これが“存在しない記憶”なのかどうかは、読者様の判断に任せます。
もしこれが夢なら、吉夢なのか悪夢なのか···。
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眼前に広がる蒼穹。
今、己が踏みしめている砂浜。
照りつける夏の太陽。
そう、ここは「海だー!!」
「ふふ、少しばかり騒ぎすぎだぞ悠二」
「ごめんっ。葵と海に来れたのが嬉しくてよ」
嬉しいことを言ってくれるじゃないか。
勇気を出して誘ってみた甲斐があった。
しかし、たかだかメッセージアプリでテキストを送信するだけの行為に、あそこまで悶え苦しむとは···まだまだ私も恋愛初心者というわけだ。
狭いベッドの上でのたうち回る姿は、悠二には絶対に見せられないな。
「けどさー···葵の水着、ちょっと、その···露出しすぎじゃね?」
「そうか?普段と対して変わらないと思うが」
私の今の服装は無地のサラシとショーツのみ。
日に焼けた小麦色の肌が映えるように、色は白。
色々と試してみたが、やはり変に気負わずに済むこの格好が良いだろうと思った。
「葵がサラシ巻いてるのって戦うときだけじゃん。その時は俺も集中してっからいいんだけどさ···今は目のやり場に困るんだよ」
「嫌か?」
「嫌ではない···けどさ」
私に言わせれば悠二の方が過激だ。
何せ紺色のハーフパンツしか穿いていない。
海を背景にしたダーリンの裸身···呪力制御をしていなければ鼻血を吹き出していたところだ。
☆☆
準備運動もそこそこに、私たちは午前中いっぱい泳ぎまくった。多分10キロは泳いだ。
注文をさっさと済ませ、ちゃぶ台を囲んで畳に腰を下ろす。
味のある扇風機が、猛暑を和らげてくれた。
何故か周りにチラチラ見られ、少しばかり気まずい。ナンパか?ダーリンは私のモンだぞ。
そんな事をぼんやりと考えていたら、注文した料理が運ばれてきた。
テーブルに並ぶのは、タコ焼き、イカ焼き、焼きそば、焼きトウモロコシ。
ド定番、故に間違いのないラインナップである。
焦げた醤油やソースの香りが腹ぺこになった私達の胃袋をこの上なく刺激する。
「うめえな」
「ああ、最高だよ」
一心不乱に食べまくる。二人してフードファイターかってくらい食べまくる。
うおォン。私達はまるで人間火力発電所だ。
☆☆
午後も泳ぎまくった。呪力有り術式無し、1000mタイムトライアル15本。
私は8勝7敗で惜敗したが、とても楽しかった。
時刻は夕方、暮れる太陽は浜辺を橙色に照らす。
昼間は大勢いた海水浴客もこの時刻になると殆どいなくなっており、ビーチに聞こえるのは寄せては返す波の音だけ。
「そろそろ私達も帰るか」
「···葵」
砂浜に二人並んで座り、肩を寄せ合う。
明日からはまた任務が入るから、もうそろそろ帰途につこうか···と思ったその瞬間。
──悠二が私の後頭部を掴み
──唇が触れ合うだけの
──優しい、キスをした
「······っ」
「愛してるよ、葵」
「それは、ズルいだろう···」
顔が灼けるように熱い。
余りにも突然で、だけど嬉しくて。
視界がぱちぱちと明滅するような。
お返しと言わんばかりに、今度は私の方からついばむように何回もした。
その応酬は何度も何度も続き、気づいた時にはすっかり日が暮れていた。
今度こそ帰らないといけないなあ、などと考えながら、私達はようやく立ち上がった。
繋いだ手は離さないままに。
私達は家路を急ぐ。
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今12月なんですけどね。
私は何書いてんですかね。ホントに。