呪術×妖怪モノ。スケッチブックを添えて   作:久保サカナ

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なんか日によってスパロボ気分と妖怪ウォッチ呪術廻戦の気分でコロコロ変わるので更新は今まで以上に不定期になりそうです、ご了承下さい

というか評価バーが真っ赤になっててめちゃくちゃ驚きました、いつも読んでくれてる人、感想くれる人、評価してくれた人みんなありがとうございます!


エミちゃんはちょっと不憫だけど良い子です

 

◇◇◇ side 栗原渚 ◇◇◇

 

銭湯から帰って数日経った私たちはいつもの日常に戻った、スグル君と私はあれからより呪術師としての戦い方を学ぶようになったのだった。

 

まず呪力を使って身体能力の向上…これは問題なく出来るようになった、特撮ヒーローみたいな動きが出来るようになったが甚爾さんから見ればまだヒヨコだそうだ、そりゃ私たちまだ小学生だしね。

 

スグル君は格闘技を見たりするのが趣味だったらしく甚爾さんに体術を習っている、側から見ていてもメキメキ伸びているように見える。

私も呪霊に負けないように鍛えている。

 

次に術式を使うための準備…スグル君だったら呪霊の湧きそうなところを巡って呪霊集め、花御くんに「術式はあるがまだ目覚めるきっかけが無い」と言われた私はとりあえず妖怪ウォッチ使いとして妖怪集めをしている。

 

ちなみに呪霊がクソ不味いと嘆いていたスグル君だったがウィスパーが「妖魔製薬印のジュレイノメール」を妖怪通販でポチッてくれたので今では呪霊玉を飲むのも苦じゃないらしい、ゲロ雑巾味がブドウ味になったそうだ。飽きないようにイチゴ味とメロン味とリンゴ味で日替わりでローテしているらしい。

 

銭湯で見せられた領域展開というのは文字通りの必殺技…術師にとっての奥義にあたるので習得はまだまだ先になりそうだ、でも領域展開が使える妖怪と友達になっているので実質使えるも同然…!

 

でも天与呪縛には効かないらしい、甚爾さんを「呪力無いから猿!」とか言ったらしい人は現実が見えていないよね…。

 

他にも反転術式とか極の番というのもあるらしいがとりあえず甚爾さん曰く「日頃の修行と小さくても良いから実戦経験の積み重ねが大事」らしい、何事にも通ずる金言だなぁ、しかと心に刻もう。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

そんなこんなで日々を過ごす私たちだったがなんかジバニャンの様子がおかしいのだ。

 

トラックに挑んだかと思えば急にボンヤリしていつもより激しく撥ねられたり、やたら私に抱っこや家に着いて来てお風呂に入れることをせがんで来たり、エミちゃんの写真を見てため息をついたり、修行にいつもより前向きかと思えばペース配分をミスってへとへとになってスグル君の牛型呪霊に回収されたり、なんか空回りしているように側から見ていて思うのだ。

 

どうやらこないだ銭湯に行ってからのような気がする、とりあえずスグル君にも相談してみよう。

 

「ジバニャンの様子がおかしい?」

「うん、最近空回りしているというか憂鬱そうというか…スグル君は何か聞いてない?」

「ちょっと僕にはわからないな、ソレはジバニャン本猫に聞くしか無いよ」

 

「プリチー!オレッチ、トモダチ!ふくはウチー!」

「ジバニャン!」

 

そう言って妖怪ウォッチと妖怪メダルで早速ジバニャンを召喚するスグル君、まぁウジウジ周囲が悩むよりもズバッと聞いた方が良いよね。

 

「スグルにナギサ、急にどうしたんだニャン?」

「単刀直入に聞くがジバニャン最近悩みとか無いか?」

「なーんか最近キミの様子がおかしいって思ってね、悩みがあるなら聞くよ?」

「ギクゥ!何でも無いニャンよ!?気のせいニャン!」

 

何でも無い…とはとても思えない様子のジバニャン、問い詰めても答えないだろうしどうするかな。

するとスグル君がまた妖怪ウォッチを構えるのが見えた。

 

「フシギ!フシギ!ブギウギ!オレたちゃ、オオハシャギー!」

「バクロ婆!」

 

そう言って召喚されたバクロ婆、そうか!バクロ婆の力を使えばジバニャンの本音をバクロさせることが出来る!

ちょっと強引だけど今のままトラックに轢かれ続けたり無茶な訓練を続けるよりは良いよね。

 

バクロ婆に引っ付かれたジバニャンはサスペンスドラマのラストシーンの崖の上の犯人のように自供し始めたのだった。

 

「オレっちのぼせトンマンを見てたらエミちゃんが恋しくなっちゃったニャン…」

 

「アイツも生前は大事にされていたペットだったニャン、でもアイツは飼い主をずっと側で見守り続けていたニャン」

 

「間違っていたとしても飼い主のために動けたニャン…」

 

「対してオレっちは死に際にダサいと言われ未だにトラックにも勝てないニャン…」

 

「かと言って会いに行く勇気も持てないニャン…またダサいって言われたら立ち直れないニャン…」

 

「オレっちどうしたらいいのかわからないニャン…」

 

うーん、思っていたよりも深刻な悩みだった。

エミちゃんについて私たちが知っていることと言えばジバニャンの死に際に

 

「車にひかれて死ぬなんて………ダサっ」

 

って言ったことくらいしか知らないんだよね、これだけだとただの人手なしにしか思えない。

けれど猫って生き物は普通なら飼い主を下に見るものなのにジバニャンはこんなにエミちゃんを慕っている、だから悪い人間だとは思えないんだよね。

 

そう考え込んでいるとスグル君が「とにかく会ってみよう」と言い出した。

うん、アンストッパブルなスグル君ならそう言うだろうなぁと予想はついたよ、ただジバニャンは「ニャニャッ!?」と困惑している。

 

「とにかくエミちゃんがどう思ってそんな言葉を言ったのか知りたいんだろう、なら本人に会って聞いてみるしかないじゃないか。いざとなったらバクロ婆もいる」

「ニャニャッ!?でも…でも…」

「うーん、強引ではあるけどそれが今のジバニャンにとって最善じゃないかな。心がいつまでも落ち着かないのって辛いよ?」

「エミちゃんのお家は覚えているでウィスか?」

 

そこまで言うとジバニャンは観念したのか「覚えているニャン…」と声をあげて私たちを道案内し始めた。

その後を追いながらスグル君は「余計な真似をしたかな」とちょっと自信無さげこっちに聞いて来たので「スグル君なりにジバニャンの事を考えた結果だろう?きっと間違っていないさ」と答える、それもスグル君の優しさだろう。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

ジバニャンの案内でエミちゃんの家に着いた私たちだったが何やら家からドンヨリした妖気を感じるので一旦様子を見ることにする。

 

「そういえばエミちゃんの家庭環境はお世辞にも良く無かったニャン…ママはいつもエミちゃんを怒ってばっかりだったしパパは知らんぷりしてたニャン、今なら分かるけど良くない妖怪に憑かれていたと思うニャン」

 

裏庭に回り室内をそっと覗くと紫色をしたスライムのような妖怪が家に取り憑いているのが見えた、アレが原因だろう。

 

「アレは妖怪ドンヨリーヌ、場の空気をドンヨリさせて雰囲気や人間関係を悪くする妖怪でウィッス」

「なるほどあの妖怪が家庭環境悪化の一因らしいね、どうする?」

「もちろんやっつけるニャン!」

「そう来なくっちゃ!」

 

とりあえずバレないように影オロチくんを召喚して隠密の術をかけてもらう、これで普通の人の目には映らなくなったぞ。

それからエミちゃんかエミちゃんのお母さんが在宅しているせいか開けてあるリビングの窓から潜入する、目指すはドンヨリーヌだ。

 

「ボボジョワァ〜ン、何なの貴方たちは!」

「それはこっちの台詞ニャン!お前のせいでエミちゃんが困っているニャン!無理矢理にも出て行ってもらうニャン!!!」

 

そんなこんなでドンヨリーヌを倒した私たちだった、ドンヨリーヌは「バトル強い人ってステキ…!仲良くしてねボボジョワ〜ン」と妖怪メダルを置いて行ったのでありがたくいただいておく。

 

よし、あとはジバニャンとエミちゃんを再会させるだけだな、と思っていると背後から「アカマル…?」と女の子の声が聞こえた。

振り返るとジバニャンの持っていた写真に写っていた女の子が立っている、エミちゃんだ!

エミちゃんはじっとジバニャンのいるところを見つめている、まさか見えているのか?

 

「エミちゃん…?オレっちのことが見えるニャン!?」

「見えるよ…なんとなくだけど」

 

するとそこでジバニャンは俯いて涙をボタボタ垂らし始めた、エミちゃんも気まずそうな顔をしている…このままじゃ話が進みそうにないぞと思っているとスグル君が「隠密の術を解いてくれ」と言って来た、何か名案でも浮かんだのかい?

 

隠密の術を解除するとエミちゃんからすれば知らない男の子がいきなり目の前に現れる事になった、「何なのアナタ!?」と悲鳴を上げ後退るるエミちゃんを見据えながらスグル君は声をあげた。

 

「僕はジバニャン…アカマルの友達だ!貴女はどうしてアカマルの最期に「ダサい」なんて言葉をかけたんだ!」

「!?」

「アカマルは凄い奴だ…飼い主に酷いことを言われたのに”悪いのはトラックに轢かれたくらいで死んだ自分だ“と思って雨の日も風の日もトラックに挑んでは撥ねられている、貴女のことを妖怪になったにも関わらずこれっぽっちも恨んじゃいないんだ!」

「そんな…アカマル…」

 

エミちゃんはスグル君の言葉に俯くと「違う…違うのよ…アカマル…」と声を絞り出した。

 

「ダサいっていうのはアカマルの悪口じゃなくて…私の前からいなくなるなんてひどいって意味だったの!!だってアカマルは…」

 

「私を庇って死んじゃったんだから!!!」

 

 

 

 

 

その時、ジバニャンの脳内に溢れ出した存在した記憶

 

 

 

 

 

 

「しっかり捕まってなさいよアカマル! いっくわよー!!!」

 

 

 

「お前はずぅーっと私と一緒にいるんだぞ! 可愛がってくれるご主人様を大切にするのが、猫ちゃん界隈の常識なんだから!」

 

 

 

そして、あの日。魚屋の交差点でエミちゃんは確かに青になった信号を渡っていた。

しかし、そこに全速力のトラックがエミちゃん目掛けて突っ込んで来たのだった。

当時の自分に出来ることと言えば“エミちゃんを突き飛ばして自分が代わりに轢かれる“だけだったじゃないか…!

 

 

 

「アカマル……私を守るために、自分が死んじゃうの…?車に轢かれたぐらいで、私の前からいなくなるの…?」

 

 

 

「そんなのダサっ…!ダサいよ、ダサすぎるよ……!!!」

 

 

 

 

 

「エミちゃんはオレっちを嫌いになんてなって無かったニャン…!」

「当たり前でしょアカマルッ!!!」

 

そう言うとエミちゃんはジバニャン…アカマルを抱きしめた、顔からは大粒の涙が溢れ出しているのが見える。

 

「アナタにずっと会いたかった…!!もう一度でも良いからこうして抱きしめたかった…!!」

「うわぁぁぁぁぁんエミちゃああああんオレっちも会いたかったニャアアアアアン!!!」

 

 

 

「陳腐な言葉になるけど感動の再会だね…」

「ああ、ここに来て本当に良かった」

「ジバ野郎の癖にワタクシ涙が止まりませんよぅ…」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

とりあえずスグル君に習って隠密の術を解除した私だったが、エミちゃんは特に驚かず「あなたたちのおかげでアカマルとまた会えたわ、本当にありがとう」と頭を下げて来たので「友達のために当然のことをしたまでです」と返しておく。

 

「アカマルってば本当に良い友達に恵まれたのね…、ところでアカマルってば今野良猫?ちゃんとあったかい寝床で寝てる?ご飯ちゃんと食べてる?」

「ギクッ!すいまちぇん今野良猫ニャン…」

「そのことなんだがなジバニャン…」

 

スグル君はそこで一旦切るとジバニャンに「ウチで暮らさないか?」と声をかけた。

 

「母さんが以前から猫を飼いたいって言ってたんだ、お前も妖怪なら普通の猫みたいに化けられるだろ?」

「オレっちスグルの家で暮らしても良いのかニャン!?」

「ああ、君さえ良ければ」

「良かったわねアカマル!」

 

エミちゃんはしゃがみ込んでジバニャンと目線を合わせるとジバニャンの頭を撫でながら言った。

 

「お前はずぅーっと友達と一緒にいるんだぞ!辛い時に助けてくれる友達を大切にするのが、猫ちゃん界隈の常識なんだから!」

「わかったニャン!オレっちはスグルとナギサと一緒だニャン!」

 

 

 

この日から夏油家に家族が1匹増えたのだった。

 

 

 




今までで一番長くなったので評価お待ちしています。


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