ねえ、完全に見た目があれだよね私!?   作:たられいら

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短いです


後悔しないと決めたはず

万事に体を渡してから、ずっと真っ白な空間にいる

私の精神世界だし、別に不満があるわけじゃないし、要望があるわけでもない

あ、でも体を縛り付けてる触手はちょっと緩めてほしいかな・・・いや、私の意思で自由に動くらしいから、私が私を縛り付けてるのか

 

「ふむ、見事にがんじがらめといった様子だな」

「あ、万事」

「やあ、時間もたった事だから何かしら行動していないかを確認しに来たんだが、我に体を渡したときよりも触手の締め付けがキツくなっているな」

「この触手って」

「子触の予想通り、無限に湧くエネルギーが実体化したものだ、それも子触の意思を汲み取って動くようになっている」

 

眼前に逆さまの状態で現れた万事が続ける

 

「それが子触を締め付けているということは、子触自身がここから出ない、或いは外を見るつもりは無いという意思を汲み取って、ここに縛り付けているということ」

「・・・」

「まぁ、我がすべきことに影響は発生しない、最も、子触自身の思考に変化が生じれば話は別だが」

「・・・約束事を違えるつもりは、無いよ」

「それは重々承知している、我は誰よりも長く、お前と共にいたのだからな」

 

子触は目を閉じ、万事は目を細める

 

「しかし、随分と変わったな、いや、それが『素』だったな」

「・・・」

「お前は元々、感情の起伏が僅かで弱い、自らに起こる出来事ですら感情が動くことが少なかった」

「その時に、万事が私に話しかけた」

「うむ、我との会話を通して、感情、知識、常識を理解した、普通の幼子としては些か物わかりが良すぎたが、刻盧、樸鈴は賢い幼子として受け入れた、故にその素はあまり知られていない」

「そうだね」

「周りから見ればお前は正義感があり、誰かを救うには自らの体のことを顧みないヒーローを目指している女子に見えているだろう、だが、心の奥底では常に考えていただろう、『ヴィランが存在しなければいいのに』と」

 

子触が沈黙する中、万事の言葉は続く

 

「確かにヴィランにならざるをえなかったものもいる、だが、そのならざるをえなかったもの達の為にただただ平和に生きる存在が脅かされるの世界は正しいのか?そのならざるをえなかった理由は本当に正しいか?何かしら、少しでも環境が違えばヴィランが生まれることは無かったのではないか?その悩みが限界を迎えたのは、お前が四歳に、一般的には個性が発現する年になる前日だった」

「・・・」

「我にお前は相談した、『ヴィランが存在しない世界を作りたい』と、そこで我は提案した、『まだその考えに至るには早い、子触が世界を見てまだ四年ほどしか経っていないぞ、だから約束事を決めよう』とな」

「・・・『なら、私の精神が乱れて、この世界に見切りをつけるまで、万事の事を忘れさせて、枷として十分でしょ?』だったね」

「うむ『枷として十分だ、して約束事が敗れたらどうする?』という問いに」

「『この約束事が破れたってことは私がこの世界をどうでもいいって思ったこと、だからそのときはお兄ちゃんが私の体を使って、世界を作り変えて』、最近確認したばっかりだよ」

「フハハ、お前の素を思い出すのはそこまで関わってくるだろう」

「まぁ、そうだけどね」

「して、我は自らに枷を掛けさせるため理壊を分離させた、個性として発現するようにな、その過程で理壊含めた5つの力を分離されたのは予想外だったが」グルンッ

 

万事の体が回転し、真っすぐになる

 

「解析が喜び、強化が怒り、破滅が悲しみ、再生が楽しみ、空想が知識を構成した、理壊はそれらが独立するよう我との繋がりを壊した、しかし」

「・・・なにさ?」

「僅かでも感情が成長したかと思ったが、そうでもなかったか」

「あはは、当たり前じゃん」

 

子触が顔をあげる

触手が締め付ける

 

「これが、私なんだから」

「そうだな、それがお前だ」

「どこ行くの」

「なに、今日が期日だ、この世界が変わるかどうかのな」

 

万事の姿が目の前から消える

 

「・・・」

 

これから世界がどうなるか、終わるまで私は何もわからない

でもこれは決めていた事、元の世界に未練は無い

無いはずなんだけど・・・

 

「・・・弔君」

 

少し、触手が緩んだ気がした

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