ブラッド族三男坊の道楽記   作:大枝豆もやし

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弦十郎や緒川が仮面ライダーになったら、マジでシンフォギアいらなくなりますね。
主人公もその気になれば彼らをライダーに出来ますが、今はそんなことしません。
まあ、もしやってもフィーネ辺りが妨害しそうですが。


オトナ

 

「ここまでだアンノウン!神妙に縄に付け!」

 

 風鳴翼は二人の少女に向けた。

 シンフォギアを纏う謎の奏者。

 登録されていない異端技術を持つ彼女たちを翼や二課だけでなく政府たちも警戒。

 よって政府は捕縛命令、従わないのなら命を奪ってでもその技術と正体を突き止めようとした。

 

「つ、強い…」

 

 幸い相手はそれほど強くなかった。

 戦い慣れていない。

 おそらくノイズ相手のみに集中して対人戦を想定していないようだ。

 

「(このまま二人を…!!?」

 

 咄嗟に飛び退く翼。

 反射的な回避行動。

 自分が何かから避けたと気づいたのは、動いた後だった。

 

 攻撃の正体は電撃。

 ソレだけで襲撃者の正体はすぐに理解できる。

 

「やはり貴様か!」

 

 雷と共に降り立つゼウス。

 彼は件のアンノウンを守るように間に入っていた。

 

「行けお前ら。後は俺に任せな」

「もう遅いよヤマ…ゼウスさん!」

「じゃあ私たちは帰るね」

 

 逃げて行く二人。

 翼はソレを追おうとするも、ゼウスが邪魔をする。

 

「おっと、ここを通りたければわかるな?」

「ゼウス!」

「(面倒なことになったがまあ想定内だ。さっさと片付けるか)」

 

 ゼウスは仮面の下でほくそ笑む。

 原作が始まる時期なので何時かはこうなるとは思っていた。

 まあ、ゼウス………否、ドゥゼスの存在のせいで大分変わってしまったが

 

 ゼウスが電撃を繰り出す。

 彼が最も得意とし、幾多のノイズを焼き払い、シンフォギア奏者を返り討ちにしてきた。

 今回もいつも通り命中する…。

 

飛雷ノ針

 

「!?」

 

 翼が雷を跳ね返した。

 蒼い稲妻のようなものを翼の刀が纏い、ゼウスの雷を吸収。ソレを振るって電撃をゼウスに返したのだ。

 

「我らが対策しないとでも思ったが!?貴様の雷はもう効かない!」

「そう。じゃあ雷は使わん」

 

 今度は熱線を放つ。

 太陽の光を模したような高熱の光線。

 散弾の如く降り注ぐソレを掻い潜る翼。

 しかし全て避ける事は敵わず、数発程貰ってしまった。

 

「ッグ!?」

「お、よく避けたな。じゃあこれはどうだ?」

 

 今度は吹雪。

 翼を包むかのように四方八方から極寒の暴風が吹き荒れる。

 

風読ノ鷹

 

 刀を振るって剣圧を発生させる翼。

 剣圧は青い風となって暴風から守る盾となり、吹雪の勢いを逸らす。

 しかし完全には防ぐことが出来ず、翼は冷気によるダメージを受けた。

 彼女のアームドギアにも霜が張り、武器としての強度を下げられている。

 

「(なるほど、対応しているのは雷と風だけか。まあ、この二つは使いまくってたからな。…けどまあ、防ぐ手段というだけで完全には防げてない様子だな。じゃあ応用技なら突破出来るな。いや、出力上げるだけで事足りそうだ)」

 

 どうせなら何処までいけるか遊んでみようか。

 ゼウスは雷を撃つ構えに入る。

 ソレを見た翼は聖歌を詠唱して飛雷ノ針の準備を…

 

「うぐッ!!?」

 

 放たれたのは烈風。

 鋭い真空波の刃を受けて彼女は怯む。

 よって今度は風読ノ鷹の鷹を発動させようと…。

 

「(ダメ!?聖歌が間に合わない!)」

 

 聖歌の詠唱のタイミングで電撃に変更。

 電撃だけでなく小さな雲を複数発生させ、そこからも雷を撃たせる。

 電撃の集中砲火。その猛攻に耐えきれず、雲の中で翼は膝を付いた。

 

飛雷ノ針

 

 何とか発動出来た対電撃用の技。

 だが、ソレだけでは足りなかった。

 

「きゃああああああ!!!?」

 

 変身解除。

 黒雲が散る間際、一層強い雷を翼に放つ。

 ソレに耐えきれず、翼のシンフォギアは強制解除された。

 

「フン、まあそれなりに楽しめたな」

「…ッヒ!?」

 

 翼の首スレスレに風の刃が飛ぶ。

 首だけではない。続いて手足の薄皮をほんの少しだけ斬りながら飛んでいく。

 通った個所から流れる血の雫。

 何時でも首を刎ね飛ばせるぞ。それとも手足から切ってやろうか。

 風の刃の意図を理解した翼は反射的に身体が竦んだ。

 

「じゃ、ここまでだ。負けた戦士、特に女はどうなるか…分かってるな?」

 

 暗雲が立ち込める。

 風が吹き、雨が降り始める。

 雷が遠くから鳴り、ゼウスの存在感を大きくさせた。

 

「………や、やめて」

 

 か細い声が翼から漏れる。

 先程まで果敢にゼウスへと挑んだ戦姫とは、凛々しく聖歌を詠唱したとは思えない程弱弱しい声。

 ソレを聞いたゼウスは仮面の下で顔を愉悦に歪ませる。

 

 あの翼が屈している。

 他でもないこの俺の強さに。

 原作の彼女を知っているゼウスは…否、ドゥゼスは前世の願望を実現したことに少しの興奮を覚えた。

 

「じゃ、どうするか…チィ!」

「?」

 

 咄嗟にその場から跳ぶゼウス。

 突然の行動に疑問を抱く翼。

 彼女がゼウスの行動の意味を知るのは次の瞬間だった。

 

「先に攻撃をしたこちらに非があるとはいえ、嫁入り前の少女をここまで追い込むのは見過ごせん!悪いがここからは俺が相手だゼウス!」

 

 風鳴弦十郎。

 特異災害対策機動部二課の司令官。

 そして、現状では対人間に関しての最大戦力である。

 

「フン、シンフォギアも武器もないお前が俺の相手を務められるのか?」

「そのようなもの必要ない!男同士の闘いは拳のみで十分だ!」

「そうか、なら先ずはこいつだ!」

 

 竜巻を起こすゼウス。

 複数の竜巻が土壌を巻きあげながら弦十郎に迫り来る。

 弦十郎はソレを次々と避け、防ぎながらゼウスに接近していった。

 横に跳んで、身をよじり、時には両腕を交差して防御。

 生身でありながらゼウスの攻撃を凌いだ。

 

「じゃあこれはどうだ!?」

 

 今度は電撃。

 両手から波状攻撃として放電。

 逃げ場はない。

 散弾どころか雨の如く降り注ぐ高圧電流。

 威力を捨てて数を優先したが、ソレでも人間が浴びていいものではない。

 防御も回避も不能。異端技術を扱う者なら何とか出来るが、生身の人間では不可能…。

 

「フン!」

 

 防御も回避も不可能なソレを、弦十郎は迎撃した。

 

「何で受けられるんだよ俺の拳!?」

「カンフー映画で見た震脚を参考にした!」

「見ればわかる!ソレを何で出来るんだよ!?」

 

 震脚による衝撃を拳に乗せる。

 弦十郎はこのトンデモ技術でゼウスの攻撃を無力化しているのだ。

 

「(嘘だろオイ?アニメでも人外描写はあったが、まさかここまでとは)」

「今度はこっちからだ!」

 

 宣言すると同時に踏み込む弦十郎。

 両者の距離はおよそ十m程。

 だというのに、彼は一秒程でソレを無くしてみせた。

「!? スピードだけじゃなくパワーもライダー級か!?」

 

 そのまま殴り合いになる両者。

 両拳に雷と風を纏うゼウスと、素手の弦十郎。

 どちらが勝つのかは火を見るよりも明らか。

 だというのに弦十郎はこれも耐えてみせた。

 

「ハハハ!こっちは異端技術なんでトンデモ科学使ってるが、お前もお前でトンデモ拳法使ってるな!本当に人間か!?」

「トンデモ技術とは失敬な!男の鍛錬は食事と映画鑑賞と睡眠だけで十分だ!」

「マジでトンデモ人間だなお前!」

 

 言葉を交わしながら戦闘を続行する両者。

 ゼウスの拳を弦十郎が受け流して投げ飛ばそうとするが、その勢いを利用してゼウスが肘撃を繰り出す。

 何とか軸をずらして衝撃を流そうとする弦十郎。しかし完全とはいかず多少痛む程度のダメージを受けた。

 

「俺、単純計算でパンチ力66tあるんだぜ?なんでその程度で済んでるんだよ?」

「気合いだ!」

「ふざけてる?」

 

 殴り合いから組み合いへと入る両者。

 どちらかが組めば、相手が組み直し、そのまま極めようとしたら組み直される。この繰り返し。

 両者の様は、まるで巨大なアナコンダが絡み合うかのようであった。

 

「!?」

 

 寝技の状態で咄嗟にゼウスを投げ飛ばす弦十郎。

 ゼウスは猫のように悠々と着地し、弦十郎もすぐさま立ち上がって構え直した。

 

「流石に足を封じた上で至近距離からの放電は防げないか?」

「…残念ながらお前の電撃を防ぐ手段は震脚しかないからな」

 

 震脚とは大地を蹴ってその力を攻撃力に変える技術。その足さえ封じられたら使えない。

 

「(しかし困ったな。まさか肉弾戦も強いとは。能力多彩なキャラは器用貧乏じゃなかったのか、了子くん)」

 

 弦十郎は焦っていた。

 確かに超人的な戦闘能力でゼウスとやり合っているが、綱渡りの結果成立しているもの。少しでも均衡が崩れば一気にやられる。

 何とか一気に形勢をこちらに傾けさせなくては…。

 

「指令ばかりにいい恰好はさせませんよ」

「ッ!?」

 

 突如、ゼウス目掛けて銃弾が飛ぶ。

 ソレをノールックで避けるゼウス。

 首を動かして、身体の軸をずらして避けて。手の甲で弾いて防いだ。

 

「僕も参戦させていただきます!」

 

 緒川慎次。

 特異災害対策機動部二課に所属するエージェント。

 そして、風鳴家に仕える飛騨の隠忍の末裔である。

 

「ッ!?ウソだろ?」

 

 一瞬、ゼウスの動きが止まる

 陰縫い。相手の影を銃弾で縫いつけて動きを封じる近代忍法

 勿論、実際の忍者はそんなの使えない。忍法の名を騙る妖術である。

 

「仮面ライダーの次は対魔忍か。なんでもありだな」

 

 一瞬で影縫いを突破するゼウス。

 影を媒体にするのなら、雷光で影をかき消してしまえばいい。ただそれだけだ。

 だが、その一瞬が命取りになる…。

 

「おっと」

 

 クルンッ。

 そんな擬音を錯覚するほど、弦十郎の震脚による拳が軽々と受け流された。

 流された衝撃は弦十郎の腕に跳ね返り、関節にダメージを与える。

 

「ッグ!!?」

「指令!」

 

 痛みに怯む弦十郎に追撃を掛けようとするゼウスを止める為、緒川が次の攻撃を仕掛ける。

 影分身。右手にはバズーカーを、左手には機関銃を装備して牽制射撃を行う。勿論、指令には当たらないよう注意して。

 

「ッチ」

 

 銃弾を避けながら緒川に電撃の牽制を放つゼウス。

 その間に一旦弦十郎は下がる。

 

「指令、お怪我は!?」

「大丈夫だ慎次くん。しかし完全に背後を取ったのに受け流された上にこのザマとは。彼は間違いなく俺の動きに対応している!」

「ええ、どうやら僕の忍法もです。分身には目もくれず僕に雷を当ててきましたよ」

「なんと!?あの短時間でか!?」

 

 緒川の報告に弦十郎は本日何度目か分からない焦りを覚えた。

 

「俺は“目”がいいんだよ。むしろソッチの技術タイプはカモだ」

「成程、その鎧だけでなく本人も一流の戦士か。だがこちらは二人いる!」

 

「いいだろう!お前の適応が先か、それとも俺たちの連携が勝つか、勝負だゼウス!」

 

 そこから、人外同士の戦いが始まった。

 怪物のような肉体と武力を誇るOTONAと、魔法のような忍術と技能を持つNINJA。

 対するは天災の如き戦士。強力かつ多彩な能力と、機械のように正確な動作で人の理を超えた二人を迎える。

 

「あ~あ、楽しめたが時間切れだ。遊び過ぎた」

「何?」

 

 見れば、ゼウスの鎧に変化が起きていた。

 身体の端々から粒子が零れ落ちる砂のように上へ昇っている。

 騙し絵のような現象に弦十郎は一瞬目を奪われたが、すぐ別の方に意識が向いた。

 活動限界。無敵に見えたゼウスにも明確な弱点があったのだ。

 

「じゃ、俺はお暇する。アリーヴェデルチ」

「ッ!? 待て!」

 

 弦十郎の制止の声に耳を貸さず、ゼウスは雷となってその場から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はなかなか楽しめたな」

 

 自宅のソファで大和(ゼウス)は横になる。

 その上に乗る二人の少女。

 

「大和さんかなり楽しんでたね~。私たちは必死で逃げてたのに」

「女の子だけじゃなく男の人ともお楽しみなんて本当に節操ありませんね大和さん」

 

 響と未来。

 生地の薄い部屋着に着替えた彼女たちは大和に体を密着させる。

 

「そう言うな。俺とマトモに戦える生命体自体少ないんだぞ?」

「………うん、アレは本当におかしい」

 

 響と未来はあの場にいなかったので直接弦十郎との戦いを見てはいない。

 ゼウスの頭部にあるカメラアイに録画された映像。

 二人は帰った後にソレを映像化してもらって視聴した。

 

「というか大和さんって関節技出来るんですね。あんまり使わないと思ってた」

「関節技って侵略戦争に使います?色んな種族がいるから関節技効かなそうですけど」

「いや、そんなことはないぞ。人型宇宙人はそれなりにいる。覚えて損はない」

 

 個人の戦闘力が重要視される種族は少ないが。最後にそう付け足す。

 

「え?そうなの?じゃあどんな時に使ったの?」

「私も聞きたいです。どんな風に悪い宇宙人倒したんですか?」

「いいぜ。あれは魔王とその星で呼ばれた特殊個体なんだが…」

 

 俺も悪い宇宙人なんだが。

 大和(ドゥウス)は心の中でそう零しながら昔話を聞かせた。

 





このゼウスを一言で表すなら、ゴールドメモリ版ウェザードーパントといった感じです。
主な攻撃手段は雷や電撃。自身を雷にしての瞬間移動も可能。
雷だけじゃなく暴風や豪雨や吹雪、灼熱の日光ビームや虹色のビーム、雲によるファンネル攻撃なども出来ます。
また、敵の動作や技を一瞬で見抜く写輪眼みたいな目も特徴的です。
今のところ相手の能力をパクることはりませんが、アークのラーニングみたいに使います。
そんな化物と互角に戦ったOTONAとNINJAァ…。
あ、ちなみにパンチ力66tは公式のキルバスのスペックを参考にしました。
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