ブラッド族三男坊の道楽記   作:大枝豆もやし

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フィーネはだま完全には殺しきってません。
繋がりを通じて因子を破壊しましたが、ほんの一部だけは残して手元に置いてます。
まあ、ほんの一部なので長く持ちませんが。


復活準備

 

「どうだフィーネ、新しい身体は」

「………最悪の気分よ」

 

 フロンティアの特別研究所。

 フィーネは新しく与えられた体に不満げな態度を示した。

 

「贅沢な女だ。折角お前の因子を集めて本来の姿に近い形にしてやったというのに」

「そのせいでもう二度と死に逃げ出来なくなったんじゃない。それに今は子どもになっているし」

 

 本来のフィーネを五歳児にしたような姿。

 フィーネの因子の残りで無理やり作った体だ。

 

「何考えてるの?あれだけボロクソに貶した後に殺したくせに」

「なに、お前は全てを知る権利があると思ってな」

 

 

 

「………えぇ」

 

 全てを聞いたフィーネはそんな声を出した。

 バラルの呪詛の真相、この世界の顛末、そしてドゥゼス自身の話。

 都合の悪い事、特に原作に関する事は伏せてある程度は全て話した。

 中でも特に驚愕したのはドゥゼスの正体。神々―――アヌンナキをも超える宇宙の支配者であること。

 

「なるほど、そうよね。‬あの人が、理由もなしにそんな事する筈ないものね…‬」

 

 納得したような、何処か達観したような様子でフィーネは渡されたボトルをいじる。

 

「本当に…滑稽ね。‬あの人がきっと命を賭けてでも守ろうとしたものを…私が台無しにする所だった。…あ、礼は言わないわよ。あれだけ好き勝手言ってくれたものね」

「いらん。そんなものはどうでもいい。…で、協力してくれるのか?」

 

 デュゼスが聞くとフィーネは鉄仮面のような顔で答えた。

 

「それと、シェム・ハは殺す。壊し尽くす。全てを否定してやるわ。この私が、ね」‬‬

 

 怒りが有頂天となって一周し、逆に冷静になった。

 しかし平静とも言えない。そんな状態だ。

 

「だが、そのためには俺の力が必要なはずだ。奴の不死を突破出来る俺が」

「そうね。貴方のムチャクチャなインチキ能力が必要不可欠。で、ソレを万全にするには更なるエネルギーと情報がいるのね?」

「そういう事だ」

 

 フィーネを蘇らせた目的。

 ソレは彼女に再びバビルの塔擬きを建設させ、そのエネルギーで次のフェーズに移る事。

 今のままでも勝てるが、どうせなら万全を期して蹂躙したい。そういう気分なのだ。

 

「コイツは前金だ。本来なら人間じゃ耐えられる代物じゃないが、アンタなら使える筈だ」

 

 ネビュラスチームガン。

 ウェル博士が使っているトランスチームガンを改良したもの。

 ネビュラガスの投与無しでも変身出来る代物だ。

 

「じゃ、よろしく頼むぜ」

 

 ドゥゼスはその場を瞬間移動で後にした。

 

 

 

 

 

 フィーネは俺との協力に応じた。

 

 本人は何か思うところがあるようだが、シェム・ハの不死性を突破出来るのは俺だけ。奴のせん滅が目的な以上、俺の協力は不可欠。選択肢などない。

 

 彼女は瞬く間に準備を整えた。

 一からやるからで数ヶ月は掛かると思ったのだが、彼女は数日程でカ・ディンギルを創立し、デュランダルや相性の良い聖遺物を起動。いつでも撃てる状態にした。

 

『資材も人材も予算も堂々と使えるもの。コソコソ準備していたあの時とは大違いよ。なにより優秀な研究者や錬金術師たちも手伝ってくれる。理想の環境よ』

 

 そういうことらしい。

 確かにここには大体揃っている。

 物資は俺が用意した。物質変換能力でレアアースなどを揃えてやった。

 予算は訃堂さんが用意してくれた。フロンティアで儲かっているからポンと予算を出してくれた。

 人材はアダムが結社から派遣してくれた。アイツは俺に恩を感じている。多少の無理は聞いてくれた。

 優秀な助手も揃っている。ウェル博士にナスタ―シャ博士、サンジェルマン達やキャロルも協力してくれた。

 こうしていつでも月を破壊出来る程のエネルギーやその他諸々を確保出来た。

 だが、ソレを良しとしない奴らがいた。

 

 アメリカを筆頭に国連はカ・ディンギルの塔を大規模破壊兵器と認識して解体を命令。

 聞かない場合はミサイルをぶち込むと声明してきた。

 どうやら奴らはなりふり構う余裕すら捨てたらしい。

 

 奴らの目的は俺そのものだ。

 大量破壊兵器の破壊を名目に、日本を侵略して俺の齎した技術と、俺の身柄を抑えるつもりらしい。

 どうやら逃げ出すてはぐれに落ちた錬金術師共が俺の存在を話し、俺が新技術を齎したと、何なら俺がゼウスの正体だと気づいたそうだ。

 

 こればかりは俺のせいだ。派手に動き過ぎた。

 

 フィーネがいた時は出来るだけ正体を隠し、目撃者は殺すか記憶を消す等、俺の存在どころかソレを示唆するものすら徹底的に隠してきた。

 だが、フィーネを殺してからは活発的に動き、パリヴィア光明結社大改革の時は俺が前線に出てたし、ノーブルレッド達の保護活動でも思いっきり暴れた。

 全てを殺しきったわけではない。うまく逃げ切った奴や、俺が動く前から既に逃げた奴、撃ち漏らした奴も当然いる。

 そりゃバレるわ。

 

 はぐれ錬金術師共も俺の力が目的だ。

 アダムや俺から逃れた下衆錬金術師はこう思った筈だ、俺の力が欲しいと。

 奴らの共通の目的は完全な生物になる事。人間から見て俺らブラッド族はそりゃ完全生物に見えるだろうな。

 で、日本を除いた国連も俺とライダーシステムを求めている。つまりはぐれ錬金術師共と目的は一緒だ。

 欧州では無茶苦茶やってた筈の錬金術はそのために表面上大人しくしている。

 で、日本を侵略して俺とその技術を確保すると。

 

 

 ナメてるな、俺も日本も、そしてお前ら自身の馬鹿さ加減を。

 

 色々と言いたいことはあるが、一番なのはお前らが協力出来るわけないだろ。

 もしできるなら日本に媚び売るなり何なりして近づいている。そういった発想が出来ないからすぐ暴力に走るんだろうが。

 で、そんな奴らが集まって協力なんて出来るか?

 無理に決まってる。

 

 錬金術師共だってそうだ。

 俺の力を研究したいなら大人しく従っていればよかった。

 信用を勝ち取り成果さえ出せば自ずと研究に関われる。

 ソレが出来なかったから逃げ出したんだろうが。

 で、そんな奴らが国に所属出来るか?

 無理に決まってる

 

 どうせ途中で離散する。

 誰が危険な役目を背負うか、どの国がどれだけ金出すか、逆にどこの国がどれだけ美味しい思いするか。そういったことでグダグダ言い争って結局答えは出ずに終わる。

 で、結局連携取れずに勝手に動いて、我先にと手柄を取り合い、足の引っ張り合いに発展する。この惑星の人類は大体そんな感じだ。

 

「さて、どうしようか。手っ取り早く先ずは国何個か滅ぼすか」

 

 今の俺はフェーズ1とはいえこの星を破壊出来る力がある。

 ソレに、俺“達”も戻って戦力は倍増する。

 烏合の衆などいくらでも滅ぼせる。

 

「いや、どうせなら利用させてもらおう」

 

 俺“達”だけでは次のフェーズに移れるかどうか怪しい。

 そのためにフィーネたちの力を借りているが、どうせならもうひと手間加えてやろう。

 迷惑料代わりの駄賃と思えばいいか。

 

「じゃ、手始めに核兵器撃たせるか」

 

 





アメリカ含む国連終了のお知らせ。
前回も書きましたが、一番厄介なフィーネが居なくなった以上、ドライバーが完全復活した今ならアメリカだろうが国連だろうが滅ぼせます。
だからフィーネ討伐後は自重することなく思いっきり暴れてました。
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