いつも心にキモイルカ(遊戯王GX感)
あとウィスパーの台詞が書いてて脳内再生される
◇◇◇side 夏油傑◇◇◇
ひたすら白くて気持ち悪いの、略してしろきもことウィスパーと妖怪執事にするしないの問答をしていた僕だったが栗原さんの「そろそろ帰るよー」という声でひとまず休戦して暗くなる前に下山する事にしたのだった。
何か忘れている気がするが忘れるくらいならば大したことないことなんだろう。
正直なところ妖怪というものをよく知らない僕からすればいきなり執事にしてください、と言われても「胡散臭い」としか思えないのだ。
油断させておいていきなり「オレサマオマエマルカジリ」みたいな展開にならないとも限らない、そもそもウィスパーなんて妖怪聞いたことも無い。
妖怪っていうよりコイツは昔母さんに読んでもらった「ねないこだれだ」のお化けに見える。
出来ればコイツを家にあげたく無いな…と思いながら横を見ると大やもりと女郎蜘蛛に挟まれた栗原さんが見えた。
ウィスパーの言うことが正しいなら1番上のランクの大妖怪との事だが栗原さんに対してすごく好感度高いな…?と感じる。
栗原さんに対する目線が側から見てても親愛や慈しみの情に溢れているのだ。
正直ウィスパーと取り替えて欲しい。
おおもり山を下山しさくら小学校を通り過ぎたあたりで暗くなって来たので栗原さんに声をかける。
「栗原さんの家は確か僕の家の側だよね、送って行くよ」
「ありがとうスグル君」
「流石スグル君!紳士でウィスねぇ〜、それでこそワタクシのご主人様でウィス!」
「うるさい」
そんなやりとりをしながら住宅街に入りさんかく公園にさしかかった辺りで突然ウィスパーが「あああああ!忘れてたあああああ!」と大声をあげた。
「ちょっとちょっとスグル君!ワタクシとしたことが大事なことを忘れていました!人間と妖怪が仲良くなる上で欠かせないあるものを渡さなければいけません!」
「あら、私たちもナギサに渡したい物があったのよ。そこの公園に入りましょう?」
「僕は仲良くなる気はないけどな」
「まぁまぁスグル君、もらえるものは病気以外貰っとけというじゃないか。断るのは見てからでも遅くはないよ」
栗原さんがそう言うなら…と公園に入ってウィスパーの方に視線をやると何やら腕時計のようなものを取り出して僕の腕に勝手に巻き付けて来た!
「あー!何するんだよ!」
「フッフッフ…それこそ人間と妖怪を繋ぐ時計、その名も妖怪ウォッチでウィス!もちろん普通に腕時計としても使える優れ物ですが他にも便利な機能が盛りだくさん!」
「まぁぶっちゃけると妖怪召喚機能付きの時計だな、COMPだよCOMP」
「あとRPGの道具袋みたいにアイテムや食べ物、捕まえた生き物を生きたまましまっておけるわよ」
「オーバーテクノロジーじゃないか、どうぶつの森じゃん」
「もちろんナギサの分も用意しているわよ」
そう言うと女郎蜘蛛は懐から懐中時計のような妖怪ウォッチを取り出し栗原さんの首にかけた、僕のウォッチが白を基調とした男の子らしいデザインなら彼女のウォッチはピンクを基調とした女の子らしいデザインだ。
「妖怪を召喚するには召喚したい妖怪から友達メダルを貰って時計にセットすれば良いぜ、俺のメダルをやるよ」
「私のメダルもあるわよ」
そう言うと僕と栗原さんはそれぞれ「大やもり」と「女郎蜘蛛」の妖怪メダルをゲットしたのであった。ウィスパーに一応「君のはないのか」と訊ねると「ワタクシは妖怪執事ですからメダル無しでもいつでも一緒のいわば特別枠でウィス!」と返された。なんだか非日常妖怪ライフへの外堀を重機でどんどん埋められてる感じだ。
しかしカッコいい腕時計をタダで貰えたのは小学生的には嬉しくあちこち弄り回していると急にレンズが赤く点滅し「カイマ!カイマ!」とアラートが鳴り出したので驚いてウィスパーの方を見る。
「ウィスパー!急に何か鳴り出したぞ!こういう機能なのか!?」
「わわっ私のもなんか鳴ってる!」
「ちょい待ち!えぇぇぇとそれはぁぁぁ(Padを取り出す)「それは怪魔アラート!怪魔が近づいている警告よ!」私の台詞ゥ!?」
怪魔ってなんだ、と問う前に公園に誰かが駆け込んで来たのでそちらを見ると息も絶え絶えの女性が酷く憔悴した姿で立っていた。
「………!? ハァハァ…君たちすぐにここから逃げて…!」
何があったのか駆け寄ろうとする前に女性が来た方向を見るとそこには…!
ダンプカーくらいのコモドドラゴンがいた。
「いや何でだよ!」「スグルきゅん危ない!」「ぐっ!」
あまりにも唐突な展開…まるで昨日読んだ格闘漫画のような猿展開っぷりに思わずツッコんでしまいコモドドラゴンの突進を避け損ねたところをウィスパーに庇われ事無きを得た。
栗原さんは大やもりに、女性は女郎蜘蛛に抱えられて無事だったようだが綺麗に整えられた公園は滅茶苦茶になってしまった。
「いや!何で日本の住宅街にコモドドラゴンがいるんだよ!」
「落ち着け、アレが怪魔だ!」
「怪魔って!?」
「説明は走りながらするでウィス!!」
「良いから広くて人の居ないところに行くぞ!!」
「わかった!」
追いかけて来るコモドドラゴンから河川敷方面へ全速力で逃げつつ(幸いにもコモドドラゴンにしては足が遅いようだ)、フヨフヨ浮いてるため余裕がありそうなウィスパー曰くアレは妖怪の間では怪魔、人間の間では呪霊と呼ばれる「人間の負の感情」が凝り固まって出来た呪いの塊らしい…ああやって人を襲うため出現したら呪術師といういわば超能力を持った人間が祓うそうだ、ちなみに日本の年間行方不明者と怪死者はほとんど怪魔が原因らしい。
そうこう話しているうちに土手を下り河川敷に出た僕たちだったが幸いにも人影は無かった。全力疾走を行ったため肩で息をしている僕と降ろされた栗原さんと女性を庇うように大やもりと女郎蜘蛛とウィスパーが立った。
「どうして普通の住宅街に怪魔が湧いたのかはわかんねぇが今ここで祓わねぇと被害が出るぞ」
「という訳で私たちに任せておいて頂戴、Sランクが飾りじゃないことを証明してあげる」
「ウィス!」
ここに僕たちの人生で初めての祓除が幕を切ったのであった。
という訳で次回から一応バトルがスタートします。
この小説のオリジナル設定では怪魔=呪霊です、呼び方の違いは大判焼きと回転焼きみたいなものです。
Q、何でコモドドラゴンを出したの?
A、だって妖怪ウォッチ(アニメ版)ってパロディしてナンボじゃないですか
あとゲーム中にある「何でも入るリュック」は妖怪ウォッチの機能ということにしました