ぷにぷにのガシャで爆死した勢いで投下します。
◇◇◇side 栗原渚◇◇◇
ジバニャンと名乗った猫くんが頭を下げたままだけどその「エミちゃんの写真」がどれだけ大事なのかが良く分かった。
ひとまず話を聞くことにして「とりあえず頭上げたら?」と声をかけるとつぶらな瞳から涙がボタボタと溢しながら何故自分が妖怪になったのかを語り出したのだった。
「オレっちはエミちゃんという女の子に飼われていた飼い猫だったニャン。エミちゃんはとても優しい女の子でオレっちのこともすごく大事にしてくれたニャン、でも一緒にお出かけしている時にオレっちがトラックに撥ねられて…」
『車に轢かれたくらいで死んじゃうなんて…ダサ!』
「そう言われたのがオレっちのエミちゃんとの最期の記憶ニャン…」
「その子人の心とかないのか?」
「本当に大事にされてたのかい?存在しない記憶じゃない?」
私とスグル君が思わずそんなコメントをしてしまうとジバニャンは首をブンブンと振った。
そんな事言われたらショックで妖怪になってしまうよね、と思ったら本猫的には違うらしい。
「違うニャン!エミちゃんは優しい女の子だニャン!悪いのはトラックに撥ねられたくらいで死んだオレっちニャン!だからオレっちはトラックに勝つ為にこの交差点でずっと特訓してたニャン、辛い時は宝物のエミちゃんの写真に元気を貰って頑張っていたニャン!でも…!」
ジバニャンの話だとつい最近やたらとガラの悪い流れ者の妖怪が集団でやって来てジバニャンをボコってエミちゃんの写真を奪っていってしまったらしいのだ、ソイツはこの路地裏の奥にたむろしているという。
「奴らにはオレっちじゃ歯が立たないニャン…お願いニャン!エミちゃんの写真を取り返して来て欲しいニャン!」
そう言うとまたビシッと頭を下げて来たジバニャン、猫って大体飼い主を下に見るものだけどここまでの忠猫はそうそういないぞ。前世で同じ部活だった空閑くんの愛猫のユタンポくんを思い出す…もしかしたらエミちゃんとの間には何か不幸な行き違いがあったのかもしれないな…と考えていると隣のスグル君はジバニャンの話を聞いてエミちゃんとならずもの妖怪達に怒っているようだ。
スグル君って真っ直ぐなところが美点だけどなんか危ういんだよなぁ。
「ああ、任せておけジバニャン!すぐに写真を取り返して来るよ!」
「ありがとうニャン!お礼と言っちゃあ何だけどコレをあげるニャン!」
そう言うとジバニャンは妖怪メダルを私とスグル君に渡して来た、なかなかにプリチーなデザインだ。コレでジバニャンとのともだち契約が成されていつでもジバニャンを呼び出せるってコトだよね。
「それじゃあ路地裏の奥に行こう、ジバニャン案内してくれ」
「ニャニャッ!オレっちも行くのかニャン!?」
「私たちじゃあどれがエミちゃんの写真を奪った妖怪か分からないからね、教えてくれたら下がっててね」
「う〜分かったニャン」
そう言って路地裏の奥に向かうと突き当たりに3体それらしい妖怪が居るのが見えた、物陰に隠れてジバニャンに確認すると「アイツらだニャン」と肯定が帰って来た。
ウィスパーが「アレは不良妖怪グレるりんですね、つっぱる事を生き甲斐にして良い子を悪の道に誘うはた迷惑な妖怪です」と説明を入れて来る、確かにリーゼントに目つきが悪い妖怪が不良座りしているのが見える。さてどうするか。
「向こうは3体、こっちも大やもりを召喚すれば3体、数の上で互角だな」
「しれっとオレっちも混ぜれられてるニャン!?」
「スグルきゅ〜ん、誰か忘れてません?」
「いや、キミ弱過ぎるし…」
「ちょーと!!私は軍師というか頭脳派キャラなんです!!!」
「何見てんだゴラァ!!」
どうやら見つかってしまったようだ、スグル君とウィスパーが「キミのせいだぞ」「スグル君こそ」とやいのやいのしているのを横目に見つつまずはグレるりんたちに交渉を持ちかけてみる。
「おーいグレるりん君たち、君たちがジバニャン君から奪った女の子の写真を返して欲しいな」
「誰が返すかゴラァ!!!」
「そもそも誰だテメーはゴラァ!!!
「こんなマブい女の子に飼われてたなんて羨ましいぞゴラァ!!!」
交渉はあっさり決裂した、しょうがないからじょろ君に前衛を任せてやもり君を呼んで武力行使しようとウォッチを構えるとグレるりんたちがジバニャンくんの方を見てニヤニヤ嘲笑を浮かべ始めたではないか。
「誰だと思ったらこないだボコった猫じゃねぇか!たかが写真1枚で情けない奴だぜ!」
「ガキとオカマ連れてお礼参りのつもりかぁ?他人の手を借りないと何も出来ないとかお笑い草だなぁ?」
「この女の子も臆病者のテメェには愛想尽かしたんだろうよ、今頃はテメェのことなんか忘れてプードルでも飼ってるだろうよ!」
うーん、コレは流石に暴言が過ぎるぞ。ジバニャンも思いっきり地雷を踏まれたのに涙を堪えながらそれでもグレるりんたちを睨みつけるのをやめてないしじょろ君に至っては笑っていない笑顔で両手をボキボキ鳴らし始めている、そうしていると隣にいたスグル君とウィスパーが前に出ていた。
「取り消せよ今の言葉、ジバニャンは自分の死因を目の前にして逃げない凄い奴だ、そんなジバニャンをよって集って苛めて宝物を奪うなんて君たちの方がよっぽど臆病者の卑怯者だろう、冗談はリーゼントだけにしろよ群れなきゃ何も出来ない三下妖怪ども」
「3人がかりじゃないと猫1匹にも勝てませ〜ん、とか情けないのはどっちだか。しかもジバニャンはDランクなのにアナタたちはEランク…プッ」
「「「やんのかゴラァ!!!」」」
スグル君とウィスパーの挑発が決まった瞬間グレるりんたちが一斉に一斉に襲いかかって来た!しかし1番前に出ていた1体はじょろ君の情け容赦無いグーパンを腹に叩き込まれて吹っ飛んで塀に当たり動かなくなった、確かに弱いな。
残り2体は最初の1体のやられ方を見てスグル君とウィスパー狙いに変えたようだ、リーゼントで殴りかかろうとしている。
それに対してスグル君はまるで格闘技の選手のような動きでかわすと逆に一気に踏み込んで思いっきりブン殴った!
何かスグル君がバトル漫画でいうところのオーラのようなものを纏っている様に見えた、呪霊操術以外にも何かに目覚めたのかい?
それに怯んだのか動きを止めた2体の前にジバニャンが立ち塞がる。
「オレっちはエミちゃんの悪口を言われて引き下がるような臆病者じゃないニャン!くらえひゃくれつ肉球!!!!」
「「グワァ〜!!!覚えてろ〜!!!」」
グレるりん2体はジバニャンにボッコボコにされて逃げて行った、諸君!我々の完全勝利である!
まぁ私は何もやってないけどね、やもり君を召喚する時間も無かったな。
あとはエミちゃんの写真を取り戻すだけだな、残りの1体が持ってるかなと思ってたらその最初に吹っ飛ばされた1体がヨロヨロと立ち上がったと思ったらいきなりスグル君とジバニャンの前で頭を下げた。
「確かにオレは群れなきゃ何も出来ない三下妖怪だった…アンタ達とのバトルで目が覚めたぜ、写真はちゃんと返すからオレと友達になってくれねぇか…?この通りだ!」
そう言ってジバニャンに写真をわたすとスグル君と私の方に友達メダルを差し出して来たのだった。写真を受け取ったジバニャンは「確かにコレだニャン」と写真を大事そうに腹巻きの中にしまった。
「僕は別に良いけどジバニャンにちゃんと謝れよ」
「そうだよね〜さっきのは言って良いラインを超えてたよ」
「本当にその通りだ!本当にすまねぇジバニャンの兄貴!」
「分かれば良いニャン」
「コレで一件落着でウィスねぇ」
そうやって私たちが来た道を戻ろうとすると路地裏の出口に明らかな不審者が立っていた。
時代錯誤な格好をしていてモジャモジャ頭の上には赤いパトランプが乗っているおじさんだ、そのおじさんは私たちの方に歩いて来ると声をかけて来た。
「見事なバトルだったぞ少年少女よ!私は全国の指名手配妖怪を追う妖怪捜査官の御用田という者だ!気軽に御用田さんと呼んでくれたまえ、君たちの名前を教えてくれないかね?」
「夏油傑です…指名手配妖怪って何ですか…?」
「栗原渚です、すみません急いでいるので手短にお願いします」
「ウム!私は全国の”何らかの軽犯罪を犯して指名手配されている妖怪“をしょっぴく役目を帯びている、さっきのグレるりんたちも『リーゼント伸ばし過ぎ罪』で指名手配されていてな、今しがたしょっぴいたところだ!それで君たちにお礼をしたいと思って声をかけたのだよ」
そう言うと御用田さんは持っていた袋からドクロ屋と包装された箱を2箱取り出した。
ドクロ屋のお饅頭だ!しかも元祖と本家両方ある!
「本官の今日のおやつだったが君たちに報酬としてあげよう、更にこれからも指名手配妖怪を追うのに協力してくれるのならば現物支給になるが報酬を渡そう!それでは傑捜査官!渚捜査官!また会おう!」
そう言うと御用田さんはあっという間に走り去ってしまった、キャラの濃い人だったな…。
「何だったんだい今の人は」
「さぁ?そんなことよりもうすぐ9時だよ、お饅頭も手に入ったし伏黒さん家へ行こう」
「それもそうだな」
そうやってだいぶ寄り道をしてしまった私たちだったが当初の目的通りお饅頭を手に入れて、ついでに棚ぼたで新しいともだち妖怪にも出会い、伏黒さん家を目指すのだった。
ネタ集めのために妖怪ウォッチぷにぷにを始めたんですが面白いですね。
でももう少し気軽にガシャを回させてくれよとは思います。