Deadpool: Sanctified Timeline 作:タピオカ&ピスタチオ
終焉の終わりと憎しみの始まり
轟音と閃光が交錯する。
紫と白のエネルギーが激しくぶつかり合い、空間そのものが悲鳴を上げていた。
崩壊した次元座標ZK-9の中心で、龍斗とロッツォは互いの力をぶつけ合っていた。
ロッツォの掌から放たれる“神の瞳”の波動は、もはやストーンの枠を超えた純粋な力の奔流だった。
時間、空間、記憶、そして感情さえも飲み込むその光は、見る者に絶望を刻みつける。
龍斗:「……まだ終わらないのか!」
彼は二丁のデザートイーグルを再装填し、エネルギー干渉弾を撃ち込む。
弾丸が紫の波動を切り裂き、爆発の光が弾けた。
その隙に、龍斗は瞬間移動のように地を駆け、ロッツォの背後に迫る。
しかし、雷鳴のような声が飛んだ。
デッドプール:「おいおい!置いてくなよ、相棒!俺も混ぜろッ!」
瓦礫を突き破って登場したデッドプールは、両手にカタナを構えながら跳躍した。
龍斗と背中合わせに着地し、軽くウィンクを飛ばす。
デッドプール:「“熊狩り”は二人でやったほうが楽しいだろ?」
龍斗:「……遅いぞ、ウェイド。」
デッドプール:「お前が早すぎんだよ!」
二人は呼吸を合わせる。
紫の光が爆ぜ、ロッツォが腕を広げた。
ロッツォ:「ふん、二人がかりか。だが、無駄だ……!」
衝撃波が広がる。
龍斗は一瞬で接近し、刀で波動を切り裂く。
同時に、デッドプールが跳躍して斬撃を浴びせかける。
二つの攻撃が交差し、ロッツォの装甲が砕けた。
そして――刀が心臓を貫く。
ロッツォ:「……ま、待て……龍斗。」
龍斗の手が止まる。
ロッツォは血の代わりに紫の光を流しながら、微かに微笑んだ。
ロッツォ:「……私は……“奴”に頼まれた。
全ては……共通の目的のためだった。邪魔なヒーローたちを消し……マルチバースそのものを、作り変える計画だ……」
デッドプール:「共通の目的ぃ?そんなの聞いてねぇぞ……」
ロッツォ:「……私も……最初は……ただ……“神の瞳”を手に入れれば……彼女を救えると思っていた……。
だが――違った。奴は……私を利用した……」
龍斗:「“奴”……?」
ロッツォは苦しげに笑う。
「……すべての時間を“統合”しようとする……在り続ける者……」
デッドプール:「……“He Who Remains”かよ……」
ロッツォはうなずき、手を天に掲げた。
暴走した“神の瞳”が悲鳴を上げるように唸りを上げ、空間を歪めていく。
ロッツォ:「……もう止めるしかない……コズミックストーンが暴走すれば、この宇宙が……消える……」
龍斗:「待て、まだ――!」
ロッツォ:「……これが……せめてもの……償いだ。」
彼は己の胸に手を当て、紫の核を掴んだ。
その瞬間、爆音と閃光が世界を包み込む。
ドガァァァン――!!
龍斗とデッドプールは衝撃波に弾き飛ばされた。
ロッツォの身体が光に溶け、ストーンの暴走は静かに収束していく。
――ロッツォは消えた。
デッドプール:「……マジかよ。あの熊、最後の最後でヒーローしやがった。」
龍斗:「……彼は、利用された犠牲者だった。」
静寂の中、ひとりの少女が現れた。
エマ・ジェスナー。
彼女は跪き、崩れた瓦礫の中に残る“神の瞳”の欠片を拾い上げた。
その中心には、わずかにロッツォの血が染みていた。
エマ:「……お父さん……?」
彼女の瞳から、静かに涙がこぼれる。
龍斗が近づこうとした瞬間、彼女の手の中で紫の光が脈動を始めた。
まるで――彼女の心に反応するかのように。
龍斗:「エマ! それを離せ!」
エマ:「……お父さんを殺したのは……あなたなの?」
彼の言葉は届かない。
光が彼女の身体を包み、紅紫の瞳がゆっくりと開く。
エマ:「……なら、私は――あの人の“意思”を継ぐ。」
彼女の背後で、光が竜のように渦を巻き上げた。
そして、エマの姿は眩い光とともに消え去る。
残されたのは、沈黙。
龍斗とデッドプールは、燃え尽きた空間の中でその余韻を見つめていた。
デッドプール:「……これ、やばくねぇか?
“熊の娘”が神パワー手に入れたってことだろ。」
龍斗:「……ああ。しかも、あの“奴”の計画の一部だ。」
彼は拳を握りしめた。
_謎の空間にて_
時間も空間も存在しない虚空。
無限に広がる円環構造の部屋の中央、一本の椅子に男が腰を掛けていた。
その男の肌は焦げ茶のように深く、瞳は琥珀色に輝く。
机の上には、無数の時間線を映す立体映像――そして、ひとつの名が点滅していた。
> [計画のフェーズ2は成功だ…。悪いな英雄達よ。さて、次のフェーズに進むとしよう。]
男は微笑み、指先でその光を撫でる。
光が弾け、世界が反転する。
そして、誰も知らぬままに――
新たな“時間戦争”が、静かに幕を開けた。