「ふうむ……」
ワンはスパイのアジトにて小さく唸る。
「ワン先輩。いかがですか?」
「やはり隙がないな。高飛車瑚には心を開いているようだが」
「はい……。というかマイク越しに凄い響きますね。おほほ~って」
「そうだな」
テンがワンの隣で銀髪の髪を掬って、耳にかける。
「ワン先輩はどう懲らしめるおつもりですか?」
「別に懲らしめるつもりはないが」
「上官にも言われたかと思いますけど、雷鳴美語呂は非常に危険なんです」
「ほお。なぜだ?」
ワンは首を傾げる。聞いた限りでは危ないところはなさそうではあるが……。
「雷鳴美語呂は雷使い。何ボルトまでかは把握出来ていません。そして彼女は一度感情的になると……」
テンは指でジグザグを描く。
「や~~ばいんです」
「そうか」
ワンは至ってクール。その物怖じしない様子を見たテンはそれこそ雷を浴びた衝撃を受けてクラッとする。
「はああ……。ワン先輩素敵……!」
「大丈夫か?」
ワンがそう言うと、
「ひゃ、ひゃい……。大丈夫でしゅう……」
とテンちゃんが大丈夫そうではない声で言う。まあ、本人が言うなら大丈夫っしょ!
「そうか。この後高飛車瑚と落ち合う手筈になっている。お前も来るか?」
「はい! 行かせていただきます!」
テンちゃんいいお返事。
「お邪魔様との情報収集ですよね!」
ん? お邪魔様? お嬢様ですよテンちゃん。本音漏れてるう~。
そんな可愛いテンちゃんにワンは1つコクリと頷くとすぐさま出かける準備を始めようと席を立った。
「では準備が整い次第出るぞ」
「はい!」
ものの数分で2人は準備を整え、アジトを発つのであった。
「う~ん。これとあれと……」
サウザンドはアジトにて、任務の整理を行っていた。ちょっぴりペースはゆっくりめだ。やれば出来る娘ではあるぞよ。
「これはテンちゃんで~、こっちはハンドレッドちゃんで~」
サウザンドがほいほいっと端末を操作しながら書類を机の上に並べていると、ポーンと音がする。誰か来たようだ。
「お疲れ様です上官」
「あ、ツーちゃん。おっつー」
「今日はその感じなんですね」
ツーと呼ばれたのはタキシード姿のすらりとした長身のイケメン優男だ。ツーはサウザンドちゃんの振るまいに微笑を浮かべる。
「任務完了の報告をしにきました」
ツーはつかつかとサウザンドちゃんのところへと歩み寄る。
「ご苦労さまーぼーなすー」
「お手伝いしましょうか?」
ツーの申し出にサウザンドちゃんは首をゆっくり横に振った。
「うにゃ。それじゃ上官の面子ズタボロっしょ~」
「そうですか」
ツーは、ふう、とため息を1つついた。
「他のスパイの様子はいかがでしょうか? 特に……異能力者の任務について」
「ありゃま。やっぱ気になる系~?」
「それはもちろん」
「大丈夫だよ~、ワンちゃんに頼んだからね~」
「彼に?」
「うん~、ツーちゃんは任務中だったもんで知らせるの遅くなっちゃった~メンゴメンゴ」
「いえ、構いませんよ。……そうですか。彼が」
「久しぶりに会いたいんじゃな~い?」
「そうですね……。ただやはり緊張はします」
「え~? そうなの? 全然そうは見えないんだけど~」
「スパイとして仮面を被ってますから」
「さっすがーこのこの~」
「茶化さないでください」
「んじゃー、ツーちゃん。悪いけどお茶入れてくれる? ついでにお菓子も!」
「分かりました」
サウザンドちゃんとツーはアジトで任務の整理&お茶の時間を過ごすのであった。まったりっていいね~。
スパイサイドだ~。ツーも登場だ~。まったりっていいですね~。