紅魔館の静かな一室で、咲夜はレミリアに今朝の新聞を差し出した。「お嬢様、新聞は読まれましたか?」
「新聞?文々。新聞のこと?あんなゴシップ記事読んでないわよ」と、レミリアは紅茶を一口含みながら言い放った。
「この様な記事が…」と咲夜は微笑を浮かべながら今朝の新聞の記事を示した。
「外の世界からの男で、女性に平等に接する…か。」レミリアは興味深そうに目を細め、紅茶を飲み干した後、静かに目を閉じて運命を視る能力を使い始めた。
しばらくしてレミリアは瞼を開き、「咲夜、この男に会いに行くわよ。面白い運命が待ち受けている気がするわ」と決断を口にする。
「分かりました、お嬢様。すぐにご用意いたします」と咲夜は忠実に頷いた。
一方その頃、博麗神社では霊夢が新聞を手にユウスケに話しかけていた。「ユウスケ、あんた新聞に載せられているわよ。」
「本当だ、外の世界から来ただけで新聞に載るとは…」とユウスケは驚きながらもどこか興味を示していた。
「それだけなら一面を飾ることはなかったでしょうけど、あんたが避けられてる私や小鈴と一緒にいることも書かれていて、天狗が珍しがって書いたんでしょうね。この新聞を見て、ユウスケ目的の人が来るかもしれないわよ。」
「別に僕は普通の女の子たちに見えるから問題ないんだけど」とユウスケは平然としている。
霊夢はや苛立ちながら、「ユウスケ、事の重大さわかってる?妖怪やどこぞの吸血鬼達も狙ってくるわよ」と警告を続けた。
その時、横から甲高い声がかかった。「あら、霊夢。その吸血鬼達には私は入っていないわよね?」
振り返ると、メイド服の女性を伴い、日傘を持たれた小柄な吸血鬼、レミリア・スカーレットが立っていた。
「ゲッ!現れた。レミリア、あなた、周りから哀れみの視線を向けられるのが嫌だから夜しか外出しないんじゃなかったの?」と霊夢が指摘すると、
「霊夢、皆が私を見るのは哀れみではなく、この溢れ出るカリスマを直視できないからだわ!」とレミリアは誇らしげに言い放つ。
「それで、何しに来られたんですか?」とユウスケは冷静に尋ねる。
「いい質問ね。あなた、紅魔館に来ない?まだ幻想郷にいるということは能力に目覚めたのでしょう?調べてあげるわ!」と微笑むレミリア。
「確かに気になるな」とユウスケは頷くが、
「レミリア、吸血鬼にユウスケを渡すわけないじゃない!」と霊夢が反論する。
「ふむ、霊夢。神社に男と同じ屋根の下で生活するのを止めたくないのでは?」と銀髪ボブカットのメイド服を着た十六夜咲夜が挑発する。
霊夢は「ぐぬ」と言葉が詰まる。
「ちゃんと能力を調べるという正当な理由があるからね。一ヶ月くらい借りていくわよ」とレミリアが宣言するも、
「一ヶ月は長すぎる…」と霊夢が言い終える前に、咲夜によって時間が止められ、ユウスケはレミリアと共に紅魔館へと移動させられた。
時間が動き始め、ユウスケを連れて行かれた霊夢は「やられた…」と呟きながらその場に座り込む。
「時間が止まるってこんな感じなのか」とユウスケは驚嘆しつ周囲を見渡す。
「なんなら永遠に止めておきましょうか。そうすれば邪魔者が入りませんよ」と咲夜は軽く冗談を飛ばすが、どこかその裏にはユーモアがあった。
「ダメよ、咲夜。そんなことしたら昼夜が分からなくなるわ」とレミリアが軽くたしなめると、
「冗談ですよ、お嬢様」と咲夜は微笑んで応じた。
ユウスケは新たな場所でこれから何が待ち受けているのかを感じ取りながら、次の冒険に心を躍らせていた。