俺のクラスメイトが全員東方キャラになっていた件   作:マジカル赤褐色

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この小説は、すごく、ご都合主義が、過ぎます。
ラブコメ級には、ご都合主義が過ぎます。
だからリアリティ完全重視、ご都合主義&現実逃避死ねよって人は、見ないほうが良いと、思います!はい!


俺の幼なじみが博麗の巫女になっていた件

 

 

学校とは、学生の仕事場だ。

日本国民は全員「役目・仕事」を持つということを中学校の頃、家庭科だったか国語だったかの教科書か資料集で見たことがある。

赤ん坊はおもちゃで遊ぶことにより知的な発育をすること。

学生は勉学に励むこと。

大人になってからは税金を納め、家庭を築き、収入を得て守ること。

老後は余生をなるべく幸せに長生きすること。

 

つまり、人間は生まれてから死ぬまで、永久に「職務」を持っているとも言えるわけだ。

俺たちは生まれてから死ぬまでずっと働いている。

それが収入が伴うのか苦労が伴うのかそれはまた別の次元だ。

俺たち学生というのはつまり、常にテスト勉強に追われ、偏差値に追われ、赤点に追われ、追試に追われ、3年に1回のペースで受験に襲われる社畜とも表現できるわけだ。

 

 

 

メタ発言を言う人「これを読んでいる読者が何人いるかはともかくまぁ学生も数人いるんかな?わかるよね、この話」

 

 

 

まして部活をしているやつらなんて。

忙しさはカンストといったところか?

まぁいい、俺は帰宅部だし。

残念ながら、俺は勉強で脳ミソを酷使してから放課後にわざわざ疲れてる中で球を蹴ったりするよりも、家でゲームしてる方がずっと楽しくて有意義だからな。

 

そう、ゲーム。

 

それこそが現代に生きるゆとり世代以降の俺たちを苦しみから解放する『現実逃避』という行為を行うためのツールだ。

もちろんゲームだけじゃない。マンガもそう、アニメもそう。小説だってな。

特にラノベとかによくある異世界転生モノが流行ってるのはなんでか知ってるか?

それこそ現実逃避が流行りだしたからだよ。

現実からブチ離れた作品ほど、時代に生きる人々の求める刺激。世の中が『そういう需要』なのだ。

 

 

俺もそういうの好き。

幻想の物語、架空の存在たちが暮らす世界に入ってみようとか、思ったことある。

 

 

 

メタ発言する人「てか、君らはそういうの好きだからこれを読みに来たんだもんね?」

 

 

 

だが、俺は残念ながら現実の日本国に生きる『(名前)』という名前がある男子高校生なのだ。

そんな事はできない。

想像・妄想という名の自慰行為でしか空想の世界を感じることができない哀れな人間なのだ。

友達いない。家族はいるけど父は遠くで単身赴任中。母と1つ下の妹と3人暮らし。

田舎じゃないけど、都会ではない。

あ、一戸建てなのは自慢。親父、そこそこ稼いでるから。

 

 

 

ちなみに以上の内容は俺が今夜風呂で考えていたマイ哲学ね。

明日は普通に学校。

いつも通りこの眠りから覚めたら現実と対峙するのです。

俺は一度でもいい、この現実から逃げたい。

 

いや、そういうのではないのか…………

 

 

 

今の時代は主人公が異世界に転生するものが多いよな。

でも一世代前のアニメってさ、逆だよね。

宇宙人とかが現実世界に落ちてくるタイプ。

 

まもって守護◯天!とか、うる◯やつらとか。

 

俺どっちかというとそっちに希望持ってる。

俺が異世界転生って嫌だよ。

そいつら大体現実でトラックに轢かれて死ぬんだし()

 

なんかそういうのないかなぁ。

俺、宇宙人は信じてるよ。きっとどこかに、俺たちよりも文明が優れている、いや、俺たちよりも水準の低い文明であってもいつか我ら地球人の宇宙開発によって見つけ出される…………必ず。

 

 

 

そしたら俺は、宇宙に逃げる。

現実から逃げる。目の前の辛いことから逃げる。

 

逃げちゃだめだって言うけどさ、完全に砕けて無くなるぐらいだったら、その場から立ち去ったほうが俺はいいと思う。

 

 

…………そんなものは、俺の思想に過ぎないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────────ん?」

 

 

外から俺の名前を叫ぶ声が聞こえてくる。

お袋か?妹か?いや、どっちでもない。

大人ではないが幼女でもない、それこそ俺たちと同世代ぐらいの女の子の声が外から聞こえてきた。

 

ハハッ!やだなぁグー◯ィー!そんなわけないよねッ!ここは夢の国じゃないんだよ。

 

間違っても学年ヒエラルキー最下位のクソ陰キャの俺の名前を呼ぶ女子なんて近所に居な………あ、いるわ。

いちおう俺には幼なじみがいる。

保険のために言っておくとラブコメあるあるの幼なじみイコール彼女のアレじゃありません。

そいつ普通に彼氏いるし。

まぁ…………てなわけで俺は彼女いない暦イコール年齢。

 

 

「『』く〜ん!何してんの〜!早くしないと私まで遅刻するじゃない〜!」

 

 

でも妙だ、あいつとは声が違うぞ。

別人がいる?

いやいや、それこそ最初の結論に戻る。

俺の名前を覚えている女子高生はいない。

だからその名前は俺ではなく、同性で同名のイケメン男子だ。

 

そんなことは100も承知なのに俺は2階にある自室のカーテンを少しだけ透かして外を伺ってしまった。

自分しかこの状況を知らないはずなのに今の俺はめちゃくちゃ人目を気にしている。

これでほんとに俺じゃなかったら俺は自分で自分を一生イジり続けれる自信ある。

 

─────あっ、それ以前の問題だ。見えない。

 

下に降りないと声の正体が分からないわけですか。

 

 

「もーう!早くしてよー!『『』』く〜ん!?」

 

 

あれっ、俺のことフルネームで呼んでる。

この近所俺の苗字うちしか無かった気がするんだけど。

もしかしてガチで俺なん?

 

いや、なわけないか。

顔もわからない見知らぬ声が俺を呼ぶなんて。

まして内容が女子高生。ナイナイ。

あれ?俺なんで着替えてカバン持って意気揚々と家出ようとしてるの?

なんで俺今階段降りてるの?あれ?なんで俺靴はいた?

 

あっ、なんで俺玄関開けたんだ!?

 

 

「行ってきます」

 

 

俺えらいな、こんな時にも無意識に行ってきますはちゃんと言ってから出るの。

 

 

 

「あっ!やっと出てきた、遅いわよ!朝からずっと呼んでたのに、何してるのよ」

 

 

「いや………だから、俺はお前のこと知らな、」

 

 

俺は完全に羽織れてない自分のジャケットに袖を通して女子のほうに向いた。

うちの高校は制服ないです。私服登校です。

俺はそれが楽だと思ってこの学校志望した。

将来の夢も行きたい大学もない無気力症候群の俺が選ぶ条件は家から近くて私服OKってことぐらいだ。

 

さて、じゃあそこの女子の服装見ていこうか。

 

 

 

──────真っ赤な巫女服!以上!

 

 

 

「ゔえ゙!?」

 

 

巫女服!?しかも巫女服つっても、あの和服と区別つかない白と赤のやつじゃないよ。

 

スカートみたいなあれと、ヘソ丸出しのあの変な巫女服だ!?

 

 

 

「どうしたのよ、そんなジロジロ見て」

 

「だ、だれ」

 

 

いや、誰ではない。

知ってるのは知ってる。てかクソ知ってる。

てかこの人しらんやつおらんやろ。

 

 

「誰って………私よ、私。なに?どうかした?今日なんか変なもの食べた?起きるの遅いし、来るの遅いし………具合悪いの?」

 

「い、いや………別に、」

 

 

 

 

 

博麗霊夢!?!?!?!?!?!?!?!?!?

 

 

 

 

 

「さ。さっさと行くわよ、あんたが起きるの遅かったせいで、遅れそうになってるじゃないの」

 

博麗神社の巫女、博麗霊夢はうちの学校のカバンだけ持って先に歩き始めた。

うちの学校、制服はないけどカバンだけは指定のものになっている。

そのカバンを持っているということは…………彼女は生徒?

いや………えーと。

見知らぬ女子が俺の家に来たという点はこの際どうでもいいとして、

 

──────アレだよね。うちの学校にはとんでもないコスプレイヤーがいたってことですよね。

 

よしそういうことにしておこう。

 

 

 

 

「な、なぁ。どうして俺を待ってたんだ?」

 

 

それより霊夢がなんで俺の家の前にいるのかが気になった。

いや、そこが一番大事まである。

 

 

「なんでって………もうかれこれ10年以上いっしょだし必然そうなるもんじゃない?一緒にいないほうが気持ち悪いっていうか」

 

 

俺、霊夢と10年来の付き合いなん!?!?!?

 

 

「幼なじみだし………待つの当たり前じゃない?あ、それともアレ?今日はあんたが大寝坊して遅れそうなのになんで待ってたかってこと?」

 

 

あ、やばいほんまのやつだこれ。

えーと、経緯はわからない。

逆転◯判1〜6と大逆転2作と検事2作やってきた俺が導くカンペキな推理に言わせるのなら、俺の10年来の付き合いの幼なじみはある日突然、というか今日突然、霊夢になったのだ。

 

 

_人人人人人人_

> 異義   <

>  あり! <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄

 

 

──────いや、意味不明すぎてムジュン祭りだろこれ!

理解不能!!! だから閉廷!!!

 

 

「…………………はぁ、」

 

 

わからんなぁ………なんでや。なんでやホンマに。

わからん。わからん。わからんわからん。

ギモンにギモンが重なる。

 

俺が昨日風呂場で年甲斐もなくわけのわからん哲学考えてたからこうなったの?

ついに俺は本物の幻覚が見えるようになったのか?

──────幻覚なのに本物とは。

 

 

 

突然、ぐううぅ…………と俺の腹の虫が鳴った。

 

 

「…………あ、悪い」

 

「朝ごはん食べたばっかりじゃないの」

 

「あっ、そういえば食い忘れてたな」

 

変な声の主(そこの霊夢)の違和感に釣られて何も食わずに家を出てしまった。

俺、朝はすごく腹減るタイプだから、朝ごはん抜いたことがないのが数少ない自慢だったのにこれで俺のアイデンティティはなくなった。

 

 

「しょーがないわね、」

 

 

霊夢は立ち止まってカバンの中を漁り始めた。

その隙に俺はチラッ、と霊夢を盗み見る。

幼なじみはカバンにパンダのキーホルダーをつけていたのだが、霊夢にはついてない。

代わりに年老いた亀のキーホルダーがついてる。

 

てか…………脇((((((

 

幻想入りしたら真っ先に見に行かなければならない観光名所といったら博麗神社でも守矢神社でも紅魔館でも西行妖でも迷いの竹林でも香霖堂でも太陽の畑でも他の何でもなくこの絶対領域、

通称「博麗大結界(意味深)」

を見に行かなければならないとマナーブックに書いてあったが、まさか現実世界で拝めるとは思わなかった。

 

ちょっと待て俺だんだん感覚狂ってるぞ!?

これは霊夢じゃないかもしれないんだぞ!?

普通の人間が「野口英世です」と名乗る、野口英世うり二つの人間に出会ったときの感覚だ。

本物かもしれんし偽物かもしれんし疑心暗鬼だ。

だが少なくとも俺にわかるのは、これは霊夢かどうかはともかくとして、この格好と肌の質感はどう考えても「実在する人間」のものだ。

 

陰キャは堂々と自分を貫くものと、周りの目を気にして生きるものの2種類ある。俺はどちらかと言うと後者。陰キャのくせに見栄がある最悪のタイプ。

でもだからこそ人間観察能力は高い。

人間が素なのかそうでないのかぐらいの区別はつく。

そして見たところこの人はガチで日頃からその格好をして俺と10年来の知り合いである幼なじみの同学年の同学校JKである。

 

霊夢と同じ学校に通うばかりか同じ学年の幼なじみで一緒に登校か。

────いや妄想でも思いつかねぇよそんなん。

 

 

 

「はい、これ」

 

 

俺がそんな考え事をしている間に霊夢は俺に何かを手渡してきた。

緑色のキレイな葉っぱにくるまれた柔らかく温かい物体。

 

俺の手元で勝手に踊りだすその葉の封が解ける。

中から白い米の塊が海苔に巻かれた状態で出てきた。

 

 

「────おにぎり?」

 

 

それは誰がどう見てもおにぎりだった。

 

 

「えぇ。それ、あげるわ」

 

「へ?」

 

「私が朝昼ごはんように握ったやつだけど、嫌じゃないなら」

 

「いいんですか!?」

 

「なんで敬語なのよ」

 

 

もはや本物偽物はどうでもいい。

霊夢の手作りおにぎりを、朝飯に食うのか!?

おい見てるか朝マ◯クでリア充気分になってる弱者男子ども!!!

俺は今この右手に博麗霊夢の手作りおにぎりを持ってるぞ!

 

 

「でも、これ霊夢の昼飯だろ」

 

「いいの。作りすぎたし押し付けれるのならちょうどいいわ」

 

「じゃあ、いただきます」

 

「はいはい、どうぞ」

 

 

9時間ものあいだ何も口にしていなかった我が肉体に至上のご馳走を押し込む。

 

 

「おぃひぃ…………」

 

「そ。よかった」

 

 

これで死ねる。

霊夢のおにぎり食べ歩きできるこの贅沢一本だけで俺の人生は世界で最も幸せで充実したものだと確信した。

 

食べながら俺は冷静に考えてみる。

まず霊夢はおかしい点だな。

だがそれとは別に………街の景色は変わっていない。

霊夢も、人間は霊夢に変わっているが、今考え直せば通学路がいつもと同じだ。

つまり、まだ学校には何も異変が起きていないということだ。

これから霊夢をどうしたらいいのかわからないが、ひとまずはその…………なんとか通す。

学校の人たちが今の霊夢を見たら何ていうのか………絶対これ、凄いことになるんだろうなぁ。

 

最悪の場合、俺までもが一生外に出られない大恥をかくのかもしれないし。

 

 

「霊夢っておにぎり何派?」

 

「私?そうね………たらこは好きよ」

 

「たらこか〜、俺は辛子明太子派」

 

「辛いもん食べれるなんて凄いわね、私辛いのあんまり得意じゃないの」

 

 

幸せ。

この凄い機会を、こんな無駄話に費やせることが。

ここ東京都だけど別に学校の位置大分県とかでもいいわ。

 

 

「俺もね、おにぎりは家族のためににぎるんだよ。妹に「手袋してやって」って毎回怒られるけど」

 

 

父親遠くってわけでおおかた母子家庭なうちでは男手の俺もある程度家事はやる。

料理って後片付けガチめんどくさいからあんまりやりたくないんだが、そんな時に母がいなくて妹と2人きりなんて時にはおにぎりで済ませることがある。

そんな時におにぎり俺が握ろうとしたら妹に「お兄ちゃん絶対手袋して」って言われる。

それどころか手袋もしたのに「ラップでくるんで握って」って言われる始末。

赤の他人ならまだしもこれ身内。

 

 

「ぷぷぷ…………妹に言われてやんの………ぷくく…………」

 

「ばっ、何が面白いんだよ!」

 

 

こっちはクソショックな話してるのに。

 

 

「へぇ、妹さんおにぎり手袋派なんだ。私はおにぎり握る時いつも手袋とかラップとかせずに素手で直接握るわよ」

 

「そうなんだ?なんか素手だとメリットあるのか?」

 

「別にそういう考えで握ってないわよ………ただそっちのほうが楽しいってだけで。強いて言えばそっちのほうが気持ち籠もって美味しくなるとかかしら?」

 

「はぁ………なるほど?」

 

 

女子って意外とそういうところあるのか?

いや、霊夢だから?

 

──────まぁいいか。

 

 

 

「ごちそうさまでした、美味しかった」

 

「お粗末様」

 

「時間大丈夫かな?」

 

「道草食わなかったら大丈夫よ。忘れ物してるならもう終わりだけど」

 

「忘れ物─────」

 

 

大丈夫だよな。忘れ物してな…………

 

 

「やばい体操服ない今日体育なんだが」

 

「ちょバカなの!?前日に準備しなさいよ!」

 

 

やばい、前日に準備するのを忘れていたなんて言えない。

 

 

「しょうがないわね…………」

 

「ちょっ、なになになに!?」

 

 

霊夢に背後から抱きつかれた。

ちょっ、おっきくてムニムニ………いやそうじゃなくって!!

 

 

「どうしたんだ急に!?」

 

「家戻るんでしょ?だったら、歩いてちゃ間に合わないわ。だから─────」

 

 

 

 

ビュオオオオオオ、と風が吹き始める。

 

ま、ま、ま、

 

 

「まさか……………………」

 

 

 

「こうしたほうが、圧倒的に速いわ!!!」

 

「うああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

霊夢に抱えられた俺はそのまま空高くへと飛翔した。

なんの小細工なのか…………それとも、本物なのか。

 

この霊夢には「空を飛ぶ程度の能力」がちゃんと備わっているらしい。

 

 

「さっ、早く行きましょ。私まで遅刻してしまう前にね!」

 

「─────────────」

 

 

 

現実逃避とか、夢うつつとか、嘘か誠かとか、なんとかかんとか。

そんなのはもう、隅においておくとして。

 

 

俺は今日この今朝を以て確信した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────俺の幼なじみは、本物の博麗霊夢になったということに。

 

 

 

 

 

そして、俺は大きな勘違いをしていた。

それは、この問題は近所の幼なじみが〜、って程度で済まされる問題であると思っていたこと。

 

 

 

今朝の出来事は、これから起こる不思議な日々のほんの一部に過ぎなかったということ。

 

 

 

俺はそんな事も知らずに背後から憧れの幻想に抱かれながらただ見たこともない角度と高度から、俺たちの住まう変わらぬ街の景色を見下ろしていた。

 

 

 

 

 

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