シンフォギア女子って全体的に依存系の恋愛しそうですね。
なんていうか、どいつもこいつもダメ男に引っかかりそう。
響や翼とかは好きな男を甘やかすだろうし、クリスも小遣いねだったら文句言いながらもくれそう。未来は言わずもがな。
敵側も例外ではなく、キャロルとかは俺が居なかったら何も出来ないなとか言いながら養ってくれそうだし、プレラーティやカリオストロも元男だから男心を分かった上で尽くしてくれそう。
ヒモになっても養ってくれそうだし、3B系とかでも夢を応援するとか言ってお金出しそう。
浮気とかしても最初は滅茶苦茶怒ったり泣いたりするけど最後はやっぱりあなたを愛してるとか言って許してくれそう。
まあ、要するにクッソ重い情緒だけどソレさえ解決すれば都合のいい女に全員成りそうな気がする。
まあ、クッソ重いので捨てたり裏切ったりしたら地の果てでも追いかけそうですが。
フィーネみたいに。
全てが停止する中、ドゥゼスが去る直前、彼は翼にだけほんの少し時間を与えた。
ドゥゼスは彼女に呟いた。後で一人だけで何時ものマンションに行くように。
翼は言われた通り一人で向かった。
勿論誰にも言っていない。マネージャーである緒川にも今日は色々ありすぎて一人散歩してスッキリしたいと言った。
これで外部からの助けは期待できない。護身の為にシンフォギアを待機状態にして首にかけているが、昼間の戦闘で全く勝てないというのには身に染みている。
翼は覚悟していた、もしドゥゼスがこちらを害するつもりなら自分は為す術なくされるがままになると。
しかし同時に期待していた、彼がそんなことする筈が無いと。
何か事情がある筈だ。
大和が自分の敵になる筈が無い。
あんなに優しく頼りになる人が。
奏と私を愛してくれるあの人が。
翼は、何かを期待していた。
自分を納得させる事の出来る理由がある筈だと。
いつの間にか目的地に着いた翼。
マンションのエントランスの扉が自動的に開き、真っ直ぐ大和のいる階に向かう。
「やあ、待ってたよ翼」
「………」
無言で部屋に入る翼。
バタンと、戸を閉める。
「ッ~~~!」
同時に飛んできた平手打ち。
バチンッと、乾いた音が玄関に響いた。
「………何で防がなかったの?貴方な簡単に避けられたでしょ、ゼウス
様の部分を強調する翼。
彼女なりの皮肉のつもりだ。
普段は皮肉どころか悪口すら思いつかないような彼女なりの。
「私たちのこと騙してたのね! 私のことも!奏のことも! 分かってくれるって、守ってくれるって言ったのに! 耳触りの良い事言って! 裏で笑ってたのね! バカな女だって!」
「………」
何も答えない。
大和は申し訳なさそうに目を逸らすだけだった。
翼はソレを見て金切声に近い程の大声で叫ぶ。
「貴方のせいで何もかも無茶苦茶よ!ツヴァイウィングは活動出来なくなった!奏のシンフォギアを…拠り所を壊した!奏の心ごと!」
「違う!俺はそんなつもりなかった!」
「何が違うのよ!?」
一呼吸おいて俯き、大和の胸にもたれかかる翼。
「………ねえ、本当のこと教えて?貴方は何のために私たちに近付いたの?」
「………最初は、罪悪感からだった。俺の言ったことのせいで、あんなことになった。シンフォギアを壊したせいで奏がああなった。だから、何かしてやりたかった」
嘘である。
最初から心を弱らせて付け入る為に色々と仕込んだ上で近づいた。
世論があそこまでツヴァイウィングを責めたのは予想外ではあったがソレすらも利用した。
全ては彼女達の身も心も手に入れる為に。
「自分で追い詰めておいて?貴方が元凶なのに?」
「ソレでもだ。お前たちを放っておけなかった」
「偽善ね。私たちを騙しておいて」
「俺はそういう男だ」
お前も良く知っているだろ?
大和は翼の耳元で囁いた。
「………ええ、そうね。貴方は嘘つき。私と奏に愛を囁いておきながら、他の女の子にも似たようなことを吹き込む。貴方って…最低ね」
「そんな最低な男は嫌いか?」
「………本当に最低。どうせこれからすることも、奏もしたんでしょ?」
ちらりと、玄関の靴に目を向ける翼。
彼女の視線の先には、女物の靴があった。
何度か見た事あるソレは、奏の物だと翼は記憶していた。
「私たちを騙すなら、最後まで責任持って騙してよ」
そう言って翼は大和の腰に両腕を回し、更に体を密着させた。
「最初からそのつもりだ。俺はそういう男だからな」
「………ええ、分かってるわ」
数時間後、
「ああクソ!ゼウスの奴、あんな隠し玉を持っていたなんて!」
幾つかある拠点の一つ。
フィーネはそこで身を隠しながら怒り狂っていた。
全てうまく行く筈だった。
弱点を発見し、持ち得るもの全てを使って罠を仕掛けた。
だが、ソレは無駄に終わった。たった一つの手札によって。
「インチキ技術も大概にしろ!ヤバい能力ポンポン使いやがって!あんなの神代でもいなかったぞ!何がゼウスだ!?お前ゼウスより断然強いだろ!?」
近くの物に当たり散らかすが、すぐさま冷静さを取り戻す。
怒りが消えたわけではない。むしろどんどん強くなっていった。
準備に準備を重ねた計画がアッサリと破壊されたのだ。この程度で晴れるわけがない。
しかし、彼女の優秀な頭脳はその無意味さを理解し、別のやり方を無意識に模索する。
下らないことにエネルギーと時間を使うより、その対策に使うべきだと。
そうだ、こんなことをしている場合ではない。早く何か手を打たなければ。さもなくば、私はあの人と…あの人と………。
「あの人って、どんな人だっけ?」
フィーネは違和感を覚えた。
一時も忘れなかったはずの想い人。
どんな記憶よりも最重要であり、何千年と守ってきた筈の記憶。
ソレが今、ノイズのかかった映像のように朧気になっていた。
「!!? まさか!?」
フィーネは慌てて自分を記憶を探る。
あの人についての思い出を。あの頃の想いを。
しかし、何故か思い出せない。まるで虫食いのように………いや、現在進行形で食われている。
「あ…あのヤロぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
彼女は叫ぶことしか出来なかった。
フィーネは愛のあまり凶行に走りましたが、これってシンフォギア女子全員そうなりそうだと思うんですよね。
大切な一の為なら全てを捨てるというか、破壊する事も厭わない信念といいますか。
未来は勿論、あの響ですら愛する男を失ったら暴走する筈です。
むしろ愛情深い性格な分、より過激になりそう。
ソレを無意識に分かってるから彼女たちはフィーネを許したんだと思います。
要するに、シンフォギアの世界では恋する女が一番怖いという事です。