色々と強引な感は否めないですが、最後までお付き合い頂けますと幸いです。
『続いてのバンドは、結束バンドの皆さんです!』
アナウンスの声と同時に幕が上がり、目の前には歓声を送ってくれているたくさんの人が現れる。
「……っ!」
分かってはいたけど今までのステージと違い、最大とも言っていい人波に圧倒され体が強張ってしまう。
そんな中、知っている声が聞こえた。
「お姉ちゃ~ん! 頑張れ~!」
ふたりに、お父さんとお母さん。
『ひとりちゃーん!』
ファンのお姉さん。
『後藤さん! ファイトー!』
クラスメイトの人達。
……皆、応援しに来てくれたんだ。
「ひとりちゃーん! 私達もいるぞー!」
別の方向から、マイクを通してもいないのに良く通る声が響いた。
そっちを見るとお姉さんに店長さん、PAさん、SICK HACKとSIDEROSの皆。
そして、一番見届けて欲しかった人──美空さんが居た。
私が顔を向けると、美空さんは優しい笑顔を浮かべながら手を振ってくれた。
静かに深呼吸して、手を強く握る。
こんな私にも、応援してくれる人達がいるんだ。
絶対に、その想いに応えてみせる!
「それでは聴いてください! 結束バンドで、『ギターと孤独と蒼い惑星』!」
響く歓声を浴びながら、文化祭のステージは始まった。
体育館の中はこれまでで最高潮の盛り上がりに達している。
今日の結束バンドの演奏は三曲で、今は二曲目が終った所だ。
周囲からは「軽音部よりも上手い」といった声やクラスメイトの喜多ちゃんやひとりちゃんを称賛する声も聞こえ、披露する三曲全てがオリジナル曲だという点も加味すれば出来過ぎな評価だ。
けれど、周囲の盛り上がりとは裏腹に私の心の中は穏やかではなかった。
「……ひとりちゃん、固いね」
私の隣に立っていたきくりが心の中を代弁するかのように呟く。
そう、今日は一曲目からいつもよりひとりちゃんのキレが悪かった。
ギターというのは思い切り弦を弾けばそれで良いものではなく、むしろそれだと瞬間的な音量が大きいだけで破裂音の様な耳障りな音になってしまう。
大事なのはリラックスして弾き、耳に長く残る心地よい響きを生み出す事なのだがそれが出来ていない。
今日みたいに音楽をやっていない人がオーディエンスの大半なら基の技量である程度誤魔化せるかもしれないけど、私達の様な経験者相手だったらそうはいかない。
普段の結束バンドを知っているPAさんは心配そうな表情で観ているし、星歌さんも何も出来ないもどかしさを孕んだ複雑な表情をしている。
ヨヨコちゃんに至っては想像よりも下回った演奏なのか、眉間に皺を寄せて固く腕組をした状態だ。なまじひとりちゃん以外の三人は調子が良いため、尚更ひとりちゃんの出来が浮き彫りになってしまうのもあるのだろう。
しかし、始まってしまったものは止められない。
むしろ、本番中にこんな状況になってしまうのはこれからもいくらでもあるだろうし、そこを自分達でどう修正するかも経験していかなくてはいけない事だ。
ましてや、メジャーデビューを目指すなら今の歓声に流されず、より音楽に見識のある人達を満足させる位の完成度を追求しなくては。
『明日のライブ、必ず成功させます』
脳裏に昨日のひとりちゃんの言葉がリフレインされる。
ひとりちゃんは優しい子だ。
昨日言ってくれた私に対しての想いも、本当のヒーローになるという覚悟も本物に違いない。
だからこそ、支えてくれた周りの人達へ応えるためにやらなくてはいけない、という想いが強すぎて雁字搦めになってしまっている。
昨日見せた、決意を込めた表情でありながら、奥底に危うさを秘めた瞳。
私は、それに気づいていながら彼女を送り出した。
あのタイミングで何か言っても、余計ひとりちゃんを焦らせてしまうだろう。
その想いを受け止めるだけにして、成り行きを見守るしかない。
この経験も必要な事だからしょうがない。
自分の判断を思い起こすと、影からもう一人の自分が這いずり出て来て、耳元で囁く。
──そうやって自分の都合のいいように言い訳して、あの子を見殺しにしたんだ。
その言葉に、私は何も返せなかった。
私がやってきた事は、所詮エゴに過ぎないのか。
私がやってきた事は、間違っていたのか。
「藤原」
蠢く感情に支配されて視界が揺れた所を、星歌さんが強く私の肩を組みながら呼びかけてくれた。
「目を逸らすな。あの子達を信じろ」
その一言に、目が覚める。
あの時の事を思い出すと胸の奥に痛みが走る。
でも、私はひとりちゃんを見殺しにしたんじゃない。
ひとりちゃんを、皆を、結束バンドの力を信じているから送り出したんだ。
たとえ困難にぶつかっても、自分達の力で乗り越えられるって!
「……はい!」
影を振り払う勢いで短く、目一杯の力を込めて星歌さんに返す。
今度は目を背けない。
ステージへ視線を向けたまま、両手を重ね握りしめ、私は祈った。
(思い出して、ひとりちゃん)
──あなたは、孤独ではないという事を。
二曲目が終わり、ステージは佳境に入った。
今までにないオーディエンスの数と盛り上がりに興奮を感じながらも、私の心は一抹の不安を覚えていた。
事前にこっそり郁代に三曲目へ入る前は少し長めにMCをお願いと頼んでおり、その隙を利用してムーンウォークの様にこっそり虹夏へと近づく。
(虹夏、ぼっちの様子がおかしい)
(うん。もしかしたら気負い過ぎているのかもしれない)
おぉ良かった、虹夏も気づいていた。最近はリーダーとしてもドラマーとしても頼りになってきたと思っていたけど、親友の成長に嬉しさを感じずにはいられなかった。
立派になったのう虹夏。……なんて後方師匠面してる場合じゃない。
(このまま行くと不完全燃焼で終わる可能性が高い。最悪三曲目で大崩れするかも)
(それだけは避けないと。流れを変えるとしたらサビ前くらいだろうけど、喜多ちゃんが気づいてくれるか……)
「最後は今日の為に用意した新曲です! タイトルは『星座になれたら』!」
オーディエンスの歓声と同時に、郁代がこっちを振り向く。
そこには、この状況でも一切不安を感じさせない、太陽の様に明るい笑顔を浮かべる姿があった。
──やりましょう、先輩!
言葉は無くとも、聞こえた。
いや、本当は郁代も不安を感じているのかもしれない。
その証拠に悲しいかな、同じ様にぼっちに笑顔を向けても肝心の本人は目を向ける余裕が無いみたいだった。
くそう、ぼっちめ。こんだけ周りが呼びかけてるのに下を向いてるんじゃない。この前借りたお金の件は踏み倒してやる。
文句を言ってもどうしようもないので、意を決して虹夏に呼びかける。
(行こう、虹夏)
(了解!)
虹夏とお互いに拳を軽く合わせ、私は自分のポジションに着いた。
……やれやれ。
ライブを成功させ、後輩のフォローもする。両方やらなくちゃいけないのはやっぱり先輩の辛い所だな。
──でも、覚悟なんかとっくに出来てるさ。
不思議な感覚だった。
譜面が鮮明に頭の中に浮かび、迷いなくドラムを叩ける。
かと言いつつテンションが上がり過ぎてリズムが走ったりする訳でもなく、他の三人の楽器の音も、観客の声も、全てを余すことなく同時に捉えられる。
ゾーンに入ったってこういう事なのかな?
心の中は熱く、でも頭は穏やかな水面みたいで、冷静に状況を見れる。
今だったら、本当にどこまでも飛べそうなくらいあたし達は輝いている……と言いたい所だったけど、そうはいかなかった。
冷静に状況を捉えられるこそ、今日はぼっちちゃんが一段と調子悪いのが感じ取れてしまった。
(虹夏、ぼっちの様子がおかしい)
二曲目が終わるとムーンウォークみたいに後ろ歩きでこっそり傍に来たリョウが話しかけてくる。
(うん。もしかしたら気負い過ぎているのかもしれない)
あたしもリョウに対して手短に返す。
本当は自分以外にも同じ事を感じていた事に安心したり、リョウが周りを気に掛けるなんて成長したなぁ、なんて喜びたかったけど集中し直す。
今のぼっちちゃんは皆にギターヒーローである事を打ち明ける前みたいに、肩で息をしていて俯いてしまっている。
(このまま行くと不完全燃焼で終わる可能性が高い。最悪三曲目で大崩れするかも)
(それだけは避けないと。流れを変えるとしたらサビ前くらいだろうけど、喜多ちゃんが気づいてくれるか……)
今呼びかけても短い時間じゃ逆効果だろうし、こうなったら演奏の中で立て直すしかない。
でもそれには喜多ちゃんの力も必要だけど、と攻めあぐねていると……。
「最後は今日の為に用意した新曲です! タイトルは『星座になれたら』!」
目の前にはスポットライトを浴びながら振り向いて、輝かしい笑顔を浮かべている喜多ちゃんの姿が飛び込んで来た。
──やりましょう、先輩!
まるで喜多ちゃんがそう言っているかのような声が頭の中に響いた。
……はぁ。後輩に勢い付けられるなんて、先輩失格だな。
(行こう、虹夏)
(了解!)
リョウとお互いに拳を軽く合わせ、ポジションに着き直す。
アドリブで流れを変えるなんて初めての経験だけど、怖さよりもワクワクの方が勝っていた。
──だって、ここで決められたら最高にロックだよね!
二曲目が終わった。
いや、終ってしまった、と言うべきだ。
頭の中は霧がかかったみたいに不明瞭で、指先は血が抜けたんじゃないかと思う程に冷たい。
一曲目から何だか自分の体がいつもと違い石の様に重く感じた。
二曲目からはそれをどうにかしようと藻掻いてみたけど、まるで水の底に沈んでいくかのように空回りするだけだった。
自分自身の出来は納得できる物じゃないのに、観ている人達は歓声を上げている。
頭で処理しきれない矛盾がさらに焦りを生み、目の前の光景が現実なのかどうかも分からなくなる。
「最後は今日の為に用意した新曲です! タイトルは『星座になれたら』!」
喜多ちゃんのMCが辛うじて聞こえて、慌ててセットし直す。
二曲目までは今までも披露した事がある曲だから体が覚えていたけど、この新曲は本当に集中しないとこれまでの事が台無しになる。
虹夏ちゃんのカウントを合図に曲が始まったけど、それでも私の体は冷たく重いままだった。
どうしよう。私のせいで、折角のライブが失敗するかもしれない。
綱渡りの様な状況で、最悪の考えが浮かぶ。
今日はSIDEROSの皆も観に来ている。
ここでやらないと、一生彼女達に追いつく事なんて出来やしない。
何よりも──あの人達をがっかりさせたくない。
私に一歩進む勇気をくれたきくりお姉さん。
そして、こんな私を支え続けてくれた美空さん。
大切な恩人のために、私はもう大丈夫だって事を証明しなくちゃいけないのに。
……約束したんだ! 必ずライブを成功させるって!
それなのに、どうして……? どうして……!? どうして!?
歯を食いしばって力を込めてギターを弾こうとしても、私の体は縛られた様に動けないだけ。
あぁ、そうか……。
零れた涙が頬を伝うのを感じて、悟った。
私なんかが最初からヒーローになるなんて、無理だったんだ。
身の丈に合わない願いなんて叶えようとしたから、神様が怒ったんだ。
最初から、ヒーローになんて……。
『いいな 君は みんなから愛されて』
目の前が真っ暗になりかけた所で、ワントーン高い喜多ちゃんの歌声が響いた。
何で……? と困惑しながら喜多ちゃんを見ると、私に微笑みかけてくれていた。
(見せましょう、ひとりちゃん!)
頭の中に喜多ちゃんの声が響いた気がして、それを合図に虹夏ちゃんとリョウさんの音もワントーン高くなる。
二人にも目を向けると、やっぱり同じように微笑んでくれていて……。
(ぼっちちゃんは)
(ぼっちは)
(ひとりちゃんは)
──本当は、凄いんだってところを!!!
霧が、一気に晴れた。
自分の体に、熱が駆け巡る。
さっきまでの重い体は吹き飛び、体の芯に響き渡る旋律を奏でる事が出来る。
軽くなった指先に想いを乗せて、私は夢中になってギターを弾いた。
私は、本当に馬鹿だ……!
なんで、私一人で全てをやろうとしていたんだろう。
私一人が出来る事なんて、たかが知れている。
それが分かっていたから、皆の力を合わせた音楽で観ている人を喜ばせたい。
それこそが、私が目指した本当のヒーローの姿なんだ!
結束バンドで奏でる音楽そのものが、皆を勇気づけるものでありたいんだ!
演奏をしながら、皆の方に顔を向ける。
涙で顔がぐちゃぐちゃになってると思うけど、それでも精一杯、私は皆に笑顔を見せた。
そうしたら……やっぱり皆は、同じように笑顔を返してくれた。
皆さん、ありがとうございます。
今になってようやく、胸を張って言えます。
──私は、結束バンドのギタリスト、後藤ひとりだ!
『君と集まって星座になれたら 星降る夜 一瞬の願い事』
息を吹き返した……!
私がそう感じた瞬間、ひとりちゃんから……いや、結束バンドの皆が奏でる音楽が、会場を突き抜けて世界を覆わんばかりの勢いで包み込んだ。
さっきとは違う一層澄んで良く響き渡る音であり、明らかな変化を感じたオーディエンス達もステージから目を離せなかった。
互いが互いを支えあい、互いが互いの想いに応え合う。
無限とも言える力が螺旋の様に合わさる事で、理屈を通り越した観ている人達の心に響く旋律を生み出す。
私は今、かつて自分も目指した理想の音楽に巡り合えた事に体を震わせた。
「凄いよ、皆……!」
あのまま行っても、もしかしたら無事に完走しきれた可能性もある。
けれどそれを良しとせず、自分達の力で本当のベストを追い求め、それを実現させてみせた。
堪えきれずに涙が溢れそうになると
「泣いちゃ駄目だよ、美空」
きくりがそっと寄り添って手を重ねてきた。
「美空が泣いたらあの子達が不安がっちゃう。泣くのは終わるまで取っておかなきゃ」
きくりがそう言うと、今度は肩を組んでいた星歌さんが一層強くグッと力を入れてきた。
「そうだぞ藤原。こういう時は堂々と構えてりゃいいんだよ」
「あら。そういう店長だって泣いてるじゃないですか」
「私は保護者だからいいんだよ」
相変わらず自分勝手な事を星歌さんは言うけど、その表情は本当に嬉しそうだった。
「ふふ。まだ結成して間もないのに素晴らしいバンドじゃないか」
「Yes! 私達も負けてられないネ!」
「でしょでしょ~? どうよヨヨコちゃん? 少しは見直したんじゃない?」
志麻とイライザの称賛に気を良くしたきくりが今度はヨヨコちゃんに絡みに行く。
対してヨヨコちゃんはフンと鼻を鳴らすだけで淡々と話し始めた。
「まぁ、少しはやるみたいですけどね。自分達で持ち直したのは評価しますけど、これが対バンやフェスだったら致命傷ですよ。本来最初の印象が最悪だと逆転は難しいですし、徹頭徹尾の完成度を高めないと私達のライバルだなんてとても──」
「その割にはヨヨコ先輩、ほっとした顔してたっすよ」
「後藤さんが盛り返した時すごい嬉しそうな顔してたよねー」
「隠しきれない明るいオーラが滲み出てますよぉ」
「はー!? 嬉しくなんてないわよ! 姐さんの顔に泥塗るような事にならなくて良かったって安心してるだけよ!」
いつもの様にSIDEROSの皆がヨヨコちゃんをイジって、それにヨヨコちゃんが真っ赤になって反論する。
形は様々だけど、今私の周りは先程までの緊張感は存在せず、ただただ結束バンドの演奏を楽しむ穏やかな空気が流れていた。
やがて曲は最後のパートに入り。
『つないだ線 解かないよ 君がどんなに眩しくても』
喜多ちゃんが歌い切り、最後の間奏を終え、一瞬の静寂。
そして、会場が震えんばかりの歓声と拍手が響き渡った。
「……ありがとうございましたー!!」
惜しみない称賛の声を浴びながら喜多ちゃんが笑顔で返す。
皆、肩で息をしながらも一つの大仕事をやりきった満足げな表情をしていた。
「えっと、今日は本当にありがとうございました! ここまで観てくれた皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです! この日を忘れずに、あたし達結束バンドは……いつか皆さんが、今日観たライブを自慢できるくらいのバンドになってみせます! だから、応援お願いします!」
『いいぞー!』
『目指せ武道館!』
虹夏ちゃんがリーダーとして締めくくると、また一つ歓声が送られた。
『後藤さーん! かっこ良かったよー!』
ひとりちゃんのクラスメイト達からも声援が送られる。
それを見て何か思いついたのか、喜多ちゃんが笑顔でマイクをひとりちゃんに回してきた。
喜多ちゃんとしては折角だから何か一言、って気遣いをしてくれたんだろうけど……大丈夫かな? 演奏の方はともかく、ひとりちゃんトークの方はアドリブ弱そうだし……。
何となく嫌な予感が走る中、さっきとは別の意味で青い顔をしたひとりちゃんは助けを求めるように周りを見渡して……こっちに目を向けた。
見ているのは……きくり? と私が感じた瞬間。
顔色の悪さはそのままに、ひとりちゃんの口が三日月みたいにパクッと裂けた笑顔が目に入り。
何を思ったのか、観客に向かって跳躍し、身を投げ出す様なダイブをした。
「ひとりちゃん危ない!」
反射的に叫んだけど、遅かった。
ライブハウスと違ってそういうノリを知らない人達にそんな事をやったら……!
ビターーーーン!!
私の呼びかけも空しく受け止める人は誰もおらず、ひとりちゃんは真正面から盛大に床へと体を叩きつけてしまった。
「うひゃひゃひゃひゃひゃ!! ひとりちゃん最高ー!!」
「笑ってる場合じゃねぇだろ!」
「ぼっち、お前は伝説のロックスターだ!」
「わざわざマイク使って言う事じゃないでしょ馬鹿!」
「や、やるわね後藤ひとり……! どうやら姐さんが注目するだけの器はあるようね!」
「いやヨヨコ、絶対真似しちゃ駄目だぞ」
「それよりも早く担架お願い!」
爆笑するベーシスト達を星歌さんと虹夏ちゃんが締め上げ、何故かヨヨコちゃんが対抗心を燃やしているのを志麻が止め、私が手当を要請する。
こうして、結束バンドの初めての文化祭ライブは感動と困惑を巻き起こす混沌とした状況で幕を下ろした。
※今回の話に関して(少し長いです)
ここまでお読み頂きありがとうございました。
今回の話はこの物語を書く上でトップクラスに書きたいと思っていた話であり、書けた事に満足すると同時に物語を書く上での構成の難しさという物を痛感しました。
以前にも書きましたが『結束バンドが原作以上に頑張っている描写を入れたいな→楽器故障イベントを早める→文化祭シーンどうしよう』となったため、代わりのシーンをどうするかというのは悩みました。
そこで思いついたのは、ぼっちちゃんの内面にフォーカスするという事でした。
この世界線では原作よりもギターヒーローバレや皆でメジャーデビューを目指す事を決めるのが早かったり、美空さんという相談役が居る事でぼっちちゃんは色々な事を圧縮して経験しています。
彼女は人を恐れる事はあっても憎む事はない優しい子なので、原作よりも色々な事を前倒しで経験した結果、自分を受け入れてくれたり支えたりしてくれる人の為に頑張ろうとしすぎて自分を必要以上に追いつめてしまうのではないかな、と考えました。
後はベタベタな展開で『本番で空回り→でも友情パワーで乗り越える』という単純なものでしたが、作者がぼざろに嵌ってこうして二次創作を書いているのも「若い子達が一生懸命頑張っているのって尊いよね」という想いが原動力なのでこうして書けた事に満足しています。
ただ、読み返すと前振りが雑だったり、もっと掘り下げが必要だったんじゃないかとも感じています。
そもそも上手い書き手はこんな補足説明を付けなくても本文だけで読み手に意図する事を伝えきれるでしょうし、別な展開でもっと上手く描写出来たんじゃないかという悩みも常に付き纏っています。
ここら辺は作者自身の経験とセンスの無さが問題で、今後も創作活動を続けるなら向き合わなくてはいけない事だと感じております。
長くなりましたが、まずはここまでお読み頂き本当にありがとうございました。
次回でアニメ一期の部分は終わる予定です。