気が付いたら、ウルベルトになっていた。(R15バージョン)   作:コインランドリー

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オリジナル設定が多いので、ご注意をお願い致します。


作戦の変更

 

デミウルゴスは、リ・エスティーゼ王国の悪い貴族をナザリックで教育してから真っ当な貴族にする計画を行っていた。

 

デミウルゴスはセバスと一緒に、ある貴族の件で夏樹に相談するために執務室に入室をした。

 

執務室では夏樹が書類の確認作業をしていて、マーレが護衛隊長として側に居た。

 

「ウルベルト様に、ご相談があります」

 

「何?」

 

「はっ!貴族の教育の件ですが、コーピ・ルカ・サール男爵は八本指に脅されて、捕まった八本指の者を釈放したと分かりました」

 

(脅されてか・・・難しい問題だな)

 

「どのような対応が、望ましいでしょうか?」

 

(ヤバいな・・・どのような対応って言われてもな・・・よし!)

 

夏樹は、勇気を振り絞ってから答えた。

 

「そういう場合は、見逃してあげても良いかもね・・・可哀想だからね」

 

デミウルゴスとセバスは、笑顔で返事とお辞儀をした。

 

「教育は、どんな感じに進んでるの?」

 

「はっ!この2ヶ月で、27人の教育が完了しています。27人の貴族達は八本指からの要請には応じずに、真面目な領地運営をしております!八本指よりもナザリックの教育の方が、恐ろしいのでしょう!」

 

デミウルゴスは、笑顔で言っている。

 

(教育の内容が、気になるな!?俺が、偽物だってバレたら・・・その教育以上の事をされるよね?)

 

ナザリックで教育した貴族達が、真面目に領地経営をするようになってから八本指の活動は半減していった。

 

八本指は貴族との繋がりが強いので、やりたい放題して捕まっても釈放される事が強みの1つだった。

 

今まで交流があった貴族達が、言う事を聞かなくなったので、交流がなかった貴族を脅したりして、無理矢理仲間を釈放させたりしていた。

 

「ナザリックの教育を、見学しても良いかな?」

 

デミウルゴスとセバスは、過激な内容なので見ない方が良いと、言ってきたので夏樹は諦めた。

 

(見学は無理か・・・貴族の教育を提案した意味がなくなったな・・・)

 

夏樹は作戦を中止にする事も考えたが、中途半端になってしまうので続ける事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デミウルゴスとセバスは、ナザリックの会議室で、ルプスレギナに任務の説明をしていた。

 

「任務の説明をするよ」

 

ルプスレギナは、貴族の教育で人員不足になったので応援に呼ばれた。

 

「この計画では、周囲に怪しまれない事が重要だ。貴族を教育するのは、3日から4日と短い期間だが悪党の貴族とはいえ行方不明になったら周りが騒ぐので、色々と偽装工作をしているよ」

 

慎重に教育を行っているので、時間が掛かっている。

 

「善良な貴族を間違えて教育しないことと、殺さない事が重要だよ」

 

「質問をしても良いっすか?」

 

「何だね?」

 

ルプスレギナは、頭に手を当てて考え込んでいる雰囲気で話し始めた。

 

「王国の貴族を教育してナザリックにメリットはあるのでしょうか?王国の人間の暮らしが良くなるだけだと思うのですが?」

 

その話を聞いていた、セバスも同じ疑問を持っていた。

 

「私も同じ事を、考えておりました。デミウルゴス様は、おわかりになりますか?」

 

デミウルゴスは、少し遠くを見ながら答えた。

 

「知っての通りウルベルト様は、正体不明の者の攻撃を受けて、記憶が混乱している可能性が高い。その為に全力を出せないので、直感で作戦を立てられたのだろう」

 

「直感ですか?」

 

「本来であれば、この作戦を聞いた時に、私は手を叩いて喜びの声を上げていただろう!何故なら、モモンガ聖王国を建国する際に、聖王国は一時的に混乱に陥るので、隣国のリ・エスティーゼ王国の愚かな貴族が戦争を仕掛けてくる可能性もあるので、先に教育して大人しくさせておけば円滑に事が進むからね!」

 

デミウルゴスは、少し暗い表情になった。

 

「私が、この作戦を立てた段階では、アルベドの件が気になっていたのと、王国が戦争を仕掛けてくる可能性は一割程だと思っていたからね・・・この作戦で一割の可能性は完全に消える」

 

セバスとルプスレギナは、直感で僅かな心配事を消す為に行動されたのだと思って笑顔になった。

 

「だが、本当の所は、分からないよ・・・情けない話だがね。あの場で、拍手喝采で喜んでいたらウルベルト様のプライドが傷付いたりする可能性もあったからね」

 

デミウルゴスは、夏樹が万全な状態だったら1人で全てを終わらしていただろうと考えていた。

 

「この作戦を思い付いた理由は、2つ程考えられるよ。セバスはツアレが、八本指で酷い扱いを受ける事になった原因を知っているかな?」

 

セバスは、拳を握りしめる。

 

「はいっ・・・貴族に税金が足りない等の理不尽な理由で、貴族の屋敷に連れて行かれてから八本指に売られた事が原因です」

 

セバスは、驚いた表情になった。

 

「ツアレを、苦しめた者に対する報復!?」

 

セバスは、ウルベルトの優しさに触れた気がした。

 

「ツアレは、ウルベルト様が保護した最初の人間だからね。もう一つの可能性は、ナザリックを表に出ないようにしている。モモンガ聖王国の建国を先延ばしにする為の時間稼ぎ」

 

「そんな!モモンガ聖王国の建国は、アインズ様が楽しみにされていた計画です!」

 

「モモンガ聖王国を建国すると、ウルベルト様を襲った者が表れる可能性もゼロではないからね・・・」

 

デミウルゴスは自分が立てた計画が、危険を伴う事を知っていたが、至高の御方が安全に暮らせる国が必要だと考えて発案をした。

 

「ウルベルト様を攻撃した奴とシャルティア様を、洗脳した敵が憎いっす!」

 

デミウルゴスとセバスとルプスレギナは、怒りの感情が表に出ていた。

 

実際は夏樹が、ナザリックの拷問という名の教育を見たかったから発案された計画だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャルティアは、アインズとアルベドが居る部屋の前に居た。

 

「コキュートス。何か動きはないでありんすか?」

 

「変化ハ、ナイ」

 

「そうでありんすか・・・」

 

シャルティアは、アインズが部屋でアルベドと過ごす事を決めた、2ヶ月前から休憩の時間はこの部屋の前に来ている。

 

ナザリックの他の者達も休憩中は訪れてお辞儀をしたり、アインズが出てきてくれる事を祈ったりしている。

 

シャルティアは、この部屋の扉を壊して、アインズを抱きしめたいと思っている。

 

もちろん、そんな事をしたら『私が許可するまで、誰も部屋にいれるな』という、アインズの命令を破る事になるので我慢している。

 

もちろん、メッセージを送ったりもしていない。

 

「アインズ様・・・今日も悪党の貴族を教育したでありんす・・・ウルベルト様が、保護されたツアレという人間の娘が苦しむきっかけになった貴族らしくて、セバスが教育をやり過ぎて、デミウルゴスに怒られてたでありんす・・・はぁ、アインズ様に会いたいでありんす」

 

シャルティアは、後ろから肩を軽く叩かれたので振り返ると、そこにはアウラが居た。

 

「暗い表情だと、アインズ様が悲しむよ!」

 

「妾は、笑顔でアインズ様に報告をしていたでありんす!」

 

コキュートスは、2人を見ながらアインズが部屋から出てきてくれる事を祈っていた。

 

アルベドの名前を言わないのは、自分達の中ではまだ決着がついていないからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

執務室には、夏樹と暗い表情のセバスとルプスレギナが居た。

 

マーレは、部屋の外で警備をしている。

 

「申し訳ありません。ウルベルト様」

 

「申し訳ございません。ウルベルト様」

 

セバスは、ツアレが八本指に売られるきっかけになった、貴族の教育をやり過ぎてしまったので謝罪に来ていた。

 

「まぁ・・・ツアレを苦しめるきっかけになった貴族だしね。気持ちは、分かるけどね」

 

ルプスレギナは、セバスの隣に居たのに止めなかった件で謝罪に来ていた。

 

「ルプスレギナは、何で止めなかったの?」

 

「はい。セバス様が怒ってるのは、珍しいと思って見てたっす」

 

「そうか・・・」

 

(セバスも怒りの感情が大きいと、止まらなくなるね!これって!騙してた期間が長いと・・・もう!?考えたくない!)

 

「2人共、違う任務をやってみないかな?気分転換も大事だしね」

 

セバスとルプスレギナは、夏樹に失望されたのではないかと思って恐かったが、新たな任務を与えてくれると聞いて慈悲の心を感じた。

 

(けど、人員不足でルプスレギナを移動させたのに大丈夫かな?まぁ、大丈夫だよね?多分)

 

「2人には、聖王国の都市に居る子供の数を確認してきて欲しい。そして、モモンガ聖王国の建国の際に、子供が犠牲にならないように、上手に子供達を避難させる計画を作成してくれ」

 

セバスは、気合を入れてから返事をした。

 

「畏まりました!」

 

「了解したっす!あの・・・質問をしても良いっすか?」

 

「良いよ」

 

「子供を避難させて、メリットはあるのでしょうか?」

 

夏樹は、ペストーニャからモモンガ聖王国の建国の際に、か弱い人間の犠牲を少なくして欲しいと相談された事を話した。

 

夏樹は、か弱い人間の事を子供だと思って、意見を組み入れた事を伝えたら2人は納得して聖王国に向かった。

 

翌日には、聖王国にあるナザリックの牧場の閉鎖の報告書が届いた。

 

デミウルゴスは、夏樹が子供が犠牲になる事を嫌ってると思い閉鎖を決めた。

 

デミウルゴスは、夏樹が記憶の混乱の魔法で、精神的に弱っていると思っている。

 

夏樹は、牧場で行われている内容は知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏樹が、ナザリックを管理するようになってから半年が経った。

 

リザードマンのザリュース・シャシャが、川で作業をしていると、コキュートスが現れた。

 

「コキュートス様!」

 

ザリュースは、川から出てコキュートスの前で挨拶をした。

 

「問題ハナイカ?」

 

「はい!先月の魚の不漁も、ゴーン様から頂いたお魚のお陰で問題なく暮らす事ができました」

 

「ウム!ソレハ、良カッタ!」

 

コキュートスは、エントマと1日交代で、アインズの部屋の前の警備をしている。

 

コキュートスの仕事は、アインズの部屋の門番とナザリックの第五階層の管理とリザードマンの村との交流がメインである。

 

夏樹の指示で、リザードマンの村には、アインズの件は伏せられている。

 

「ゴーン様にも、感謝の言葉をお伝え下さい!」

 

「必ズ、伝エテオク」

 

コキュートスは、リザードマンの村を視察してから、ナザリックに帰た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王国の王都では、使われていない倉庫で八本指の幹部の会議が開かれていた。

 

「この半年で、貴族共が急に真面目になりやがった!」

 

「賄賂も受け取らないしな!」

 

「ラナーの仕業か?蒼の薔薇を使って何かやったのか?」

 

八本指は、貴族達が捕まった仲間を釈放してくれていたので、やりたい放題出来ていた。

 

「この半年で、1000人以上いた構成員も600人程に減った!」

 

減ったのは、捕まったからだけではなくて、八本指に属していても利益が減って報酬が減ったので、逃げるように去っていった人間もいる。

 

八本指の闘鬼のゼロが、ある作戦を打ち出した。

 

「蒼の薔薇を殺して、貴族共の目を覚まさせるぞ!ラナー王女が、蒼の薔薇を使って何かをしたに違いない!」

 

流石に王族を殺したら、国王が黙っていないと思い。実行役と思われる、蒼の薔薇を消したら元に戻ると短絡的に考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンドラは、漆黒の英雄のモモンとしての活動をしていたが、夏樹に呼び出されたのでナザリックに戻った。

 

「パンドラ。急に呼び出してすまない」

 

「労いのお言葉を、ありがとうございます!」

 

夏樹は、資料をパンドラに渡した。

 

パンドラは、渡された資料を見てから質問をした。

 

「八本指による蒼の薔薇の暗殺計画ですか・・・ウルベルト様は、八本指と蒼の薔薇をどのようにするおつもりですか?」

 

(うーんとね・・・王国の情報として上がってきたからね〜シャド・ウデーモン達が、頑張って集めた情報だしね〜無下に出来ない感じだよね)

 

「パンドラが、蒼の薔薇に知らせてあげたら仲良くなれるかもね。同じ、アダマンタイトの冒険者だしね」

 

パンドラは、オーバーアクションをしてから答える。

 

「はっ!畏まりました」

 

2日後に、マーレにパンドラからメッセージが届いた。

 

「ウルベルト様。パンドラさんからメッセージが届きました。蒼の薔薇のメンバーのラキュースと仲良くなって、ベッドで体の関係を迫られているそうです」

 

「えっ!」

 

(マーレに、何て事を言わせてるの!けど、モモンガ王国の建国には、パンドラとカルカが結婚する事が必要だったよね!?)

 

夏樹は焦ったが、パンドラは頭が良いのでなんとかするだろうと考えた。

 

「ラキュースと、仲良くやりなさいと伝えてくれ」

 

夏樹は、女の子とのデートの経験もなかった。

 

「それと、デミウルゴスを呼び出して、計画の変更をしたいから」

 

(パンドラは、モテるんだな〜)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンドラは、漆黒の英雄に変身してから王都の喫茶店の個室で蒼の薔薇に接触をした。

 

ラキュース以外の蒼の薔薇のメンバーは、王都以外で活動をしている。

 

蒼の薔薇は、八本指の事件が少なくなったので、様子を見るようにとラナー王女から言われていた。

 

「八本指が、蒼の薔薇の暗殺計画を立てているですって!」

 

「その通りです。アインドラ殿」

 

ラキュースは、漆黒の英雄の情報なら信頼できると思った。

 

ラキュースは、冒険者が情報屋や権力者から情報を買うのはよくある事なので、情報源については質問をしなかった。

 

「最近は、貴族の皆が真面目に領地経営をして、事件が減ったと思っていたら・・・けど、八本指が追い詰められている証拠ね」

 

ラキュースは、蒼の薔薇のメンバーに警戒するようにと手紙を書いて届ける手続きをした。

 

冒険者組合に向かう途中の人気の少ない場所で、八本指の20人の暗殺部隊の襲撃を受けたが、モモンが全員を数分で返り討ちにした。

 

ラキュースは、その実力を目にして、心の奥底にある何かが熱くなる感覚がした。

 

暗殺部隊を役人に引き渡した後に、六腕が揃って襲撃してきたのでパンドラが返り討ちにした。

 

それを見たラキュースの興奮は、かなり高まった。

 

ラキュースは、御伽に出てくる勇者が目の前に現れたと思った。

 

ラキュースは、幼い頃から御伽話のような主人公に憧れていた。

 

2人は、六腕の件を役人に報告した後に、ホテルのバーでお酒を飲んだ。

 

ラキュースは酔った勢いで、パンドラを部屋に誘った。

 

パンドラは、ラキュースに言い寄られたので、マーレにメッセージを送って、夏樹に確認をした。

 

『ラキュースと、仲良くやりなさい』と言われたので、仲良くやる事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナザリックでは、夏樹とデミウルゴスが作戦の変更について話し合っていた。

 

「デミウルゴス。作戦の詳細を、考えてみたけど・・・どうかな?」

 

夏樹は、計画書をデミウルゴスに渡した。

 

「なるほど・・・王国に悪魔王が数百体の悪魔達を率いて襲撃してきて、漆黒の英雄モモンと激闘を繰り広げて、漆黒の英雄モモンのピンチに魔神王コキュートスが配下のデス・ナイトを100体率いて助けにくる・・・そして、悪魔王を撃退して、時間をかけて教育した貴族達を従えて、コキュートス魔神国を建国するという流れですね!」

 

デミウルゴスは、尻尾を振りながら笑顔で頷いた。

 

「そして、悪魔王は隣国の聖王国を襲撃して、聖王国からの要請で、コキュートスとモモンが助けに行く感じていこうと思ってる。モモンガ聖王国の建国は、時間が掛かると思う」

 

デミウルゴスは、夏樹がモモンガ聖王国は、危険だと思っているのだろうと考えて、その計画に賛成した。

 

「デミウルゴス、悪魔王の名前は何が良いと思う?」

 

「はっ!悪魔王・ヤルダバオトが、よろしいかと思います」

 

「おお!良いね!」

 

夏樹は、ナザリックから逃げるのを諦めて、バレないように行動することを決めた。

 




最後まで読んで頂き、ありがとうございます!!
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