ワンはスパイのアジトを訪れていた。サウザンドに呼び出されたのだ。
「ワン、急に呼び出してめんご」
あれ? サウザンドちゃんか?
「いえ、問題ありません。用件は何でしょうか?」
ワンは淡々と尋ねる。
「ウム。まずは高飛車瑚についてだが……。上手く籠絡したようだな」
サウザンドはニヤリとする。ワンは小さく首を振った。
「別に操っているわけではありませんが……協力してくれるようです」
「そいつはありがたいな。なんせ次のターゲットは……情報を操作しているのだろう?」
「ええ……。非常に厄介です」
情報は異能バトルにおいて生命線と言ってもいいくらい重要である。その情報を次のターゲットは意図的に隠しているのだ。凄えな。
「電気系統の異能力者、というのは本当に手強いよね~~」
サウザンドちゃん出てますよ~~。
「はい。そこで高飛車瑚にある依頼をしました」
ワンがコクリと頷いて言うと、
「え~~? 何何? あ~んな可愛いおにゃのこにワンちゃんは何をダイレクトオーダーしたんだ~い?」
もう完全にサウザンドちゃん出ちゃってるぞい。
「流行ってるんですか? それ?」
まさかここでもダイレクトオーダーがって感じだ。
「え~。普通言わないの~~?」
普通とは? ワンは首を傾げる。
「あまり言わないですね。依頼内容はターゲットの簡単な情報収集です」
「へー。車瑚ちゃんは次のターゲットちゃんとなかよぴなの?」
「なかよぴらしいですね」
なかよぴについてはそのままいくんすね。
「そっか~。じゃあ車瑚ちゃんに期待ビッグビッグだね!」
「そうですね」
サウザンドちゃんはグッと親指を立てて、ワンはスマートに頷いた。
「お~ほっほっほ!」
通学路。高飛車瑚は陽だまりの下で今日も元気におほほっていた。
「あら高飛様。ご機嫌ようですわ~~」
「高飛様。本日もお麗しいですわ~~」
ご学友のお嬢様達が優雅に朝のご挨拶。それに対して車瑚は、デコ扇子をバサッと広げ、ニコリとする。
「ご機嫌ようですわ~~~~~~! テンキューですわ~~~~~~!」
「まあ、本日は一段と気合いが入っておられるご様子」
「逞しいですわ~~」
ご学友達はおほほ~と囃し立てる。
車瑚はデコ団扇をパサパサとはためかせた。
「それには理由がございましてよ~~」
「まあ、それは何でございましょう?」
「気になりますわ~~」
ご学友達はですわですわと車瑚の両隣にくっつく。
「おーほっほっほ! いいですわ~教えて差し上げますわ~~。実は私のマブダチとダブチランチの約束をしているのですわ~~~~~~!」
ダブチランチとは?
「まあ、高飛様。またバクつきますの?」
「勇猛果敢ですわ~~!」
ご学友達は、驚き、お目々キラキラですわ~~。
「おーほっほっほ! って事で今日も一日シクヨロですわ~~~~~~!」
「よろしくお願いしますわ~~」
「素敵ですわ~~」
車瑚は理解のあるご学友達とおほほ~で、ですわ~な朝を過ごしていた。
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。第2章始まります。