書きたいネタはいっぱいあるのに文章化出来ないのは妖怪のせいに違いない!(ケータ感)
◇◇◇side 夏油傑◇◇◇
あれから僕は栗原さんを家まで送って自分も家路に着いたのだった。
栗原さんを迎えたご両親の一言目が「渚が遅くなるなんて…どんな大物と格闘してたんだ?」なあたりこの子にしてこの親有りって感じだった。
「いやぁナギサちゃん怒られずに済んで良かったでウィスね〜、そういえばスグル君のご両親はどんな方でウィス?」
そうウィスパーに尋ねられてはたと気づく、このままだと僕はコイツを父さんと母さんに紹介する羽目になると。
なんか…こう漠然とそれは嫌だと思った、なんとか誤魔化せねば。
「なぁ、お前本当に僕に憑いて来るのか?正直、お前を見られたら困るんだよ。」
「安心するでウィス!妖怪と呪霊は普通の人間には見えません!まぁ、たまに見える人や生命のピンチになって初めて見える人もいますがね、スグル君とナギサちゃんは妖怪ウォッチを手に入れた事で見えるようになったんでしょう」
「そういえばさっき大やもりと女郎蜘蛛は普通に栗原さんの家に入って行ったな…ならひとまず安心か?」
そうこう話しているうちに家に着いたので「ただいまー」と声をかけながらドアを開ける、すると「スグ!」と声が聞こえて母さんが玄関までやって来た。
「遅かったじゃない、心配したのよ?」
「ごめん、困っている女の人を助けてたらこんな時間になったんだ、それより父さんは?」
「さっき、さんかく公園の方で事故があったって聞いてスグが巻き込まれたんじゃないかって探しに行ったわ。そろそろ帰って来るはずよ」
そこまで母さんが話し終えると後ろから「スグル!」と声をかけられた、この声は父さんだ。
「スグル〜心配したんだぞ、さんかく公園の前まで行ったら公園がめちゃくちゃになっててな、スグルが無事で良かった」
「本当よね、さぁスグルも父さんも帰って来たしご飯にしましょ、2人とも手洗いうがいをするのよ」
2人で洗面所に向かっているとウィスパーに「良いご両親でウィスね」と声をかけられたので「ああ、そうだよ」と答えておく。
手洗いうがいを終えて食卓につくと父さんが僕の腕にある妖怪ウォッチを見ながら言った。
「そういえばその腕時計はどうしたんだ?昨夜までは着けてなかったよな」
「さっき困っている人(じゃないけど)を助けた時にお礼に貰ったんだよ」
「あら、良い事あったわね!良い?困っている人がいたら助けてあげるのよ、世の中っていうのは弱い人達がみんなで助け合って暮らしているんだから」
「母さんの言う通りだな、スグルには誰かを傷つける人じゃなくて誰かを助けられる人であって欲しいよ」
耳にタコが出来るほど言われた父さんと母さんの声を聞きながらそうやって食事を終えて風呂に入り歯を磨きいよいよ寝る前になって僕は今日一日を思い返していた。
(妖怪…妖怪ウォッチ…友達メダル…呪霊…そして呪霊操術…!)
ウヒョー!ここがスグルきゅんのお部屋ー!とあちこちフヨフヨしているウィスパーの言葉が正しいとするとさっきTVでもやっていた日本の年間行方不明者と怪死者1万人以上はほとんどが呪霊の仕業だという。
(恵子さんだって僕たちが助けなかったら呪霊に殺されていた…それが日本全体で起きている…そんなの見過ごせない!)
「僕がやらないといけないんだ…!」
「ウィス?急にどうしたんですかスグル君?」
思わず声に出ていた言葉をウィスパーに聞かれて「なんでもない」と返す、しかし自分の考えを誰かに聞いてもらいたい心を捨てきれず「なぁ」とウィスパーに声をかけた。
「お前、僕が妖怪ウォッチと呪霊操術で人助けしたいって言ったらどうする?」
「素晴らしいことだと思うでウィス!流石はワタクシのご主人様、ノブレス・オブリージュという奴でウィスね!」
「ノブレス…?(小学生の限界)」
「持てる者は持たざる者のために、という言葉でウィス!スグル君のためにあるような言葉でウィスね〜」
「Pad見えてるぞ」
「ギクゥッ!」
なんか付き合いは浅いけどウィスパーという妖怪がどんな奴なのか分かった気がする…、でもさっきまであった焦りの様なものはウィスパーと話をしていたらどっかに行ってしまった。それがコイツの良いところかもしれない。
「なぁウィスパー、僕はまだ妖怪の事も呪霊の事も呪霊操術のこともよくわかっていないんだ。執事を自称するのなら教えてくれるよな?」
「モチのロンでウィス!このウィスパーが貴方の疑問をサクサクっと解消してみせましょう!」
「じゃあまずは妖怪のことを〜」
夏油傑とウィスパー、1人と1体の語らいは傑の母に「夜更かししてないで寝なさい!」と怒られるまで続いたのだった。
◇◇◇side 栗原渚◇◇◇
私、栗原渚は心配してくれつつも「虫や魚を取っていたから遅くなったんだろうな」と思っている両親に対して「今日は困っている人をクラスメートの男の子と一緒に助けたんだよ」と説明することになったのだった。
そうして夕食を食べて1日のルーティンを全てこなしていざ!大やもりと女郎蜘蛛に話しを聞く事にしたのだ。
「ねぇ大やもり君、女郎蜘蛛君、私にそろそろさっきの件とか色々教えてくれないかい」
「ウッヒョー!引きこもり甲斐のある部屋!クローゼット!で、何だって?」
「お茶入ったわよー、そうそう渚にはいい加減話しておかないとね」
麦茶をグラスに注ぎ私たちの前に置いた女郎蜘蛛は「うーん、何から話したものかしら」と考え込んだ。
「私たちと渚は実は初対面じゃないのよ、何故なら前世から一緒だったから」
「俺たちはな”渚が前世で出会った生物たち“がこの世界で妖怪に転生した姿なんだ、お前さぁ、死んだ後に女神様に会わなかったか」
確かに、私は死んで女神様に会って「飼育したり管理していた生物たちがどうなったか気になって成仏出来ない」と相談したんだった。じゃあ、他の生物たちも妖怪に転生してこの世界に来ているってことか…?
「私がいなくなったらどうしよう、って考えてたけどまとめて転生させるなんて…私の死にみんなを付き合わせたってこと!?」
「いや、渚が死んだ後に飼育していた生き物はちゃんと逃がされたか美術部メンバーが引き取ったしビオトープの管理も引き継がれたからそこは心配しないで良い」
「私たちもこの世界で妖怪になるくらい長いこと生きているしもう気にしないで良いのよ」
「なら良かった」
「でも他の連中も妖怪に転生してるし渚に会いたがっている、少なくとも大ガマや土蜘蛛はそうだ…だから明日から出来る範囲で妖怪探しに行くぞ」
「うん、そうするよ」
そうしていると2人?は姿勢を正して改めて自己紹介をして来た。
「ちなみに私は今世では女郎蜘蛛だけど前世では渚の家に住んでたアシダカグモだったわ、今世でもよろしくねぇ」
「俺は前世では渚の家に住んでたけどコイツに捕食されたやもりだよ、今世ではもう喰われないからな、渚とはコンゴトモヨロシクって奴だ」
「うん、じょろ君もやもり君もヨロシクねぇ」
そうして私は2人におやすみを言って眠りに就くのだった。
なお眠りに落ちる直前に「そういえばカブトムシ捕まえてないや…」と気づいたがそのまま寝た。
今回も難産でした。
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