人力TASみたいな動きをする術師   作:苦労見てくれてる虎

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落花の情の呪力開放を行わないことで呪霊の呪力と僕の反転した呪力を相殺し、呪霊の身体を対消滅させる。呪霊相手であればどんな術式だろうと確実に突破した上でダメージを通せるが、如何せん呪力の消耗が多すぎる。急いでた上に分身だから使えたけど、流石に今日はもう使えないな。

 

走りながらそんなことを考える。そろそろ虎杖君と合流できるだろうが…

 

足を止める。

 

「おや?…愛鈴か、久しぶりだね」

 

袈裟を着た前髪の特徴的な男が現れる。

 

 

 

「一つ聞く。

 

その肉体()は本物か?」

 

「本物も何も本人だよ。実は死んでいなかっただけさ」

「いいや偽物だ。そんなことも分からないとでも?」

 

「…驚いたよ。まさか一日に二度見破られるとは。

参考までに何故分かったか聞いても良いかな?」

 

「呪力を脳内に多く留めてある。反転術式を使える術師が首を斬られた場合に少しでも生き残る可能性を残すため、若しくは一矢報いるためにする行為だ。

…夏油傑は反転術式を使えない」

「それだけなら夏油傑が死に際で反転術式を会得した可能性もあるだろう?」

「夏油傑にとどめを刺したのは五条だ。死体から反転術式を使用しようとする動きがあれば確実に気付く」

 

「…やはり君のことを見くびっていたらしい。ここで仕留めることにするよ」

 

分かってると思うけど、と前置きして話を続ける。

 

「肉体に刻まれた術式も使うことかできてね、呪霊操術も使えるんだ。私もこの後しなければならない事がある。君の相手はこれに任せることにするよ。

 

特級仮想怨霊『化身厠神』

 

厠神といってもね、登録済みの特級呪霊の一つであるトイレの花子さんと同一視され、混ざりあったモノなんだ。実質、特級二体分と考えてくれればいい。

しかし特級呪霊上位の能力を持つこれでも、あの状況から抜け出した君なら突破できるかもしれない。ならばどうするか…」

 

コイツ、これだけ話しているのに隙が無い。話の途中で突っ込むか?近接なら僕にも可能性は──

…いや、ここは大人しく聞きに徹する。

 

「術師にとって最もインスタントに能力を上げる方法、それは命を懸けた縛りだ。君と戦わせた二級呪霊はそれにより強化していたが、特級の方は領域を警戒されないよう強化した二級と同程度の出力になるようにしていたけど、それは二級は使い捨てにしていいが、特級はもう一度使えるようにしたかっただけの事。あの状況を突破したことから、特級呪霊一体と君一人のトレードならお釣りがくると判断した。特級呪霊の命を捨てることによる強化だ。君が態々話を聞いてくれたから更に情報の開示の縛りも乗るから…」

 

話が途切れる、気づいたのかな。

 

「何故話を聞くのかと思ったが、まさか…

成る程、この状況下で時間を浪費する縛りを結んだな?私の話すであろう情報を全て推測した上で。

情報の開示を行ったにしては能力の上がり幅が最低限に近い。情報の開示による強化を封じた上で自分の強化を行ったか。

 

…良かったよ。正直退屈していたんだ。計画が上手くいくのは良いことだが、上手く行き過ぎると面白みがない。

そろそろ始めようか。私としてもこの後しなければならないことがある。これ以上君を強化(時間を浪費)しても良くないし、私はもう行くよ。せいぜい頑張ってくれ」

 

長い話が終わり、歩いて去っていく。正直アイツも相手にすることになれば流石にキツイ。だが僕を確実に潰すことを捨ててまで優先するようなことだ。

…特級呪霊を相手にするんだ、思考を一旦捨てる。

万全の状態で挑みたかったが仕方ない。今ある手札でこの状況を打開する。

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