俺、ツインテールになります。 The Another Red Hero 作:IMBEL
それから光太郎はいつ変身を解き、荷物を回収したのかすら思い出せなかった。今、光太郎はアパートの目の前にいるが、そこまでの道のりをどうやって移動したのか、何もかもを覚えていなかった。
いったいどうやって帰ったのだろうか?歩いて帰ったのだろうか、あるいは電車に乗ったのか、それともタクシーでも止めたのだろうか?
…でも、そんなことはどうでもよかった。光太郎はそっと制服のポケットを探り、悩みの元凶であるベルトを取り出した。それをじっと見つめながら、ため息をついた。
(ああ、俺、これからどうしたらいいんだろう…)
俺の心の中ではそればかりを考えている。このベルトが手元にあるということはあれが夢なんかじゃなかったということ。
変身アイテムがベルト、そのことから絶対に男の変身ヒーローだという確信で飛び出して、ノリノリでツインテールの女の子の助けに入った訳だけれども、まさか自分自身がツインテールになっているなんて。…こんな事、想像できるわけがないだろう。
しかも、俺が変身した女の子の姿はよりによってツインテール。あの赤毛色の女の子より数段劣るかもしれないけれど、大変綺麗なツインテールだった。あの柔らかな毛並に着色料を使っていない天然ものの色使い、そして女体化したことによる顔の変化。どこか平凡じみていた俺の顔は、その面影すらない美少女として生まれ変わってしまっていた。幸いにも変身が解かれた今は髪も顔も全てが元通りに戻ってくれたけれど、あんな体験をしてしまった以上、落ち着くことはできなかった。俺の精神とかに異常はないだろうな? これを機にオカマとかに目覚めたら洒落にならないぞ…。
それに頭痛の種はまだまだある。正体はばれていないだろうかとか、あいつらはまた来るのだろうかとか、このベルトを作ったレイチェルは何者なのだとか。
はあ、ともう一度ため息をついて、俺は階段の上り、アパートの鍵を開け、扉を引いた。とりあえずは心を落ち着かせて、事態を整理しなくては。
「あ、おかえりなさーい」
その聞き覚えのある声にピタッと体が止まった。そして、ぎぎぎと錆びた歯車の如く首を回してリビングを見る。
そこには俺にベルトを託した少女、レイチェルが座布団に座りながら茶を飲み、呑気にくつろいでいる姿が見えた。
「ええと…何してんの、てめぇ?」
恐ろしげなトーンで俺はレイチェルにそう吐き捨てた。なんでお前がここにいるのだとか、住所はどうやって知ったのだとか、鍵をどうやってこじ開けたんだとか、聞きたいことが色々あったが、きっとそれらの疑問が全てこの一言に集約されているだろう。多分、今の俺の顔は絶対にお茶の間に流してはいけないような恐ろしい顔になっているに違いない。
「それはこっちのセリフよ、いろいろ説明したかったのに勝手に帰っちゃって。でも良かったわよー、初陣にしては結構な活躍をしたし、何よりも素手だけで戦ってたというのがまた」
「そういうことを聞いているんじゃねーんだよ!!」
手元の電子機器を動かして先ほどの戦闘映像を見せてくるレイチェルに、俺は怒りに駆られ、背負っていた通学カバンを壁に叩きつけて詰め寄った。
「お前、どっから入ってきた!? それで何我が家のような感覚でくつろいでんだてめぇは! ここは俺の家だぞ!!」
「えーと、あんたのカバンの中に入っている生徒手帳? っていうやつからここの住所は確認できたわ。カギはまあ、私お手製の秘密の道具でちゃちゃっと開けて…」
「ふざけんなよ、お前!!」
もう腹が立った。俺が人生最大クラスの悩みを抱えているこの状況で、それの大半の原因を占めているこいつが呑気に俺の家に上がり込んで茶を飲んでいることにだ。こいつに他人家に不法侵入するなという常識はないのか!?
「なんだあのベルト! 変身して女になるだなんて聞いていないぞ!!」
「だからその説明をする前にあんたが勝手に飛び出しちゃったんじゃ…」
「それに! なんで! よりによってツインテールの女の子になるんだよ!!」
「ちょ、ちょっと待ってよ。一つ一つ説明するから…それに、あんたのツインテール姿、結構似合ってて可愛かったわよ。 男であそこまでツインテールが似合う奴はなかなか」
「女になったことを褒められても嬉しくもなんともねえぞ!」
パッと笑顔になるレイチェルに腹が立つが、ギリギリと痛む心を擦りながら、俺は床に座る。ここで下手に騒いで、ご近所の注意を集めるようなことは避けたい。引っ越してからまだ数日しか経っていないのに、下手な注目は浴びたくはない。
「まあまあ、お茶でも飲んで落ち着いてよ」
どこから取り出したのか、急須と湯呑みを俺の前に置き、慣れた手つきで注ぐ。…それ本当は俺がお前にやることなんだけどな。俺がお客様みたいになっているじゃないか。
「落ち着いた?」
「…おう」
胃の中に熱々のお茶が流れる感覚をしっかりと感じ、気分が落ち着くのをしっかりと確認する。そして湯呑みをテーブルに置き、質問へと移った。
「じゃあ、まず一つ目の質問。どうして変身すると女になるんだ?」
その質問にはレイチェルは待っていましたと言わんばかりの顔をする。ちくしょう、随分と嬉しそうな顔しやがって。
「まあ、理由なんていくらでもあるわ。身元バレを防ぐのもあるし、女の姿で敵を油断させるっていうのもある。それに男の姿だと急所への攻撃ですぐやられちゃうから、それを防ぐためっていうのもあるわね」
おお、なんかそれっぽい理由だ。確かに身元バレはヒーローにとっての死活問題だからな。それ対策っていうのは非常に納得がいく。声が変わる理由、あれも一種の身元バレ対策なのか。
「それにね」
「それに?」
「それに、あんたが女の子になっちゃう一番の理由はね……私の趣味なのよ!!」
くわっと目を見開いて熱弁するレイチェルに俺は湯呑みの中にある熱々のお茶を彼女にぶっかけたい衝動に駆られたが、ギリギリのところで踏みとどまる。せっかく女の姿になることへの理由にそれなりの納得をしていたのに、その一言で全てが台無しになってしまった。
「だって、むさ苦しい男が戦ったって、ねぇ? 絵にならないっていうか、興奮しないっていうか…やっぱり戦士は可愛い女の子でなきゃ面白くないわよ」
「お前、全世界のヒーローマニアを敵に回すような発言をするなよ!」
だん!と拳をテーブルに叩きつけて叫ぶ。勿体ぶった言い方をしたからもっと重要な何かがあると思ったのに、結局の所は趣味なのかよ! やっぱり科学者の思考というものはどこか子供じみていて、オタクっぽくて、変な風にできているのかもしれない。
「あー、真面目に考えていた自分が馬鹿みたいに思えてきた」
「あらそう? でもあんただってツインテールになれて嬉しかったんじゃない?」
その質問に俺は答えずに黙ってお茶を口に含んだ。…本当はちょっと、ほんのちょっとだけ嬉しかったのは秘密だ。
いくら俺がツインテールが好きだからといって、男の俺がツインテールになれる訳じゃない。いくら髪を伸ばしてそれを結わえたところで、それはツインテールじゃない。あくまでも「ツインテールに似た何か」であり「ツインテール」ではないのだ。ツインテールは女の子がするからツインテールと言えるのだ。
男と女。この性別という名の壁が、俺を本当のツインテールから遠ざけていた。でも、このベルトはその最大の壁を容易く超えてしまったのだ。骨格も、声も、顔も全てがツインテールに似合うものへと変化してしまう夢のようなアイテム。女になるという羞恥心を差し引いても、ツインテールになれるということはメリットはあると思う。戦う相手があいつらみたいな変態じゃなければ。
「まあ、正体バレについてはそんなに心配しなくても大丈夫よ。あんたの場合は外見からガラッと変わるし、戦闘中に纏っている空想装甲(テイルギア)の首元にはフォトンサークルっていう認識攪乱装置がついているんだから」
「認識…?」
「早い話があんたをあんただって見抜けなくする装置よ。多分、あんたの実の親でも見抜けなくなるわ」
おお、なんて分かりやすい。小首を傾げた俺にレイチェルが噛み砕いて説明してくれた。そんな俺を見て、「今度からは難しい話は無しにするわ」とレイチェルは呟いた。
とりあえず話をまとめると、身元バレの心配はほとんどしなくてもいいのだそうだ。俺が纏うテイルギアは各パーツが相当な硬さを誇る金属でできているらしく、その上にフォトンアブソーバーという精神エネルギーの防護膜が全身に張られているので、生半可な攻撃ではびくともしない。そのおかげで首の装置が戦闘中に壊れる心配がないのだそうだ。ただし、変身する時と解除する時だけは注意してくれと言われ、少なくとも今日みたいにどこで変身解除したのか分からないなんてことは絶対に起こすなと念入りに指導を受けた。
もしこの場にいる以外の誰かにばれたりしたら…そんなことは考えたくないし、他の人間も知りたくはないだろう。
「じゃあ、次の質問にいくぞ。…これを作れるお前は何者なんだ?」
テーブルの上にベルトを置き、とんとんと指でタップする。
「こんな物、今の技術で作れるとは思えない。お前がいくら天才だからって、それで説明できる領域を遥かに超えているぞ。…こんなもの作れるお前は何なんだ?」
性別を変えたり、精神エネルギーがどうたらこうたらとか、一つでも漏れたら世界中が大騒ぎになるに決まっているほどのオーバーテクノロジーがこのベルトには詰まっている。こんなものを作れるこいつは何者なんだ? ついでに言えばあの間抜けな侵略者…アルティメギルって言ったっけ? あいつらの説明も欲しい。
「そうね…話は少し長くなるわ。だからできるだけ分かりやすく説明する、いい?」
俺は無言で頷いた。少なくとも、レイチェルの表情から、それは軽い話じゃなさそうだということが分かったからだ。
※
侵略者アルティメギルの秘密基地。それは空とも海とも大地ともいえぬ異空間に存在していた。少なくとも、人間の技術では見つけられないような所にそれはあった。
その基地では、先鋒部隊が壊滅したという知らせを受け、上から下まで大変な騒ぎになっていた。
事前の情報と違う、そのことが多くの怪物、エレメリアンへと波紋を広めていたのだ。この世界は文明レベルこそ小さいが、精神エネルギー『属性力』が高い世界。それは念入りに行った事前調査でも明らかだったはず。
精神エネルギーを糧として生きるエレメリアンにとってまさに理想的な狩場とも言える世界だった。
それが先鋒部隊として送り込まれたリザドギルティと戦闘員(アルティノイド)数十人が1日もしない内に倒された。しかも、たった2人の人間の手によって。
大ホールではてんやわんやの大騒ぎだった。我々が知らない何か大きな力をあいつらは隠し持っているのではないか、同胞に裏切り者がいるのではないか。予想外の展開に誰もが怯え、騒いでいた。
「静まれい!」
その騒ぎを一人のエレメリアンが一喝する。その声で、騒乱が水を打ったように静まる。
「ド、ドラグギルディ隊長」
一人のエレメリアンが騒ぎを治めた戦士の名を呟く。ドラグギルディ、そう呼ばれた怪人は周りの物とは一線を超すような闘気を纏いながら立ち上がった。
「リザドギルディは奴ら人間の手によって倒された。これは間違いではない」
その言葉にざわざわと他の怪人が騒ぎ出すが、机を叩いて黙らせる。
これが証拠だ、と呟いて前方モニターに映像を映らせた。そこには変身した総二、テイルレッドがリザドギルディと戦う映像が流れる。
おおおお、と一斉に感嘆の声が上がった。
「あのような美しいツインテールの持ち主にやられたのか…」
「何という美しさよ…あれがこの星の守護神か」
すると次はテイルレッドの各方面から映し出された姿が映った。それにまた怪人は歓声を上げる。
「このような幼子が」
「可愛くて強いとな」
「ううむ…名前はテイルレッドというらしい」
「何歳くらいなのだ?」
「二桁はいっていないだろう、確認できる背丈から見て…一桁だろうな」
「ほほう、それはそれは」
「一桁といえばようやくランドセルを背負うことのできる年代ですぞ」
「ランドセルですか、また想像が進みますな」
「いや、まだ幼稚園児という可能性も捨てきれんぞ」
…何といえばいいのか、途中から単なるオタク同士の会話になっている気がするが、そのような会話にドラグギルディは満足そうに頷く。やはり彼らは自分と同じ戦士だ。この戦士を前に臆してなどいなかった。むしろこの戦士をもっと知りたいと、そう思っている。感無量と言わんばかりにドラグギルディは胸を震わせた。
「では、次の戦士に映る」
パッと映像が変わると、今度はテイルレッドから光太郎が変身した姿が映る。するとあんなに騒いでいたエレメリアンたちは嘘のようにシーンと黙ってしまった。
「…隊長、こいつはなんていうのですか?」
「それが…分からんのだ。リザドギルディはこいつに名前を聞く前に逝ってしまったからな」
誰かが勇気を出して質問したが、ううむとドラグギルディもそう唸るしかなかった。
何せ、こいつに関する情報があまりにも少ない。名前も不明、口調や仕草もどんな能力を持つのかも不明、テイルレッドとの関係も不明…。分からないことだらけで、話が膨らまないのだ。一応、リザドギルディを拳一つで吹っ飛ばす、戦闘員相手に悠々に立ち回ることができるなど、身体能力はテイルレッドと同格ではあるのだが…。
「でも、姿はどこかテイルレッドに似てますよね。家族なんでしょうか?」
「「「!?」」」
どのエレメリアンが言ったか分からないが、その一言で彼らの燃料に火が点いた。
「うおおお、まさかの姉妹戦士だと!?」
「いや、姉妹と決まった訳ではないぞ! 母親という関係もありえなくも無い」
「まさかの母親!? それなら人妻という可能性も無くは無いよな?」
「人妻で戦士とは、まさに私の理想…」
「いや裏をかいて、彼女が妹ということは?」
「なにぃ、テイルレッドが彼女のお姉さん!? その発想はなかったぞ!」
「いや、未来から来たテイルレッド自身という可能性もあるのでは」
もう馬鹿ばかりである。どいつもこいつも潔いのかなんていうのか。
結局の所、会議は大成功を収めた。その結果「この世界の侵略をしばらく続けてみる」という満場一致の意見で幕を閉じた。皆心は決まっているとばかりに満面の笑みを浮かべていた。
彼らの名はアルティメギル。世界を超越し、人類に仇なす非情な侵略者…と、一応認識されている。
※
つまり、分かりやすく噛み砕くとこういうことになるのだろうか?
簡潔にいうと、レイチェルはこの世界ではなく、並行世界…SFでよく使われるような世界から来たらしい。無数に分岐した世界、俺たちが暮らす世界と限りなく似て、でもどこか違う世界。近くて遠い、そんな世界の住民だったらしい。そんな世界の住民はあるひとつの革新的な技術で、飛躍的な発展を遂げた。
それが『属性力』。俺の変身ベルト『テイルドライバー』にもその属性力が使われており、まさしくオーバーテクノロジーの結晶とも呼ぶべき技術。
属性力とは、人間のある事物に対する感情の高ぶり、情熱や興奮、愛着といった思い入れに相当する…所謂心の力。それを原料にすることで、エネルギー問題を解決してしまう程の莫大なエネルギー変換技術を生み出したのだ。
その中でも俺のベルトの中にある『ツインテール属性』は不思議なことに、全属性力の中でも、最大級のエネルギーを持つ属性らしい。
人の好みや職業、価値観、ありとあらゆるものに属性力は存在し、それを糧とすることでレイチェルたちの世界の人類は驚異的なスピードで文明を築いていく。
だが、ここに一つの侵略者がやってくる。その名もアルティメギル。彼らは属性力を糧とする生物で、奴らの手によって、レイチェルの世界は侵略されてしまったのだ。
全ての属性力を食い尽くし、レイチェルの世界を無機質な物へ変えてしまった彼らが次に選んだのはこの星、地球。即ち俺たちの世界ってことだった。
この星を故郷の二の前にすることだけは絶対に阻止する。それだけの為に、レイチェルは奴らに対抗できる武器…テイルドライバーを作り、その適合者をこの世界で探していたらしい。
「そしてその適合者が俺だった…って訳か」
「そうよ」
レイチェルの身の上話が終わった。外はすっかり夕闇に包まれ、それが部屋にも漏れてくる。熱々だった湯呑みの中のお茶はすっかりと冷め、どれだけ長い会話だったのか、という実感が今更ながら湧いた。
「その…レイチェルのご両親は」
「生きているわ。…でも、あれを果たして生きているって分類していいのかしら」
遠い目をして、レイチェルはそう言った。文字通り、レイチェルの両親は『全て』の属性力を奪われた。それは彼らにとっての、全ての価値観や意志、生命の輝きを奪われたに等しいのだ。それは今日起こった、ツインテールを奪われることよりも、もっとつらくて残酷なことなのだろう。
軽々しく聞いてしまったことを後悔して、俺は「ごめん」とだけ言った。レイチェルは「気にしていないわ」と言っていたが、きっとそれは建前なのだろう。
話を聞いて、改めて思った。あいつらアルティメギルはどこか馬鹿そうに見えるけど、やっていることは洒落になっていない。まさに侵略者だ。そしてそれを防げるのは、ツインテール属性を持つ物だけ、ということだ。
「改めて、あなたにお願いするわ、丹羽光太郎」
すっと姿勢を正して、レイチェルはぺこりと光太郎に頭を下げた。
「私と協力して、あいつらと戦ってくれない?」
「…」
俺がどれだけ黙っていたのか分からない。けど、俺は頭を下げるレイチェルを制し、はっきりとこう言った。
「やって、みるよ。あいつらにどこまで立ち向かえるのか、分からないけど、それでいいのなら…」
自分でも情けない発言だと思う。でも、女の子にここまで話されて、アルティメギルの行動を見て、実際に戦って…断ることなんてできない。ツインテールを愛している、それだけでヒーローをやるというのも変な話だけど、それで世界を救えるならば…。
それを聞いたレイチェルはぱあっと明るくなった。ようやく彼女の顔に笑顔が戻ってきた。それに俺もどこか嬉しくなる。
「じゃあ、しばらくの間、ここに泊めて!」
「はっ!?」
だから、彼女の突然のお願いに俺の声が裏返った。不意打ちと言わんばかりに俺は驚いた。
「いや、私、こっちの世界に住所がないのよ。着の身着のままで飛び出してきちゃったから。だから、しばらくの間だけでいいの、ここに泊めて?」
「いや、いきなりそんな事言われても…」
「…駄目?」
レイチェルはまた髪を二つに分け、ツインテールにして俺を見てきた。
不意打ち気味の行動に俺の心はブレーキが利かなかった。
(ああああ! ツインテールで上目使いは反則だろうがぁああ!!)
そして数分後…俺は折れた。彼女の同居を認めてしまった。こんなにも情けない男はこの町を探しても見つからないだろうな、きっと。
こうして、高校生活初日、俺は異世界からの住人という奇妙な同居人と生活を共にすることになったのだった。
…と、まあ、光太郎は好意的にアルティメギルに受け入れられました。…何らかの影響があるでしょうが、まあ、お楽しみに。
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