呪術×妖怪モノ。スケッチブックを添えて   作:久保サカナ

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今回から呪術廻戦くんが復活して行きます。

というか前回は作者も書いててしんどかったというかどうしても必要な場面だと思っているので許してちょんまげ!

今回はアンチ・ヘイト表現強めです。



※ダイジェスト気味なので呪術廻戦原作コミックあるいはアニメをご用意ください。


決起集会と前世とそう遠くない未来➃

 

◇◇◇ side 夏油傑 ◇◇◇

 

 

 

浄玻璃の鏡はまず「赤ちゃんを抱いている恵子さん」を映し出した。

 

「コイツは伏黒恵、禪院甚爾と伏黒恵子の間に生まれた子供ダニ。コイツがこれからの鍵の一つになるからよく覚えておくダニよ」

「無事に生まれたんだ…」

「良かったよ…

「………俺似じゃねぇか」

 

そう言う甚爾師匠だったが嬉しそうだ、顔がほころんでいる。

 

しかし、場面が切り替わると床に伏している恵子さんと片手に恵くんを、片手に恵子さんの随分と痩せてしまった手を取る甚爾師匠の姿が映し出された…恵子さんは顔色が悪く呼吸もか細い。

 

「恵のこと…お願いね」

 

そう言い残すとぐったりと恵子さんの手は落ちた、これってお亡くなりになったってことじゃないか…!

 

「伏黒恵子は伏黒恵を産んでまもなくお亡くなりになるダニ、これはヒモ…寄生虫の旦那を何とかして養おうとして産後すぐに働いた無理が祟ったからダニ!テメーは最愛の妻を自らの怠惰で殺したんダニ!!」

「嘘だろ…………」

 

甚爾師匠は顔こそ平静を装っているが声が震えている…そして鏡の映し出す甚爾師匠の人生もまた坂道を下り落ちるがごとしだった。

 

 

 

呪詛師として人を殺しては汚いお金でギャンブル三昧

 

何人もの女の人と金と養ってくれること目当てで再婚

 

恵くんのことは女任せで育児放棄

 

そして極め付けは…

 

 

 

「俺のガキだがありゃ完全に持ってる側だ。5、6歳…術式の有無がハッキリしたらオマエらにやらんこともない。勿論金次第だがな」

 

京都駅で髭のおじさんと話す甚爾師匠、「コイツは禪院家の当主ダニ、つまり術師に非ずんば人に非ずを掲げるドブカスどものトップダニ」とT-USAピョンの解説が入る。

 

「相伝の術式なら8億、それ以外でも7億はもらう」

「ハッ、相伝なら10億やろう」

 

 

 

………これもう完全に人身売買じゃないか!恵子さんの遺言はどうなったんですか!?

 

 

 

「わかったダニか?テメーは実家がドブカスだと知っていながら嫁さんの遺言をクソのついた足で踏み躙ってギャンブルする金欲しさで実の息子を売ったんダニ!!!」

「…………………」

 

表情こそ無だが甚爾師匠の顔は青ざめている、言い返さないってことは「自分ならやるかもしれない」という自覚と葛藤があるからだろう。

 

僕も悪いことやってる虚億をしょっちゅう見るから気持ちは分かります…

 

「ちなみにこの後伏黒恵には禪院家に売られるよりも悲惨な未来が待ってるダニよ」

 

T-USAピョンがそう不吉なことを言うと極オロチが「ここからは飛んで夏油傑メインになるぞ」と言って場面が飛んだ。

 

 

そして映し出されたのは高校生になった僕だった、傍らにはいつも虚億で見た白い髪で蒼く澄んだ瞳のお兄さん、高校の制服を着ているのにタバコを吸ってるお姉さんもいる。

 

「ここからは夏油傑が呪術高専に入学してからのターンだぞ!」

 

そこからは見ていてとても楽しい青春が始まった、僕は唯一無二の親友を得てどこまでも青が澄んでいるような青春を送るのだ。

 

「この男の名前は五条悟!現代最強の呪術師だ!!コイツも鍵になるから覚えておけ!!!」

 

さっきの鬱々としたシーンとはうって変わって僕と「五条悟」のシーンに移った、甚爾師匠がなんとなく恨みがましい目で見て来てしんどい。

 

そんなある日、僕ら2人に任務が下った、なんでも「星漿体の護衛」だそうだ。

 

「この星漿体の護衛がテメーの人生墜落街道の始まりダニ!」

「いや、街道なのに墜落しているのかい…?」

 

栗原さんのツッコミと「五条悟」の「俺たち最強だから」が重なった、僕らは以前甚爾師匠が教えてくれた呪術師の1番上のランクである特級呪術師になってるらしい。

 

「ハイ、ここでこの時の禪院甚爾のカット入るダニよ」

「人の心とかないんか?」

「ミーは妖怪ダニ」

 

 

「恵は元気か?」

「誰だっけ」

 

ああ、ギャンブル依存症になってついに実の息子の名前すら忘れるくらい落ちぶれたんですね…横の甚爾師匠も何とも言えない顔をしている。

 

 

そして、星漿体の天内理子ちゃんと僕たち。

 

「スグル君は優しいねぇ、というかこんないたいけな罪の無い女の子を犠牲にしなきゃこの国は保たないのかい?」

「今の呪術界は自転車操業だからな、ガキ1人で何とかなるなら平気でやるだろうな」

「腐ってるでウィッスねぇ〜」

「エミちゃんのやってたテイルズオブシンフォニアを思い出したニャン」

 

そして最後の思い出作りの楽しい沖縄旅行を経て呪術高専に舞台は移る…安心だと思った矢先、襲撃して来たのは何と甚爾師匠だった!!

 

「あー、頑張ればイケるな、こういうの」

「甚爾師匠ってめちゃくちゃ強いんですね(再確認)」

「続き早よ!」

 

そして「五条悟」は甚爾師匠に倒されて、それを知らないまま僕は理子ちゃんに対して「私達は最強なんだ」と言ってしまって………

 

タン

 

「希望を持たせておいて上げてから展開を地獄に落とす、単眼猫のよくやるやり方よ」

「誰だい単眼猫って………」

 

理子ちゃんが死ぬのは呆気なかった、僕が甚爾師匠に負けるのはもっと呆気なかった。

 

「そもそも未来では何で師弟同士で殺し合ってるんです…面識も無いみたいだしワタクシたちも栗原さんもいないし………」

「その説明は後でするぞ!」

「うわぁ…いたいけな女の子殺してこの対応とかこのカルト宗教も甚爾師匠も頭おかしいよ!」

「悪かったな、ただ呪術師ってのはイカれてねぇとなれねぇんだよ」

「師匠は呪詛師で殺し屋じゃないですか…?」

 

そして復活した「五条悟」と本気出した甚爾師匠の殺し合い、勝利したのは「五条悟」だった。

 

 

 

「最期に言い残すことはあるか?」

「2、3年もしたら俺のガキが禪院家に売られる。好きにしろ」

 

 

 

これは最期に恵くんのことを思い出せたってことなんだろうな、かろうじて父性というものが未来の師匠にもあったんだろう。

 

「ハイ、ここから夏油傑スーパー闇堕ち胸糞タイム始まるダニよ!」

「行くでガンス」

「フンガー!」

「人の人生で大喜利やらないでよ、ブン殴るぞ?」

 

 

 

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「猿め………」

 

「それは“アリ”だ」

 

「もうあの人1人で良くないですか?」

 

「これは何ですか?」

 

「君になら出来るだろ、悟」

 

「私に従え猿共」

 

 

 

どうやら僕の見ていた虚億はククリ姫の言っていた通り未来の僕だったようだ、父さん母さんすらも「非術師だから」という理由で手にかけ嗤いながら人を人扱いせずに殺す…そんなおぞましい人でなしになってしまったらしい。

 

 

 

「ゲホッッヴォエッッッ…!!!」

 

 

 

あまりの衝撃的な光景に何も入っていなかった胃の中の酸っぱいものを吐き出してしまう…ウィスパーと栗原さんはは僕より小さい手で背中をさすってくれる、甚爾師匠はペットボトルの水を差し出してくれた。

 

しかしT-USAピョンは「まだまだテメーの罪はこれからが本番ダニ、ミーたちやヒューリー博士が不幸に巻き込まれるのもこれからダニよ」と僕の様子なんて気にも留めてない。

 

ジバニャンとウィスパーはそんなT-USAピョンにくってかかる。

 

「オマエいい加減にしろニャン!?スグルやトージをいじめて何がしたいニャン!!!」

「そうですよ!私の知ってるスグル君はこんなことをやるヒトではありません!!!」

「世界と大切な人を救う………それだけダニ」

「ジバニャン、いや過去の私よ!このままだとエミちゃんも殺されてしまうのだ、全部見るべきだと思うぞ!?」

「ニャンだって!?」

 

 

 

あと、恵くんは「五条悟」に引き取られたようだ。

血の繋がらない義理のお姉さんがいる、小学一年生とは思えないほどスレてしまっている。

甚爾師匠はそれを複雑な顔で見るのだった。

 

 

 

そして舞台は僕が離反してから10年後に移った、10年の間に僕は悔い改ためたのかと思ったらそんな上手い話は無かったらしい。

 

未来の僕は「非術師」を「皆殺し」にする、そんな馬鹿げた考えを「大義」として掲げて悪徳カルト宗教の教祖になっている。

 

「カルト宗教で人を殺している時点で天内理子ちゃんを殺した連中と一緒なのにね」

「そもそも天内理子も非術師ダニよ」

「夏油傑も非術師家系出身なのにな!」

 

そう大庭さんとT-USAピョンとロボニャンが嘯く………未来の僕はそんなことも気づかないくらい頭がおかしいのだろう、それは確かだ。

 

そして僕は「呪いの女王」を手に入れるために「百鬼夜行」を起こすのだ、それを止めるために集まった呪術師たちが僕の放った呪霊に殺されて行く………

 

 

 

「呪術師だけの世界を創りたいのに呪術師とそれを支える補助監督を鏖殺している時点でもう言ってることもやってることも支離滅裂なのにね」

「さっきインフラがどうのこうの言ってたけどインフラを支えているのはマイノリティの呪術師じゃなくてたくさんの非術師ダニ、テメーが電気ガス水道通信ありきで快適に過ごせるのもテメーの着てる袈裟もミミナナが食べたがっている竹下通りのクレープも持ってるスマホも全部非術師が作ったもんダニ」

「やめてくれ………」

「いや!エミちゃんの命がかかっている以上断固として続ける!!」

 

 

 

僕は呪術を学んで一年未満の少年を殺そうとして見事に返り討ちにされた、やはり悪は滅ぶべくして滅ぶらしい。

 

 

 

「「呪術師王に私はなる!!!」みたいなこと言ってる癖に黒閃未体験、反転術式も領域展開も使えない。オマエ10年の間ナニやってたんダニ?」

 

 

 

僕にトドメを刺しに来たのは「五条悟」だった、僕は最期まで考えを改めることなく甚爾師匠に負けた時の様に呆気なく死んだ。

 

しかし、「五条悟」は言ってくれたのだ、「たった1人の親友」だと。

 

それだけで僕がほんの少しだけ救われた気になっていると「五条悟が夏油傑を親友だと思うことこそが悲劇の始まりダニ!」と更に不吉なことを言われた。

 

「お疲れ様でした、我が主人。これで『前日譚』がようやく終わりましたよ、休憩入れましょうね」

 

 

 

極オロチはあえて空気に徹してくれていたのだろう栗原さんにそう声をかけた、その優しさを僕と甚爾師匠にも1ミリで良いから分けてくれ………

 

いや、甚爾師匠はともかく僕に誰かに優しくされる資格なんて無い………

 

 

 

「ちょっと待って!これでまだ『前日譚』…!?」

「ええ、そうですよ。だって『まだ世界が滅んでいない』でしょう?」

 

 

 

恐ろしいことをサラッと言う極オロチ、確かに何でさくらニュータウンがあんな風になったかは説明されて無いぞ!

 

 

 

そして鏡は呪いが廻り廻る世界を映して行くのだった。

 

 





DIEジェストでした。

夏油の言う大義って穴しか無いんですよね。

しかも10年間一切改めることもないとか悪い意味でイカれてますよね。

※ママ黒さんの死因はオリジナル設定です。
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