もし仮に最初からライダーシステムを二課に渡せば、確実にフィーネが邪魔してきます。そうなったら原作などあてにならなくなるし、原作以上に苛烈な手を使可能性があります。
ソレに加えてアメリカを筆頭に国連がその技術を横取りしつつ、日本の足を引っ張ろうと邪魔してきます。
どちらか片方だけならドゥゼスが本気出したら行けますが、両方は面倒くさいので諦めました。
因みに厄介順はフィーネ>超えられない壁>アメリカ>他のラスボスです。大国よりヤバいフィーネおばさんェ…。
だからフィーネが消えた瞬間、本格的に動き出しました。
あ、シェム・ハ以外は既に対応済みです。
フィーネが消えてもノイズは消えない。
ソロモンの杖はノイズを操るものであって、ノイズを生み出すものではない。
よって、彼女が暗躍しなくなった世でもノイズ被害は当然出る。
だが、今の人類はソレに抗う術を持っている。
「ノイズ共!貴様たちの好きにはさせん!行くぞ、ドラゴン!」
弦十郎がノイズ達に立ちはだかる。
彼の腰にはドゥゼスドライバーに酷似したドライバーが、その手には赤いボトルと手のひらサイズのドラゴン型ロボットが握られていた。
『Wake up!CROSS-Z DRAGON!』
赤いボトルをメカに装填した後、折り畳んでドライバーに装着。
途端、軽快な音楽がドライバーから流れた。
音楽に合わせてレバーを回すと、ドライバーから弦十郎の前後にプラモデルのような独特の形をしたフレーム、スナップライドビルダーが形成される。
『Are you ready?』
「変身!」
スナップライドビルダーが同時に弦十郎へ向かって来る。
ソレは装甲とスーツとなって装着された。
『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!』
向かい合う赤い龍のような複眼、ツインアイドラゴン
金に燃える炎のような模様の装甲、ドラゴライブレイザーとバーンアップクレスト。
仮面ライダークローズ。並行世界の宇宙のソレと違って青ではなく赤だが、逆に弦十郎に合っていた。
「でやぁ!!」
ノイズを殴る。
拳は標的を突破し、その先から炎が拡散される。
殴ったノイズだけでなくその後ろにいたノイズ共も巻き込まれた。
「はぁ!!」
回し蹴りを繰り出す。
蹴りによってノイズを粉砕しながら、足から焔光が走る。
火炎は蹴りの延長線上の敵を吹き飛ばした。
殴る殴る殴る。
時に蹴りを入れて、時に投げ技なども交え、時には炎を放って。
クローズは様々な技を駆使して敵を駆逐していく。
「これで終わりだ!」
バックルのレバーを回す。
軽快な淫額と共に現れる赤い龍を象ったエネルギー体。
赤い龍はクローズの周囲を旋回。同時、クローズは飛び上がって蹴りの体勢に入った。
「はあッ!」
撃ち出される砲弾のような蹴り。
クローズの背後にいる赤い龍のエネルギー体が炎を吐き、ソレを身に纏って跳び蹴りを繰り出す。
蹴りはノイズの大群を貫き、中心点にたどり着くと同時に爆発。一網打尽に打ち砕き、焼き尽くした。
「このベルトすごいぞ!流石ゼウスの弟さんだ!」
「いいなあ指令は。僕も早く使って見たいですよ」
弦十郎は興奮した様子で緒川に語る。
ライダーシステム。
シンフォギアに代わってS.O.N.G.のメインウェポンとなった新兵器。
今のところライダーになるのは弦十郎と緒川の二人。
弦十郎には赤いドラゴンフルボトルを、緒川にはニンジャフルボトルを。そしてビルドドライバーに似たベルトと各々に対応したガシェットを与えられた。
「気に入ってもらえましたか?」
「ああ大和くん!この力は本当にすごい!まるでゼウス…君と同じになった気分だ!」
「まあ俺のゼウスディセンター程ではありませんが、近い力ですからね」
「これで俺たちも戦える!何も出来ずただ見ているだけだった口惜しさとおさらば!」
「しかも変身ですからね!やっぱり男なら一度は憧れますよ!」
自分たちも戦える。
もう子供たちを戦場に送らなくてもいい。
そのことに彼らは歓喜した。
「全く、親父も人が悪い!こんな力を俺達に隠していたというのだから!これだけの力があれば、もう人類はノイズに怯えるは無くなるというのに!」
「まあ、取引出来る人があの人ぐらいでしたからね。相手を選ばなければ最悪の場合は“侵略兵器”に利用されます」
兵器というた単語を聞いた途端、二人は少し身構えてしまった。
ライダーシステムはシンフォギアと比べると人を選ばない。
特別な処置さえ受ければ誰でも変身出来る。
ゼウス程ではなくても、似た力を誰もが手にする事が出来るのだ。
そうなったら次はどうなるか。考えるまでもない。
呉越同舟。
共通の敵がいれば人類は協力できる。
とんでもない。ソレが出来るのは賢明な者だけだ。
敵と争いながら味方の足を引っ張る。有史以来そんなものだ、人類など。
現実でもそうなのだから、シンフォギア世界だとより過激になる。
「(しかしこうもライダーシステムを使いこなすとはな。流石OTONAとNINJAだ)」
ライダーシステムはデュゼスによって齎された。
F.I.S.を乗っ取った後、フィーネやアメリカにバレないよう、F.I.S.の人材や物資を使って計画を進行。
しかし隠れてやるには限界がある。よって訃堂や“他の限られた協力者”にドライバーを提供することで促進してきた。
「(レベル3以上はこの二人ぐらいか…。ま、普通はそうか)」
ハザードレベル。
ライダーシステムを人間が使うには、ネビュラガスという特殊なガスの人体投与実験を受ける必要がある。
このネビュラガスの許容量を数値化したものがハザードレベルである。
ライダーシステムを使うには、このハザードレベルを一定以上の数値まで上げる必要がある。
だが、ネビュラガス自体限られた人間ぐらいしか耐えられず、現状では二課の元メンバーでは弦十郎と緒川ぐらいしかその素養はない。
世界全ブラッド族の技術以外にも他惑星や文明の体で見ても、この力を得られる超人はごく少人数であろう。
そして何よりも…。
「しかしあのネビュラガスといったか?アレはすごく痛かったな」
「ええ、確かにアレは泣きそうになりました。死ぬかと思いましたよ」
ネビュラガスに適応する際の激痛である。
このガスは人体の細胞に作用し、特殊な細胞分裂を引き起こす事でライダーシステムに対応出来る身体に作り替えるのだ。
細胞レベルで改造するのだから、絶唱並みの激しい激痛を味わうことになる。
無論、麻酔など効果は一切ない。
そのせいで二人はネビュラガスを浴びている間、悲鳴が二課どころかリディアン音楽院にまで響いたという。
余談だがその日から謎の悲鳴が聞こえるという七不思議がリディアン音楽院に生まれたらしい。
「まあいい。そんなことより櫻井さんとの仲はどうなんですか?」
「え!?今ソレを聞くかい!?」
櫻井了子。
本来ならフィーネに意識を塗り潰されていた筈だが、ドゥゼスがフィーネの因子を消し去ることで彼女本来の意識が戻った。
フィーネに乗っ取られてからの記憶もちゃんとあるらしく、かつての仲間全員の名前も顔も憶えているらしい。
今はリハビリの為に入院しており、二課の元メンバーと面会している。特に多いのが弦十郎だそうだ。
で、その過程で弦十郎と彼女はよりを戻し、いい感じになっていると噂されている。
あと、これは余談だがデュゼスはフィーネと違って憑依や乗っ取りではなく転生に近い。受精卵の事から宿主と遺伝子が融合しており、もしドゥゼスが今の身体から出て行っても肉体が死ぬだけで意識を取り戻すことはない。
「あの人スタイルいいですからね。アレを好きに出来る貴方が羨ましいですよ」
「大和くん!そんな目で彼女を見ていたのか!?いくら君でも許さんぞ!」
「ソレってアレですか?俺の女をそんな目で見るなってことですか?」
「い…いや! そ、そういう意味じゃなくて…そういうのは失礼だという事だ!」
「アレ?でも司令時々櫻井さんのおっぱい見てないですか?」
「緒川くん!?」
ソレを聞いたドゥゼスはにやにやとしながら弦十郎を見た。
「へえ~、弦十郎さんはおっぱい星人だったんですね」
「いや違う!あれは了子くんだから…って、何を言ってるんだ俺は!?」
ソレからも弦十郎への恋愛いじりは続き、最後はいい加減さっさと告れで終わった。
今思えばフィーネって転生じゃなく憑依してたんですね。
転生モノでは何かしらの切っ掛けで前世を思い出して人格が前世の頃に戻るのはあるけど、次の宿主である月読調が意識を眠らせて封じられた当たり完全に乗っ取りですね。
ということはあの女、自分の子孫の意識を消して身体を乗っ取ったって事?ソレって自分の子供食って生き永らえてる化け物と同じことしてるじゃん。
こうして文字にすると悍まし事してるなあの女。