ラスボスにはラスボスをぶつけんだよォ   作:ヒャッハァー!

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ぶっちゃけ展開自体はあんまり原作と変わりが…ない…!ので多少巻き目で行くぞ!

長くなったので、二分割して投稿するぜ

後半、キャラ崩壊注意…キャラ崩壊なのか?割とこのくらいやらないか?あいつ。


第六幕 道化師と鼠の王

 

翌日、一行は前日のように馬車を進めていた。

 

ニニャとアインズは昨日の一件の影響で、多少まだぎくしゃくしているようだったが、会話を進めているうちに多少そのこわばりもほぐれてきていたようだった。

 

「…と、神話とか伝説とかに関しては、私が知っているのはこのくらいかな。有名な話ばっかりですけど…。これで十分ですか?何かもっとここが聞きたい、みたいなこと、あったり…?」

 

「あぁ、いや、十分だ。非常に興味深かったよ。君たちにとっては有名な話でも、私にとっては聞いたこともないものも多かったからな。しかし、そうだな…。ほか、か。強いて言うなら、この国の内政とか…、そうだ、前にあった「大粛清」とやらについて、知っておきたいな。」

 

それを聞いた瞬間、ニニャの顔がパァッと明るくなり、周りで見ていたほかの漆黒の剣のメンバーたちの表情が、一瞬硬直したのが見えた。

 

(え?何?なんか聞いちゃダメなこと聞いた?)

 

「なるほど…!モモンさん、「大粛清」について、私に話せと!話してほしいと!そういうことですね!!?」

 

「えっ、あぁ、はい。そ、そうだな。話してほしいが、少し落ち着こうな?」

 

「はい!じゃあ、話させてもらいます!!!私が!!!」

 

そういって、明らかにハイテンションになっているニニャにとまどいつつも、アインズはなんとか彼女を落ち着かせようとする。しかし、仲間に「また始まった」というような視線を浴びせられながら、ニニャは熱も冷めやらぬまま話し始める。

 

「そうですね、「大粛清」をまず語る前に、『無貌』師について語らないといけないですよね!それに、彼らがクソ貴族たち(アンチクショウども)がどうやって懲らしめられていったのかも!あぁ、そもそも最初から話すなら、どこから話せばいいのかな?黄金姫誘拐事件?それともこの国の貴族ども(カスども)の悪行から?それに…」

 

と、矢継ぎ早に言葉をつなげて話そうとしている彼女を、ルクルットの声が遮った。

 

「あー、すまん、モモンさん。こいつ、姉貴が昔貴族にさらわれててな。そのせいで、そいつらが一気につぶされた「大粛清」の話になると、止まらなくなるんだよ。まぁ、ちょっと我慢して聞いてやってくれや。」

 

「そ、そうか。そういうわけなら仕方がないな、うん。」

 

「ルクルット!話を遮らないでください!今何から話そうか、整理してるんですから!」

 

「へいへい、それは誠に申し訳ありませんでしたね~。ちょっと明らかにお前が暴走してて、モモンさんが引いてるから注意してやったんだぜ?後で夜に布団の中でもだえるのはお前だぞ?」

 

そういわれて、ニニャはハッとした表情になる。

 

「す、すみません、モモンさん。少し、話を急ぎすぎたようです。」

 

「い、いや、気にすることはない。大丈夫だ。事情もあるだろうし、仕方ないさ。」

 

「あ、ありがとうございます。そ、そう、じゃあ話すと、まず…。そうですね、この国は「大粛清」前には貴族たちによる汚職や、そこから支援を受けた犯罪組織の暗躍などが多く行われていました。それで、その犯罪組織の中でも最も大きかったのが「八本指」と呼ばれる組織でした。ここまではご存じでしたか?」

 

「あぁ。」

 

アインズは軽くうなずく。

 

「それで、ある時なんですけど、「八本指」の幹部のうちの一人によって、黄金姫───現王国第三王女、ラナー殿下が誘拐されたんです。その時の幹部というのが、「無貌」、ナイアー師ですね。」

 

「…それは、また。王女が誘拐されたとあっては、大変なことになっただろうな。」

 

多少、先ほどの話では「無貌」という男をよく言っていたのに対して違和感を覚えつつ、アインズは相槌を打つ。

 

「えぇ、その時は本当に国中がバケツをひっくり返したような大騒ぎでした。ラナー王女殿下は、民衆からも非常に厚く慕われていましたから。それで、すぐに国王と第一第二王子、それに多くの志願兵や冒険者たちも含んだ、大規模な「八本指討伐隊」が組まれたんです。たしか、聖王国からも兵を呼んだんじゃなかったかな。

 

それで、その後比較的すぐに、「八本指」の拠点についての情報提供もあって、一気に大半の構成員たちが捕らえられたんです。」

 

「ほう、なるほどな。」

 

(そこまで関しては、前にカルネ村でとらえた男のうちの一人───ゼロだっけ?の記憶と一緒だな。王国の兵士以外にも、見たこともない騎士とかもきたせいで、一気に攻め落とされたって。ずいぶんと恨めしく思っているようだったけど…。聞きたいのはそこからなんだよな。)

 

ニニャはつづける。

 

「それで、ここからが面白いところなんですけど…。捕まった幹部なんて、本来なら当然全員死刑です。でも、ラナー王女殿下は、一人だけ恩赦を与えたんです。それが…。」

 

「『無貌』、というわけか。」

 

「はい。ラナー王女殿下は、まずこういったんです。「彼は私を害するために攫ったのではなく、暗殺計画から守るために、あえて誘拐することで、私の命を守ってくれたのです。彼は確かに「八本指」の幹部として、悪行を重ねたのかもしれません。しかし、その罪を私は許したいと思っています」と。

 

そして、「ほかにも、罪を犯した人がいるかもしれません。しかし、私は、もし私たちが知る前に罪を認めてくれるなら、私はその罪を許したいと思います」って!その結果どうなったと思います!?」

 

アインズはすこし頭を傾け、考える。そうだな。いや、事前の話も踏まえて考えると、ほとんど答えは出ている気がするのだが───。あぁ、そうか。わかった。

 

「答えは単純サ。貴族同士の裏切り合いが無数に発生した───。それだけのことさ。」

 

と、アインズが答えにたどり着いたのと同じタイミングで、オルドナンスが声を出した。

 

「そう!そうなんです!オルドナンスさん、よく知ってますね。いや、本当にすっごい愉快でしたよ!貴族たちが足を引っ張り合って自滅していく姿は!もしも仲間同士信頼し合って、口を閉じていれば助かったかもしれないのに、馬鹿みたいですよね!おかげで罪を許されて残った悪徳貴族たちも、派閥内の結束はズタズタですよ!これが愉快といわず何と言いましょう!?」

 

あまりのハイテンションっぷりにちょっぴり引きながら、アインズはこう答えた。

 

「…。なるほど、面白いな。ギルドの受付で、「大粛清」後の影響で、冒険者がより貴族たちに雇われやすくなっている、と言っていたのはそういうことか。」

 

「はい、王派の貴族たちは、捕まって消えていった貴族たちから手に入れた土地を治めるべく、新たな「力」を必要としたんです。その一環として、多少脛に傷があったり、平民からでも───。戦力として雇われる…、もしくは騎士として任命される、なんてことが増えてきているんです。今ではそれ目当てで冒険者になる、なんて人も増えているんですよ。」

 

(へー。そっか。…でもまぁ、やっぱそのために頑張るのは冒険者のイメージとは違うな…。現実なんてこんなもん、と言われればそれはそうかもしれないが、多少寂しい感じはあるよなぁ…。

 

まぁ、今後「モモン」としてどうするかにもかかわってくる話でもあるし、そこらへんについて冒険者からの情報が知れたのは大きかったな。とりあえず。)

 

そんなことを考えつつ、アインズは再び問いかける。

 

「ちなみに、そのナイアーというやつは強いのか?」

 

「え?あぁ、そうですね…。あくまで幹部であっただけで、戦闘能力はそれほどないと思いますよ?私も目標にしているんですけど、ラナー第三王女の部下として、冒険者を雇いに来ることがよくあるらしいですしね!自分が本当に強いならそんなことたぶんしませんよね?」

 

「なるほどな…。」

 

(重要人物ではあるけど、そこまで強くはないって感じかぁ…。じゃぁプレイヤーである可能性は低いかなぁ。でも、一応関わることができた場合、国の中枢に食い込める重要人物だ。

 

それにそこまで手広く人を雇っているなら、もしかしたら、他のプレイヤーについても何か知っているかもしれない。それに元犯罪者なら、過去の恨みなどが理由でいつ失踪してもおかしくない。今後のナザリックの安全のためにも、アルベドやデミウルゴスに調べさせて、もしかかわりがありそうなら、あらゆる手段を視野に入れて情報を吐き出させる…それが最良の手段、かなぁ。)

 

そんな外道に近い考えを、一切ためらいなく思考できる。そんな自分に多少の嫌悪感を覚えつつ、思考するアインズ。

 

と、その思考を中断する出来事が起きる。それは、ルクルットの叫び声だった。

 

「───前方に敵!ゴブリン3体!それに───人間だ!襲われているかもしれない!すぐに向かうぞ!」

 

 

⚙⚙⚙

 

 

数刻後。

 

「ハハハハハハ、ハハ、ヒィーッ、駄目だ、流石に無理、ムリだって!これで笑わないなんて!アーッヒャッヒャッヒャ!ヒィーッ!腹が!もう!限界っ!」

 

人目も気にせず笑い転げるオルドナンス。その目の前にはあるものが鎮座していた。

 

異常なほどの大きさのジャンガリアンハムスター。そしてそれを軽々と片手で持ち上げて現れた漆黒の戦士。

 

シュールとしか言いようがない絵面が、そこにはあった。

 

(うん、わかる。確かに俺も、目の前にこんなござる口調の謎生命体と、豪鎧のミスマッチを出されたら、笑わない自信ないもん。にしたって笑いすぎだろとは思うけど。)

 

やはりいくらこいつを倒したと証明するためとはいえ、もち上げて持ってくるのは悪手だったろうか。先ほどのほかのメンバーたちの称賛も、今は気遣いだったのではないかとすら思えてくる。

 

エンリと、彼女が小鬼将軍の角笛で召喚したゴブリンたちと出くわすというハプニングこそあったが、多少本来の目的と順番が逆になる形で、彼らはカルネ村にたどり着いていた。

 

そして、その後薬草採取中、現世の情報につながる手掛かりがないかどうか調べるために、アインズは森の賢王というモンスターに接触していた。

 

(どれだけ賢かろうが所詮魔獣だし、最初に力を見せてしまえば、そのあとは服従させるのは容易だろうとは思っていたけど、ほんと、思っていたよりよっぽど簡単だったよなぁ。まぁ、無駄な力を使わなかったのはよかったけどさ。)

 

そんなことを思いながら、アインズは笑い続けるオルドナンスに声をかける。

 

「オルドナンスさん、こいつ、確かに強いが、縄張り意識はそこまで強くないようだ。おそらく、ただ他の魔物が警戒して寄り付かなかっただけだろう。そして、こいつ曰く、森の勢力図は変化しており、自分がいても必要に迫られて村のほうへやってくるものも増えてくるだろう、ということだ。だから、こいつをここから別のところにやっても問題ないはずだ。そこで、こいつを利用することはできないか?」

 

「ハァ、はぁ…。利用?」

 

「そうだ。例えば、馬車馬のようにして、な。」

 

オルドナンスは多少顎に手を当てて考える。

 

「…そうだネ。確かにそれはありだろう。君もそれでいいかい?えぇと…森の賢王君。」

 

「もちろんでござる!それがしはすべて殿に従うでござるよ!」

 

「…ぶふっ。わかった。それなら、馬車に合うように多少調整をするから、少し手伝ってもらうよーん。ンフィーレア君!少し来てくれたまえ!」

 

向こうでエンリと談笑していたンフィーレアを呼び止め、森の賢王の体に合うように、馬車の車体を軽く調整する二人。

 

そして作業しながらオルドナンスは漆黒の剣たちに問いかけた。枠木の大きさを合わせつつ、手綱をその体につける。ンフィーレアとともに、馬車から取り出した工具を使って木を切ったり合わせたりして調整する。

 

「あぁ、君たち、馬には乗れるかね?乗れるなら、余った馬に乗ってくれると助かるのだが。」

 

「あぁ、まぁ最低限乗れるくらいの腕はあるぜ」

 

「そうですね、私も問題なく乗れると思います。」

 

「それなら、君たちは馬で移動したまえ。我々は馬車…ではないがそれに乗って移動することにするよ。よし、できた。すこし動いてみてくれたまえぐぼっ」

 

「あぁっ、すまないでござる!」

 

「オルドナンスさーん!?」

 

そして、前に向かって激しく動いたジャンガリアンハムスター(大)によって、オルドナンスが吹き飛ばされた。

 




王国内の評価

烏侯爵「非常に役に立ったし、必要ではある男だ。ただ、マイナスとプラスで相殺しきれずマイナスが上回るような輩でもある。あいつのせいで私がどれだけ家に帰れなかったことか。」

ちなみに、ほぼ語られることがないだろう設定なのでここで言いますが、帝国が「大粛清」時にいろいろ干渉をしなかったのは、 ①王族もかかわってる状態の案件に手を出すと、全面戦争になる(小規模な構想で削っていった方が楽かつ確実)②聖王国が支援している以上、ワンチャンここで手を出すと、そっちの勢力も出張ってきて手が回らなくなり大損害を受ける恐れがある という理由があったりします。

感想・高評価よろしくお願いします。
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