夏油少年にもあの怪異と出会ってもらいます
あと最強の親友にも
◇◇◇ side 夏油 傑 ◇◇◇
「えーと、まずは郵便局で手紙を投函してから魚屋さんでブリの切り身を三切れ…」
「おつかいとは流石でウィス!スグル君!!」
僕が母さんからのおつかいを済ませている最中であった、急に後ろから「そこの君ちょっと良いかな?」と話しかけられたので振り返るとそこには男の人が立っていた。
しかし、その男の人は「普通であるが故に異常」という雰囲気を感じさせた、それに気配察知を甚爾師匠で鍛えられている僕でも話しかけられるまで気配を感じなかったぞ。
一体何者なんだ…と思いながら身構えると持っていた風呂敷から赤い箱を取り出すと「君にこの赤い箱を預かって欲しいんだ」と箱を差し出して来た。
「そう言われても貴方は一体「僕が取りに来るまで絶対にその箱を開けてはいけないよ、絶対にね」ちょっと!?」
押し付けられて落ちそうになった箱を僕が支えると男の人は雑踏の中に消えて行った…慌てて後を追おうとしたがもう何処にもいない。
まるで狐につままれた気分だ…キュウビ先生は暇なんだろうか(冤罪)
「スグルきゅん、どうするでウィス?」
「とりあえずこういう時は大人に相談しなきゃな…その前におつかいをやってからだ」
「うーん!冷静でウィスねぇ!」
とりあえず僕は嵩張る赤い箱をウォッチの中にしまい、ウィスパーに栗原さんと甚爾師匠と大庭さんを呼び出してもらいつつおつかいをこなすのだった。
未来の僕は誰かに相談をせずに1人で抱え込んで破滅したからね、現在の僕はひたすらベストを尽くしていくしかないよ。
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「これはまさしく赤い箱!実在していたなんて…!!」
「知っているのかい月夜くん!?」
「さくらニュータウンの怪異の一種よ、開けたらヤバかったわよ?」
「なんかドブカス実家にあった特級呪物みてぇだな」
そうしておつかいを終えた僕の部屋に集まったウォッチャー一同、大庭さんはやはり知っていたらしい。
なんでも大庭さんや栗原さんが生まれ変わる前にいた世界では「僕らの物語」がフィクションとしてゲームや漫画、アニメになっていたらしい、大庭さんが僕や甚爾師匠に一方的に詳しいのもそういう理由があるそうだ。
この世界は「妖怪と冒険する物語」と「呪いが廻る物語」がチャンポンになっているというのだ、そのせいで「本来とは違うポジションに違う人間が立っている」というのがザラに起きてるらしい…エンマ大王の過去改変のせいだろうか…?
なお、大庭さんに「じゃあ僕たちの事をフィクションの存在だと思って浄玻璃の鏡を見せたのか?」と問い詰めたら、「いいえ、他でもないこの世界で生きた人間だからこそ呪いで破滅する前に運命を変えたかった…それに栗原さんやこの世界にいる美術部の部員を救うためよ」と真っ直ぐな目(メカクレだけど)で返された。
彼女なりに美術部の友達や僕や甚爾師匠を思っての行動だったようだ…………まぁ!放って置いたら僕たちのせいで世界滅亡するしね、動いて当然だ!!
閑話休題(大庭月夜はバーソロミューが推しそうな子)
そして、現在。
赤い箱をどうしよう、という話になって来るのだが………大庭さん曰く、迂闊に開けてハズレを引くと「世にも奇妙な物語」みたいになるというのだ、甚爾師匠も「特級呪物なら有り得るだろうよ」と頷いている。
しかし、当たりを引いたらレア妖怪と友達になれたり良いものが出るという…どうすれば良いんだ(困惑)
「とりあえず犬や鬼になるバッドイベントは私の『呪い返しの魔法(ミステイルジーラ)』で弾けると思うわ」
「魔法本当に便利だなぁ」
「そろりそろり…」
「あっ!ウィスパーが開けようとしてるニャン!」
「だって気になるじゃないですか!「押すなよ、絶対押すなよ!」的なアレでウィスよ!!」
勝手に箱を開けようとしていたウィスパーは甚爾師匠にアイアンクロウの刑に処してもらい(なんか湿っててぐにょっとして気持ち悪い感触らしい)、とりあえず僕たちは人気の無い開けても安全な場所に向かうのだった。
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そして、河川敷の広場にて。
「私の友達!出て来て陀艮くん!妖怪メダルセットオン!!」
『ニョロローン!デロローン!ソロソロ、イイダローン!?』
そうして栗原さんの召喚した陀艮に領域展開を行なってもらう、周囲が南国のビーチになる…領域内部なら何かあっても大丈夫だろう。
あとは僕たち全員に「呪い返しの魔法(ミステイルジーラ)」をかけてもらい、そしてこの中で1番頑丈な甚爾師匠に箱を開けてもらう…一応頑丈な呪霊を出して肉盾代わりにしている。
そして甚爾師匠は特に気負うこと無くあっさりと箱を開けた、すると紫煙と共に中から出て来たのは………
「ねぇ、今どういう状況?」
銀髪のショートヘアで蒼い瞳を持つ和服姿のお兄さん………の上半身、まるで学校の階段のテケテケだ(すごくイケメンなのに)が出て来たのであった。
というか僕がずっと虚億で見て来て浄玻璃の鏡では未来の親友だった五条悟じゃないか!?上半身だけだけど!!!
彼は目の前の甚爾師匠を見るとノータイムで赫色のビームをお見舞いした…そういえば甚爾師匠って五条悟と殺し合いしてたんだったな、師匠も「危ねぇ!」と言いながら回避する、流石です師匠。
そして五条悟は身体の切断面で器用に立つと周囲をぐるりと見渡し僕を視界に入れるといなや「傑!」と叫んでこっちに凄い勢いでやって来たので思わずウィスパーガード(ようは肉盾)してしまう。
「へぇ〜傑が小っちゃい!あのゴリラも生きてるしここ何処?あと何よその呪霊じゃない白くてキモいの」
「いやいやいや、あなたこそ急に何なんですか!?」
「うわぁカオスだねぇ」
「とりあえずお互い説明タイムを設けるべきじゃない?」
そうして僕らはとりあえず自己紹介をするのだった………そういえばまだ友達妖怪と呪霊にテケテケってのはいないな。
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「何?つまりここは僕が両面宿儺と戦って死んだ20年近く前のさくらニュータウンで、傑はまだ小学生だけどそこのゴリラの弟子になって呪術師見習いとして活動していて尚且つ妖怪と友達になっていて妖怪のおかげで未来を知ってるから変えるために動いているってコト?」
「ぶっちゃけるとそうです」
すると五条悟らしきテケテケは宇宙を背負ったジバニャンみたいな顔になった、顔立ちが男の僕から見ても美しいだけにシュールである………というかこっちもワケがワカメくんだよ。
「というかテメェ本当に五条悟なのか?自分を五条悟だと思い込んだ呪霊とか妖怪じゃねぇのか?」
「死ねよゴリラ、こちとらテメェに一回殺されたんだよ、それにヤングな傑にまでゴリラが感染ると思うとムカつく!」
そう言いながら甚爾師匠に中指を立てる自称五条悟のテケテケ、僕らが悩んでいると大庭さんが「もしかしたら未来では輪廻転生がストップしているんじゃないかしら?」と呟いた。
するとウィスパーが急に水を得た魚の様にPadをスワイプしながら語り始めたではないか…他人の褌で相撲をとって恥ずかしく無いのか?
「人間は死ぬと妖魔界の市役所で手続きをして生まれ変わり妖怪になるんでウィス!呪術師呪詛師は呪霊になるパターンもありますがね!おそらく未来の妖魔界ではイカカモネが支配していたために正しい輪廻転生の手続きがされず五条さんはそのまんまの姿で中途半端な存在になってしまったんでしょう!妖怪でも人間でも半妖でも呪霊でも無い不思議な存在は妖怪の中では『怪異』と呼ばれます!」
「ねぇ傑、コイツむかつくから祓って良いよね〜?」
「とりあえずやめてください、たまには役に立つから…」
ウィスパーに指を向ける自称五条悟を止める、すると栗原さんが「五条さんは死ぬ時に何か願いませんでしたか?」と自称五条悟…怪異五条悟か?、に尋ねた、怪異五条悟も「傑に会いたいって願ったよ」と答える。
「私も一度死んで輪廻転生してるからなぁ…最期に美術部の皆や飼ってた動物絡みの願い叶えてもらったし、五条さんもそのクチじゃない?」
「まぁねぇ、傑に会えるなら下半身くらいは惜しく無いかなぁ。僕の願いも叶ったよ」
「(友情が重い…)」
怪異五条悟はカラッと笑うと「じゃあ、僕はせっかくの第二の生は傑の先生になろうかな!」と言い出した、うん?
「だってあのゴリラじゃあ呪術とか呪力の扱いは教えられないでしょ、それに将来グレる教え子を正しい道に導くのも先生の役目だよ。それに僕、ちゃんと教員免許持ってるから普通の勉強も教えられるしね!渚と月夜もまとめて面倒見たげるよ」
「また変なのが増えたぞ!?」
「でも教師やってた人に呪術教えて貰えるのはありがたいよ」
「よろしくお願いします」
そうして僕らに新しい友達…じゃないな、先生が出来たのだった。
後日、怪異赤い箱お兄さんには「開けちゃったねぇ…あーあ」と意味深な一言を呟かれた。
というわけで、新しい仲間『怪異 五条悟』が出来ました。
分類的にはえんえん少女ちゃんのお仲間になります、ただしプレイアブルキャラクターです。
基本的に戦闘ではワープする固定砲台みたいな扱いです(下半身無いので)
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