呪術×妖怪モノ。スケッチブックを添えて   作:久保サカナ

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ちょっとスランプになって原作(ゲーム)をやったりアニメ版見たりしてたら遅れました。

原作が悲惨な作品ほどほのぼのやギャグと混ぜ混ぜしたくなるのが性癖。

さくらニュータウンは今日も平和です!!!








働くコマさん…とパパになるパパ黒➃

 

◇◇◇side 栗原渚◇◇◇

 

 

 

「男の人っていつもそうですよね…!ハイレグバニーお姉さんにウスバカゲロウを見る目で見られたいんでしょう!?」

「いい加減に起きろ!渚!!もう朝だぞ!?」

「私はアスくんの方がタイプよ?ダウナーな感じがたまらないわ〜!」

「お前も何言ってんだ女郎蜘蛛…!」

 

なんか月からハイレグバニーお姉さんたちの妖怪?が侵略国家を率いて侵攻して来る夢を見たのだった、いくら妖怪のいる世界でも流石にこれは正夢にはならないでしょう(フラグ)

 

なんか地球の精霊?化身?のダウナー系イケメンお兄さんとロミジュリしてた気がする。

 

というか妖怪も呪霊もいるってことは宇宙人も精霊もいるかもしれないという悪魔の証明、この世界何でもアリか?

 

とりあえず目を覚まそうと顔を洗って歯を磨く、今日の寝癖はマシな方。

 

私は髪質の問題で寝癖がひどい時は結ばないといけないからなぁ、男の子なのにサラサラのスグルくんが羨ましいよ。

 

今日は夏休みの宿題で「社会科見学」に甚爾師匠とコマさんのところに行こうとスグルくんと約束しているのだ。

 

朝食を食べ終わり歯を磨いて着替えを済ますとちょうど玄関のチャイムが鳴った、インターフォンを見ると最近すっかりお馴染みになったスグルくん・ウィスパー・ジバニャンのトリオが見える。

 

「おはよう、栗原さん。早かったかな」

「いや、ちょうど良いところだよ。さぁ行こうか」

 

そう言って2人+αでさくら中央シティの工事現場に向かうのだった。

 

 

◇◇◇

 

 

 

そうして工事現場…ともう言えないくらい立派な建物になったビルに来た、するとビルの前に恵子さんが立っているのが見えた。

 

赤ちゃんがお腹にいますキーホルダーをつけているのがわかる。

 

「あら、傑くんに渚ちゃんじゃない。おはよう!」

「おはようございます恵子さん、今日はお仕事はお休みですか?」

「そうなのよ、だから頑張って甚爾くんのためにお弁当を作って来たから届けに来たの」

「おぉ〜アツアツですねぇ」

「愛されてるなぁ、師匠」

「もうっ大人をからかわないの!」

 

そう言ってビルの受付けで工事現場に入るための手続きを済ます、首から下げる札をもらい設置されたエスカレーターで上の階に向かう。

 

「お弁当ってさ、ようは『毎日作ってあげる習慣』が大事なんだよ。冷凍食品を使うのは悪いことじゃないんだよね」

「スグルはお弁当を作ってもらったのに冷凍食品にケチつけるような男になっちゃダメよ?」

「渚ちゃんと女郎蜘蛛の言う通りよね〜、忙しい朝に揚げ物をする手間とかを考えちゃうとね〜、今日は時間あったからちゃんとしたわよ?」

「僕は占いのついたグラタンとかご飯の進む一口カツが好きですけど」

「ワタクシはお肉の入ったオムレツが好きでウィッス」

「オレッちはエミちゃんによく一口サイズの焼き魚をもらっていたニャン!」

 

そう言ってお弁当談義をしながら上階に着いた私たち、すると中から甚爾師匠とコマさん主任の話声が聞こえて来たのだった。

 

「俺のガラじゃねぇんだよ、日の当たる場所で真っ当に生きるなんてよ…」

「そんな事はないズラ!誰にだってやり直せるチャンスはあるズラ!」

 

なんだか深刻そうな話をしているので私たちは入るのを躊躇ってしまうのだった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

その男の運命は異なる、最愛と出会い別れるためにあるような人生を送るはずだったが極楽浄土の主人が不憫に思ったためかはたまた気まぐれか。

 

あの夜に妖怪とその友達という運命と出会い、その後縁を結び、命を奪うのではなく守り教え育むことを始めたのだ。

 

これには縁結びの童女神もニッコリである、彼女の加護を受けた閻魔様もニッコリだろう。

 

そんな男…伏黒甚爾であったが、働くうちに一つの疑念を抱くようになったのだ。

 

「産まれて来る我が子を愛せるかどうか」である。

 

 

 

「もし妻が出産で命を落としたり産後の肥立ちが悪かったら?

 

もし妻ではなく自分に似ていたら?

 

もし自分が渇望してやまなかった術式を持って産まれたら?」

 

 

 

その時、自分は我が子を愛せるだろうか。

 

禪院家がかつて自分にしたように子供を虐げる側に回ってしまうのではないだろうか、父親だと胸を張れるだろうか。

 

そもそも既に血で汚れたこの手で我が子を抱く資格があるのかどうか。

 

皮肉にも本来の歴史では思いつきもしなかった心配を夏油傑と栗原渚、2人の子供を弟子にとり結構大事に思ってしまった…情が湧いたため思うようになったのだった。

 

しかし、身重の妻にこんな相談をして心労をかけるのもどうか、弟子である子供たちにする訳にも行かず悶々としていたところ、聞き上手の癒やし狛犬妖怪コマさんに出会ったのだった。

 

コマさんに工事現場の休憩時間を見計らい、相談を持ちかけるとコマさんは嫌な顔一つせずにとても真面目に話を聞いてくれた。

 

その上で「トージは偉いズラねぇ、もう立派にお父ちゃんしているズラ」と言うのだ。

 

「お父ちゃん?こんな俺がか?」

「そうズラ、トージが本当に悪い人間だったり自分の子供を大事に思って無かったらそういうことを思いつきもしないはずズラ!こうやって奥さんや赤ちゃんの事を想って相談するのがトージはちゃんとしたお父ちゃんになりたいって思っている証拠ズラ!」

「そうなのか…?」

「そうズラ!」

 

断言するコマさんにそうかもしれないと思う甚爾であったが、その度に頭をよぎるのは禪院家でのドブカスみたいな記憶なのだ。

 

幸せな記憶が妻と出会ってからしか無く、親子というものがよくわからない…幼少期の虐待のトラウマと刷り込みが甚爾を未だに縛っているのだった。

 

コマさんに自分が実家で猿のように扱われていたこと、実家を出て生きるためには汚い仕事をするしか無かったということもついつい話してしまった甚爾、しかしコマさんは真っ直ぐな目で甚爾を見つめるのだった。

 

「俺のガラじゃねぇんだよ、日の当たる場所で真っ当に生きるなんてよ…」

「そんな事はないズラ!誰にだってやり直せるチャンスはあるズラ!」

 

「トージはオラが工事が進まなくて困っていた時に助けてくれたズラ、スグルやナギサだってトージのために動いたズラ、ビルだってこうしてみんなが頑張ってくれたから建ったズラ。大丈夫。オラの知ってるトージは誰かのために動ける立派な人間ズラよ」

「そうだよ甚爾くん!」

「恵子!?」

 

そう言って入って来たのは最愛の妻・恵子。あと弟子の夏油と栗原。

 

俺としたことが何で気がつかなかった…!?と思っていると栗原の側に影オロチがいることで隠密の術を使われたことに気がつく。

 

まさか恵子や夏油や栗原に話を聞かれたのか…!、と内心慌てていると恵子が「私ね、内心不安だったんだよ」と喋り始めた。

 

「私だって甚爾くんとの赤ちゃんは欲しかったよ?でも子供が出来たら甚爾くんはもっと別の養ってくれる女の人のところに行っちゃうんじゃないかって、働き始めたのも私のそばからいなくなるんじゃないかって」

「そんなワケねぇよ!俺が働こうと思ったのはお前にガキが産まれるまで苦労をさせたくねぇからだ!」

「そういうのはちゃんと言葉で伝えないと駄目ですよ師匠」

「そこで働こうと思える時点で貴方はもう立派な夫であり父親です、きっと赤ちゃんのことも愛せますよ」

 

やはり聞かれていた!と思いつつ寄せられた言葉に胸に熱が灯るのが分かる、「良かったズラねぇ、トージ」というコマさんの声を聞きつつ恵子から受け取った弁当を頬張るのだった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

数日後…

 

 

 

「それではこれを持ってさくらスポーツジムの建設作業は終了ズラ!皆さん本当にご苦労様でしたズラ!」

 

コマさんがそう言うとわっと活気付く現場作業員たち、その前方にはピカピカのスポーツジムが建っている。

 

つい先日まで妖怪のナワバリにされていて荒れ果てていたのが嘘のようである。

 

その後、手続きや挨拶を済ませて作業員が一人一人家路につく中、甚爾だけコマさんに「話があるからちょっと待っていて欲しいズラ!」と言われたのだった。

 

「何だよ話ってのは」

「トージにオラからプレゼントがあるズラ、ケーコさんへのお祝いでもあるズラ」

 

そう言って渡されたのはピカピカの腕時計…妖怪ウォッチだ!

 

「オイオイ…こんなモン貰って良いのかよ…!」

「トージはオラが困っていた時に助けてくれたズラ!、今度はオラがトージとケーコさんを助ける番ズラ!!」

 

そう言って自分の妖怪メダルを差し出して来るコマさん、他にも工事現場で一緒に作業員として働いた妖怪たちのメダルもある。

 

この日、伏黒甚爾に初めて友達が出来たのだった。

 

 

 





月の民ミカちゃんがエッチすぎて困った。

コマさんは伏黒家の家政婦兼ベビーシッターとして働きます。
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