人力TASみたいな動きをする術師   作:苦労見てくれてる虎

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供養の為に投稿
別に投稿再開する訳ではないです。シナリオ完成してないからね


新宿
1


目を開く。

 

「……これは、寝過ごしちゃったみたいだね」

 

目の前の惨状を見てそう呟く。

渋谷で、呪力が殆ど残っていない状態で特級相当とやり合うことになった時、僕は自らに縛りを課した。内容としては、

 

〚目の前の呪霊を倒したら、一時的に呪物と同じ状態になる〛

 

これから先、五条の封印によって呪いの時代が来る、そこで僕という戦力を使えなくする縛りだ。ちゃっかり無力化じゃなく呪物と同じ状態にすることで、敵からの攻撃も無い状態にした訳だが。

 

あの状況で普通に特級とやり合えば僕は死んでいた。既に呪力量だけなら特級クラスの呪霊数体と健人の治療で、呪力が底をつきかけていたのだ。

そう考えればあの縛りを結んで正解だったが、目の前の惨状を見ると本当にそうだったのか怪しくなる。

 

目の前には、荒廃したままの渋谷が広がっていたのだ。人の気配もなければ、最近人がいた痕跡すらも無い。強いて言うなら人の屍肉を食って繁殖した虫を食べたているであろう小鳥、それを食べているであろう烏がいる。

 

……いや、あの一羽だけ此方を見ている烏は…?

 

「起きたみたいだね」

「……封印解かれたんだ」

 

久しぶりに見た最強の姿は、以前と何ら変わりないように見えた。

 

「何で五条の封印が解かれてるのにこの有様な訳?」

「まぁ、復旧する為の人間も死んでるわけだからね。僕は建物を壊したり小さく片付けることはできるけど、創り直す事はできない」

 

 

……何だかな。

 

「いやごめん。ただの八つ当たりだね。悪かった。

……それで、状況聞いてもいい?」

「ここじゃなんだし、移動してからね」

 

そう言って五条が私の肩に手を置くと、景色が大きく変わる。

…ここが現在の拠点らしい。やはり瞬間移動というのは便利だと感じる。

 

「さて、大事なところだけ歩きながら話すよ。

まず、渋谷が終わった直後。日本各地で【死滅回遊】が開始された」

 

 

五条も聞いた話らしいが、その口から語られた内容はこうだ。

 

夏油傑の肉体の中身は羂索という奴らしい。宿儺と同じくらいの時代の人間で、脳を入れ替えて肉体を転々とする術式で生き残っていた。

そいつが渋谷が終わった直後に開始したのが【死滅回遊】、日本各地に巨大な結界を張り、その中で呪霊、術師に殺し合いをさせる。

呪霊はある程度の知性を持ったもの、つまり準一級以上が殆どで、術師というのは〚無為転変〛で脳を弄ることで呪術を使えるようにしたのだとか。

ここら辺の詳しい事情は良いとして、要するに【死滅回遊】とかいう巫山戯たデスゲームが行われた。

 

次に、宿儺について。

此方もシンプルだ。伏黒君、彼は宿儺の器だったらしい。虎杖君と違って檻ではなく器、宿儺としては虎杖君を抜け出して伏黒君に乗り移れば、完全に自由なれる上、〚十種影法術〛を手に入れられる。

虎杖君が少年院で死んだ時に結んだであろう縛りで一時的に主導権を奪い、その隙に伏黒君の肉体に乗り移ったらしい。

 

最後に、天元様について。

天元様は星漿体との同化をしなかった結果、呪霊と本質的に同じ…つまり呪霊操術の術式対象になり、羂索に取り込まれたのだとか。

 

「大まかに言えばこんなもんかな。何か質問は?」

「……要するに、羂索と宿儺を倒す。その際できれば伏黒も助けたい、ってこと?」

「そんな感じ〜。因みに決戦は一週間後、12月24日ね」

 

五条の言葉に頷き、考える。

今自分が知るべき情報は…

 

「…作戦はどうするの?」

「まず僕が宿儺と戦う。勿論勝ちに行くけど、負けた場合は鹿紫雲ってやつが次に行く。その間に裕太が羂索を倒してすぐに宿儺のところに戻る」

「鹿紫雲ってやつは大丈夫なの?」

「まぁ大丈夫。結構強いよ」

「そっか……」

 

この場合の大丈夫は、最低限削りになれるかという意味だ。削りよりも宿儺の回復速度の方が速ければ、何の意味も無いだろう。

 

そこまで考えて、五条に一つ提案をする。

 

 

「じゃあさ───────ってのはだめ?」

 

 

「……本気で言ってんのか?」

 

五条の雰囲気が変わる。

重苦しく、正直かなり鬱陶しい。

 

「本気も何も、これくらいしないと宿儺は倒せないでしょ。生徒達に死んでほしくないし。それに、五条が勝てば何の問題もない話じゃない?」

「……本気なんだな?」

 

五条の六眼を見て、軽く頷く。

こうすればその眼は雄弁に僕の意志を語ってくれるだろう。

五条もそれが分かったのだろう。少し目を伏せた後、頭を撫でてくる。

 

「死んででも勝つ。んで、死んで負けたとしても、お前は死ぬな」

 

…無茶なことを言うものだ。

 

「五条を殺せる相手に死なずに勝つなんて、出来るとでも?」

「出来るだろ。今回みたいな呪物と同じ相互不可侵。その縛りを課せば最低限生き残れる」

 

それは正しい。間違いなく事実だろう。硝子も悲しまないし、その方が良いのかもしれない。だが…

 

「それで代わりに生徒が死ぬなら僕らの負けだよ。絶対ここは譲れない」

 

「……絶対?」

「絶対だよ」

 

断言する。五条も、硝子もそうだが、過保護なのだ。僕の命はこの為にあるのだから、ここで命を張らなければ何のために行きてきたのか分からない。

 

「でも俺は、そんな事させたら傑に顔向けできないんだよ」

「夏油を言い訳にするな。そんな事言っても変わんないんだから。かけるべき言葉、あるでしょ?」

 

五条は躊躇った様な仕草をし、そして口を開く。思っていたより迷わなかったな。まぁ、理性側で結論は既に出ていたのだろう。

 

…感情が反対していただけで。

 

「頑張れよ」

「ん、頑張る。五条も頑張って」

 

これで良い、これだけで良い。

もともと五条と僕にそんな面倒な会話は似合わないのだ。

簡潔に、適当に、単純に。そんな会話で良い。

一応話が纏まった僕と五条は、二人で皆の所へと向かっていくのだった。




過去編飛ばして、渋谷のラストも飛ばして、死滅回遊もスキップして、新宿です。
時系列順に書いても死滅回遊はスキップされます。

新宿はまぁ、愛鈴vs宿儺ですね。そこは頭の中にあるので書けます(書くとは言ってない)
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