俺のクラスメイトが全員東方キャラになっていた件   作:マジカル赤褐色

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学園喫茶に案の定、吸血鬼(妹)がいた件

 

 

 

「って………なんじゃあこりゃぁぁぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は『(名前)』。

生徒が次々と東方キャラと化していくこの高校に通う2年B組代表陰キャだ。

ある日の昼休み、行きつけの学園喫茶に行こうとしていたところ、学園喫茶は幻想郷でいう紅魔館と化していた。

見た目はただのオシャレな喫茶店なのだが、店番に紅美鈴が登場。先ほどいろいろあってから俺はようやく新しくできた謎の喫茶店「フランドトールコーヒー」の店内に、入った。

 

────に、入った。

驚くべきことに内装はあまり変わっていなかった。椅子と机の配置が若干変わっているのと、なーぜかなぜか店の外見と比べて3倍ぐらいの広さを持っているだけでそれ以外は普通の喫茶店だった。

中には誰もいない。ここを訪れているのは俺だけらしい。

かなりの生徒数がいるうちの高校でここが貸切になるなんてありえない話なのだが紅魔館が現実入りするほうが何倍もありえない。もはや俺はもうこの程度のツッコミはしないようになった。

 

 

「ささっ!どうぞ座って座ってー!なにかおいしいものでも持ってくるよー」

 

 

俺を得体のしれない店に誘拐してきた美鈴は後頭部を黒焦げにしながら店の奥へ行ってしまった。

つい十秒前のことだが美鈴は咲夜さんにスタンガンで後頭部をバチバチにされてこうなっているがなんともないのでOKだ。

 

 

「………………………………」

 

 

すんすん………いい匂いだ。

この匂い、コーナのストレートか?

コーナはキリマンジャロとブルーマウンテンに並ぶ名ブランドだ。匂いを嗅げば一発でわかる。

名前からして人間の血肉を飲まされる店だったらどうしよう逃げようかと思って、逃走経路を確保するために窓際の席に座ったがどうやらここは普通のコーヒー店らしい。

 

……………天井や壁に飛び血のような意匠の細工が施されてるのがこれ以上ないほど気分悪いんですがそれは。

この店さては年中ハロウィンキャンペーンだろ。

 

 

 

「あぢゃぢゃぢゃぢゃぢゃぢゃ!!!!!」

 

 

向こうから美鈴の悲鳴が聞こえてきたがとくになにもないだろう。

たぶん料理中に中華油でも飛んだのだろうな。

 

 

「いだだだだ!!!うげぇ!あっちぃ!ひぇぇぇっ!いだぁぁぁぁっ!」

 

「………………………………………」

 

 

料理そんな命がけで作ります?

アレなのかな、感極まって切られたり煮られたりする食材の気持ちになってるわけ?

 

ヴォーーーーーン!!!ヴヴヴヴヴヴヴヴヴ

 

 

「ひぇぇぇぇぇ死んじゃうぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

「え?ほんとに大丈夫か?」

 

チェーンソーみたいな音聞こえたぞ。

まさかまた咲夜さんにやられたのか?

 

 

 

「はいお待ちどうさまマッサマンカレーだよー」

 

「食えるかー!!!!!!!」

 

 

 

マッサマンカレーそんな赤い色してねーよ!

しかも美鈴お前身体中に包帯巻いてどうした何があった?

 

 

 

「めいりーん!上手くできたー?」

 

 

ドッカーン、と店壁をあたりまえのように破壊して他の店員が入ってきた。

スルーしちゃいけないと思うんだけどその事実。

 

 

「はい!もう会心の出来です!」

 

 

どこがだよ。痛恨のミスだよ。

 

 

「妹様がお手伝いするって言うからいっしょにやってたらこうなりました」

 

「今すぐ辞めなってこの職場。……………なんで美味いんだよ!」

 

 

どうなったらそんな事になる。どんなレシピ見たらマッサマンカレーをチェーンソー使って作るんだよ。

あとなんで美味いんだよ(2回目)

 

 

「あはっ!いらっしゃいませーお客様!当店は世界最恐の恐怖のカフェ、フランドトールコーヒーです!代表のフランドール・スカーレットだよ!」

 

 

うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!

フランちゃんんんんんんんん!!!!!!

 

 

 

────────可愛いけどそれ絶対カフェ店員の服装じゃないよ。

 

 

誰が…………カフェで白い雑巾みたいなバンダナ巻いてゴムエプロンつけてゴム手袋つけてゴーグルつけるかな。

 

 

 

「キミ、なにかと間違えてないかな服装」

 

「へ?そうなの?ベテランのカフェ店員この服装が正しい、ってお姉様が言ってたの」

 

 

ならレミリアお姉様は絶対にカフェ店員と林業のおじさんを履き違えている。

確かにチェーンソーで大木を切断したかったらその服装は正しいと思うんだが君らは今カフェ店員なんでしょ?

 

 

「ほら美鈴も正しい服装をしないからこうなっちゃうんだよ〜ぅ。制服は安全のためにあるんだから」

 

「はい…………もうこりごりですよこんなの、」

 

 

で、不死身かお前は。

あと絶対に調理方法か服装か、あるいは両方を間違えているんだって。

 

 

「このカレー、どう作ったんだ」

 

「えっとね、まず■■と■■を一口サイズに切って■■と■■■■■と■■■■■■■と■■■■を混ぜて………それから隠し味に■■■を…………」

 

 

あかんあかんあかんあかん、ピー音入れろ。

そのあたりの材料ぜんぶ所持してるだけで犯罪だって。

何を考えているんだ。ここから作られるものマッサマンカレーじゃないって。

魔界のキノコと水瓶だけあったらとりあえずポーションになるマイ◯ラとかじゃないとならないのよその配合。

 

 

「ところで美鈴、こんなのいつメニューに増えたの?」

 

「あぁ!この人はですね、さっき私を助けてくれたお方なんですよ!そのお礼に特別メニューを振る舞ったってわけです」

 

 

キャライメージを守るために言うのなら中華料理を作って欲しかったと俺は思っている。

美鈴の手料理が別にタイに飛んでいこうが美味いんだろうが。

いちおうこんなんでも臨時の際はメイド長代行になるからな。料理の腕は確からしい。

 

 

「なにそれ〜!フランもやりた〜い!」

 

「うぉうやめろ!カレーの近くで飛び跳ねるな危ねぇ!」

 

「大丈夫だよ、私最強だから!」

 

 

ほんまに最強の人が言う台詞やめれ。

 

 

「違うんだよ、自分より小さい女の子に熱々のカレーかけたら過失でも俺が死ぬ」

 

 

悲しくなるしそもそも咲夜さんに殺されるし。

 

 

「へー。お兄様ってやさしいのね!」

 

「ありがとうございますありがとうございます」

 

 

年齢問題は差し置いてロリっ娘吸血鬼に「お兄様」と呼称されるこの悦びに勝るものはこの地球上にないと俺は思っている。

チャールズ・ダーウィンもヨハン・シュトラウスもニコラ・テスラも岡本太郎も生前に同じことを言っていると思う。

俺の妹は顔が可愛けりゃあとっくに襲ってしまってるぐらいには生意気なのでお兄様とは家族の命がかかっていても呼んでくれやしない。

なので俺は妹的存在から優しく扱われる事に弱い。このサービスなら普通に金を出せる。

この際ビジネス上のお兄様呼びでも構わん。家にも対人の癒しがない俺には対人の癒しが必要なのだ。

 

 

「ところでお兄様は今何年生なの?」

 

「俺はまだ2年だ」

 

「そっかぁ。てっきり1年生だと思ってたけど私とは一つしか離れてないんだね!」

 

「あぁ。そうだね……………ん?」

 

 

それ、どういう言い回し?

 

 

「?美鈴とか咲夜から聞いてないの?フラン、3年生だって」

 

「先輩なん!?!?!?!?!?」

 

 

おま、この見た目で先輩なのか!?

むしろ俺のほうが1年生だと思ってたぐらいだぞ!

 

 

「やったー!じゃあフランのほうがお姉さんね!」

 

「す、すんません………先輩って知らなくて………」

 

「あっ、いーのいーの。ここはアナタのほうがお兄様だから!さてお兄様、何を作ってほしいですか〜?オムライス?カレーライス?」

 

 

もうカレーはええよ作らないで。

てかこのカフェなんでも作るのかよ。

 

 

「あっ、俺普通にコーヒー飲みに来たんだよね」

 

「そうなの?なーんだ、そんなことならすぐに言ってくれればよかったのに」

 

 

誰のせいで口挟めなくなったと思ってんだ。

 

 

「コーヒーね!かしこまりましたー!ついでに当店自慢のお姉様ラーメン作ってくるから待っててね!行くよ美鈴!」

 

「はい妹様!」

 

 

ちょっと待てぇぇぇ!?

 

 

「コーヒーとラーメンは違うだろ!合わないしまずサービスにしては過剰すぎるって!」

 

「えー、つまんなーい」

 

 

そっちが楽しいかどうかなんか!?

大事なものはお客の満足度が全てとは言わんけど少なくとも店員の満足度ではないぞ!?

 

 

「てかお姉様ラーメンってなんだ?」

 

「お姉様が昔からずっと作ってくれたラーメンなの。おいしいよ〜」

 

「えぇ。お嬢様は昔ラーメン店でアルバイトしていましたからね」

 

「ぷくくっ…………」

 

 

ヤバい、ラーメン店員レミリアはツボった。

「お嬢様」の「お」の字もない。

 

─────そっか、フランが3年生ならレミリアはもう大学生か社会人なのか。

どっかのラーメン店で働いてたりするのかな。

 

こんな精神の幼い子………きっとレミリアと2人で仲良く登校してたんだろうな。

もう卒業してからは、美鈴や咲夜さんの同伴ではあるだろうが姉妹はフラン一人。

 

 

「……………なぁフラン、」

 

「あっ!フランって呼んでくれた〜!」

 

 

フランはよほど嬉しかったのか笑いながら俺の膝に飛び込んできた。

椅子に座る俺の膝上に座って向かい合うようにこっちをみてくる。

まずいまずいまずいまずい、俺の理性が限界迎える。

妹(以下略)なので自分より小さい女の子にこうされたことがなかっともので………

 

 

「お前は…………」

 

「ん?なぁに?」

 

 

俺は、フランに寂しくないのか、って尋ねようとした。こんな所で働いて、姉と一緒に同じ学校に行けない寂しさを紛らわしているんじゃないかと思った。

 

 

「…………………いや、忘れてくれ」

 

 

でも、その心配はなさそうだ。

その無邪気な瞳を見ればわかる。人間観察何年やってきたと思ってるんだ。今の彼女は、一人なりに幸せだ。

俺と同じだが、俺と違って幸せそうだ。

心の底から青春を満喫している、ならそれでいいじゃないか。

 

 

「ラーメン、やっぱ食うよ。ありがとう。お願いしていいか?」

 

「ほんと!?」

 

「うん。フランの「お姉様ラーメン」って言い方に、ちょっと気を引かれてな」

 

「わかった!お兄様のために、フラン、頑張っておいしいラーメン作ってくるね!」

 

 

フランは俺の膝からぴょーんと飛び降りると楽しそうにキッチンへと向かっていった。

 

 

「……………あんたってすごいなぁほんと」

 

 

フランについていこうとした美鈴がこっちを振り向いて一言。

 

 

「んじゃ、私は妹様の手伝いしてくるから」

 

「おう、あんまり待たせんなよ」

 

「あははっ、もちろんさ!」

 

 

どうせ気の流れでも読んで俺の考えてることを見破ったとか、そんなところか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでお姉ちゃんはどこで働いていたんだ?」

 

「お姉様?「こうらくえん」で働いてたよ!」

 

「幸◯苑!?」

 

「近くにあったよ、そんなお店。あっ、この写真のやつだよ!」

 

「………………【紅楽苑】!?なんだその紅魔館みたいな店名!そういやここもド◯ールのパチモンだし………」

 

 

 

 

 

「お、お待ちどうさまぁ……ぐふっ………お嬢様ラーメンです……がはっ……あ、この眼帯と車椅子は気にしないでください」

 

「だからお前は何があったんだー!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妹っていいな〜。こういう妹は存在しない幻想にすぎんが、それでも天使。

俺も今日帰ったら、妹と何か、いつもと違う関わり方しようかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思っていた今の俺は知る由もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰宅して目に入った、変わり果てた姿の妹の存在を。

 

 

 

 

 

 

俺は今後の展開に対してどう向き合えばよいのだろう。

  • 神の定めた運命の通りに。
  • 何人もの【俺】に意見を聴く。
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