ねえ、完全に見た目があれだよね私!?   作:たられいら

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私は不安の化物

「蛇腔総合病院に到着、制圧はどのように?」

(心無を数体送る、心無が一般人を外へ出したのを確認したら病院ごと凍らせろ)

「理解、そのように」

 

主の指示通り、私は蛇腔総合病院の上空に待機しています

心無・・・主が子触の思考を再現し、そこから一部の善性を除去し複製した肉体に宿らせた自立型の人形のようなもの

私の姿はエンデヴァーと戦闘していた脳無と同じ姿をしているため、小回りが効かないですし、隠密行動もうまく行えないため、心無の存在は助かります

 

「やほやほー、来たよ不安の化物!」

「来ましたか」

「んー、病院だから結構人数いるね、絶対に出しちゃいけないのってどいつ?」

「殻木球大です、姿は主から受け取っているでしょう」

「殻木ね、ほいほい・・・特徴的な眼鏡っぽいのかけてる小柄なおじいさんね、じゃそれ以外は無理やり外に出すね!」

 

心無が病院内に5体入っていきました

順調に人が追いかけ回されたり、持ち上げられたりで追い出されてますね

そろそろ行きますか

 

「心無、状況は」

「ほぼほぼ追い出したよ」

「後は、治療中の患者と医者、ほぼ寝たきりの患者ぐらいかな」

「流石に無理やり移動は出来ないよ!」

「それだけならば十分かと、戻っていいでしょう」

「はいはいー、じゃねー!」

 

ではここからは

 

「私の、仕事です」『氷牢』

 

病院を囲むように氷の壁がそびえ立つ

 

「さて、このような場所で研究を行うためには、誰にもバレずに安全な場所が必要になります、例えば霊安室のように、滅多に人が近づかず、出入りも少ない場所に」

 

異質な気配の扉ですね、大方この奥に

 

ガシャンッ!

「研究施設を隠すものでしょう」

 

無数の配管が奥に続いてますね、それに脳無がわらわらと

このまま通路ごと凍らせてしまってもいいですが、仮に殻木以外の人間がいたら面倒です

 

「・・・引きなさい」パキパキッ

 

不安の化物の手に氷の剣が形成されていく

その隙に脳無達が飛びかかってくる

 

「引きなさいと、言いましたよね」

 

不安の化物が脳無達の後ろに移動しており、全ての脳無の首が切り落とされ、凍りついていた

 

「まだ来ますか?」

 

不安の化物の視線が脳無達に突き刺さると、狼狽え、動きが固まる

 

「それでいいんです」

 

これで対象に集中できますね、この奥でしょうか

しかしどこから繋がってるかわからないパイプ等ばかりですね、何を運んでいるのか

 

「・・・」

 

僅かですが、電子音が奥から響いていますね、データのバックアップを取っているのか、何か考えがあるんでしょうが

 

「主からの頼みを果たすのみです」

 

やっと多少開けた場所に来れましたね、周囲にあるのは空になったカプセルのようなものと、透明な瓶に細胞が保管されていますね、あれが複製した個性因子でしょうか

空になったカプセルは、大きさから見て脳無等を保管していたんでしょう

 

「電子音はモニターからでしたか、ここのもっと奥にいるんでしょうか」

 

不安の化物は歩みを進める

歩みを進めるたび、不安の化物の足から冷気が漏れ、通路を凍らせていく

 

「不思議なことに、私の思考は日に日にハッキリしていくのです」『冷症』

 

足が氷に覆われる

 

「理由は恐らく、私の元となる世界に充満する不安が日に日に強まっているから」パキパキッ

 

通路が凍っていく

 

「そして私は、主という個性から生み出された存在です、まさしく主こそが、主という個性を宿している心子触が特異点ではありませんか?殻木球大」

 

見つけました、本当に奥にいましたね

 

「何じゃ貴様、何者なんじゃ、何故フードちゃんの姿をしとる!」

 

「そういえば、私がフードちゃんとやらの脳無を無力化したことは、主が無かったことにしたんでしたね」

 

冷気が部屋全体を覆っていく

 

「私は主、万事から生み出された『不安の化物』といいます、主からの頼みで」ガギンッ!

 

空気が凍りつき、殻木球大の足が床に凍りつけられる

 

「貴方を冷凍しに来ました」

 

「何故、なぜわしを」

 

「心当たりなら無数にあるのでは?個性の複製、素晴らしい技術ですが、それを脳無の製造等に使用、更に死体を回収しそれらの因子を利用する、ええ、十分すぎる程理由があるじゃないですか」

 

部屋が凍っていく

 

「あああ!機材がああああ!個性がああああ!」

 

「やはり、小さな瓶のようなものに入っているのは個性因子ですか・・・利用されてしまうのも面倒ですし」スッ

 

不安の化物が凍った瓶の方に手をかざす

 

「壊してしまいましょう」バキャッ!

 

凍った瓶が砕け、中の細胞が周囲に飛散する

 

「ああああ!」

 

「では、さようなら」

 

パキッ

 

部屋全体が凍り、殻木球大も共に凍らされる

 

「制圧完了といったところでしょうか」

「そうみたいだね〜」

「…何故心無が?」

「念のため、不安の化物が仕事を終わるまで見とこっかなーってね」

「要するに暇つぶしですか」

「監視役って言いなよ」

 

心無が凍った殼木に近付いていく

 

「綺麗に凍ったね、これ生きてるの?」

「主の指示は凍らせろとの事でした、なので、極低温により、コールドスリープに近い状態にしました」

「要するに生きてるってことだね」

「まぁ、そのとおりです、もうここに用はありません、主のもとに戻りましょうか」

「そだね〜、あ」

「なんです?」

「そういえば何だけど、モヤモヤしたのが病院から出てたよ」

「…黒霧ですね、いつ頃です?」

「私が外から見てる時だから、数分前?」

「もう逃げられてるでしょうね、一応主に連絡を取ります」

(主、殻木球大の拘束完了しました、黒霧と思わしき対象が姿を消しました)

(そうか、黒霧は無視でいい、殼木は…氷漬けにしてしまえ指一本動かせんようにな)

(理解、その様に)

「万事からはなんて?」

「放置でよろしい様です」

「へー、追っかけたほうがいいのかと思ったけど」

「主には主の考えがあるんでしょう、主のもとに戻りますよ」

 

蛇腔総合病院を出て、不安の化物と心無が空中を移動していく

 

「あれは」

「ブラックハングだね、ヴィランの対処に出てるのかな」

「ふむ・・・情報を得るにはちょうどいいかも知れませんね」

「なになに、私達の代わりに戦って情報得るの?」

「ええ、そのほうがいいでしょう?」

「まぁ、その方法以外無いんだけどさ」

「心配でしたら先程のように監視すればよろしいかと」

 

不安の化物が高度を下げ、ブラックハングの少し先へ回る

 

「『氷狭』」

ガガガッ!

ブラックハングを挟むように氷を出し、迫る

 

「ッ!」『黒衣』

バギンッ!

ブラックハングは黒を布のように身に纏い、氷の中を砕いて突破する

 

「対象の無力化に失敗」

 

この程度では、黒で対処されると、劣化している様子もありませんし

 

「正面からの戦闘・・・」

 

それでどの程度の強度か、理解できるだけでも十分情報になりますね

 

「おい、なにか答え」

 

「足止め可能」

 

「なるほど、答える気はねぇってか」

 

冷気が広がり、ブラックハングの手元には黒が集合し始める

 

「いいぜ、そっちが殺す気で来るんなら、俺もその気でやらせてもらう」

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