本当は良いジバニャンの日(11月28日)に投下したかったのですが急な法事などが入りドタバタしていて遅れました。
あと更新は執筆する元気と時間のある時にちまちま書いているので不定期になります、ご了承下さい。
◇◇◇ side 夏油傑◇◇◇
ああ、またこの夢だ。
いつも夢の中の大人になった自分はまるでお坊さんのような格好をして悪どい笑顔を浮かべながら明らかに困っている人から法外な金を儲けたり、躊躇なく殺人を犯すのだ。
(………グル君!)
夢の中の自分は親しい人間以外を「猿」と呼んで差別しているのが何回もこの悪夢を見て分かったことだ。
何と父さんと母さんのことも手にかけたらしい。
(…グル君!…スグル君…!)
自分がそんなことをする訳がない!と言い切りたくても、あまりにもこの夢はリアリティがあり過ぎる。
これも栗原さんの言ってた虚億だろうか?
悪い夢なら早く覚めて欲しいと諦観に身を委ねようとすると………。
「起きるでウィス!!!スグル君!!!」
「!!!!!」
起きた瞬間、視界いっぱいに白いボディの紫クチビルお化けが映り思わずビンタで吹っ飛ばしてしまった。
思いの外威力が出たビンタをくらったウィスパーは壁に当たって「ヘブっ」と声をあげたがすぐにこっちまでフヨフヨやって来た。
「おはよう御座いますスグル君!何やら魘されているようで起こしたんですよ!」
「あー、そういえば君がいるんだったな、おはようウィスパー」
「スグル君のためなら何とやらですよ!今は7時きっかり、今日は伏黒さんのところに行くんでしょう?悪い夢なんてさっさと忘れて顔でも洗いに行くべきです!」
「そうする」
そうこうして朝の支度を終えてリビングに向かうと母さんが朝食の用意をしてくれているところだった。
そのまま「おはよう」と声をかけると「おはようスグル」と返されてそのまま朝食になったがTVをつけると「暴走車による事故か?さくらニュータウンの公園が半壊」というニュースが流れていた。これ昨日コモドドラゴン呪霊が壊した公園じゃないか。
ウィスパーに昨日教えてもらったが呪霊を退治するのが仕事である呪術師は呪霊を祓う時に帳という結界を張って一般人が見たり入れなくするそうだ、今回はそれが無かったため大事になってしまったらしい。なおウィスパーもやろうと思えば帳を張れたらしいが「すっかり忘れてました!」とは本人談。ウィスパーがどんな奴なのか分かった気がする。
母さんは「あらやだ、この公園この先の公民館のすぐ側じゃない。スグも車にはすごく気をつけるのよ。」とニュースを見ると「ところで今日は何をするの?」と尋ねて来た。昨日遅くなって心配をかけたせいか表情が優れない。
「今日は栗原さんと一緒に昨日助けた人のところに行くよ、9時に遊びにおいでって誘われたんだ」
そう答えて昨日貰ったメモを見せると母さんは少し考えて「手ぶらじゃ失礼よね…」と言って財布から千円札を取り出して僕に渡して来た。
「スグル、まだ時間はあるしおつかい横丁まで行ってドクロ屋でお饅頭を買って行きなさい、幸いにもこの住所はおつかい横丁のすぐ側だわ」
「ドクロ屋ってあの粒あんの元祖かこしあんの本家かでずっと揉めてる大人気ないお饅頭屋さんだよね?」
「お饅頭に罪は無いのにね、助けた人の好みとか分かる?」
「うーん、分からないなぁ」
「ならスグの好きな方を買いなさい、お釣りは良い事したからお小遣いよ」
母さんから千円札を受け取りがま口財布にしっかりしまい出かける準備をしているとピンポーンとチャイムが鳴った。
早速玄関のドアを開けるとそこには後ろに女郎蜘蛛を連れた栗原さんがいつもの姿で立っていた。
「やぁ、おはようスグル君。ちょっと早かった?」
「いや、丁度良いいくらいだよ。大やもりはいないのかい?」
「大やもりは夜行性のインドア派でね、今日は引きこもるってさ」
「あら、渚ちゃんいらっしゃい。スグと出かけるみたいだけど気をつけてねぇ」
そうやって母さんに見送られて家を出発した僕は早速栗原さんにドクロ屋でお饅頭を買う旨を伝えると「確かに手ぶらってのは良くないね、私も半分出すよ、割り勘しよう」という栗原さんと一緒に魚屋の交差点を通るのだった。
すると突然妖怪ウォッチが音を出して反応し始めた!
「うわっウィスパー何だよこれ!?」
「また呪霊!?」
「いやこれは妖怪センサー反応ですねぇ、側に隠れている妖怪が居ると鳴ります」
「音がする方に妖怪ウォッチのサーチライトを当てると妖怪が見えるようになるのよ」
「ワタクシの台詞取らないでウィス…」
「こうか…?」
言われた通りにウォッチからサーチライトを当てると妖怪らしき存在が現れた。
「ウニャニャ…来たニャ〜ン」
そいつは赤い体に白い手足、ピンと立って切れ込みが入った耳に二股に分かれた尻尾に何故か腹巻きをつけた二足歩行をする猫のような妖怪だった。
「わわっ猫くんだ!二足歩行してるならケット・シー?日本なら猫又かな?」
「あそこ交差点の真ん中だぞ…?一体何をするつもりだ?」
「オノーレ!オレっちの怨敵!喰らえひゃくれつ肉球!!!」
その猫?はいきなりシャウトすると丁度通りがかった軽トラに向かってまるで格闘漫画のように肉球の連打を浴びせ始めたではないか。
その連撃を喰らった軽トラは勢いに押されて数秒止まると…
「バゴニャッ!!ボクはちにまちぇ〜ん!!!」
情け容赦無く猫?を轢いた。まぁ妖怪って普通の人間には見えないらしいし…それにしても昨夜のウィスパーといい妖怪って死に急ぎ野郎多過ぎないか…?
「妖怪って基本人間や動物が死んでなるものですからねぇ」
「サラッと思考を読むんじゃない」
僕らがそんなやりとりをしていると吹っ飛ばされた猫がこっちに飛んで来た、栗原さんが「じょろ君!」と女郎蜘蛛を呼ぶと女郎蜘蛛はすかさず両手から蜘蛛糸を網の様に出して飛んで来た猫をキャッチした。リアルスパイダーマンだな…。
「猫くん大丈夫かい?」
「ウニャニャ…また勝てなかったニャン…ってアレ!?オレっちのことが見えるニャン!!?」
「栗原さん、ここじゃ人目もあるしちょっと移動しよう」
「そうだね、猫くん歩けるかい、抱っこしようか?」
「もう歩けるから降ろしてニャン」
「(軽トラ直撃したのに…ウィスパーといい頑丈過ぎやしないか)」
そうやって魚屋の路地裏まで来ると猫は神妙な顔をして喋り出すのだった。
「まずは助けてくれてありがとうニャン!オレっちの名前はジバニャンだニャン、地縛霊の『ジバ』に猫の『ニャン』でジバニャンだニャン」
「僕は夏油傑、こっちの白いのは…」
「ウィスパーでウィス、アータ見たところ妖怪になって間もない感じで?」
「私は栗原渚だよ、スグル君とはクラスメート」
「私は女郎蜘蛛よぉ、確かに新米妖怪って感じねぇ」
そう自己紹介を終えるとジバニャンはつぶらな瞳に涙をいっぱいに溜めてバッと直角90度に体を曲げて頭を下げて来た!
「スグルたちを見込んで頼みがあるニャン!どうかエミちゃんの写真を取り返して欲しいニャン!!」
その姿を見て僕らは思うのだった…伏黒さんに遅れるって電話入れないとな、と。
次回、初めてのクエスト!お楽しみに!
妖怪ウォッチのゲームははクエストも楽しいから本編なかなか進まなくて困る。
今回は真面目な話、今回はいきなりPADのメモ帳機能がイカれて執筆が遅れたり、急な身内の法事が入って投稿が出来なくなったりでリアルが大変でした。
書き溜めも切れたので次回は遅くなると思いますがご了承ください。
そのうち登場人物(妖怪)説明とか書くかもしれません。