呪術×妖怪モノ。スケッチブックを添えて   作:久保サカナ

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町の結界を守れ!➂

◇◇◇ side 栗原渚◇◇◇

 

町の結界を守るために3手に分かれることになった私たち、甚爾さんは「俺は銀行な」とさっさとお札を持って行ってしまった。多分ここから1番近いからだろうなぁ…残された私たちはとりあえず話し合うことにした。

 

「私、公民館行こうか?ここから1番離れてるしね」

「良いのかい、女の子にそういう真似させるのはちょっと…」

「いや、私自転車持って来てるからさ。ちょうど良いかなって」

「じゃあお願いするよ、くれぐれも気をつけて!」

「スグル君もね」

 

そう言ってチョーシ堂から郵便局方面と公民館方面に別れた私たちなのだった。

 

取り出した自転車に乗ってチョーシ堂から銭湯の前を通り駄菓子屋を通りすぎて住宅街に入る、まだ修復中のさんかく公園を横目にするとここら辺で妖怪を召喚しといた方が良いな、と思い立ち妖怪ウォッチを構えた。

 

「出て来て私の友達…!」

 

「クワノ武士くん!」

「武者かぶとくん!」

「セミ丸くん!」

「ヒグラシ丸くん!」

「じょろくん!」

「やもりくん!」

 

 

召喚したともだち妖怪たちの大半はおおもり山で日課の虫取りをしている時に出会った虫妖怪たちだ、大抵は前世の縁で妖怪メダルをくれた者とどうやら私の網捌きに惚れたから友達メダルをくれた者だ。

そんな虫妖怪パーティで公民館の前に到着すると石碑を何やら壊そうとしている妖怪たちが見えた。

 

「モッチィー!これで町の妖気は俺たちのモノモチィ!」

「さっさと壊しちまうモチィ!」

「やっぱり悪さしてる!やっちゃえ皆んな!」

「「「「「「応ともよ!」」」」」」

 

何やら角餅に手足が生えたような妖怪が悪さをしていたので時間をかけたら不味いな、と思い問答無用で一斉攻撃を命じる。

角餅妖怪たちは3体いたが数の暴力には勝てなかったようで「覚えてろモチィー!!!」と声を上げながら紫煙と共に消えた。

 

あとからやもりくんに聞いたが角餅妖怪たちの正式名称はちからモチといってその名の通り取り憑いた者を力持ちにするパワー系妖怪らしい、そのまんまじゃないか。

 

あたりを見渡してよし、これで結界に悪さをする妖怪はいなくなったなというのを確認し貰ったお札を石碑に貼り付ける。すると周囲の空気が軽くなって澄んだ気がした、無事結界の修復に成功したようだ。

 

「あとは小学校の偉人像だね、近いからみんなこのまま憑いて来てね」

「「「「「「「分かったぜ(わ)」」」」」」」

 

ともだち妖怪たちを引き連れ自転車をこいで、あれこれはある意味プチ百鬼夜行なのでは?と思いつつもすぐに小学校の偉人像前に到着した。

甚爾さんは既に到着していたがスグル君はまだのようだ。

 

「お疲れ様です甚爾さん、スグル君はまだですか」

「おう、こっちは肩慣らしにもならない雑魚だったからな、夏油は苦戦してんじゃねぇか?」

 

そうこうしていると「お〜い!」と声が聞こえてスグル君がやって来た。

 

「ごめん!手こずる妖怪が相手だったから遅れた!」

「いや、私も今来たところだから。それよりも結界を修復しないと…」

 

そう私が言った途端、地面が立っていられないほど揺れた。こんな時に地震!?

 

「うわっなんなんだよいきなり!!」

「どうやらアイツの仕業みたいだぜ?」

 

甚爾さんの声に振り向くと今までにない程の紫煙…可視化された妖気が小学校の入り口から立ち上るのが見えた、それは巨大な身体に長い蛇のような首を3本持つ妖怪に変貌したのだった。

 

「ギョロッ忌々シイ結界が破レタデギョローン!!!」

「アイツはミツマタノヅチ!どうやら結界はアイツを封印する役割も持っていたようです!!」

「マズハ貴様ラヲ喰ッテヤルデギョローン!!!」

「不味い!!こっちに来る!!」

「面白ぇ、やってみろよ」

 

いきなりの展開に慌てる私たちをよそに甚爾さんは身体に巻きつけていた呪霊の口から三節棍を取り出すとこちらを喰おうとに伸ばされていたミツマタノヅチの首を殴打して吹っ飛ばした。

 

「ギョロッ!?」

「夏油、栗原、見稽古の時間だ。デカブツ相手の戦い方を見せてやる」

 

そこから先は一方的だった。

首を伸ばして噛みつこうとするミツマタノヅチにかわしてカンフー映画も真っ青の情け容赦無い殴打を加える甚爾さん、時に火を吐く攻撃も巨体による押し潰しも難なくかわし逆に出来た隙目掛けて三節棍の滅多打ちをお見舞いしている。

見稽古って言われたけど多分真似出来ないよ…。天与呪縛ってしゅごい(小並感)

 

「お前さ、呪霊で言うと急所を攻撃しなければダメージの入らないタイプだろ。殴った感触で解るんだよ」

「ソノ通リダギョローン!貴様ガイクラ攻撃シヨウト無駄ギョローン!!!」

「まぁ急所も俺の予想通りだと…!」

 

そう言うと甚爾さんは呪霊から新しい武器…二股に分かれた刃?のような武器を取り出してミツマタノヅチの3本の首のうち閉じられた口にグサリと刃を突き刺してそのまま切り裂いた!

 

「!?グギャアアア!!!」

「おー当たり当たり」

 

中から現れた目玉…アレがさっき言ってた急所なのだろう、そこを持っている刃で滅多刺しにしている。

最初は振り落とそうと暴れていたミツマタノヅチだったがどんどん弱っていきやがてピクピク痙攣するだけになった。

 

「ギョロ………ン」

「トドメだ」

 

甚爾さんが最後に大きく振りかぶりズブリと刃を突き刺すとミツマタノヅチは現れた時と同じく紫煙に包まれて消えた。

私たちの勝ちでいいんだよね?結局はずっと甚爾さんのターンだったな。

 

スグル君はキラキラとした瞳で甚爾さんを見ている、なんかそのうち真似しそうで怖いなぁ。

気を取り直して私たちがここに来た目的…大結界の核を修復しないとね。

 

でもどうやったら修復出来るんだろう?渡されたお札は全部使ったよね?と3人で首をひねっていると突然「その役目、私たちに任せてもらおう」と声をかけられた、何故か頭に駆けよトロンベ!とか斬艦刀!疾風怒涛!というワードがよぎったが多分関係はない。

 

声のした方を見ると和装にポニーテールをして首に龍のようなマフラーを巻いた青髪の少年…とその少年の色違い(こちらは銀髪に赤い眼)が宙に浮かんでいた、どう見ても妖怪です本当にry

 

「私たちは妖魔界の最高権力者であらせられるエンマ大王の密命を受けてここに来た、町の大結界の修復は任せてもらおう」

「信用出来るとでも?」

「あら、オロチに影オロチじゃない久しぶりねぇ〜元気だった?」

「じょろくんの知り合い?信用出来る?」

「勿論よぉ、私が保証するわ」

 

じゃあお願いしようか、と私たちが下がるとオロチと影オロチは偉人像前に移動して何やら掌印を組むと呪言?を唱えた。

すると偉人像が一瞬光り町を覆っていた嫌な空気や雰囲気が綺麗さっぱり無くなった!

大結界はこれでちゃんと修復されたようだ。

 

これでミッションコンプリート!と思っているとオロチと影オロチがじっとこちらを見ているのに気がついた、何だろうと思っているといきなりこっちに近づいて来て2体でそれぞれ私の手を取って顔を近づけて来た!

 

えええええええええっ!何この前世で大庭くんに借りた恋愛漫画みたいな光景は!?イケメンには興味ないけど顔が良いね君たち!?

 

「渚…ずっと会いたかった、この日が来るのをずっと待ち侘びていた…」

「影に生きる身になったとお前への想いだけは真だった…」

 

えええええええええっしかもこんな事言ってる〜!正直前世も今世もこんな目に遭ったことも望んだことも無いからキャパオーバーだよぅ…

 

そう言うとオロチと影オロチは「あとで邪魔者のいないところで召喚して欲しい」と言って私に妖怪メダルを握らせるとドロンッと消えた、なんなのもう…

 

「モテモテじゃねーか栗原」

「イケメン妖怪ばっかり引くねぇ君は」

 

そうニヤニヤ顔を向けて来る男性陣に踵を返してチョーシ堂のお爺さんに報告するべく団々坂に向かうのだった。

 

 

 




私見妖怪図鑑

ミツマタノヅチ
妖怪ウォッチ1では初めて戦うことになるボス妖怪
目玉が開いている時じゃないとダメージが入らないがパパ黒は無理矢理こじ開けて滅多刺しにした、さながらレッドマンの如し!
3でのあぜ道ではプレイヤーにトラウマを与えて来た、許さんぞ…
シャドウサイドではその…うん…なんだろう…

オロチ&影オロチ
戦闘中もずっとスタンバってました
ピンチになったら助けに入ろうと思ってたら残虐ファイトで終わったので大結界の修復をやった
渚との関係はそのうち描写します

評価を貰えると嬉しいです!



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