転生したらもっふもふの九尾狐だった件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
彼らを村に案内したゴブリン達は、一つのお願いを口にした。
森の中で出会ったゴブリンさん達。彼らとお話をしているうちに、立ち話もなんだし、そろそろ暗くなるから泊まっていったらどうかと私とリムルはゴブリンさん達の村へと案内されることになった。
リムルとくっついていたので、使用できる【大賢者】さんから私は体を大きくすることができると言われ、大きくなってみんなを背中に乗せようか?と聞いたところ、恐れ多いので!!とお断りされた。解せぬ。
そんなこんなでたどり着いたゴブリン達の村。
藁でできたいくつものお家が立っている程度のそれを見て、いつだったか読んだ子豚さん達のお家と狼さんの絵本を思い出したのは内緒である。
「・・・結構ボロボロだな。」
「ん〜・・・でもお外でスヤリよりは全然いいと思うよ?」
「まぁ、それはそうなんだけど。」
村に通されて連れて行かれたのは、他のお家に比べたら大きめで、村の中では綺麗な方のものと思わしきお家だった。
そこにある藁でできた寝床の上で、リムルと一緒にくつろいでいると、2つの足音が聞こえてくる。
リムルはこの音が聴こえないので、私はすぐにゴブリンさん達がこっちに来ていることを知らせるように、お家の出入口に視線を向けた。
「お待たせいたしました、お客人。」
静かにお家の中に入ってきたのは、さっき森の中であったゴブリンさんと、どこかおじいちゃんっぽいゴブリンさんだった。
「大したもてなしも出来ませんで、申し訳ない。私はこの村の村長をさせて頂いております。」
「ああ、いやいや。お気遣いなく。」
「おきづかいなく〜」
どうやらそのおじいちゃんっぽいゴブリンさんは、この村の中で一番偉いゴブリンさんだったようだ。
リムルとくっついてるから、【大賢者】さんが教えてくれた。
・・・なんか【大賢者】さん。私がわからないって反応しているとすぐに教えてくれるな〜・・・。
「それで?何か用があるから自分達を招待してくれたんですよね?」
勉強になるから助かるな〜・・・なんてことを考えていると、リムルがゴブリンさん達に、用事は何かと問いかけた。
泊めてくれるって言うだけの話じゃなかったんだ〜・・・とゴブリンさん達を見つめていると、ゴブリンさん達がその場で頭を下げてきた。
わー・・・仔狐さん知ってるー・・・村長さんのあれって土下座って言うんだよねー・・・。
どうしてもお願いしたいことがある時にすることだったり、一番上の謝罪だって聞いたことある〜・・・。
「あなた方の秘めたるお力、息子から聞き及んでおります。我らの願い、何卒聞き届けてはもらえませんでしょうか。」
深々と頭を下げながら、私達にお願いしたいことがあるのだと言ってくる村長さん。
唐突の土下座に一瞬リムルは驚いたけど、すぐにお願いを聞くのは話の内容によるから話してほしいと村長さんに告げた。
リムルから話をするように言われた村長さんは、すぐに話し始める。
曰く、ひと月程前に、ここいら一帯を護っていた竜の神様が突然いなくなり、今この場所は、近隣にいる魔物達が縄張りにしようと彷徨いているとのことらしい。
多分、この竜の神様ってヴェルのことだよね?それで、近隣の魔物さんはあの狼さん達かな?
「中でも牙狼族なる魔物は強力で、1匹に対し我ら10匹で挑んでも苦戦する有り様でして・・・」
・・・仔狐さんは大正解したようです。リムルも牙狼族の言葉を聞いて、すぐにあの狼さん達のことを思い浮かべたようで、少しの間黙り込んだ。
「・・・そいつらの数は?」
「群れで100匹程になります。比べて我らの内、戦えるものは雌も含めて60匹程度です・・・」
100−60は40で、10匹のゴブリンで1匹となると、6匹でもかなり苦戦すると・・・。
これは・・・10歳までしかお勉強ができなかった仔狐さんでもピンチであることがわかるのです・・・。
もっともっと勉強していたリムルなら、もっともっとピンチなのがわかるのだろう。
とてつもなく大変な状況にあることがわかってしまい、自身のモフモフを逆立てて固まっていると、リムルが優しく身体を撫でてくれた。
ぷるぷるスライムなリムルの手ですが、不思議とその手には安心できて、私のモフモフも元通りになる。
「・・・牙狼族が100匹程って言うのは確かなのか?」
「それは確実です。リグルが牙狼族との死闘を経て手に入れた情報ですから。」
私が落ち着き、再び伏せて大人しくするのを見ながら、リムルはゴブリンさんに、牙狼族の数はそれで合っているのかと質問する。
すると、ゴブリンさんは仲間が持って帰った確かな話だと教えてくれた。
その時、リグルと言う名前のような言葉が出てきたので、リムルはそれに反応する。
曰く、リグルは目の前にいる若いゴブリンさんのお兄さんみたいで、魔人さんから名前をもらった強いゴブリンさんだったらしい。
この村がこうして残っていたのは、その強いゴブリンさんがずっと戦ってくれていたからのようだけど、今はもういないのだとか。
「・・・リグルは自慢の息子でした。弱き者が散るのが宿命だとしても、息子の誇りにかけて、我らは生き残らねばなりません。」
どこか悲しそうで、とても辛そうで、だけど、不思議と強い思いが込められている言葉に、私は何度か瞬きをする。
できることなら助けたいけど、私よりリムルに決めてもらった方がいいかな・・・?
「・・・リムル。どうする?」
「・・・・・・。」
私の質問に、リムルは考え込み始める。
私はと言うと、リムルが答えを出すのを待つことしかできなかった。
「・・・村長に、一つ確認したい。俺達がこの村を助けるなら、その見返りはなんだ?お前達は俺達に何を差し出せる?」
しばらくの間、考え込んだリムルは、ゴブリンさん達のお願いを聞いたところで、こっちに見返りになるものはあるのかと聞いていた。
何かをもらうの?と首を傾げていると、【大賢者】さんがこっそりとリムルは気まぐれで助けることは構わないけど、体裁を整えるためにも見返りを聞いたのだと教えてくれた。
曰く、無償で何もかもやってあげると言うのは助ける側も助けてもらう側もよろしくないのだとか。
もっと砕いた話だと、私が持ってる【共有者】のように、片方だけに搾取させるのではなく、ちゃんとしたお礼をちゃんとしてもらうことは必要なことだと教えてくれた。
私達はボランティアじゃない。何の対価も無しに動く奴隷じゃない。確かな取引を行う者同士だから、支払いは必要なんだって。
「「強き者達よ、我々の忠誠を捧げます!!」」
【大賢者】さんに教えてもらいながら勉強していると、ゴブリンさん達がちゅーせーを捧げると言ってきた。
ちゅーせーとは、私達の仲間になるってこと。私達の指示を聞く存在になるってこと。【大賢者】さんが教えてくれた。
「・・・リムル。ゴブリンさん達のお願い、聞く?」
「・・・・・・そうだな・・・」
最後まで話を聞いたリムルに改めて声をかけると、リムルは小さく呟くように言葉を紡ぐ。
だけど、続けて言葉を口にする前に、どこからともなく遠吠えが聞こえてきた。
「牙狼族の遠吠えだ・・・!!」
「ち・・・近いぞっ!!」
ざわざわと周りが騒がしくなる。牙狼族の声に、みんなが怖がっているのだとわかった。
中には自分達はもう終わるのだと叫ぶゴブリンさんもいて、一瞬にして周りが大混乱し始める。
「・・・リムル。」
「うん。」
この場所を今、静かにさせることができるのは私達だけ。年は大分離れちゃったけど、幼馴染みだった私達は、同じことを考えていた。
『告。九尾の狐はその姿を自由に変容させることができます。変容を使いますか?』
それなら早くみんなに話そう・・・そう思っていると、【大賢者】さんが私に話しかけてきた。
変容と言う聞いたことがない言葉が告げられ、私は思わず首を傾げる。
『変容〜・・・?』
『解。姿を変えることができるスキルです。現在、個体名:コリン=テンペストは、聖獣形態と擬人形態、幼獣形態に変容することが可能です。
現在の状況から推奨できる形態は、聖獣形態です。変容を使用しますか?』
・・・どうやら私は、自分の姿を変えることができたようです。
そっかぁ・・・そう言えばお狐様は、お話中で姿を変えたりしていたね〜。
『・・・お願いしてもいい?【大賢者】さん。』
『了。』
それならばと思い、私は【大賢者】さんがおすすめしてくれた姿になることを伝える。
その瞬間、私の足元に不思議な模様が浮かび上がり、どんどん体がキラキラした結晶になっていった。
すぐ側にいたリムルが驚いたような声をあげるけど、私の体は次々と結晶になり、最終的には体全体がそれに包まれた。
でも、すぐにそれはガラスやお皿が割れるような音を響かせてなくなった。
眩しかったこともあり、閉じていた目。それを静かに開けてみると、私はゴブリンさん達を見下ろしていた。
「大丈夫だよ、ゴブリンさん達。そんなに怖がらないで?」
驚いている様子のゴブリンさん達を見ながら、私はその場にいるゴブリンさん達全員を、モフモフさが上がった長い尻尾でゴブリンさん達の頭を優しく撫でる。
私の声を聞いたゴブリンさん達は、次第にその場で膝をつき、静かに頭を下げ始めた。
「リムル。ゴブリンさん達は、私達が力を貸すのに対して、ちゅーせーを誓って味方になるよって言ってるんだよね?」
「・・・うん。そうだよ。」
「だったら、助けてあげようよ。この子達を護っていた、リグルさんのためにもね。」
そんなゴブリンさん達に目を向けた私は、リムルに笑顔を見せながら、助けてあげようと声をかける。
私の言葉を聞いたリムルは、すぐに頷くように身体を動かす。それを見た私は、リムルの前に大きくて長くなり、モフモフマシマシになっちゃった自分の尻尾を静かに下ろした。
下りてきた尻尾を確認したリムルは、私の尻尾を使って私の身体に上り、頭の上に乗ってきた。
「コリンの言う通り、みんな、
リムルの言葉に、ゴブリンさん達は目を丸くする。その表情には喜びに溢れており、希望を抱いたのがよくわかるものだった。
「ゴブリンさん達の強い思い、いっぱいいっぱい伝わったよ。」
「お前達のその願い、暴風竜ヴェルドラに代わり、このリムル=テンペストとコリン=テンペストが聞き届けよう!!」
『告。【九尾の刻印】を付与することが可能になりました。【九尾の所有印】を使用しますか?』
リムルの頼もしい言葉に、この場にいるゴブリンさんが一斉に頭を下げる。
同時に、【大賢者】さんがゴブリンさん達に【九尾の所有印】を使用できることを教えられる。
使用すれば、私の領域にいる間はこの人達のダメージは少なくなり、私も力を底上げしてあげることができる。
・・・私に逆らえなくなる・・・と言う効果が少しだけ申し訳ないような気がするけど、私は、躊躇うことなくゴブリンさん達に【九尾の刻印】を付与することにした。
「我らに守護をお与えください!!さすれば今日より我らはリムル様とコリン様の忠実なるシモベでございます!!」
『告。【九尾の刻印】を付与しました。』
ゴブリン村長さんの言葉と同時に、【大賢者】さんから刻印の付与が終わったことを告げられる。
これで、ゴブリンさん達は私の支配下に入ったわけだけど、モフを提供しなくても、【九尾の所有印】は使用することができるんだ。
『解。スキル、【九尾の刻印】は、個体名:コリン=テンペストが付与対象との一定の相互信頼関係を築いた場合と、付与対象が個体名:コリン=テンペストに服従する意思を見せた場合、付与することが可能になります。
此度の場合、後者による条件を満たしたため、付与することが可能になりました。』
・・・なるほど。私のスキルの発動条件は複数あったようです。
知らなかったのでちょっとびっくりしたお狐様なのでした。
「まずは村全体に柵を建て、侵入経路を限定する!木材とロープを集めてくれ!
それと、これまで牙狼族にやられた者達を教えてくれ!!話せる者がいるのであれば、情報を集めるためにも話を聞きたい!!」
「「「「ははっ!!」」」」
自分のスキルの使い方を学んでいると、リムルが次々とゴブリンさん達に指示を飛ばし始めた。
私はと言うと、【大賢者】さんに教えてもらいながら、自分の身体の大きさを、元の仔狐さんへと戻していく。
「・・・ところでコリン?さっきの姿はなんだったんだ?」
「【大賢者】さんが教えてくれた変容による姿の変化だよ〜。さっきのは、聖獣形態って言われた〜。」
「聖獣形態・・・だからどことなく神々しかったのか。」
「???」
リムルの言葉に首を傾げていると、私の疑問がわかったのか、リムルはすぐに教えてくれた。
どうやらさっきの私は神様なんじゃないかと錯覚してしまう程に綺麗な姿をしていたようである。
銀色の綺麗な毛並みをしていて、尻尾もかなり長くて大きい。目の色は赤く、宝石のようで、結晶化した魔素の塊がキラキラふわふわと私の周りを回っていたらしい。
「コリンがあんな姿になれるとはなぁ・・・。」
「仔狐さんもびっくりしたのです。」
「だろうなぁ・・・」
私の身体を撫でながら、びっくりしたと言った私に同意する言葉を告げてきた。
リムルの撫で撫ではすごく気持ちいので、私の尻尾はゆらゆら揺れる。
「さてと・・・それじゃあ行動を開始するか!」
「は〜い。」
リムルからの指示を聞き、私はいつも通りに返事をしながらてくてくと家の外へと移動する。
打倒牙狼族に向けて、私もやることをやるのです!
コリン=テンペスト
この度姿を変えることができることと、自身のスキル付与条件を新たに知った九尾の仔狐。
10歳までしか生きていなかった分、時折リムルの言ってることがわからなくなるが、その度に【大賢者】さんにいろいろ教えてもらっている。
頭は悪くない。
リムル=テンペスト
ゴブリン達のお願いを聞くことにしたスライム。コリンより知識が豊富のため、基本的に自ら先導するため前に立つ。
【大賢者】をコリンのサポートに使うため、基本的にくっついて過ごしている。
早く本格的にコリンに【大賢者】を共有したい。
【大賢者】さん。
リムルのサポートをしながら、コリンのこともしっかりサポートしているユニークスキル。
コリンがわからないことだらけであることをリムルを通じて把握できているので、早く本格的にサポートして物事を教えたい。
ゴブリンさん達
リムルとコリンに忠誠を誓うと約束した種族。
リムルの指示を遂行するため、バタバタと頑張り中。
九尾主ちゃんの恋愛√は・・・(オチ有の場合、後日お相手のアンケートを取ります)
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一対一の相手有END√
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一対複数の愛されEND√
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恋愛なしの愛されEND√