俺のクラスメイトが全員東方キャラになっていた件   作:マジカル赤褐色

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剣道部のエースが半人半霊の庭師だった件

 

 

俺の名前は『(名前)』。

 

昼休みにレミリア・スカーレットの経営するラーメン店に行ってきた高校2年生だ。 

 

あのラーメンが予想以上に油乗って重かったせいで慣れてない腹が悲鳴を上げながら5、6時間目を過ごすことになった俺である。

この学校では俺のクラスメイトが次々と東方キャラに置き換わっていく事件が起きるが、本日では先生方も東方キャラ化していた。

 

もう俺に逃げ場はないのかね。

 

今日の授業を全て終えたあと、俺は腹が痛すぎてちょっと便所まで行ってきたあと、教室に帰ってきた。

しかし、あいにくと霊夢たちの姿はなかった。

さては霊夢、先に帰りやがったな?

 

 

「はぁ、仕方ない。俺一人で帰るとするか」

 

 

そんなこともあって俺は校舎から出て靴箱を目指す。

 

その途中、横を見ると剣道場があった。

うちは部活にそこそこ力を入れている学校なので部活動の設備は充実している。

むろん、俺は部活なんかするよりも家でゲームしてる方が充実した人生だと思うので部活になど入っていないがな。

 

そんな事考えながら剣道場を眺めていると、不思議な物が目に映った。

 

 

「………………桜?」

 

 

道場の敷地内に、見るに圧巻の一言尽きる素晴らしい桜の木が立っていた。

近寄ってみてみればその美しさはさらに増していく。その高さは校舎の高さにも及ぶほど。幹の太さときたら、ほかにこんな植物見たことが無いぐらいだ。

流石に花は散っているか。今の時期に咲いてたらおかしい。

……………それにしても、この学校にこんな巨大な桜の木なんて生えていたか?

 

 

俺は桜の木に背を向け、道場の方に近寄る。

 

 

「せい!やぁっ!はーっ!」

 

 

道場の方から練習の声が聞こえてくる。

俺は道場の庭園に出てみる。

 

するとそこには──────

 

 

「あっ、」

 

 

あちらで小柄な銀髪の少女が竹刀を素振りしているではありませんか。

あの緑色の服………もしかして、

 

 

「ふぅ〜、休憩休憩、」

 

 

少女は素振りを中止して、縁側に座る。

道場の中からマシュマロのような見た目をした半透明な何かがやってきた。

星のカー◯ィみてぇな丸い手にお盆を持ってお茶を乗せている。

 

 

「ありがとうございます………ふぅ、癒される〜」

 

 

少女はそれにお礼を述べてお茶を飲む。

素振りの邪魔はしてはならないが、休憩中なら声をかけてみるか。

俺は少女に近づく。

 

 

「よう。こんな遅くまで練習か?」

 

 

次の瞬間、

 

 

「よしっ、休憩おわり!てぇいや!!!!!」

 

 

突然縁側を飛び降りた少女が竹刀を取る。

 

そのまま流れるように虚空を切り裂かんとした面叩きが都合悪く俺の顔面に直撃した。

 

 

「ぶぇぇぇぇげぇぇぇあぁぁぁっ!!!!!」

 

 

俺は一撃でぶっ倒れた。

 

 

「はっ!あわわわわわ……ご、ごめんなさいっ!」

 

 

少女は仰向けに倒れた俺を無理矢理起き上がらせるとペコペコ謝ってきた。

90°のパーフェクト謝罪。

 

 

「大丈夫?俺の顔腫れてない?」

 

「お顔に縦のミミズ腫れがあるだけです。大丈夫です!」

 

「大丈夫じゃねぇだろどう考えても」

 

 

今の時代になっても顔を竹刀でぶっ叩かれることあるんだ。

 

 

「申し遅れました。私は、2年D組の魂魄妖夢です!」

 

 

魂魄妖夢。

幻想郷の中でも冥界と呼ばれる場所に存在する屋敷、白玉楼の庭師。

人間と幽霊のハーフであり、庭師の仕事をしながら主の世話と屋敷の掃除と料理の用意をするパーフェクトお世話係。

その傍ら剣術の修行に勤しむ真面目さんである。

現実入りした妖夢は俺の同級生の剣道部のようだ。

 

そうか、この剣道場は白玉楼だったんだな。

そして剣道場の横にそびえ立つ巨大な桜の正体は白玉楼にある巨大な桜、西行妖だったのだ。

 

 

「練習、邪魔して悪かったな、」

 

「あ、いえいえ………私がぶつけてしまったのが悪いので………」

 

 

ほんとにね。

 

 

「そうだ。ここで会ったのも何かの縁です。先ほどのお詫びもしたいですし、『』さん、ちょっとこの道場に寄っていきませんか?」

 

「え?なんだってそんな急に、」

 

「この道場、茶道部の部室もあるんです。このお茶も茶道室からいただいたものなんです。おいしいお菓子もありますよ〜」

 

 

えー?高級和菓子〜?

ならちょっと行ってやらねぇでもないかもな〜

 

 

「ってなるワケないだろ!俺今日はさっさと帰ってゲームしたいんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………このお茶美味しいな、妖夢はお茶淹れるの上手いね」

 

「ありがとうございます。剣道部のみなさんや、茶道部の部長にもよく言われます」

 

 

和菓子とお茶の誘惑には逆らえなかった。

一生の不覚………!この俺が即落ち2コマだと!?

 

いや、それより気になることがあったので聞いてみよう。

 

 

「そういえば妖夢はなんで俺の名前を知っている?名乗ってないぞ俺、」

 

「あなたのことは霊夢さんたちからよく聞かされていますから。どのような御仁かと、今日一日もあなたを観察していました」

 

「嘘だろ…………!?」

 

 

バカな、気配は全く感じなかった!

俺は陰キャのくせに見栄があるだから周りの目をすごく気にしている。視線にはすぐに気づくはずだ!

なんてことだ……なんという高ランクの気配遮断。

この俺の直感をすり抜けるとは大したものだ。

 

 

「あっ………!ちがっ、ちがいますよ!観察ってのはその………ジロジロ見てたとか、そういうなんというか、下心とかはなくてですね!?」

 

 

勝手に顔を赤くして必死に否定してはるがどうした。

訂正しても結論は十分にストーカーだろ君。

 

マシュマロが妖夢をツンツンしている。

 

 

「なっ!?ななななななななにをいきなり!そういうんじゃないですって!からかわないでくださいよー!」

 

 

妖夢はマシュマロを床に抑えつけて右脚でゲシゲシ踏みつけ始めた。めちゃくちゃ残虐な絵面。

 

 

「そのマシュマロは、」

 

「私といつも一緒の半霊くんです。この子もうちの部活の部員なんですよ」

 

「かわいいなそれ」

 

「はい〜。もっちりしていて気持ちいいですよ。触ってみますか?」

 

 

半霊はゆらりと俺の身体に寄り添ってきた。

俺は優しく半霊を抱きしめてみる。

 

 

「うおっ♡ ひんやりしてて気持ちいい〜♡」

 

 

人を駄目にするクッション。

 

どの東方キャラも可愛いが、俺のイチオシ殿堂入りは半霊だ。可愛すぎる。

半霊はなついてくれたようで、俺の頭に乗って楽しそうに遊び始めた。

頭に乗られているが不思議なことに質量がほとんど感じないので全く不快感や重量を感じない。

 

 

「ふふっ。『』さんの頭が気に入ったんですね」

 

「〜♪」

 

 

ひと通り遊び終えると半霊は俺の頭の上で動きを止めて休み始めた。そんなに気に入ったか。

だが、めちゃくちゃ幸せな気持ちだ。俺はこれでもちょっと女子力があるので、可愛いものが好きでないわけがない。

 

 

「しかし、対戦相手もいないのに一人で夜まで素振りか。飽きないのか?」

 

 

剣道部の部活練習って竹刀で互いにバチバチやり合うものかと思っていたが。

 

 

「まぁそうですね。この学校の剣道部はみなさん強いですし、実は私以外に2年生がいなくて………」

 

「そうなのか?」

 

「はい。先輩方は勉強で忙しいですし、部長はお家の都合でなかなか来ることができないんです。だから部活練習は私1人になることが結構あって………顧問の先生も忙しいようでほとんど私の自己練習みたいになってるんです」

 

「そうか…………」

 

 

だから、ずっと一人で。

 

 

「…………………………………」

 

 

なんだか、俺に似ているな。

 

 

 

 

 

(よう『』。お前、今日も放課後残って勉強かよ。真面目さんだな、)

 

(なぁなぁ。たまには肩の力抜いて、オレたちとサッカーでもしようぜ)

 

(お前別にそんな俺らより賢いじゃねぇか。勉強する必要なんてあんのかよ?)

 

(無理はするなよな、)

 

 

 

 

 

まるで、この学校に入るために青春を捨てた俺のようだ。

一人で、誰も共に歩んでくれる仲間もいない中ずっと己とだけ戦い続けて。

 

─────ほっとけねぇ………ほっとけねぇよ。

 

 

 

「…………妖夢、俺に手伝わせてくれないか?」

 

「えっ?」

 

 

彼女を助けることは、同じキツさを知ってる俺だからできる。

 

 

「俺は剣は振れない。でも、ここで練習してくれそうな奴らを探すことぐらいはできる。新しい剣道部員、俺が見つけてくるよ」

 

「そっ、そんな困りますよ………!これは私の問題なのに、」

 

「いいや。仮に妖夢だけの問題だったとしても、俺はずっと一人でやってるお前を放っておけない。頼むよ、俺に手伝わせてくれ」

 

「『』さん……………」

 

「妖夢はアレだろ?きっと剣道部の中では期待の新星なんだろ?それをロクな練習できずに潰してしまうのはもったいねぇよ、」

 

 

妖夢は幻想郷でも指折りの剣豪だ。

この学校が幻想郷と化しているのならば、妖夢はきっと同じように剣道部ではエースのはずだ。

ならば、

 

 

「お前の相手にふさわしいぐらいの強いやつを、俺がこの道場に連れてきてやる!」

 

 

この学校の校則はわりとユルユルだ。

他校の血に飢えた戦闘狂剣道部をここに連れてくるぐらい問題ないはずだ。

 

 

「それまではもう少し待ってくれ。俺はお前から剣道を奪ってやりたくない。一人でやるより、みんなでやったほうが楽しいし成長になるってことをお前に知ってほしい」

 

 

妖夢には、俺みたいにならないでほしいんだよ。

 

 

「うっ、うぅ……………あ゙り゙がどうござい゙まずぅ゙……………」

 

 

俺の熱い思いに感化されたのか妖夢は号泣してしまった。なんか小さい子供が泣いてるみたいだ。

 

 

「練習、頑張りますぅぅぅ………!!!」

 

 

妖夢は俺に抱きついてきた。

やれやれ………やっぱボッチ練はしんどかったんだろうな。

しんどいよ、そりゃあ。味方いないから相談できないし一人で全部決めなきゃならないんだからさ。

まぁ…………2年生一人だしな。このままだと妖夢の将来とか以前にそもそも剣道部の廃部ルートが確定しかねない。

この部活を生き残らせるためにも、俺はやらなきゃいけない。

広い幻想郷学校になら、妖夢と渡り合える剣豪がきっといるはずだ。学校生活の中で探してみるとしよう。

 

 

 

 

 

 

「あらあら〜。妖夢に新しいお友達ができたのね。うれしいわ〜、うふふ、」

 

 

その時、俺の真後ろにある襖が開いて誰かがやってきた。

 

 

 

 

 

 

「誰だ!?」

 

「あらここは初めて?私はこの白玉道場の主にして、茶道部部長の、西行寺幽々子お姉さんよ〜?」

 

 

 

 

 

 

 

そっかここ白玉楼なんだった…………!!!

 

次回、白玉道場・さらにカオスになる!!!

 

 

 

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