摩天楼の子が行く最果てへの旅路   作:夕暮天

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日本ダービー

世代の頂点へ




10話 深い空と海峡 【東京優駿】

皐月賞でキャプテントゥーレの2着に敗れた俺は日本ダービーに向けてトレーニングに励んでいた。何分走ったことがない距離である2400メートル、スタミナ切れの心配もあるがそれよりも勝ちきれるかどうかである。

 

弥生賞では落鉄ありとはいえ大胆に斜行して距離をいつもより損した状態で2着。

 

皐月賞では出遅れ(確信犯)&仕掛け遅れなどで敗北した。

なのでゲート練習では少しでも問題ないくらいになるように早くスタートできるように努力しつつ、ペースを調整して脚をより溜めるようにする。

ちなみにディープスカイが勝ち上がってきたようで近々G1レースのNHKマイルカップに出走するらしい。またダイワスカーレット先輩は産経大阪杯を勝利、ウオッカ先輩はドバイから帰ってきていた。ちなみにドリームジャーニー先輩は「俺は皐月賞では8着だったから落ち込むなボケ」なんて自虐しながら言っていたがそのあとにしっかりと白目向きながら威嚇してた。先輩が先に言ってきたのに………。

アサクサキングス先輩からは……

「2着になれただけまだマシの方だろう、がんばれ後輩」と言われたし他の方々からも言われたが「まぁ(2着)だからこそか」と最後は納得していた。

 

日本ダービーについて聞いたら

ほとんどの先輩から「ウオッカに聞け」と言われた。

確かにウオッカさんって前年のダービー覇者だったよな。聞いてみよう。

 

§─────§

 

聞けませんでしたorz。そもそもから会えませんでした。

運がないな………。

 

 

…………………ダービーか。正式名《東京優駿》。

ウマ娘プレイヤー(トレーナー)だった頃、日本ダービーは他のレースと変わらない"通過点"だった。

けれど今、競走馬としてなら自ずと違ってくる。

 

《世代最強》

 

《世代の頂点》

 

《ダービー馬》

 

競馬素人だった俺からするとなんの変哲もないと感じる『ダービー勝者』という称号は、他と比べてもとても大きな意味を持つ。それも競走馬、騎手、調教師、馬主………その全てに大きな栄光をもたらす。

ゆえに日本のホースマンの誰もが目指す(いただき)

 

 

 

先達である『世紀末覇王』テイエムオペラオーもまた敗北したレース。馬主のためにも、先達のためにも、池谷騎手のためにも…………………っていうのは自分には合わないし他人任せか。

 

俺のために、勝ちに行く。

エゴイスト?それでもいいだろ?レースなんだから。節度やルールは守るし尊重するぞ?1着とれてもそれが原因で取り逃すとか嫌だし。

 

§▼△▼△▼§

 

 

2008年6月1日

【第75回東京優駿】

東京競馬場 芝2400m

左回り 晴・良

 

 

 

 

ダービー当日、騎手はまたしても乗り変わり池谷騎手である。浦和騎手はエイシンフォワードに乗っている……。

 

………んで出走する馬の中でG1馬は俺と──

『時は来たよ、ロマン君』

"ディープスカイ"だ。こいつが一番、強い。

今度は、捉えきる。

『……差し切ってやる』

『望むところ…………!』

 

 

 

 

 

○◎●

本馬場入場

 

「───池谷ジョッキーと共にテイエムの悲願へ。5番ロマンストレイト。2番人気です」

 

 

 

 

 

「さあ、収まった!」

 

 

 

 

「第75回日本ダービー!スタートが切られた!」

 

 

─────

………出遅れはしなかったが16番手……後ろから3頭目。前には青の服に白の水玉模様と白い帽子─ディープスカイ。こいつをマークする。池谷騎手も同じ考えらしい。

 

「───そして1番人気ディープスカイと2番人気ロマンストレイトが後方から追走」

 

前にでれるように位置を調整しておこう。

 

 

 

そして、かなり脚が溜まってきた頃赤い⑧のハロン棒が見えた。

 

しかけるなら

 

「『(今だ!!!)』」

 

 

 

「一番外を回って5番のロマンストレイト!しかし、1番のディープスカイもしかける!!」

 

『負けるわけには──いかない!!』

 

『俺もだっての!!!』

 

 

 

「ディープスカイ!ロマンストレイト!2頭の鍔迫り合いだ!300メートルで先頭!ロマンストレイト!ディープスカイ!ロマンストレイト!ディープスカイ!後ろとの差は縮まらない!」

 

 

『まだ!』/『一番は俺だ!!』

 

 

「ディープ!ロマン!タキオンか!カフェか!」

 

「夢か!!!連覇か!!!!」

 

 

 

「どっちだ───!!!!!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『………お前の勝ち?それとも………?』』

 

 

 

俺たちですらわからない、それほど差の無い。同着に近い結果だった。

 

 

………目測12万人くらいの観客にはどよめきが広がっている。それはそうだろう、審議の『審』の字が画面に浮かんでいるし当事者のジョッキーや俺らもわからないものはこうもなる。

 

 

 

『…………』

『…………』

やることがないからかディープスカイと俺はクールダウンの走りを併走し終わり。静かに顔を見合わせていた。

その短い静寂を破って俺はプスカに問いかけた。

 

『………なんかさプスカ』

『なに?ロマン君?』

 

『どっちが勝ったと思う?俺はお前が勝った気がする』

『僕はロマン君が勝ったと思う、ロマン君を見たら差し切られてたもん』

 

『それはゴール後な気がするんだよな俺は』

 

『『うーん』』??(-_-) (-_-)??

『『WA☆KA☆RA☆N』』

 

○◎●○

 

 

ん?……!!

『プスカ!結果が出たぞ!』

『どっちが勝ったの!?』

 

 

掲示板の一着のところに表示されていた数字は

 

 

『1番………ディープスカイ、おめでとう。お前が俺らの頂点だ』

 

 

 

 

俺は伝説の当事者になれたな。栄光は………まぁ少しはあるか。2着だし(ボソッ)

 

 

 

『競走、ありがとうございました!!!』

 

『……ふはは……(ニコリ) 競走!ありがとうございました!!!』

 

 

 

 

こうして、俺のダービーは終わったんだ。

 




余談
その後
『ん?』ミミピクピク(2007年朝日杯FS、ロマンストレイト)
『どうしたの?』(2008年変則二冠、ディープスカイ)
『何処からかお前の鞍上の気合い入った声が……』
『気のせいじゃない?』



日本ダービー
1着ディープスカイ 2:26.0
2着ロマンストレイト ハナ
3着スマイルジャック 4馬身差

審議に時間がかかった理由・・・差がわずか1cmしかなかったから。


今年はこれで終わりです。

原作:ウマ娘なんだからここらでウマ娘のロマンストレイトの物語を出した方が良い?

  • 出せ
  • 出さなくていい(このまま馬生書け)
  • ところで『馬の次はウマ娘かぁ』の方は?
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