呪術×妖怪モノ。スケッチブックを添えて   作:久保サカナ

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もんげ〜プリチーな彼の登場です。

あと甚爾ヒモ辞めるってよ。





働くコマさん…とパパになるパパ黒➀

 

◇◇◇ side 夏油傑 ◇◇◇

 

あれから数日、僕たちはノガッパに連れられて河童水泳大会を見物しに行ったり(優勝したのは水虎という河童だった)、栗原さんの新しく覚醒した回復技を甚爾師匠に見せに行ったりしていた。

 

栗原さんの全体回復技(仮)を見た甚爾師匠はスッゴイ顔をして「良いか?最低でも呪術高専に入学するまでは絶対にその技が使えるって他人にバラすんじゃねぇぞ!下手すると悪い奴ら…呪詛師や呪術界上層部や御三家に誘拐されて能力を使うことを強要されたり孕み袋にされるぞ!!!」と怖い顔で念押しして来た。

 

回復技の正式名称は「反転術式」といって特級術師クラスじゃないと使えないような呪術のスーパーテクニックだそうだ(小学生男子っぽい表現)。

 

この技の原理は俗に言うマイナスのエネルギーである呪力にもう一度マイナスをかけてプラスにして使う…正直なところ僕も試してみたけれど出来なかった、栗原さんもよく分かっていないらしい。

 

反転術式を習得する事で、治癒だけではなく「術式反転」「呪力の中和」「術式の回復」なども使用可能になるそうだ。

 

例えば「術式反転」だと炎を出す術式で逆に氷を出したり出来そう…夢が広がるなぁ。

 

例えば「呪力の中和」だと相手の呪力のコントロールを乱したり使えなくしたり…術師相手の戦いで有利になりそう。

 

例えば「術式の回復」だと領域展開で焼き切れた術式を再使用出来るようにしたり…まずは領域展開を使えるようにならないとな。

 

まぁ、僕は反転術式使えないから絵に描いた餅なんだけどね!

 

とにかく使えるようになったら便利だから、これを覚えることも目標にすることにした。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

そんなこんなで今日も修行に励む僕たちであったが、甚爾師匠から「最近、恵子の様子がおかしくってよ…」という愚痴?のろけ?を聞かされるのだった。

 

「な〜んか、最近妙にイライラしているんだよ」

「あっ(察し)、他にはありませんか?」

「やたらと酸っぱいものを食べたがってんな、あと夜の方を断られるようになったぜ」

「甚爾師匠、それ多分妊娠の初期症状ですよ」

「………マジでか」

 

そんな僅かな情報で気がつくとはさすが栗原さんだ、甚爾師匠は思考が追いついていないのか「マジかぁ…」と呟いている。

 

「とにかく今日は自主練にして、早く家に帰って恵子さんとよく話し合ってください。確か不安感も強くなるらしいですから」

「おう、そうさせてもらうわ」

 

そんな師匠を見送ったのが昨日のことだった、今日はやたらと困惑した顔をした師匠に「栗原の言う通りだったよ」と言われたのだった。

 

「おめでとうございます師匠!」

「確かにおめでたいことじゃないですか、どうしてそんなに困惑しているんですか?」

「いや、だってよぉ…」

 

話しが長くなりそうだからベンチに移動して自販機で飲み物を買って師匠の隣に座る、師匠には僕たちからのお祝いの気持ちでヨキシマムゴッド(たまたま出て来た)をあげた。

 

「前に俺が産まれた家は“術師に非らずば人に非らず”が家訓だって話ししたよな?」

「そういう話しもありましたね」

「酷い話しですよね、それがどうしたんですか?」

 

そこまで言うと甚爾師匠はヨキシマムゴッドの封を切り一口飲んで吐き出すように話しを続けた。

 

「俺みたいな術式のねぇ出来損ないはそれこそ猿扱いだったよ。そんなろくでなしの俺が惚れた女と結婚して、子供が出来て、のうのうと暮らして、それこそありえないだろ」

「世間一般から見たらろくでなしなのは実家の方ですよ」

「第一に非術師が猿なら日本人のほとんど…いや世界中が猿ですよ、地球は猿の惑星になっちゃいますよ」

 

これはお師匠にそういう歪んだ思想を植え付けた実家が悪いと思う、お師匠は悪くないだろ…。

 

そう考えていると栗原さんが「第一に師匠はいっぱい持ってるじゃないですか」と話を続けた。

 

「顔が良くて、声も良くて、誰にも負けないフィジカルがあって、養ってくれる美人の奥さんがいる、ヒモなのはマイナスだけど勝ち組じゃないですか」

「そうだよ、師匠のフィジカルが有ればオリンピック金メダルでオセロが出来るだろうしでも宇宙飛行士でもなんだってなれるだろうに!」

「こんな俺がか…?」

「貴方はドブカス実家のクソみたいな家訓でがんじがらめなんですよ、実家から出たのに自縄自縛してどうするんですか」

 

そこまで言うと甚爾師匠は「その発想は無かった…!」という顔でこちらを見つめて来た、これはもう一押し必要かなぁ。

 

僕らが無言でいるとウィスパーが「なら働いてみるというのはどうでしょうか?」と意見を出して来た、なるほど…ヒモをやめれば甚爾師匠も自分に自信が出来るかもしれない!

 

「いや、さっき妖怪オシラセッターに『工事現場に妖怪が住み着いちゃって工事が進まなくて困っているズラ、肉体労働が出来て妖怪を追い払えるような人材を募集中ズラ!さいわいお給料はもんげ〜良いズラよ!』という書き込みがありましてね、甚爾さんにピッタリかと思いまして」

「師匠のためにあるような求人じゃないですか!早速行ってみましょう!」

「………おう」

 

まだ納得し切れていないが動く気はあるらしいお師匠を連れて僕らはさくら中央シティを目指すのだった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

さくら中央シティに着いた僕たちだったが、早速例の建設途中のビルにあるプレハブ小屋を覗くのだった。

 

「ごめんください!オシラセッター求人を見て来た者ですが!」

「今行くズラよ〜!」

 

そういうとマロ眉が特徴的な工事服を着た男性が奥から出て来た、この妖気は…!

 

「お兄さん、もしかして妖怪じゃないですか?」

「!?なんで分かったズラ!?」

「そもそも妖怪オシラセッターで求人を探す時点で妖怪でしょ」

「それもそうズラね、うっかりズラ…」

 

そういうとお兄さんはドロン!と紫煙を上げて元の姿に戻った、なんというかいかにもプリチー族な狛犬のぬいぐるみを思わせる姿をしている。

 

「オラの名前はコマさんズラ、よろズラ!」

 

コマさんの話だとここにはやがて『人間向けコースも妖怪向けコースもある最新鋭のスポーツジム』が建設される予定らしい、しかし工事が長引いてしまい悪い妖怪が住み着いて人間の作業員が怯えて出て行ってしまい余計に工事が進まなくなってしまったそうだ。

 

「このプロジェクトは人間界と妖魔界を結ぶ一大事業だったのにこのままだと頓挫してしまうズラ…お願いズラ!力を貸して欲しいズラ!」

「報酬を提示しろ、話はそれからだ」

「これが求人表ズラ!」

「なるほど…悪くねぇ」

 

そうして甚爾師匠は手に(期間限定とはいえ)職をつけたのだ。

 

なお、住み着いている妖怪の数が多いので僕らも駆り出されるのだった。

 

 

 





メインクエストで言うところの「工事現場のお手伝い」

➀甚爾を工事現場まで連れて行く
➁パワー系妖怪をともだちにして連れて行く
➂おぼろ入道を倒す

みたいな感じで進みます

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