あと感想もください。
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SCP財団
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翌日。
「……お待たせしました。変動金利等を諸々適用し、利息は788万3250円ですね」
「はい、全て現金でお支払い頂きました、以上となります。カイザーローンとお取引頂き、毎度ありがとうございます。来月もよろしくお願いいたします」
"コレで今月の返済が終了…ってこんだけの大金が動くのか…で?残りは?"
「309年返済なので……今の分を入れると……」
"やっぱ言わなくていい"
ハァ…頭が痛い…
"というか、なんで現金のみなんだ…?"
…もしかして…マネーロンダリングか?…いや、そんなまさかな…
とりあえず、それはそれとして
"とりあえず、やるべき問題はわかってるし、そこを片付けるか"
「ですね」
「まずは、2つの事案についてお話したいと思います。最初に、昨晩の襲撃の件です。私達を襲ったのは『便利屋68』という部活です。ゲヘナでは、かなり危険で素行の悪い生徒達として知られています」
"…"
「便利屋とは頼まれたことは何でもこなすサービス業者で……」
いや、何も言うまい。あんな奴ら以上を見すぎて感覚麻痺してるだけだ…
…そういやこの手のタイプの要注意団体ってそんなに思いつかないな…認定前に叩き潰されるからなぁ…
「部活のリーダーの名前はアルさん。自らを『社長』と称しているようです。彼女の下には3人の部員がいて、それぞれ室長、課長、平社員の肩書があるとのことです」
「いやぁー、本格的だねー」
「社長さんだったんですね☆すごいです!」
"とりあえずその件はその辺でいいか?"
「ですね。もう一つの本題…」
"例の集団が使っていた違法車の話か…軽く調べたけど…可能性があるのはあそこだけだな"
「はい。ブラックマーケットです」
ブラックマーケット。所謂スラム街といった所か。あらゆる理由で居場所が無い生徒たちの溜まり場…
「それから便利屋68も、ブラックマーケットで何度か騒ぎを起こしていると聞きました」
"マジか。ならそこを調査すれば大丈夫じゃないか"
「じゃあ、早速行こう」
"だな"
…
"ココが、ブラックマーケットね…"
こりゃちゃんとした都市だな…思った以上にちゃんとしてやがる。
「わぁ☆すっごい賑わってますね?」
「本当に、小さな市場を想像していたけど、街一つ位の規模だなんて。連邦生徒会の手の及ばないエリアが、ここまで巨大化してるとは思わなかった。」
「うへ~私達は普段アビドスばっかに居るからね~外部は知らないことばっかだぁ。」
"外部ねぇ…そういや…"
『天戸くん、水族館に興味ない?』
『なんですか藪から棒に』
『いや、■■博士っているじゃん』
『ええ』
『なんか懸賞かなんかで水族館ペアチケット貰ったらしい』
『え?でもあの人…』
『まだ失恋の傷が癒えてないのにそんなモノ貰ってもということで貰ってきた』
『えぇ…』
『今度行こうじゃないか』
『…ですね』
そう言って、私は白衣に受け取ったチケットをしまい込んだ
"…結局、使わずじまいだったな…"
「ん?どうしたの〜?先生〜」
"いや、なんでも…"
「皆さん……油断しないでくださいね?ここは違法な武器や兵器が取引されてる場所なんですから……」
"そうだな…ん?火薬の匂い?炸裂音もするな…"
「うわぁ!!!つ、ついてこないでくださいー!!」
「え、誰!?」
「助けなんて呼べると思うんじゃねぇ!」
「まちやがれ!」
「先生、どうする?」
"…見捨てれる理由無いでしょ!戦闘準備!"
「た、助かりました…このままだと学園に迷惑をかけるところでした…ありがとうございます…」
"いいって。それより無事でよかった。私はシャーレの空落天戸。君は?"
「私は阿慈谷ヒフミです」
「ん、ヒフミ。覚えた」
"学園…というと、トリニティ、だっけ"
「あ、ハイ…」
…確かお嬢様校だよな…?なんで…
「なんでトリニティの生徒がこんな所に?」
「そ、それはですね……実は、探し物がありまして……もう販売されていないので買うことが出来ない物なのですが、ブラックマーケットでは密かに取引されていると聞いて……」
「もしかして……戦車?」
「もしくは違法な火器?」
「科学武器とかですか?」
「兵器って線もありますね」
"…そういう発想しか出てこない辺り少し恐怖感を覚えるよ…"
「違います!これです!ペロロ様のアイス屋さんコラボで限定生産された限定ぬいぐるみ!100体しか作られていないグッズ何ですよ。ね?可愛いでしょう?」
"ソレが…ペロロ…?"
なんか…いかにも動いて襲ってきそうな見た目だな…こういうタイプの見た目のキャラクターに碌な思い出がない…
「わぁ☆モモフレンズですね!私も大好きです!ペロロちゃん可愛いですよねぇ!私はミスター・ニコライが好きなんです!」
「分かります!ニコライさんも哲学的な所がカッコ良くて…………」
「…最近の若い子の感性ってよくわからないなぁ…」
"ホシノは若いだろ…"
「と、いうわけで、ペロロ様のグッズを買いに来たところ先程の人に絡まれたんです。ところで……先程ノノミさんから学校名を聞いたのですがアビドスの皆さんは、何故こちらへ?」
「私達も似たようなもんだよ。探し物があるんだー。」
「そう。今は生産されてなくて手に入れにくい物なんだけど、ここにあるって話を聞いて。」
"だけど手がかりが無いからな…そうだ。手伝ってくれない?ここに対する知見がありそうだし"
「え、えぇ!?」
「いいですね!先生!」
現地協力者は重要だからね。
「いいですけど…早くここを離れたほうがいいと思います…」
"?"
どうやらここにはマーケットガードなる警備隊がいるらしい。調べた情報によると闇銀行やら何やらもあり、本当にガチの都市なんだとか…
"…先生、ここに来てから驚き通り越して冷静になることが多い気がする…"
「そ、そうなんですか…」
"で…ここからブラックマーケットでの探索になるんだけど…ごめん、少し用事が出来て離れないと行けないんだ…"
「えぇ!?大丈夫なんですか先生!?」
"大丈夫、代役を呼んだから"
「うへ、代役?」
"うん。私の前職からの知り合いでね。偶然キヴォトスに来てたから、危険区域の探索を頼んだんだ。腕利きの探偵兼用心棒みたいな職業の人だから、安心してくれて構わないよ"
「そ、そうですか…」
"私はその人に会ってから帰るから、その人来るまでここで待っててね!"
「あ!先生!」
「…行っちゃった…」
さて…と。
"コイツを使うのは久々だな…"
手にあるのは、1枚の図形を描いた紙。
その実態はAnomalousアイテムの一つである。
このAnomalousの異常性は、「貼り付けた物に反ミーム性を与える」というもの。
しかし、図形自体にも強力な反ミーム性が存在する為、どんな図形かわからない…そう、私以外は。
私には楽々量産できる神アイテムである。
ちなみにその反ミームの効果は人間に使うと「人相や声色等、個人特定が可能な要素全てがわからなくなる」レベルである。
コレを顔面に貼り付け、認識を操り視界を確保する。
〈そうだな…偽名が必要だ…〉
〈…どうしようか…う〜ん…あ〉
アレを真似しよう。アイツももういないだろうし、権利云々言われることもない。
〈私の名前は…ミスターはばたき。しがない何でも屋でございます〉
ワンダーテインメントのリトル・ミスターズシリーズ。彼奴等の名前を借りた。
「…先生の代理の人、いつ来るのかな…」
〈先生、とは、彼のことを言うのでしょうか?〉
「うわぁぁぁぁ!?!?」
〈失礼、お嬢さん方。少し驚かせてしまったようですね〉
「えっと…貴方が?」
〈ハイ。私はミスターはばたき。しがない何でも屋でございます〉
「うへ、先生の知り合いというから、真面目な人かなと思ったけど、凄い濃い人が来たね…」
やめてホシノその一言は精神的にキツイ。
でもコレを使ったほうが聞き込み調査の際シャーレの先生としてではなく別人として認識される為、手段が増えていいんだ…脅しとかも余裕で出来るし賄賂渡しても問題ない。
〈ほう…彼が真面目?〉
「え?」
〈彼は昔、前職のあの…おおっと、口止めされていたことを忘れていました。では行きましょう。事情は彼から聞いてありますので〉
「あ、ハイ…」
「あ、あの〜その顔って…」
〈そういう技術です。企業秘密なので詳細は言えません〉
「ん、わかった」
〈それにしても全然見つかりませんね…〉
「まぁ、簡単に見つかるものでもないですしね」
「あら、あそこにたい焼き屋さんが☆」
「あれ、ホントだ~。こんなところに屋台があるなんてね」
「あそこでちょっと一休みしましょうか? たい焼き、私がご馳走します!」
「えっ!? ノノミ先輩、またカード使うの!?」
〈いえ、女性に奢らせるなんて私のポリシーに反しますので、私が〉
「え、いいんですか?」
〈最悪彼に請求しますので〉
「ううん、私が食べたいからいいんですよ☆ みんなで食べましょう、ね?」
〈…そういうことなら〉
「おいしい!」
「いやぁ、ちょうど甘いものが欲しかったところだったんだ~」
「あはは……いただきます」
「はい!はばたきさんも!」
〈では私も〉
そう言いながらたい焼きを頬張る。紙が顔面にあるから食いづらい…
「アヤネちゃんには、戻ったらちゃんとご馳走しますね☆ 私たちだけでごめんなさい……」
「あはは。大丈夫ですよ、ノノミ先輩。私はここでお菓子とかつまんでますし……」
「しばしブレイクタイムだね~」
「……それにしても、ここまで情報がないなんて……妙ですね。お探しの戦車の情報、絶対どこかにあるはずなのに……」
「ん、そんなに異常なことなの?」
「異常……というよりは、普通ここまでやりますか? という感じですね……」
「そんなに変なことなのか?」
「……ここに集まっている企業は、ある意味開き直って悪さをしていますから、逆に変に隠したりしないんです」
「そういうものなんですね……☆」
「そうですね、えっと……。例えばあそこのビルですが、あれはブラックマーケットに名を馳せる闇銀行です」
「闇銀行?」
「ブラックマーケットで最も大きな銀行の一つです。聞いた話では、キヴォトスで行われる犯罪の15%の盗品があそこに流されているそうです……」
「へぇ……」
「様々な犯罪で得た財貨が、また別の犯罪に使われる……。そんな悪循環が続いているのです」
「……そんなの、銀行が犯罪を煽っているようなものじゃないですか」
「その通りで、まさに銀行も犯罪組織なのです……」
「……! お取込み中失礼します! そちらに武装した集団が接近中です!」
〈ですね、2時の方角ですね〉
「……気づかれた様子はありませんが、一先ず身を潜めた方が良いと思います」
「え? ……う、うわぁっ!? あ、あれはマーケットガードです!」
「マーケットガード?」
「先ほどお話しした、ここの治安機関でも最上位の組織です!」
〈ほう、アレが〉
どうやら護衛をしているようだが…
「ん、トラックを護送してる。……現金輸送車だね」
「あれ……あっちは……」
〈闇銀行、ですね〉
「今月の集金です」
「ご苦労様、早かったな。では、こちらの集金確認書類にサインを」
「はい」
「……いいでしょう」
「では、失礼します」
「……さぁ、開けてくれ。今月分の現金だ」
「見てください……あの人……」
「あれ……? な、何で!? あいつは毎月うちに来て、利息を受け取っている銀行員……?」
「あれ、ホントだ」
〈そうなんですか?〉
確かにあのナンバーだった。
「えっ!? ええっ……?」
「……ん、どういうこと?」
「ほ、本当ですね! 車もカイザーローンのものです!」
「か、カイザーローンですか!?」
〈ご存知で?〉
「カイザーローンといえば、悪質で有名な高利金融業者です……」
「有名……? ……マズイところなの?」
「あ、いえ……、カイザーグループ自体は犯罪を起こしてはいないのですが……」
〈犯罪者への資金供給、ですかね?〉
「はい…そんな感じで…」
「……ま、まだそうハッキリとは。……証拠も足りませんし、あの輸送車の動線を把握するまでは」
「……あ! さっきサインしてた集金確認の書類……。……それを見れば証拠になりませんか?」
「ん、良いアイデア」
「おお、そりゃナイスアイデアだね~、ヒフミちゃん」
「あはは……でも考えてみたら、書類はもう銀行の中ですし……無理ですね」
「いや、まだ方法はある」
〈ほう?〉
「えっ?」
「ん、ホシノ先輩、ここは例の方法しかないと思う」
あぁ、なるほどね?
「なるほど、あれか~。あれなのか~」
「……ええっ?」
「……あ、そうですね! あの方法なら☆」
「何? どういうこと? ……まさか、あれ? まさか、私が思ってるあの方法じゃないよね?」
「……」
「う、嘘っ!? 本気で!?」
「……あ、あのう。全然話が見えないんですけど……『あの方法』って何ですか?」
「残された方法はたった一つ」
「銀行を襲うの」
「はいっ!?」
「ん、銀行強盗をする」
「いやいやいや!無理ですそんなの!はばたきさんも何か言って…」
〈なるほど…確かに合理的ですね〉
「…」
久々にカチコミ、かましますか。
「さて、久しぶりにここに来たが…代わりの銀行をどうするか…」
「ここ以上に身を隠せる銀行も存在しないが…どうせここもすぐ潰れるだろうな…」
「おや?彼女らは…便利屋68だったか?」
「…遅くなりそうだな」
この世界線のオブジェクト解説。
Anomalousアイテム
説明「反ミーム性を与える紙」
収容日 2███/██/██
回収場所 東京都███区████
現状 不明
追記 空落天戸研究員が持ち出ししている。
―研究中です 空落天戸研究員
Anomalousアイテム、反ミーム性を与える紙は自作のAnomalousアイテムです
Anomalousアイテム一覧-JP
作者: CheshireCheese
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/log-of-anomalous-items-jp
ライセンス: CC BY-SA 3.0