ラスボスにはラスボスをぶつけんだよォ   作:ヒャッハァー!

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今回はアインズさん視点かつ、割と話が進まない回なので、苦手な人は割と読まないのもありかもしれません。
漆黒の剣のメンバーの扱いに悩む今日このごろ。
あと、ちょっと前回の最後の方を書き直しました




第四幕 道化師と死の邂逅

(…やっぱなかなかうまくいかないなぁ…。根本的に価値観に違いがある気がする。

 

まぁそりゃ「一番表に出るメイドである以上、ナザリックの恥にならないようにしろ。具体的にはまず挨拶とかはちゃんとしろ」とはいったけどさ。なんで出力されるのがアレなんだよ…。なんでこんな性格にしたんだ弐式炎雷さん。

 

いや、違うか。まぁ人間蔑視はともかく…たぶんこの不器用すぎる感じは、あの人の性格が引き継がれてるんだ。よくも悪くもあの人もこういう演技とか潜入とかそういうのできない人だったしな。

 

前に他のギルドと軽い抗争になった時、「ちょっと忍び込んで来るわ」って潜入しに行ったら、案の定すぐにバレてそのまま相手のギルド内で暴れ回って、援護するために慌てて建御雷さんとたっちさんと突入しにいったこととかあったなぁ…。

 

他にも「攻撃こそ最大の防御、突撃突撃ー!」とかいって真正面から突入したり、趣味で毎週一騎打ちしたり…。

 

…忍者ってなんだっけ?思い出す限りやってること蛮族とか戦闘民族のそれなんだけど。)

 

よく別の仲間に独断専行しすぎ、と怒られていたギルメンの顔を思い出して、少し懐かしい気分に浸りつつ、アインズは今は居ない仲間に少しお前の娘の性格もうちょいどうにかならなかったのかと少しいいたくなっていた。

 

ともかくだ。現実逃避はやめて、思考を目の前の事象に対して戻そう。

 

「はは、面白い冗談だネ。僕の名前はオルドナンス・マラディ。薬師をやっている。」

 

す、と右手が差し出される。アインズはそれを見てガントレットに覆われた右手で握り返す。

 

その瞬間、プゥ、という間の抜けた大きな音がその場に響いた。

 

「な…。は…?」

 

「…、くッ…、はは!あー、おかしい!いやぁ、そこまで驚いてくれると、こっちも用意した甲斐があるってもんだよ!」

 

「…。」

 

明らかにナーベラルが「こいつ殺していいですか?」というような目を自分に向けてきているが、とりあえず軽く「だめだ」と言う意思が伝わることを祈りつつ、軽く首を振る。

 

そして、その意図を問う。

 

「…何のつもりだ?」

 

「いや、随分と気を張っているようだったからネ。少しはこれで緩んだかい?」

 

「…そうか。気を使わせてしまっていたか…。それにしたってこれはふざけすぎな気もするが。だが、ありがとう。私はモモン。見ての通りの剣士だ。」

 

そう言って、そのまま2人は腕をを何度か振った。

 

(しかしまぁ、なんかるし★ふぁーさんと似た雰囲気を感じる人だなぁ…。大分独特というかなんというか。

 

しかし、ンフィーレア君についてさっき八肢刀の暗殺蟲(エイトエッジアサシン)に調べさせたけど…。うちのポーションが出てきた瞬間に現れた、っていうのはちょっと怪しいな。一応、ポーションに関してはあまり興味はないように見えるが…。何らかの情報にたどり着きそうなら、捕らえたりすることも必要かもしれないな。

 

まぁ、ひとまずは悪意を疑いすぎても仕方がない。一旦仕事に集中しよう。)

 

そんな事を思いつつ、傍らから明らかに苛立っている雰囲気が伝わってきたので、アインズは軽く斜め下を見た。

 

ナーベラルは非常に不機嫌そうに立っていた。

 

「…チッ。」

 

ほとんど周囲には聞こえなかったが…。彼女の舌打ちには「アインズ様の気を煩わせるな、全身の筋肉が断裂して死ね、この下等生物(ダニ)が」という意思がありありと表れていた。先ほど怒られたばかりなので直接口にはしないが。

 

「何か言ったかい?ま、君もよろしく。」

 

そう言って男はナーベラルにも手を差し出した。

 

ナーベラルはよそを向いて無視をするが、男は強引にその手を取り、振る。

 

すぐにナーベラルは思い切り手をはねのける。それを見たアインズは弁明するように言う。

 

「…すまないな。彼女はナーベ。少し、まぁ、内気でね。だが、優秀な魔術詠唱者だ。」

 

「そう!なんと第三位階まで、それもいくつも使えんだぜ。すげーよな!惚れるぜ!」

 

「へぇ、それはすごいねェ。頼もしい限りってやつだ。君は…野伏(レンジャー)かな?」

 

「あぁ、そうだ。名前はルクルット、よろしく頼む!」

 

そう言って和やかに握手を交わす。

 

「それでこちらがうちの頭脳、天才魔術詠唱者、「術師(スペルキャスター)」のニニャ!」

 

「…ナーベさんのあとにそう紹介されるのは、かなり恥ずかしいんだけど。第二位階まで使えます。よろしく。」

 

小柄な少年が頭を下げ、握手を交わす。

 

「で、このでかいのと優男がそれぞれ森司祭のダインと、リーダーのペテル。まぁ、おまけだな。」

 

「おい。」

 

「誠に遺憾である!」

 

2人が、納得いかないというように肘鉄をルクルットの脇腹に強く当てる。

 

「悪い悪い、冗談、冗談だって。うちの最高に信頼できる前衛と、サポートや足止めに特化した支援職。ペテル・モークとダイン・ウッドワンダーだ。」

 

頷き、2人がルクルットの背中を叩く。そして、男は彼らとも握手を交わす。そして、男は依頼についての話を始めた。

 

「先にンフィーレア君が説明したかもしれないが、これから僕らはトブの大森林に薬草の採集に行く予定だ。君たちには、その護衛を頼みたい。その後は、多少近くの村々を回って薬を売り、帰って来る予定だ。多少長めの依頼になるけど、構わないかな?」

 

「…あぁ、私たちはそれで構わない。君たちもそれでいいな?」

 

「えぇ、もちろんです。」

 

「じゃァ、よろしく頼む。すぐ行くから、荷物をまとめてくれ。馬車はすぐそこだ。」

 

 

 

⚙⚙⚙

 

 

 

モモンたちは、鬱蒼と茂った植物の中をのんびりと歩いていた。馬車にンフィーレアとオルドナンスが乗っている。

 

その周囲を守るようにしてアインズ達護衛は周囲を警戒しつつ、会話を始めていた。

 

「いやぁ、それにしても、依頼が終わるまでは離れずずっと一緒にいられるなんて、最高だよね、ナーベちゃん!まぁ、俺の心はどんなに離れていても、君のそばにいるけどね。」

 

「そうか。なら今すぐ心臓をくり抜いて、ボールにして遊んでやる。投げ捨てたあとに戻ってくるか見ものだな、下等生物(ゲジゲジ)。」

 

「それはもちろん、何度だって戻ってくるさ!だって初めて会ったあの時から、俺の心臓は君に奪われてるんだから…!」

 

聞いていてもはや軽く鳥肌が立つようなセリフを延々と吐き続けるルクルットを尻目に見つつ、ニニャは地図を見つつこれからの細かな行動方針を決めていた。

 

「…。とりあえず、地図でいうとこの辺りが「森の賢王」が住んでるところなんだよね。そこを迂回して進むのがいいんだけど…。逆にそういう道を狙って、野盗が出かねないのが面倒だよね。」

 

「野盗?そこまで面倒なのか?実際私たちは戦闘の専門家で、彼らはどこまで行っても一般人、相手にはならないのでは?」

 

「そうでもない。前にあった「大粛清」で大きな犯罪組織がつぶされてね。そこからあぶれたある程度戦闘のできるごろつきが旗頭となってそこらで犯罪をしている、なんてことも珍しくない。それに人間には「悪意」がある。少なくとも相手の戦場で戦いたくはない相手だね。だから、一応かなり時間をロスする別のルートも一応考慮したんだけど…。」

 

「…。そうか。」

 

(そういえば、前に村を襲いに来て、ガゼフと戦っていた連中も野盗だって言ってたな。あの脳細胞ゼロみたいなタッグ名の奴ら。たしかあいつら、記憶調べたら帝国側から金をもらってたんだっけ。

 

治安の悪化とかを帝国が狙って、野盗を支援している可能性は割とあるのかもしれないな。意外と町の冒険者とかのレベルから察するに、あいつら意外と強かったのかもしれないし、まぁ、あんま役に立たないとは思うけども、一応覚えておこう。)

 

「ナーベちゃん、俺がより仕事を頑張れるように応援してくれ!そして俺が仕事をこなすところを余さず見届けてくれ…!」

 

「……。」

 

もはや反応すらせず不快そうに無視し始めたナーベラルに対して、「だがそれが…いい…!」と別種の快感を覚え始めたルクルットを気持ち悪そうに眺めながら、ニニャは言った。

 

「まぁでも、ルクルットの感知と、オルドナンスさんたちのマジックアイテムで、二重に警戒してるから、そうそう奇襲を受けても、対処できないことはないだろうし…。まぁ、十分にそっちのルートを通るとしても大丈夫かな。」

 

「そうだな。…オルドナンスさん、ンフィーレア君、それでいいか?」

 

「あァ、もちろんさ。早めにつくならなるべくそうしたい。特に急ぐ用事もないが、かといって時間が無限にあるわけでもないからネ。遠回りではなく近道を通れるならそうしてほしいね。」

 

ンフィーレアと男は馬車の中で、杖のようなマジックアイテムをいじっていた。杖にはいくつかの球体がついており、それが杖の周りを回転しながら光り輝いているように見えた。

 

(さっきちょっと道具を見せてもらって鑑定したけど、市場で見たものと比べても、まぁまぁのアイテムだったな。下級にいくかいかないかではあったけど、効果を持つアイテムを複数組み合わせているのが面白かった。「光が届く範囲を広げるアイテム」と「光が当たったものの形状を把握するアイテム」を組み合わせているわけか。

 

核となっている光を放つ鉱石?に関しては完全に把握できたわけではないけど…。あくまで道具の一部ではないからか?思えばそこ辺りの区分はどうなってるんだろう?部品ごとの鑑定とかも試せばできるのかな?)

 

そんなことを思っていると────ルクルットがポツリ、とつぶやいた。

 

「…さてと。前方からお客さんだ。小鬼(ゴブリン)が10体、人喰い大鬼(オーガ)が2体。とりあえず俺は援護する。」

 

「わかった。ダインは私とモモンさんに支援魔法を。後衛はうち漏らしのないように魔法の準備を。」

 

「あぁ、感謝する。それでは…行ってくる!」

 

その瞬間、黒い鉄の塊が弾丸のように飛び出し、モンスターの群れを薙ぎ払った。

 

 

⚙⚙⚙

 

さて、と。ほう、やはりすさまじいね。まともに戦っては絶対に勝てないだろうねェ…。ま、戦わないのが一番なんだけどもネ。

 

まぁ、とりあえず、だ。片方は金属の鎧に覆われていて観測が不可能だったが…もう片方については問題なく観測ができた。

 

さて、まずは脳の解析から始めるとするかね。人間との差異を分析し、それに合わせて調整するとしようか。

 




感想・高評価お待ちしてます。
王国内の評価
精神異形種「面白い人ですよ。…は?似てる?…いや、そんな事ないと思いますよ?私、そんなふうに見えますか?」


オルドナンスのステータス
種族:人造人間(ホムンクルス)
総合レベル:10
種族レベル:なし
職業レベル:
アクター Lv.2
ジーニアス Lv.2
ファーマシスト Lv.3
アルケミスト Lv.3
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