つよつよ幼女ヴァンパイア様、おっぱいを揉む。   作:ピンクの熊

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会話文多めの怪文書


やはり性欲‥‥!! 性欲は全てを解決する‥‥!!

 

 

 【おっぱい】とは、主にニンゲンの女にみられる、胸部に蓄えられた脂肪のことである。個体によってその大きさはそれぞれ違い、その大きさをめぐって今までに何度も争いが勃発してきたといわれている。

 

 まさか、『知って得するおいしい血液! ~これであなたも一流のヴァンパイアになろう~』を探す過程で読んだ本の知識がここにきて生きてくるとはな。偶然あの本を読んでいなければ、ここで詰んでいたかもしれない。

 

 

「クックック。しかし【おっぱい】という正体を暴いた以上、我輩の勝利はすでに決定された運命も同然なのだ。まさか我輩がたかが脂肪の塊、【おっぱい】に足止めされるとは思ってもみなかったが……いいだろう。貴様の【おっぱい】を我輩の好敵手であると認めようではないか」

 

「お、おっぱい連呼するのやめてください?」

 

「しかしどうしたものか。この【おっぱい】をどうにかしなければ、貴様から吸血することは不可能だ。なにせ大きすぎるからな」

 

「うう、ひ、人が気にしてることを……」

 

「ふむ。やはり切り落とすのが手っ取り早いだろうが……ニンゲンは脆いらしいからな。死んで血液の鮮度が落ちるのは避けたいところだ」

 

「うぇっ。き、きき切り落とすのは…………あっ、せ、背中から、後ろから吸えばい、いいのでは……?」

 

「ほう? 獲物自ら提案するとはな。そんなに【おっぱい】を失うのが嫌か? ……やはり、【おっぱい】はニンゲンの中でも特に重要視されているようだな。おそらくは、対ヴァンパイア用の護身用兵器といったところか」

 

「た、多分違います」

 

「ニンゲンにしては良い提案だが、残念ながら背後から吸血することはできない。我輩が首筋からの吸血にこだわるのと同様、それはヴァンパイアとしてのポリシーに反するからな」

 

「ポ、ポリシー?」

 

「美学と言ってもいいかもしれないが……約千年前のヴァンパイア達は背後から吸血することをひどく嫌悪していたらしい。ダサい行為だと考えられていたのだ。ならば超一流ヴァンパイアである我輩も、その美学に従う他なかろう」

 

「う、で、でも、痛いのは……」

 

「背後から吸血したヴァンパイアが、同族から迫害を受けたこともあったらしいからな。ブランコの順番を変わってもらえなかったり、おままごとでお母さん役をやらせてもらえなかったり……。くっ、なんて残酷な」

 

「や、やっぱり幼女」

 

 

 ふむ。しかしどうしたものか。なかなか難しい問題だ。どうにかこの女を殺さずに【おっぱい】を攻略する方法はないだろうか。ちなみに背後からはもちろん、注射器などもNGである。直接吸血しなければ鮮度はもちろん落ちる。そんな妥協は許されないのだ。

 

 どうすれば【おっぱい】を攻略することができるのか……。いや待てよ?

 

 

「ふっ、我輩としたことが最も基本的な攻略法を忘れていたな」

 

「な、なんですか……? と、というか体、まだ、動かないんですけど…………」

 

「まず敵を知ること。基礎中の基礎だが、重要なことだ」

 

「は、話聞いてくださ」

 

「思えば我輩は【おっぱい】のことを全然知らない。敵を知り、分析し、理解する。そう、いま我輩がやるべきことは、目の前の【おっぱい】を詳しく調べ上げることだった!」

 

「な、何言って……ひゃっ」

 

「…………ふむ。匂いは他と変わらず。そういえば【おっぱい】からは栄養価の高い液体を分泌できるらしいな。よし。出してみよ」

 

「出ないですっ」

 

「なるほど? では……」

 

 

 

 

「今一度、触れるとしようか。【おっぱい】に!」

 

「な、なんでぇ?」

 

 

 涙目の声を無視して手を伸ばす。クックック、貴様の【おっぱい】、余すことなく調べつくしてやる。そして、貴様の血液は我輩のモノだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ふにぃ

 

 

 

 ほわぁ~。なぁにこれぇ? めっちゃやわらかいやん? ふわふわでもちもちやん? めっちゃきもちえぇわぁ~。なんでこんなきもちいいん? なんでこんなてにすいつくん? さいこうやん。すてきやん。こんなんずっともんでたいわぁ~!

 

 ふにふに

 

 もみもみ

 

 ふわふわ

 

 ふにふに

 

 もみも………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ッッッッッッ!!! な、んだ、今のは……? 思考が、も、持っていかれる! 手が離れない! 【おっぱい】を揉み続ける手をッ、止めることができない!

 

 

「く、くそぉ……何をした⁉ 我輩の精神に干渉したのかッ!」

 

「ししししてないですがぁ⁉ と、というか、ちょっ、揉むのやめ、てぇ⁉」

 

「くそっ、なんだこれは! 見た目以上に柔らかいぞ! 柔らかさと弾力ッ、無限に揉んでいられるぞ!」

 

「ひぃん。お風呂上がりで、ふっ、近所のコンビニだからって、ブラ外してくるんじゃ、あっ、なかった……ひっ」

 

「クックック、ぐわっはっはっはっはっはっはっは!!!」

 

「め、目が、キマってる⁉」

 

「すごいぞ! 【おっぱい】、揉んでるだけで湧き上がってくる! 魔力こそ得られないが何かこう、すごい何かが湧き上がってくる! 興奮してきたぞ!」

 

「それ性欲では⁉……んっ」

 

「何? …………【セイ、ヨク】だと?」

 

 

 

 

 パキッ

 

 

 * * *

 

 

 

 

 ……かつて、とあるヴァンパイアが言った。

 

 

 『我々は何のために生まれてきたのか…………それは【セイヨク】や! 処女の生き血を吸い、身体を辱め、その羞恥に赤らみ蕩けきった顔を拝むことこそワイのヴァンパイア生の全て! というかなんで同族は無知っ娘しかおらんねん⁉ どいつもこいつも貧乳ロリのくそピュア頭しやがって! ワイの癒しはニンゲンの女の子だけやぁ!』

 

 

 二千年以上前、かつてヴァンパイア界の頂点に立った、『超越者』と呼ばれたヴァンパイアが残したとある言葉。あまりにも高度で難解なこの言葉の羅列を完璧に理解できた者は、この二千年間で誰もいない。

 

 普通なら相手にもされない、意味不明なだけの言葉だった。性知識を持たぬヴァンパイア達にとって、突然変異的に誕生した『超越者』は異質すぎる存在だったからである。

 

 しかし、『超越者』が持っていた圧倒的な魔力と権力は言葉に力と信用を与え、すべてのヴァンパイアにとある共通認識を植え付けた。

 

 

『我々の存在理由は【セイヨク】にある』

 

 

 自分はなぜ誕生し、何のために生きていくのか。自分の存在意義は何なのか。

 

 それは、あらゆる生物にとって至上の哲学的問題。

 

 これまで様々な哲学者たちが追い求め、たどり着けなかった悟り。

 

 

『我々の存在理由は【セイヨク】にある』

 

 

 この共通認識の形成後、多くのヴァンパイアが【セイヨク】について研究した。しかし、『超越者』以外のすべてのヴァンパイアに、【セイヨク】が一体何なのか理解することは出来ない。

 

 ヴァンパイアは高い知能を持つ一方、基本的な思考・行動原理は彼女らの小さな体躯と同様に幼女そのものである。性知識を持たず、欲情することもない。数億年続くヴァンパイア史において、それを獲得したのは唯一『超越者』のみ。

 

 故にヴァンパイアは決して【セイヨク】を理解出来ず、自分たちの存在理由を理解することも決して出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……はずだった。

 

 『超越者』を含む数々の名だたるヴァンパイアが消滅したことで幕を閉じた『対ヴァンパイアハンター世界大戦』から五百年がたった今。

 

 とあるヴァンパイアが【セイヨク】を獲得し、確かに『超越者』の領域に足を踏み入れていた。

 

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 我輩は今、無尽蔵にあふれる内なる力に身を任せている。この力が目の前の女が言う通り【セイヨク】なるものであるのなら、これから我輩の身に起こることは、かの『超越者』の領域にたどり着くための一種の儀式なのだろう。

 

 

 パキ

 

 

 女の【おっぱい】を揉むたび、力が高まっていくのを感じる。

 

 

 パキッ

 

 

 【セイヨク】が我輩の殻を破っていくのがわかる。

 

 

 パキリ

 

 

 ああ、『我輩』が、生まれ変わっていく。

 

 

 

 

 

 

 バキッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、一体、何が……」

 

「クックック、ついにたどり着いたのだ」

 

「え、何を……言って…………」

 

「我輩は、『超越者』になったのだ」

 

「あっ、いい加減、胸揉むのやめてください?」

 

「いいや、やめない。今ならばわかるのだ。

 

 

湧き上がるこの熱! とめどない幸福感! 今までになく生を実感する!

これが【セイヨク】、否、【性欲】だ!!!

 

 

 

 

「ぐわっはっはっはぁ! もはや血液などどうでもいい! このまますべての【おっぱい】を我輩のモノにしてやる!」

 

「す、すごい頭悪いこと言ってる⁉」

 

「すべての【おっぱい】は、この『超越者』たるつよつよヴァンパイア様のモノだ!!!」

 

「ちょっ、おっぱい痛い痛い痛い痛い!」

 

「ぐわっはっはっはっはっはっはっはっは!」

 

 

 

 

 

 

 

「……ふう」

 

「あっえっ」

 

「なんか……急に落ち着いてきた……」

 

「あっ、け、賢者タイム…………?」

 

「なんか、死にたくなってきた……」

 

「ら、落差が……。あっ体が動く!」

 

「今日は帰りますね…………ありがとうございました……」

 

「きゅ、急にすごい敬語だけど……はやく、に、逃げなきゃ」

 

「あ、明日は友人もつれてくるので」

 

「え」

 

 

 

 




おわり
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