俺のクラスメイトが全員東方キャラになっていた件   作:マジカル赤褐色

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隣の席の女子が魔法使いになっていたんだぜの件

 

(──────ガチ危なかった………)

 

 

ギリギリでチャイムが鳴る前に席に着けた俺は机に突っ伏した。

人生で初めて俺は学校の屋上から学校に到着した。

文脈だけでは何を言ってるんだこのハゲ(ハゲてねぇし)と思われるので俺、事情を説明。

 

 

 

 

 

──────俺こと『(名前)』はある日、近所の幼なじみが幻想郷に住まう巫女、博麗霊夢に変わっているのを目にした。

なぜ目にできたかと言うとその霊夢が俺と共に学校に一緒に登校しようと呼んできたからだ。

その後なんやかんやあって忘れ物があったことを思い出した俺は霊夢に連れられて忘れ物を取りに帰ってから学校に来たのだが、その移動手段が霊夢の『空を飛ぶ程度の能力』によるものであり、人生で初の飛行で俺は遅刻寸前の学校に間に合った。

というわけで、空から屋上に降り立って学校に到着したというのが事のあらましだ。

 

 

いろいろと神経使ってたので1時間目は見事に爆睡した。

一番後ろで窓側から2個目の席なのと、俺がクソ陰キャすぎて誰からも認知されないために絶対に授業態度には響いていない。

ちなみに俺の左、窓側に座っていたのは霊夢だった。どういうイミかはわからないが、別クラスのはずの俺の幼なじみは俺の同じクラスの横の席の霊夢になったようだ。

 

6文字で言うなら「わけわからん」。

 

とまぁ、朝は貴重な睡眠時間を確保した。

夜中までゲームするので忙しい俺には睡眠をとるヒマなどない。

 

 

 

つうわけで、2、3時間目は連続体育だ。

これに使う体操服を忘れたから俺は今朝空を飛ぶはめになった。

正直言って二度とやりたくない。

 

─────体育か。

格闘技は得意だ。俺の脳内にある我が我流の拳法で悪漢に襲われている美女を何度も救ってきた。

大事なことだからもう一回言うがあくまで脳内だ。

 

サッカーもバスケも、特にテニスなんてお手の物だ。

全部ゲームでやったことある。

大事なことだからもう一回言うがあくまでゲームでだ。

 

現実での俺の運動能力はアウト。女子以下。

これは女性蔑視の意味ではなく、単純な思春期における一般的な男子の肉体の発育と女子のそれの差を考慮した「ごく一般的な」ケースにおいての話である。

生物学的に成人男子は肉体が筋肉質に発達し、屈強な肉体になる。対して女子は肉体が豊満になり、柔らかで丸みを帯びたものになる。

一般的にだ。

実際に現状この国の学生の春の代名詞全国体育テストだって同じスコアでも女子の方がハードルが低めに設定されている。

これはあくまで区別であり差別ではない。生物学的な肉体の発達に基づいた公平な基準である。

 

で、その女子の枠を満たすことができない男子が俺だ。

つまり俺は男子の中で運動能力はお世辞にも平均以上とは呼べない。

だから体育は嫌だ。俺の運動不足が露呈する。

陰キャだから見栄もクソもないだろ?いや、陰キャにもプライドというのはあるんだよなそれが。

周りに舐められたくないという意地が無くなるほど俺は堕ちてはいない。

 

 

 

「─────あ、そうだ」

 

 

俺は大事なことを確認し忘れていたのを思い出して教室を見回した。

…………おかしいな、

 

クラスメイトたちの様子はいつも通りだ。霊夢の存在をガン無視しているのはもうどうでもいいとして、つまり霊夢だけが変わったわけだ。

他のクラスメイトまで姿が変わっていたら困っていたがそういうわけでないのならただ単に隣の席が可愛い巫女さんになっただけの話だ、いいや。

 

 

「なぁなぁ、ちょっといいか〜?」

 

「!?」

 

メタル◯アのSEがでそうな驚愕。

またもや知らない声を聞いたからだ。

霊夢以外は言うまでもなく、ましてクラスメイトからも声をかけられない俺が霊夢以外の女子に声をかけられた。

どうした『』。今日の俺は様子がおかしいぞ?ついに俺にもモテ期がきたのか。

旧約聖書にしか書かれてない幻の存在だと思っていたのだがモテ期とは実在する存在なのか!

 

 

「どうした?」

 

 

俺は意気揚々と伏せていた顔を上げて俺のお相手の顔を拝もうとした。

 

 

「──────────」

 

 

そして俺の目に映ったのは白と黒の魔女服。

そして頭にハロウィンの仮装でもなかなか被らんだろってぐらいの絵に描いたようなウィッチハット。

 

 

「誰─────!!!!!!!」

 

 

いや、知ってるけど。

 

 

「ええっ!?おいおい、ひどいじゃないか隣の席のやつの名前を忘れちまうなんて」

 

 

隣の席!?昨日、というか今日の1時間目まで俺の隣の席にそんなキャラ濃い人おらんかったぞ!?いや………1時間目は寝てましたねすみませんでした。

霊夢が俺の左で窓側ということは、こっちは俺の右隣か?

 

 

「お前、1時間目のやつまだ寝ボケてるのか?そんなんでこのあとの体育できるのかよ〜?」

 

「い、行けると思うぞ………霧雨……魔理沙、さん」

 

「お?なんだ、ちゃんと覚えてるじゃないか。そこで頼みがあるんだが聞いてもらっていいか?」

 

 

経緯は不明だが俺の前には職業魔法使いの人間。

霊夢の親友、霧雨魔理沙がいたという………

 

 

「た、頼みなら………別にいいが、俺にできるか?」

 

「あぁ。簡単だ、【体操服貸して】くれ」

 

「あーはいはいいいよ。…………ん?」

 

 

今、俺聞き間違えたか?

霧雨魔理沙が俺の体操服を借りようとしてなかったか?

 

 

「てへへ、今朝寝坊して急いで準備してたら体操服上だけ忘れちまったんだ。このクラスの女子ケチなやつしかいないからだれも貸してくれないんだよ。ジャージだけ貸してくれたらそれでいいってのにひどいもんだぜ」

 

うちの体操服って半袖の上にジャージを着るのでたしかに上の体操服って計2着持ってきている人が多い。

いやいや、それにしても。俺から借りるとかある?

クラス40人の中で一番駄目な選択肢だと思うぞ。

 

 

「なんで俺なんだよ………他にも男子いないのか」

 

「隣のやつに頼んだほうが親しいし同情してもらえると思ったんだ」

 

 

理由おわってるジャン。

マジで俺のことはどうでもいいらしい。

 

 

「つーわけで、頼むぜ〜。たった2時間だけだぜ?いいじゃないか」

 

「………………いやいやいや」

 

 

2時間俺が美少女に己の体操服貸したらどうなると思う。

主の匂いやなんなら汗までが染み込んだ布だぞ。

陰キャに渡しちゃ駄目なもの第一位だろ。

源◯ずかにバイオリン持たせるぐらいのタブー。

 

 

「ちえっ、ケチなやつだ………こうなったら霊夢のやつに借りちまおーかな!」

 

 

─────この娘に俺の服を貸すのか。

2時間…………体育に。

俺は半袖シャツもジャージも持っている。貸すことは可能。

俺の苗字が刺繍されたジャージを魔理沙が着ることで俺が大恥をかくかわりに俺は2時間魔理沙が着用したジャージが返却される。

 

─────すなわち、円高!!!!!

 

あいにくと俺に「恥」の一文字はない。

まして影が薄すぎて誰もその程度のことをイジってはこない。魔理沙がそれを着ていたってそのジャージは違うクラスの女子から借りたものと思われるに違いない。

だから俺にマイナスはない。半袖だから寒いという外気温でもない。

貸し得だ。

100円で1ドル交換になった気分だ。

その計算が成立したいま、俺に貸さないという選択肢は残っておらん!

 

 

「いいぞ、ジャージ貸してやる。その代わり、ちゃんと今日中に俺に返すんだぞ」

 

 

持って帰って洗うという選択肢は事前に潰しとく。

 

 

「マジで!?し、しょうがねぇな〜。私みたいな女に使ってもらえること感謝しろよな!」

 

 

魔理沙は大喜びすると俺のカバンから俺のジャージを引っ張り出した。

すごい、持ち主より先にモノに触れた。直感的にこの人物の貸し借りで他人からすごい信頼を失いそう。

洗って返すとかじゃなくて俺のジャージそもそも返ってこない気がしてきた。

 

 

「んじゃ、これ死ぬまで借りるぜ〜!」

 

「………………………………」

 

 

…………なんかそうなる気はした。

 

 

「…………なんだよつまんねぇやつだな〜。そこは怒るところだろー」

 

 

魔理沙は黙っている俺を見て期待外れと言わんばかりに呆れた台詞を口にする。

なんだコレ………少なくとも絶対物を借りる人の態度ではないだろう。

 

 

「別に。好きなだけ借りていい代わりに、死ぬんじゃねぇぞ」

 

 

俺は淡白にそういったつもりなのだがここで思いも寄らない事態が。

 

 

「ば、ばばばばばばバカ!何言いだしやがる急に!?」

 

 

なんと俺の何気ない一言で魔理沙が顔から火を吹き出した。いやいやいやいや、なぜ。

 

 

「へぇ、あんたもよく言うじゃない、『』くん」

 

 

廊下から様子を覗いていた霊夢が感心そうに笑っている。マジで俺何かやったか!?

そして、霊夢だけじゃない。

 

 

「凄いね彼。なかなか際どいこと言うじゃん」

 

「霧雨さんとめちゃくちゃ相性良さそうねー」

 

 

俺に意識を向けたことがないだろうクラスの女子たちも一斉に魔理沙をからかい始めたのだ。

 

 

「う、うるっせぇっ!く、くそ!覚えていやがれ………絶対に後で後悔させてやるぜ………!」

 

 

魔理沙は俺のジャージを抱きかかえて逃げるように教室を飛び出していった。

 

 

「─────────────」

 

 

魔理沙が、赤面…………か。

 

 

──────ごっつぁんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、この後体育の授業で俺はこんなんとは比較にならないほどのカオスを味わうことになるのだがそれは次回のお楽しみだ。

 

魔理沙編にプラスする形で次回は進行していくので今回のボリュームのなさは見逃してくれたまえ。

 

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