ブラッド族三男坊の道楽記   作:大枝豆もやし

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再度言いますがこの世界の人間ってモラル低いというか世紀末すぎませんか?
特にアメリカ。現実のアメリカもここまでじゃないですよ。ロシアと中国から抽出してブッ込んでようやく…かな?
とまあ、アメリカを筆頭に人類がヤバい具合になってます。
バラルの呪詛による会話の阻害って言語を分けただけじゃなく意思疎通そのものを封じたってことか?…いや、その理屈ならとっくに人類絶滅戦争起こして滅んでるか。




アメリカの動き

 

 山の頂上にある高級ホテル。

 その宴会場でS.O.N.G.のメンバーたちが宴会している中、銃などで武装している集団が山道を音もたてずに疾走していた。

 彼らはアメリカから派遣された特殊部隊。レセプターチルドレンの捕獲、或いは抹殺を命じられてここに来ている。

 目標は山の頂上。既に先行部隊がスタッフに変装して潜り込んでいる。後は合図さえ送られたらいつでも突入できる。

 

「よし、ここで散開して突入…何!?』

 

 目的地点に着き、作戦の準備をしようと振り返った瞬間、彼は違和感を覚えた。

 隊員の数が少ない。目視できる距離にいない者もいるのだが、ソレを考慮しても少ない。

 どうなっている?まさかルートから外れた?…いや、ソレはない。ちゃんとGPSで確認してもあっている。ならばなぜ?

 

「隊長、どういう…ぐわぁ!?」

 

 突如、隊員の一人が吹っ飛んだ。

 何者かに殴られたかのような吹っ飛び方。

 しかし、その姿を確認することは出来なかった。

 普通なら何一つ見えない暗闇だが、彼らは暗視ゴーグルを付けている。

 だというのに、襲撃者の姿を見る事は出来なかった。

 

「な、何が…グおっ!?」

 

 また倒された。

 下から打ち上げられるかのように吹っ飛ぶ隊員。

 彼はそのまま木に引っかかって動かなくなった。

 そして、今回もその姿は見えなかった。

 

「な、何が起きている!?俺たちは一体、何に襲われているんだ!?」

 

 襲撃者は次々と隊員に襲い掛かる。

 一人、また一人と。襲撃者によって確実に数を減らされていった。

 

「ば、化け物め!」

 

 無論、抵抗はした。

 彼らは特殊部隊。たとえこのような異常事態でもすぐさま対応しようと動き出す。

 いくら姿は消えているとはいえ、草木の動きや隊員に攻撃する瞬間など、行動の痕跡は存在する。

 瞬間、装備している銃や手りゅう弾で迎え撃とうとした。

 しかしそれらは無駄に終わる。

 

「何でだ、何で効いた様子すらねえんだよ!?」

 

 襲撃者は変わらず襲って来る。

 姿は見えないので断言は出来ないが、爆弾も銃弾も効いた様子はなかった。

 某映画の捕食者でも銃弾を喰らえば血を流すというのに、それらしいものが無いのだ。

 

「貴様で最後だ」

 

 襲撃者がやっと姿を見せる。

 紫色の装甲に黒いインナー。

 ノコギリザメの意匠を持つその姿を、実行部隊隊長は見たことがある。

 

「ら…ライダー!?」

 

 ライダーシステム。

 日本が開発したとされる対ノイズ用防衛武器。

 アメリカを筆頭に全世界がその技術を欲しており、別部隊が強奪する予定。

 ソレが今、彼の目の前にいた。

 

「鬼畜米国め。貴様の好き勝手にはさせぬ」

 

 ライダーは―――ローグは隊長の頭をガシッと掴み、電流のようなものを流し込んで気絶させた。

 

 

 

「デュゼス殿、今回も助かりました」

 

 風鳴邸。

 茶室らしき広い部屋。

 屋敷の主である風鳴訃堂はドゥゼスに頭を下げる。

 彼の隣にはドライバーとボトルが置いてあった。

 ソーシャークフルボトルと消しゴムフルボトル、そしてスクラッシュドライバーである。

 

 アメリカの特殊部隊をやったのは彼である。

 ソーシャークフルボトルで変身し、ローグは消しゴムフルボトルで姿を消す。

 掌から放たれる微弱な電磁パルスで一人ずつ気絶させて捕らえたのだ。

 

 風鳴訃堂。

 彼はこの惑星で最初のライダーである。

 まだライダーシステムを研究したての頃、ネビュラガスの地球人用アレンジがまだ未発達だった。

 絶唱をも超える激痛に実験体*1がショック死する程だ。

 そんな中、彼は最初のライダーに自ら名乗り出た。

 

『本気ですか?あの実験体を見たでしょ?貴方もあんな風になりたいのですか?』

『恐れながらデュゼス殿、奴らは他者の命を犠牲にして生き永らえる畜生です。己の身体を張る気概の無い腑抜けと一緒にされては困りますな』

 

 

『痛み以外に人体の悪影響はないのでしょう?ならば苦い薬と似たようなもの。良薬は口に苦し。むしろその効果を実感出来る』

 

 

‭ 風鳴訃堂は満面の笑みでネビュラガスを浴びた。

 血反吐を吐く激痛も何のその。ノイズを打ち倒す為ならばと容易く耐えてみせた。

 齢百を超えるというのに、衰えぬ信念と大和魂は、護国の為にと更に燃え上がる。‬

 

 ライダーとなった彼は瞬く間に力を使いこなした。

 これまでの鬱憤を晴らすかのように、現れたノイズを次々と打ち倒していく。‬

 己の力で国を守る。使命感と充足感を噛み締め、彼は文字通り大義の為に身を投じた。

 

『デュゼス殿、貴方様が与えたもうたこの力、護国の為に振るいます』

 

 とまあ、ドゥゼスが大分関与した結果、この妖怪ジジイの暗躍というか、ラスボスフラグは無くなった。

 まあ、する必要がなくなるどころか、ソレより余程いい手が見つかったのだから当然か。

 

「流石ですね訃堂さん。半数以上は殺していると思ったのですが、一人残らず生け捕りとは」

「生かしておいた方が後処理や証拠といった面で楽ですからな。向こうが全面的に非がある以上、こちらは非道な手を取る必要がありません」

 

 捕らえた隊員はアメリカへの交渉の材料に利用される。

 向こうから弱みを送ってくれたのだ、ありがたく使わせてもらう。

 

「しかし思った以上に動きが早い。あの国、こういう事には手が早い癖に、民衆や国を守る事には力を入れないんですね」

「ソレが鬼畜米というものです」

 

 ‭原作の響たちが聞いたら、お前が言うなと口を揃えて言うであろう。‬

 しかし世界観的にはこの爺さんでも自重している方。まだ良心的なのがシンフォギア世界というものである。

 いや、本当に。一期でサクッと日本の大臣殺されてるのマジでヤバい。

 その上、後の防衛省の人事に介入しているのだから内政干渉どころか侵略行為そのものだ。

 一周回って国を守ってるこの人がヒーローに見える。

 まあ、この爺が外道なのは事実だが。

 

「この星に来てからそうだ。杞憂と思うような悪い予想ばかり当たる。コンサート事件、今回の米国、あとは錬金術師共も要注意だ。この調子だとライダーシステムだけじゃなくシンフォギアも奪いそうだ」

「でしょうな。あの国の事です」

 

 ハァ~と大きなため息を付くドゥゼスに対し、訃堂はあっけらかんと答えた。

 最早そういうものだと認識しているあたり、どれだけあの国がやらかしてきたのか分かる。

 この爺さんの事だ。おそらく原作で本格的に動き出す前から政治的に動いて日本を守っていたのだろう。で、五期で遂にキレた。

 

「この調子だ、ライダーシステムで国防出来ているなら、シンフォギア奏者を派遣しろとか言うに違いない。国際社会は一つの国だけ助かるのではなく助け合いだとか言って、搾取されかねない。で、派遣したら人質に、しなければ家族や友人を攫って人質にする」

「おっしゃる通り。貴方としては到底許される事態ではありませんな。そしてあの畜生どもならそうするでしょう」

 

 シンフォギアと奏者は未だ貴重だ。

 聖遺物という国宝級の貴重品が必要だが、ソレでも唯一のノイズへの対抗手段。

 女しか使えず、その中でもごく一部しか適応しないが、ソレでも国宝級の戦力。

 そして、シンフォギア自体も貴重。狙われるのは当然のことだ。

 装者の意思に反して、アメリカでノイズ退治。十分考えられる。

 あの国はそのためならどんな手段だってやる。そういった国だ。

 

「ハァ~。今のままではライダーシステムを提供するのは無理だな。向こうの出方や条件次第では言い値で売ってやってもいいと思ったのだが」

「無理でしょうな。奴らは最低限の条件すら飲むことはありません。今回の強硬手段がその証拠。故、何が何でも死守すべきです」

 

 何も、ドゥゼスは日本だけを守りたいのではない。

 日本が一番都合いいというだけで、もし外国も協力的な姿勢を見せるならに援助するのは十分あり得る。

 風鳴訃堂とは違う。そもそも訃堂は国の為ならばドゥゼスの大事な者も容易く切り捨てるだろう。そのことをドゥゼスはよく理解している。

 信用はしているが信頼はしていない。こんなところか。

 

「(この爺、俺の力を外国に渡さんと必死だな。まあ、現状では渡しても悪い結果にしかならないからやらんが)」

「(悪いがデュゼス殿、貴方には日本を中心に君臨していただく。他国は魔境なのだから悪い話ではない筈だ)」

 

 とまあ、完全な仲間ではない。

 こういう関係だ。

 

「取り合えずフルボトル製造は“コイツ”を動かしてからやるべきだな」

「そうですな。では、その為の準備をお願い致します、デュゼス殿」

 

 ドゥゼスは虚空からパンドラボックス(偽)を取り出した。

 

「フロンティア起動させ、国際社会から脱却する。これが日本に必要な事です」

「俺はそこまで思わんが…まあ、今は貴方の言う通りしますよ」

 

*1
人体実験を繰り返す錬金術師やアメリカの研究者を使用しているので合法です





・識別番号00仮面ライダーローグ
風鳴訃堂が変身するライダー。この世界で最初のライダーでありプロトタイプ。
当時のネビュラガス投与によるライダー化は絶唱以上の激痛を味わうのだが、本人は力を得る為ならばと笑顔でソレを受けてライダー変身能力を獲得。彼からのデータを元にライダーシステムは改良と改善を重ねてきた。
最初はビルドドライバーと専用のガシェットで戦っていたが、変身者である訃堂のハザードレベルが上がったのでスクラッシュドライバーとクラックフルボトルに乗り換えた。
モチーフが鰐ではなく鋸鮫以外はまんまローグだが、変身者が超人なせいでえげつない戦闘力になっている。
鋸と日本刀を掛け合わせ、鮫の意匠を足した日本刀「シャークソーセイバー」を愛刀としている。

・識別番号01仮面ライダークローズ
風鳴弦十郎が変身するライダー。この世界で最初の正式なタイプ。
赤いドラゴンフルボトルと赤いクローズドラゴン、そしてビルドドライバーで変身する。
尚、彼のドライバーは訃堂の御下がりである。
赤い事以外はまんま原作のクローズなのだが、変身者が超人なせいでえげつない戦闘力になっている。

・識別番号02仮面ライダーニンジャ
緒川慎次が変身する仮面ライダー。
手裏剣型のユニットと緑色のニンジャフルボトル、そしてビルドドライバーで変身する。
外見は仮面ライダーシノビなのだが、変身者が超人なせいでえげつない戦闘力になっており、技も増えている。

・識別番号03仮面ライダーナイトローグ。
ウェル博士が変身する仮面ライダー。
コウモリ型のユニットとバットフルボトル、そしてビルドドライバーで変身する。
外見はあまりナイトローグと変わりないが、ハザードレベルの上昇によってスペックが変動出来るようになっている。
ライダーとしての能力は十分なのだが、上の三人が異常なので少し霞んでしまう。


この世界のボトルはエボルトではなくドゥゼスが創ったものなので色もベストマッチも違いますし、ネビュラガスも全くの別物になってます。
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