ねえ、完全に見た目があれだよね私!?   作:たられいら

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文化祭楽しむよ!

ライブが大成功した私だよ!

いやー、エリちゃんが笑顔になってくれてよかったよ!

今現在、散らばった氷とかゴミを片付け中!

 

「いやー、楽しかったね!」

「楽しかったねじゃないのよ、全く」『理の壊 重』

 

氷を持ち上げながら理壊が言う

 

「皆ーゴミはこっちに持ってきて、私が消す」『破滅手』

「氷砕いたほうが良いか」『強化 筋力10倍』

「なんか、同じ顔が7個あると混乱するな」

 

切島が片付けに飛び回る空想達を見て呟く

 

「まさか文化祭本番で、心くんの新たな力を目にするとは」

「空想ちゃんじゃないの?」

「片付けが終わった後で心に聞いて下さいね飯田さん、麗日さん」

「うわぁ!?」

 

飯田と麗日の隣に空想が立つ

 

「し、心ちゃんにって、空想ちゃんもわからないん?」

「私の力は、脳に描いた事象を具現化するという力です、心から私だけならまだしも、6つの力を弱らせもせずに外に具現化するのは、私には不可能ですから」『空想 電気玉』

 

小さな、無数の電気の玉が体育館を飛び回り、小さなホコリやゴミを集めていく

 

「パトロールの交代で中に戻ってきたら、まさかサボってるなんてね」ガシッ

ギャアアア!ギブ!相澤!ヘルェプ!」

「自業自得だ、マイク」

「あら、これでも十分の一に抑えてるんだけど、脆いわねプレゼントマイク」

「やめとけホワイトヴェール、お前の腕力フツーに洒落になんねぇから」

「エリちゃん、緑谷くんのところに行ってきていいよ」

「治礼さんは?」

「私は子触ちゃんの両親と話さないといけないから、後から行くよ」

「わかりました!」

「通形君、エリちゃんの見守り、お願いできるかな」

「まっかせてください!行こう、エリちゃん!」

 

エリと通形が離れたのを確認し、治礼が口を開く

 

「それで、子触ちゃんのあれは何だ?」

「んなこと聞かれてもな、子触だから何やってもおかしくねぇっていうか」

「そもそも私とブラックハングはいま来たばかりよ、分身の過程なんて知らないわ、イレイザーヘッド、どんな感じだった?」

「そうですね、急に心と同じ姿をした存在が心の周囲に出現したとしか」

「マジで急だったよな!相澤なにか聞いてねぇの?」

「聞いてたらこんなに困惑しないぞマイク」

「子触ちゃんの個性は、エリちゃんの個性よりも謎が多い、本人も我々も『触手』だと思っているが、全く違う可能性だってある」

 

治礼が顎に手を当て、思考する

 

「個性は本来ルールが存在する、生物の限界とも言えるが、理解し広げることは出来るとしても、逸脱したことは行えないはずだ」

「それ言うと治礼おかしくね?」

「案外おかしくはない、医者の手術というのは素早く的確に行わねばならないため、メスで相手を切った瞬間から、私が超スピードになる、傷の記憶を見ることができるのも、患者がどのようなケガを負ったのか、正確に知るためだ」

 

治礼が相澤を見る

 

「生徒の中で、個性を理解し、広げることによって成長した子もいるだろう?」

「確かに、そうですね」

「だが、子触ちゃんの個性は違う、明らかに『触手』という物を逸脱している、どれだけ触手というものの理解を広げても、せいぜいできるのは触手の本数を増やすか、形状を変化させるかだ」

 

そこまで言ったところで、治礼はパッと手を戻す

 

「まぁ、本当に触手で、何かしらに影響を受けている可能性も無いわけではないんだがな」

「違っても誰も気づけねぇし、様子見でいいんじゃねぇかな」

「そうね、何かあったら、イレイザーヘッドやプレゼントマイクの教師陣から連絡が来るわけだし」

「考えるのはそん時でも遅くはねぇか」

(・・・相澤、これ言っちゃ駄目なんだよな?)

(理壊から口止めされてるしな、だとしても、今回のことは理壊に話を聞くことにするが)

 

 

「子触さん!」

「あー、エリちゃん、僕子触じゃなくて、解析だよ、子触はあっち」

「???」

「混乱しちゃうよね!俺も見分けられないし!」

「通形先輩まで混乱して固まらないでくださいよ」

「何々?私呼んだ?解析」

「呼んだよ、エリちゃんが用あるみたいだからね、僕は離れておくよ」

 

解析はそう言い、子触が運んでいた物を持ち上げに行く

 

「えっと、子触・・・さん?」

「子触だよ!どうしたのエリちゃん?」

「緑谷さんは?」

「緑谷君にも用があるの?緑谷くーん!エリちゃんが用事あるって!」

「エリちゃんが?ちょっとゴメンね瀬呂くん」

「いいから行ってきな!」

 

緑谷が片付けを中断し、近づく

 

「えっと、どうしたの?」

「えっとね、最初は大きな音でこわくって、でもダンスでぴょんぴょんなってね」

 

エリが身振り手振りで言葉を紡いでいく

 

「ピカって光った後、色々な物が飛んで、ぶわって冷たくなってね、プカーってグルグルーって光ってて、子触さんが増えて、女の人の声がワーってなって私・・・わああって言っちゃった!」

 

エリちゃんがキラッキラな笑顔で言ってくれた!

んー?緑谷君泣いてるの?ほれほれー

グイグイ

「ちょ、やめてよ心さん!」

「嬉しいのは分かるけど泣いてちゃ駄目でしょ、エリちゃんの言葉に応えないと、ね?」

「・・・うん、そうだね」ゴシゴシ

 

うん、ちゃんと涙拭いて、エリちゃんの目を見たね!

 

「エリちゃん、楽しんでくれてよかった!」

「ね!さて片付けに戻るよ緑谷君!空想達が協力してるけど、あと少し残ってるみたいだから!」

「そうだね!エリちゃんまた後で!」

 

「解析、ライブで発生したゴミは残っていますか?」

「ちょっと待ってね空想・・・うん、塵一つ無いよ!」

「私が皆が集めたゴミを消し去ったから、当たり前だよ」

「やべぇ、話し方でどれが誰か分かるけど、喋らなかったらわからねぇ!」

「全員心ちゃんと同じ顔だから、見分けがつかないわ」

 

(理)これ、子触の中に戻れるかしら

 

「道具!早く片付けるぞ!」

「鬼気迫ってるわね峰田君、何があなたをそんなに駆り立てるのかしら?」

「早くしねぇとミスコンの良い席取られんだよ理壊!」

「ああそういう・・・ミスコンの覇者が気になるし、行こうかしら」

「理壊ってそういうの興味あるのか!?」

「何よ上鳴君、人格があるんだから興味が無いことはないのよ」

「じゃあミスコン見に行く?」

 

(理)いつの間に真横にいたのよ子触

 

 

「おぉー!拳藤ちゃん演武してる!」

「ふむ、以前に比べて動きが最適化されています、ドレスであることを考慮しても、十分な動きです」

「ホントだねー、身体能力が底上げされてる」

「子触さんがいっぱい!」

「エリちゃん、私達じゃなくてステージを見ないと駄目よ」

 

えーっと次がミスコンの覇者の絢爛崎美々美先輩だっけ、どんなことするのかな

 

「三年サポート科ミスコン女王!!高い技術で顔面力をアピール!!」

 

・・・えーっと、自分の顔を模した機械に乗ってステージ爆走してるけど

「・・・何あれ?」

「あー、何だありゃ?」

「・・・これ、ミスコンだよね、サポート科の技術お披露目会場じゃないよね?」

「間違ってないわよ、破滅」

「これは何する出しもの?」

「ちょうど今、わからなくなったところだよね」

 

うん、印象に凄まじく残ったけど、一回置いといて、次は波動先輩だね!

 

フワッ

個性の出力を調整して、ふんわり飛び上がった

早すぎず遅すぎず、それでいて、引き込まれるような飛び方・・・いつもの印象も相まって、純真無垢な妖精みたい

 

『幻想的な空の舞い!引き込まれました!』

「おっと、見惚れちゃってた」

「ええ、本当に」

「あれは凄いねぇ、心でもできるかな」

「私が?無理だよ無理、少なくともあんな幻想的な世界観は作れないよ!」

 

ミスコンが終わって、ここからは自由行動だね!あ、ちなみに波動先輩に票入れたよ!

 

「C組の心霊迷宮誰か行かねぇ!?」

「行くー!」

「私も行く」

「アスレチックあるってよ!勝負しようぜ!」

「うっし、お前らが今どれだけか見てやるよ」

「誰も勝てなくねぇか!?」

「はっ!勝つ!」

「良いやる気だな爆豪!」

「くれえぷ」

「麗日さんクレープ食べに行くんですか?」

「うん!えっと、空想ちゃんであってる?」

「あってますよ、ご一緒しても?」

「ええよ!一緒に食べよ!」

「私も一緒に行くわ、お茶子ちゃん」

 

「んー!せっかくの文化祭だから別れたまま楽しもうって理壊が言ったから一人で動いてるけど、どこ行こうかな!」

「ふむ、一人か」

「ん?誰?」

 

人混みの中から、目が金と銀の青年が出てくる

 

「どうも、ライブを見てね、途中で分身しただろう?その時から気になっていて話しかける機会を探っていたのだ」

「えーっと・・・誰?」

「おっと失礼、我は公安の者だ」

「へー、公安の人も来てたんですね」

「まぁな、ヒーローが見張っているところでは尻尾を出さんヴィランも多い、そのため、生徒の保護者に紛れて妙なことをする者がいないか確認できるように派遣された」

「大変ですね」

 

青年が膝を曲げ、心の目を見る

 

「・・・えっと、何処かで、会ったことありますか?」

「ほう、何故そんな事を?」

「いや、私の勘違いなら良いんですけど、その目を見た事があるような、そんな気がするんです」

「・・・フッ」

「?」

「フハハハ!」

「!?」

 

青年が目を細めて笑い始める

 

「ハハハハ!いや失敬、ふむ、しかし不思議なこともあるものだな、我と君は初対面のはずだが、会った覚えがあるとは」

「やっぱり、勘違いですよね」

「そうかもしれんが、そうじゃないかもしれんな、世界というのは案外狭い、何処かで確かに言葉をかわした可能性はある、まぁ互いに覚えがないということは、それほど昔、君がとても小さかった時に言葉をかわしたのかもしれんな」

 

青年は立ち上がり、何処からか取り出した帽子を被る

 

「さて、では見回りに戻る、ではな、子触」

 

青年が人混みに戻ると、周囲の音が心の耳に聞こえ始める

 

「あれ、さっきの人に私の名前言ったっけ?」

 

人混みに入った青年、万事は目を伏せ、笑みを浮かべている

 

「フハハ、そうか、我の目を見たことがあるか、どうやら記憶の奥底に眠っているようだ」

 

万事の姿が薄くなっていくが、周囲の人々は認識していない

 

「それならば、あの時に我の力を引き出したのも頷ける、フハハ、意識せずに我に主導権を渡すようなことにはなさそうだ」『万事 次元移動』

 

万事の姿が周囲の人々から完全に見えなくなった

 

「あら心、こんな所でどうしたの?」

「あ、理壊!」

 

理壊が片手にホットドッグを持ちながら心に話しかける

 

「どこ行こうかなーってブラブラしてただけだよ、理壊はどこで買ったのそれ?」

「屋台よ、折角の機会だもの、味覚を共有しない状態で好きなもの食べてみたいのよ」モグモグ

「そっか、空想達どこ行ったか分かる?」

「空想は麗日ちゃん梅雨ちゃんと一緒にクレープ食べに、強化は切島君達と一緒にアスレ、破滅は上鳴君、芦戸ちゃん達と一緒に心霊迷宮に、解析と再生は二人で巡ってるみたいよ」

「へー、それどこで売ってる?」

「心も食べたいの?」

「うん」

「それじゃあ着いてきて、こっちにあるから」

 

理壊は空いている手で心の手を掴み、引っ張っていく

 

「わざわざ繋がなくていいのに」

「いいでしょ体があるんだから、今のうちにできることはやっておかないとね」

「フフ、それもそうだね!」

 

 

 

 

いやー、楽しかったね!理壊と食べ歩きするなんて思ってなかったけど!

後、面白いもの見れたし

 

「何よ心、私を見てニヤニヤして」

「いやー?理壊ってお化け駄目だったね!」

「忘れなさい」

「ちょっと涙目になってて可愛かったね!」

「わ す れ な さ い !」『理壊』

「私にそれは効かないよ!」

 

フフフ、ずっと覚えておこうっと!

 

「はぁ、それで、どこに向かってるのかしら」

「正門だよ!そろそろエリちゃんが帰る時間だから!」

「もうそんな時間なのね・・・私が行ったらエリちゃん混乱するんじゃないの?」

「大丈夫だと思うよ!私以外触手生えてないんだから見極められるよ!」

「そうだといいけど、それに、手を掴んでるってことは逃がす気は無いってことでしょ」

「正解!」

「はぁ」

 

さぁさぁ、理壊の手を引いて行くよ!

(理)あら、緑谷君達がもういるわね

何で理壊の声が聞こえるの!?

(理)手を繋いでるから、聞こえるのよ

そっか!

 

「やっほーエリちゃん!楽しかった?」

「子触さん!はい、楽しかったです・・・」

「あら、それにしては悲しそうな顔ね、もしかして、帰るのが寂しいの?」

「・・・」コクッ

「んー可愛い!ねね緑谷君、持ってきてるでしょ?あれ」

「うん!エリちゃん、顔を上げて」

 

緑谷がりんご飴をエリの前に取り出す

 

「サプライズ!」

「リンゴアメ!売ってた!?俺探したよ!?」

「ふっふっふ、緑谷君がプログラムを確認して、無いかもしれないって気づいたんです!」

「なので、心さんが買い出しに行く時に付いて行って、材料を買っておいたんです、食紅は、空想さんに作ってもらいましたけど」

「なるほど、りんご飴を作成していたから準備の時間に体育館にいなかったと」

「そういう事です治礼さん!」

「まぁ、近い内にまた会えるはずだ、エリちゃん」

 

エリがりんご飴を眺め、齧る

 

カリッ

「フフ・・・さらに甘い」

「だって!やったね緑谷君!」

「そうだね心さん!エリちゃん、またりんご飴作るから、楽しみにしてて」

「楽しみにしてます!」

「そろそろ行こうかエリちゃん、治礼さん」

「ああ、子触ちゃん、緑谷君、君達A組のライブは、エリちゃんの心を動かしトラウマから救った、主治医として感謝してもしきれない、学業を疎かにせず、頑張ってくれ」

「「はい!」」




文化祭が終わった後、文化祭中に子触と全く同じ容姿の生徒が様々な場所で見られたため、ライブを見ていない生徒達により、子触のドッペルゲンガーが出たと噂になった
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