが大事だ。

 泡吹いて倒れた俺は、しばらくした後何事もなかったかのように立ち上がっていた。

 

「ネテロ。俺はどうも大きな勘違いをしていたようだ。正直、このままこの大陸を調査するのは危険に過ぎる」

「そりゃあ、オレたちが実力不足ってことか?」

「いや、そうじゃない。不足しているのは装備だ」

 

 回復アイテムもねぇ、防具もねぇし武器もねぇ。そんな状態でハンター(モンハンのね)でもない人間をモンスターがひしめく場所に置いておくわけにはいかない。

 

「まあ……実際見た方が早いか。とりあえずあの山の上、登ってみるか」

 

 俺たちは山の上に登り、遥か遠くのその光景を目の当たりにした。

 

 原生の超巨大生物たちと、ゾラ・マグダラオスやダラ・アマデュラがバチバチに喧嘩し合っているのを……

 

「デカすぎんだろ……」

 

 ネテロたちも恐々としているようだ。なんなら、喧嘩の余波で突風がここまで届くようなレベルだからな。

 

「防具があってもただじゃ済まないかもしれない環境だ。防具やアイテムなしのおまえらを連れ歩くつもりはない」

「だからオレには防具貸してくれてたのか……」

 

 ベンは囚人ってことだったので、防具なんか持ってるはずなかったからな。

 

「分かったら皆でお家に帰ろう!」

「ちぃ……ここまで来て、って話ではあるが、装備が心許ないのは一理あるな。仕方ねぇ、ここは退くか」

 

 ネテロたちも分かってくれたようだ。このまま俺たちは元来た道を引き返し、船に乗って彼らの大陸まで戻ることを決める。

 

 

 

 しかし、トラブルってのは突然起こるもの。

 結論から言うと、この後、俺だけは船に乗ることができなかった。




閲覧・お気に入り・感想・評価・ここすき・誤字報告していただいた皆さん、ありがとうございます。

相変わらず感想返しきれてないけど、貰えるのは嬉しいしありがたすぎるぜぇ
自分のペースで返してくんでよろしくぅ
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