転生したらもっふもふの九尾狐だった件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
満月が昇る夜の世界で、彼らは牙狼族と向き合った。
木の上から様子を見ていたゴブリンの言葉に警戒態勢を取りながらも、村の周りに設置した柵の出入口付近で、私とリムルは牙狼族さんを待構える。
現れた牙狼族さん達は、先頭にいる牙狼族さんの後を追うようにして、村の方へと近寄ってくる。
「そこで止まれ!!」
柵の外に出て、堂々とリムルが牙狼族さんに声をかける。すると、牙狼族さんはリムルの方へと視線を向け、そのあと私の方へと視線を向けた。
『!?親父殿!あの者達です!!』
『お前が見たと言う異様な
幼獣の方は納得できる。確かにアレは雰囲気が独特だ。だが、
リムルの後ろで牙狼族さん達を見つめていると、彼らの思念伝達のものと思わしき会話が聞こえてくる。
どうやら、リムルをただのスライムだと思っているようだ。リムルはただのスライムじゃないけど。
「一度しか言わないので〜、よく聞いてくださいね〜?」
「このまま引き返すなら何もしない。さっさと立ち去るがいい!」
そんなことを思いながら、牙狼族さんに話しかければ、私の言葉に続けるようにしてリムルは言葉を繋げた。
私達の声は聞いているようなので、牙狼族さんの内の一頭・・・あの時私に話しかけてきていた牙狼族さんかな?
その牙狼族さんとお回しき狼さんが、前を走る大きな身体の傷がある牙狼族さんに『オヤジ殿』と話かけている。
あの2頭はご家族?あ、【看破者】さんが2頭の牙狼族さんのデータを見せてくれた。ご家族のようです。
『人間の村によくある柵に比べたら頑丈の柵のようだな。だが、あのような柵ごとき、我らの数の前に意味などあるはずもなし!!お前達!!行けっ!!』
そんなことを思っていると、傷のある牙狼族さんが他の牙狼族さんに指示を出す。
傷のある牙狼族さんの指示を聞いて、沢山の牙狼族さんが前に出てきた。
あ〜あ・・・そのままの勢いで走っていたら危ないんだけどなぁ〜・・・。
交渉決裂〜?と考えながら、そのまま柵の内側に立っていると、複数の牙狼族さんが鳴き声を上げる。
同時にその牙狼族さん達は地面に倒れ込み、動かなくなった。
『バカなっ一体何が起こったと・・・!!?なんだこれは!?』
傷のある牙狼族さんが視線を動かす。彼もようやく気がついたようだ。
自分達が走ろうとしていた場所に、沢山の糸が張り巡らされていることに。
「あの糸はさっきの!?てっきり柵を補強していたのかと・・・」
「リムルは柵の補強と、いくつもの罠を仕掛けていたので〜」
「わ、罠ですか!?」
「ああ。柵を固めるための【粘糸】と、罠を仕掛けるための【鋼糸】だ。【鋼糸】はその名の通り、物の切断なども可能になるくらい硬く、丈夫な糸。
それを複数張り巡らせておくことにより、向こう側の行動に制限をかけさせてもらった。
コリン!次はそっちのサポートが必要になる!でも無茶だけはするなよ?」
「はいは〜い!みなさん弓矢を構えて〜!!」
【鋼糸】のせいで動きが狂わされて行く牙狼族さんを見ながら、私はゴブリンさん達に武器を構えるように告げる。
その瞬間、沢山の弓矢が牙狼族さんへと降り注ぎ始めた。私はそこに自身が扱える【自然操作】による魔素の自然現象変換を結びつけ、ただの弓矢に雷や氷、土などの属性を次々とまとわせて行く。
ただの矢でも十分力はあるみたいだけど、【大賢者】さんが属性を纏わせることでさらに力があると言っていたので、それを実行してみたのです。
「わ〜・・・ただの矢が凶悪な矢になってる〜・・・」
キラキラと光ったり、ビカビカバリバリと光ったりしてる矢を見ながら、リムルがびっくりする中、私は魔素から沢山の【九尾の結晶石】を作り上げ、牙狼族さんの頭上へと添える。
この結晶は大きなトゲトゲ結晶なので、当たったらすごく痛いのです。
「ほいや!!」
まぁ、仔狐さんはその大きなトゲトゲ結晶を牙狼族さんに落下させてしまうわけですが。
「ちょおっ!?コリンっ!?コリン様ぁっ!!?何だかものすごく凶悪なことしてませんかぁっ!!?」
ガシャーンッと大きな音を立てて落下してきた結晶に沢山の牙狼族さんが下敷きになる中、リムルが慌てて声をかけてくる。
私はと言うと、結晶の下敷きになってしまった牙狼族さんの魔素と生命力を自動的に結晶を回収すると同時に、全部もらい、それを自身の領域に入っているゴブリンさんとリムルへと【共有者】を使って供給して・・・
「なんとなくできると思ったので〜。次々行くよ〜」
「次々行かないでくれ頼むからぁ!!」
リムルにツッコまれながらも、【九尾の結晶石】と【自然操作】を使ってゴブリンさん達の援護を続けた。
あ、牙狼族さんが糸と結晶と矢を潜り抜けてかなり村に近づいて来ちゃった。
「任せてくださいっすコリン様!!」
すぐに結晶をぶつけようとすると、それより先にゴブリンの男の子が私の前に出て牙狼族さんを棍棒で殴り飛ばした。
ゴブリンの男の子に殴り飛ばされた牙狼族さんは、そのまま宙を舞って、リムルが仕掛けていた【鋼糸】に当たり、そのままぴくりとも動かなくなる。
「え゛!?吹っ飛んだぁ!?」
牙狼族さんを殴り飛ばしたゴブリンさんが驚いた声を上げる。
あ、多分これ、仔狐さんの力のせいな気がします・・・。
「多分、仔狐さんの加護のせいかと〜」
「コリン様の・・・!?ありがとうございます!!」
「いえいえ〜」
ゴブリンの男の子からのありがとうに返事を返しながら、【九尾の結晶石】を上から落としたり、真ん前からドッカーンッと撃ってみたり、ゴブリンさん達が撃ってる矢に属性をくっつけたりを繰り返す。
『調子に乗るなスライム如きが!!』
『!?オヤジ殿!?』
すると、傷のある牙狼族さんが私達に怒鳴り込みながら次々と【鋼糸】と結晶と矢を潜り抜けて、私達の方に走り抜けてくる。
「コリン!!念の為【九尾の領域】を防御に転じさせてくれ!!」
「りょうか〜い。」
リムルに言われた通りにするため、私は弓矢部隊になっていたゴブリンさん達を【疾風同化】による移動でささっと村の中へと連れ戻し、【九尾の領域】に自身の力を流し込む。
その瞬間、領域に指定していた村全体にヴェルが閉じ込められていた魔素によるガラスの壁のようなものを張ることができた。
『捻り潰してくれる!!』
「・・・甘いな。」
壁を張ると同時に、傷のある牙狼族さんがリムルに襲いかかる。
だけどリムルは一瞬にして傷のある牙狼族さんの動きを【粘糸】で止めてしまった。
『!!?』
空中で固まったように動けなくなった傷のある牙狼族さんは、動けなくなってしまったことに戸惑う。
それを見た私は、すぐに領域の防壁を解除して、リムルを見つめた。
「【粘糸】だ。残念だったな。コリン。俺がいいよって言うまで目を閉じてくれ。」
リムルに言われたので、私は静かに目を閉じる。その瞬間、上から何かが落下するような音が複数聞こえてきた。
その音に一瞬、目を開けそうになったけど、リムルにはまだいいよと言われてないのでそのまま閉じておく。
『オヤジ殿・・・っ』
動きを止められていた牙狼族さんの子供だった牙狼族さんの思念の声から、あの傷のある牙狼族さんに何かあったのだと理解する。
考えることができるのは、あの牙狼族さんにリムルが攻撃をしたことくらい・・・?
「聞け!!牙狼族よ!!お前らのボスは死んだ!!選ぶがいい!!服従が死か!!」
あ、傷のある牙狼族さん、死んじゃったんだ。リムルが持ってるスキルから考えると、攻撃に使えるのは水刃だから、洞窟の中で蛇さんにしていたように、頭を切ったのかな?
多分切ったんだと思う。すごくなんとも言えない臭いがするので。
そんなことを思いながら、目を閉じたままでいると、リムルから目を開けていいと言われた。
静かに目を開けてみると、リムルがスライムの身体で傷のある牙狼族さんのものと思われる何かを身体で溶かしている姿が見えた。
『ククク・・・仕方がないな・・・!!今回だけは見逃してやろう!!』
完全に身体でそれを溶かし切ると同時に、リムルは擬態スキルを使用して、牙狼族さんに姿を変える。
目の前にいる牙狼族さんを睨みながら、リムルは言葉を口にした。
『我に従えぬと言うならば、この場より立ち去る事を許そう!!さぁ行けっ!!』
大きな遠吠えをしながら、牙狼族さん達にこの場から逃げるように告げるリムル。
すると、リムルと向き合っていた牙狼族さん達はゆっくりとリムルに近寄った。
『我ら一同!!貴方様に従います!!』
『・・・・・・え?』
そして、その場で一斉に伏せをして、リムルに従うことを伝えたのだった。
܀ꕤ୭*
牙狼族さんが服従することを選び、そのまま朝を迎える。
太陽が空に昇り、星空とお月様を眠らせると同時に、私の身体はでっかいモフからちっちゃいモフに戻っていた。
『あの時の姿に・・・』
『そうだよ〜。あの姿は満月の夜の時になっちゃう姿なのです。でも、仔狐さんはちっちゃいモフの方が好きなのです・・・』
『あちらの姿もなかなかに美しいと思うが・・・』
『そうなの?』
『ああ。』
『ん〜・・・仔狐さんにはよくわからないのですが、牙狼族さん的には綺麗なお狐様だったのか〜・・・』
おでこに星のような模様があるでっかい牙狼族さんの足元にちょこんと座っていると、星模様の牙狼族さんが仔狐さんを見つめてくる。
『モフが気になるの〜?』
『そうだな。お前の体毛は我らに比べたらかなり滑らかで柔らかいようだからな。9つの尾も、やけにふわふわとしていて柔らかそうだ。』
『仔狐さんのモフは最高で最強のモフフワのモフなので〜。手入れはいつもしているのです。触ってみる〜?』
『いや、やめておこう。気にならないと言えば嘘になるが、こちらの力だと傷をつけてしまいそうだからな・・・。』
『そっか〜。』
星模様の牙狼族さんとお話をしているとリムルが村長さんと何かお話をし始める。
ふむふむ・・・魔物は普通、名前を持っていることはなく、無名のまま一生を終えることがほとんどと。
私やリムルみたいに名前を持ち合わせているのは珍しいんだね〜。
「よし。それなら俺がお前達全員に名前をつけようと思うが、いいか?」
そんなことを思っていると、リムルがみんなに名前をつけると言い出した。
その瞬間、この場にいる全員がリムルへと驚いて目を向ける。
「よ、よろしいのですか?」
「お、おう。じゃあ、まあ、一列に並ばせてくれ。」
みんながザワザワと騒がしくする中、私はリムルにてくてくと近寄る。
「ねーねー、リムル〜。そんなことして大丈夫なの〜?」
「え?大丈夫って何が?」
「みんなに名前をつけるって大変だと思うので〜。」
「ん〜・・・確かに名前を被らせないようにしようとすると大変そうだもんなぁ・・・。あ、コリンも名付けを手伝ってもらえるか?」
「・・・仔狐さんが言いたいのはそう言うことじゃないのです。」
「・・・?」
リムルがよくわからないと言わんばかりの反応を見せる。そんなリムルを見て、私は思わず溜め息を吐いてしまった。
【看破者】を使用することができるようになってから、私はいくつか見て情報を集めることをしてみた。
すると、リムルがリムルになる前のただのスライムだった頃の情報も少しだけ見ることができた。
それにより、リムルがただのスライムからリムルになると同時に、魔素の量がかなり増えていたことがわかった。
これってもしかしなくとも、ヴェルから名前をもらった影響なのでは〜・・・?と思い、リムルがすやすやしている間に【大賢者】さんからお話を聞いてみたところ、名前をつけると魔素を名付け対象に分け与えると言う話を聞いたのである。
つまり、これだけの数の名前をつけると言うことは、それだけ魔素を分散させると言うわけで・・・。
『【大賢者】さ〜ん・・・リムルが無茶なことをしそうなのですが〜・・・』
止めなくていいんですか〜・・・?と【大賢者】さんに声をかける。
リムルに触れてからのお話なので、これでリムルにも声が届くと思うのですが〜・・・。
『解。個体名:リムル=テンペストの名付けは止めないことを推奨します。名付けによる魔素の枯渇が発生すれば、個体名:コリン=テンペストのスキル、【共有者】による魔素供給を行い、魔素の供給が終了次第、【見返り】を使用することで個体名:リムル=テンペストのスキル、【大賢者】を非接触状態での永続共有の要求が可能になります。』
『え゛!?』
私の言葉を聞き、【大賢者】さんは止める必要がないと返してきた。
まさかの言葉に困惑するが、【大賢者】さんは気にしていないのかダンマリだ。
「ん?コリン。【大賢者】と話してたのか?」
「・・・リムル、【大賢者】さんの言葉、聞いてないの?」
「うん?何か話してるなとは思っていたけど、何を話していたかまではわからなかったぞ?」
「ええ・・・?仔狐さん、予想外過ぎてびっくりするしかできないのでした・・・」
『告。一時的に個体名:リムル=テンペストに対する回路を閉ざしていたため、個体名:コリン=テンペストとの会話は伝わっておりません。』
「なんでそれ今教えたの〜・・・?」
【大賢者】さん・・・なんだか物凄く自由になっているのです・・・。
スキルにも意思があるのかなぁ・・・。
『告。個体名:コリン=テンペストの知識は、個体名:リムル=テンペストより少ないと予測されます。
名付けは個体名:リムル=テンペストのみで行うことを推奨します。』
「あー・・・言われてみればそうだよな・・・。コリンは、10歳でこっちに来ちゃったわけだし、名前をつけること・・・はできなくもないと思うけど、沢山の名前をつけるのは大変かな・・・。」
「ええ・・・?」
【大賢者】さん、【大賢者】さん。仔狐さんの気のせいですか?リムルの魔素をカラカラにさせようとしているように聞こえてくるのですが・・・?
『気のせいです。』
「・・・・・・でも・・・。」
『気のせいです。』
・・・・・・絶対に気のせいじゃないのですがぁ・・・!!
「話してるうちにみんな並んだみたいだし、順番に名前を付けていくか。」
【大賢者】さんの対応にワタワタしていると、リムルが名前をつけていくと言い始めた。
あ〜あ・・・仔狐さんは知りませ〜ん・・・。魔素がカラカラになっても知りませ〜ん・・・。
「ええと・・・村長とその息子は村一番の戦士だったリグルの身内だと言っていたな。」
「は、はい。」
「では、父親の村長は“リグル・ド”。弟のお前は兄の名を継ぎ、“リグル”と名乗れ。」
「はい!!」
「おお・・・っ!!ありがとうございます、リムル様!!」
【大賢者】さんも止めるつもりがないとわかり、私はその場でペしょっと地面に伏せる。
その間もリムルは次々と順番にやってくるゴブリンさん達に名前を付けていった。
・・・ゴブタとかゴブチとか、なんだか物凄く適当な気がするのではと仔狐さんは思うのです。
まぁ、沢山いるから仕方ないのかもしれませんが〜・・・。
「雌のゴブリンか・・・。じゃあ、ハルナで。」
あ、女の子にはちゃんとまともな名前をつけるんだ。
まぁ、女の子は可愛い名前の方がいいもんね〜。仔狐さんもヴェルからコリンって可愛い名前をもらった時、嬉しかったので〜。
「あの・・・リムル様、大丈夫なのですか?」
「ん?」
昔のミオって名前も可愛かったな〜・・・なんて考えていると、村長さん改め、リグルドさんがリムルに話しかける。
流石にゴブリンさんも、次々名前を付けているリムルが心配になったようである。
「リムルさまの魔力が強大なのは存じていますが、そのように一度に沢山の名を与えるなど・・・」
「?まぁ、大丈夫だろ。」
リグルドさんから心配する言葉をかけられたにも関わらず、さらっと大丈夫だと返してしまうリムル。
リグルドさんからの質問の意図が全然伝わってないのです。でも、やっぱり【大賢者】さんは止める様子がないようです。
リグルドさんから何も言われる様子がないからか、リムルは続けて名付けを行なっていく。
だけど、やっぱりその時は来るようで・・・
「えーと、お前は牙狼族のボスの息子か?」
「あ、そうだよ〜。その星模様の牙狼族さんは、リムルが倒した牙狼族さんの息子さ〜ん。
仔狐さんの【看破者】さんが、親子だよって教えてくれたので〜」
「コリンの【看破者】ってそんなこともできるんだな・・・。しかし、牙狼族のボスの息子かぁ・・・」
うんうんとリムルは考え込むようにその場でうろうろぽよぽよ飛び回る。
だけど、しばらくして何かいい名前が思いついたのか、ぽよんっと一回大きく跳ねる。
「嵐の牙で“ランガ”。お前の名はランガだ!」
リムルが星模様の牙狼族さんに名前を付けた瞬間、その身体はまるで潰されたかのような状態になってしまう。
何が起こったのかわかっていないのか、リムルは混乱したような様子を見せながら動けなくなる。
「「リムル様!?」」
急に動かなくなったリムルに、周りのみんなが困惑する中、私はやれやれと首を左右に振った。
確かに仔狐さん的にも【大賢者】さんの力があったら助かりますが、やっぱり限度と言うものはあるわけで〜・・・。
まぁ、別にいいけどさぁ・・・。
リムルが動けなくなった以上、この場で何かを言うことができるのは私になる。
仔狐さんは神様じゃないけど、リムルの状況はわかるので、とりあえずまずは聖獣形態に体を変えて・・・あ、よく見たら自力でこっちになってる時は、ヒラヒラした羽衣みたいな魔素がない。
あのヒラヒラは満月限定だったのか・・・仔狐さんはまた一つ偉くなったのです。
「みんな〜落ち着きましょ〜。」
そんなことを思いながら、私はその場でみんなに落ち着くように言って、【九尾の結晶石】による花びらを村全体に吹き飛ばす。
結晶でできた花びらが舞い、キラキラヒラヒラと降り注ぐと、ゴブリンさんも牙狼族さんも、みんな驚いて動きを止めた。
「リムルはちょっとおっちょこちょいなので、自分の魔素の残量を見間違えただけなのです。
ゴブリンの村にいる全員と、牙狼族の今のリーダーさん、それと、リーダーさんから繋がっている他の牙狼族さんにまで力が与えられたから、魔素がすっからかん直前になったみたいなのです。とりあえず今はお狐様の話を聞いてもらえますか〜?」
花びらに驚いて焦りがなくなったからか、ゴブリンさん達も牙狼族さん達も小さく頷いてくれた。
よかったよかったと思いながら、私は再び口を開く。
「え〜と、リムルはしばらく動けないのですが、お狐様が魔素を供給しておくので早めに目を覚ますことはできると思うので、それまでに食べられるものをできるだけ集めてくださ〜い。
ゴブリン族さんと牙狼族さんの数は、見た感じ同じくらいなので、ゴブリン族さんと牙狼族さん達には、一人と一頭で一緒に行動を取ってもらえると助かりま〜す。
あ、でも、ランガお兄さんと、ゴブリン族さんのお姉さん達・・・ん〜・・・ゴブリナ?のお姉さん達のうちの数人は、リムルの側にいてほしいです。
お狐様だけでは何もかもできるわけではないので、護衛とお世話掛としていてほしい感じです〜。」
「「「「ゴブリナ・・・?」」」」
私の言葉に、複数のゴブリンさん達が首を傾げる。
そうだった・・・ここにいるみんなの種族変化が見えてるの私だけでした。
「え〜っと、リムルの名付けの影響なのか、ゴブリン族さんも牙狼族さんもみんな種族が変化してるのです。
お狐様は【看破者】って言う情報を見抜く力がありまして〜・・・ゴブリン族のお兄さんやおじさん達は、ホブゴブリンと呼ばれる種族に変化していて、ゴブリン族のお姉さんやおばさん達は、ゴブリナと呼ばれる種族に変化してるみたいなのです。
多分、明日には身体も力に合わせた物へと変わってるんじゃないかな?あと、ランガお兄さんと牙狼族のお兄さんやお姉さん達はみんな、“
私の言葉に、村にいる全員が驚いた様子を見せる。そんな彼らを気にすることなく、私は近くにいたゴブリナのお姉さんに近寄った。
名前は・・・あ、ハルナって出てる。ゴブリン族のお姉さんの中で、一番最初に名前を付けてもらった子だ。
「ハルナお姉さ〜ん。」
「お、お姉さん!?コ、コリン様!私は貴女様のような高貴な方の姉になれるような者では・・・」
「お狐様は、お姉さん達に比べたら何も知らないお狐様なので〜。なので、沢山のことを知ってる皆さんはお姉さんやお兄さん達なのです。
そんなことより、リムルをとりあえず休ませたいので、お狐様の背中にリムルを乗せてほしいのです。」
「わ、わかりました・・・。(お姉さん・・・コリン様のお姉さん・・・っ)」
何やらプルプルしてるハルナお姉さんに、背中へリムルを乗せてもらった私は、てくてくと村の中を歩いていく。
確か、私とリムルがゴブリンさん達から話を聞いたお家はここだっけ。あ、ここだ。お狐様の匂いがあるのです。
『告。個体名:コリン=テンペストより、個体名:リムル=テンペストへと魔素の供給が行えます。【共有者】を使用しますか?』
藁が敷かれている場所にリムルを乗せたまま寝転がると、【大賢者】さんが話しかけてきた。
どうやら【共有者】を使用して魔素を供給できるようだ。
『もちろん使うのです。【大賢者】さ〜ん。リムルに魔素を供給したら、どれくらいで目を覚ますかな〜?』
『個体名:コリン=テンペストから、個体名:リムル=テンペストへと【共有者】による魔素供給リンクの接続を確認・・・成功しました。
【共有者】による魔素の供給が行われることにより、個体名:リムル=テンペストの
『お〜・・・ちなみに、魔素を供給してなかったらどれくらい時間がかかる感じだったの〜?』
『解。個体名:コリン=テンペストの【共有者】による魔素の供給が行われていなかった場合を演算・・・個体名:リムル=テンペストの
『おわ・・・結構時間がかかるんだね〜・・・【共有者】さん持ってて良かったのです・・・。』
よいしょ、とリムルを背中から静かに降ろし、でっかいモフになった身体と尻尾でリムルをぐるりと抱くようにして目を瞑る。
あ、程よいぷるもちまん丸感。ちょうど抱えやすい大きさです。
そんなことを思いながら、私はその場で大きく欠伸をする。
しばらくはリムルに魔素を供給し続けなくてはいけないので、お狐様も眠りましょう〜・・・。
コリン=テンペスト
牙狼族の襲撃を後方から守りまくっていた九尾の仔狐。
攻撃に自身の力を転じさせることは可能だが、どちらかと言うと後方支援や遠距離射撃が得意なタイプ。
リムルが次々とゴブリン達に名前を付けて魔素が枯渇したので、【共有者】を使って魔素を供給中。
リムル=テンペスト
牙狼族の襲撃を前衛で押し留めていたスライム。
コリンには出来るだけ危険な場所で前に出てほしくないので、彼女の力が、どちらかと言うと後方で支援をすることに特化した能力で正直言って助かった。
名付けに魔素が消費されることを知らずに名付けを行なってしまいダウン。コリンから魔素の供給を受けるハメになった。
【大賢者】さん
リムルがずっと考えていたコリンの支援に【大賢者】を使いたいと言う望みを叶えるために、わざと魔素の消費のことを黙っていたユニークスキル。
【大賢者】当スキルもコリンのサポートをしたくて仕方ないので、彼女から疑いの眼差しを向けられても気のせいだと押し切った。
ゴブリン族
名付けによりホブゴブリンとゴブリナに進化できるようになった皆さん。
リムル様にもコリン様にも忠誠を誓い、コリン様に至っては神様や高貴な方として信仰を向けている。
牙狼族
名付けにより
リムルには忠誠を誓っているが、コリンに対しては不思議な雰囲気に惹かれると思っているが、どちらかと言うと幼い子供や妹分に向けるような感情を抱いている。
九尾主ちゃんの恋愛√は・・・(オチ有の場合、後日お相手のアンケートを取ります)
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一対一の相手有END√
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一対複数の愛されEND√
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恋愛なしの愛されEND√