東堂葵♀   作:訥々

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交流戦③

実のところ、私の術式は単純だが難解である。

位置替えの対象やタイミングの考慮、位置替え後の差異への順応。

補助型の術式として運用するのが安牌なのだが、私は多少の無理を押して自らの戦闘に活かした。

その結果、私の戦闘スタイルに付いていける術師が高専内では皆無となり、私は単独戦闘(ソロプレイ)を強いられた。

 

それなのに!

術式を解放した本気の共闘を始めてすぐ、悠二は順応どころか七海建人氏の記録(黒閃4連チャン)に並んでみせた。

相手も私の術式に慣れてきているが、この黒閃ラッシュが効いている。

ダメージは確実に蓄積している。

私たち2人なら、祓える!

 

そう思った瞬間地面が盛り上がり、呪いの種子をびっしりつけた木が現れた。

呪いの種子が一斉に弾け飛ぶ直前、私よりも木に近かった悠二を、呪霊との位置替えで逃がす。

私の術式は()()()()()()位置替えではなく、()()()()()()()()()()()()()同士の位置替えだ。

呪霊も先程の開示は言葉足らずだと気づいただろうが、無生物も術式対象であることはまだバレていない筈。

このアドバンテージを活かした攻撃を仕掛けるためにも、まずはこの呪いの種子を凌ぐ!

 

「葵!!」

 

心配無用さダーリン!

私が本気で固めた肉体と呪力ならば、この程度の種子なぞ弾いてみせるさ!

 

 

◆◆

 

 

「──本当に?」

「たっ、高田ちゃん!!」

 

誰もいない教室にひょっこりはん方式で現れたのは、マイエンジェル・高田ちゃんであった。

あ、いい匂い。なんかチェリーっぽい香り。

 

「伏黒君の傷口、覚えてる?」

「ああ、覚えているとも!今まさに私に撃ち込まれようとしている呪いの種子!それを防ぐためにこうして──」

「──でもさ、伏黒君に撃ち込まれた種子はちょっと成長してたよね」

「!!」

「血液を吸って成長したのかな?あり得なくはないけど、相手は呪霊だよ?なら一番可能性が高いのは?」

「呪力!!」

 

 

◆◆

 

 

答えに辿り着いた興奮から会心の指パッチンをするまで、現実経過時間はおそらく0.01秒程度。そのお陰で私は、着弾前に呪力を解除することに成功した。

ありがとう、マイエンジェル。

私が惑い、過ちを犯す時、いつだって私を助けてくれる──我が守護天使よ!!

 

「次に会えるのは全握か···。真依も連れて感謝の意を伝えねば···な!」

 

呪いの種子に耐えた以上、流れはこちらにある。

入れ替えやフェイントを織り混ぜた乱打戦に持ち込み、私たちが会敵した地点に誘導した。

呪霊が気付いているのかは知らんが、この川底には()()が眠っているからだ。

 

──術式の効果範囲に入った!

両手を打ち鳴らし、術式を発動。

()()()()()()()()()入れ替えた。

 

特級呪具『游雲』。

術式効果が付与されていない純粋な力の塊。

これに私の呪力を上乗せした打撃を、全力でブッ叩きつける!!が!!

 

···それでもまだ討伐には至らないか。

十二分に勝ち目はあるが、この堅さは骨が折れるな──と、今度は相手が仕掛けてきた。

植物の命を捧げての呪力砲。

左腕に咲き誇る供花に、超高密度の呪力が集約していく!

 

「葵!!」

「来るな悠二!とんでもない呪力出力だ!!」

 

私の術式では領域展開による必中効果からは逃れられない。かといって、防御出来るような威力でも無い···この試練をどう掻い潜るか、考えあぐねていたその時。

 

帷が上がった。

 

 

 

「あー、今から悟が“茈”ぶっ放すから、二人とも避難してね」

「ボクが味方を巻き添えにするわけないじゃんね。···まあいいや、少し乱暴しようか」

 

 

宙に浮遊する拡声機能を持つ呪霊から、()()()声が響く。

 

 

術式順転『蒼』

術式反転『赫』

 

 

虚式『茈』

 

 

黒閃や特級呪具の打撃が児戯に思えるほどの厖大な仮想質量を、超高速で撃ち出す。

それが通った後の大地は抉れて消し飛び、地層が完全に露出してしまっている。

目の当たりにした悠二は大口を開けて呆然としている。私も半ば呆れ笑いだ。

 

「相変わらず規格外の火力だな。これでは祓えたかどうかも分からない」

 

 

 

「これにて一件落着!いえーい!」

「いや数名の死者が出てるし討ち漏らしもある。まだまだ安心するのは早いんじゃない?」

「へっ!それくらい知ってるっつの。少しは浸らせてくんない?」

「はいはい。戦果報告と被害報告行くよ」

 

 

 

「葵。五条先生と話してた人ってダレ?」

「ああ、京都校で非常勤講師として務めている夏油傑特級術師だ

「特級ってことは、あの人も凄え強いんだ」

「火力なら五条悟が断トツだが、手数は圧倒的に夏油傑だ。詳細は省くが術式の関係だな。それに両方が近接格闘の名手でもある。ぶっちゃけ私よりも強いぞ」

「マジか」

「そしてあの2人は()()()()()()

「マジで!?」

 

夏油傑と五条悟。高専入学当初から現在に至るまで『並び立つ最強』。

 

「···妬けるな」

 

現在の関係に辿り着くまでの苦難は数知れない。

だがそれを乗り越えてきたのだ、あの2人は。

2人の左手薬指に輝く白金(プラチナ)が羨ましい。

 

「葵、どうかしたか?」

 

だけど、今の私にはダーリンがいる。

指輪も幸せも全部掴んで見せる。

2人はきっと、ずっと一緒なのだから。

私たちのペースで愛を育んでいけばいい。

 

「なあダーリン、結婚しないか?」

「は?」

 

というわけで善は急げ。

結婚しようぜ、ダーリン。

 

 

 

 

 

 

 

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これにて本編(交流戦)完結。

いっぱい感想をくれたら番外編を書くかも。

 

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東堂葵♀

・原作よりは若干まとも。若干。

・美女が野獣。

 

虎杖悠仁

・東堂のノリに慣れつつある。

・最近宿儺がうるさいけど無視してる。

 

五条悟♀

・胸と性格以外の全てを持つ女。

 

夏油傑

・なんやかんやで闇堕ちを回避した。

 

幸運

・運を使い果たしたけど生きてる。

 

花御

・死にそう。

 

ツギハギ

・画面外で死んだ。

 

メロンパン

・オリチャー発動!

 

 

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