タルタロスに足運んだ俺だ
あの後は子触が個性の再現で黒霧の個性を使ってトガちゃんを敵連合のアジトまで送ってった、んでついでに死柄木達にAFOが個性を失ったって言っといた
まぁ驚くよな、魔王って言われてたアイツが個性を失うような事態だ、正体を探るためにも、被害を受けた本人に話聞かねぇいけねぇ
「さて、この先だな」
「個性を失っているので行動を起こそうにも起こせないと思いますが、注意はしてください」
「分かってるよ、相手はAFOだからな」
アイツの脅威は個性の組み合わせだけじゃなく、話術にもある、そうじゃなけりゃAFOのシンパなんざ生まれることがねぇからな
まぁ作った後どうしてるのかは、残党狩りで大体わかったんだが
「さて、久しぶりだな・・・あー、AFO?」
「ああ、君か、ブラックハング」
なんか、意気消沈しすぎてて一瞬誰かわかんなかったぞ
「なんだ、お前、何があったら一瞬誰かわかんねぇレベルで変わるんだよ」
「君には、理解できるはずがないだろう」
「んまぁ、そりゃその現場に居あわせてねぇし、てめぇの心境など俺が理解できるわけねぇからな、とりあえず、何があったか聞かせろ」
ブラックハングは一枚のガラス越しに座っているAFOに問いかける
「・・・僕は最初、看守達が慌ただしく動き始めて、僕が身じろぎしても何も反応が無かったことから、ここタルタロスに何か異変が起きていると気づいたのさ、だから混乱に乗じて何か仕掛けておこうと個性を使おうとした、でも出来なかったんだ」
「出来なかった?てことは、抹消使われたみたいにか?」
「ああ、でもここの看守にそんな個性を持ってるやつはいないし、イレイザーヘッドも来ていない、だから僕はタルタロス全域に何かしら細工が仕掛けられて、個性が使えない状態になったんだと結論づけた」
「タルタロス全域での個性使用不可・・・職員からも聞いたなそれ」
何で一人でその結論出せんのかが不思議だがな
「個性が使えないから、拘束具を外すことも出来ずにここで待ってたら、誰かが来たんだ」
「誰かって、身体的特徴を言えよ、後わかってりゃ名前」
「見た目は青年だったね、髪は黒色で目は確認できなかった、それに妙に上からで、少し高圧的に感じたよ」
「お前を相手にそれか、お前の詳細知ってんだよな?」
「彼の口ぶりからしてそのようだったよ、それに彼は・・・タルタロス全域に障害を起こさなくても僕に会いに来ることが出来ると言ってのけた、被害を気にしなければっていう前手条件を立ててたけどね」
「被害気にしなけりゃいいって、それタルタロスぶっ壊してでも会えるって言ってんのと同義じゃねぇか」
「そうだね、実際彼はそう納得できる力を見せた」
「・・・それが、てめぇをそこまで変える力だったのか?」
「ああ、詳しく話してあげよう」
AFOは一息おき、言葉を発し始めた
「まず彼は僕に触れ、僕の精神世界に介入した」
「てめぇの精神に介入か、その時点でおかしいだろ」
「そして、僕の中にあった個性を一部消し去って、僕を殺すのではなく、僕の個性を消し去ることが目的だといい切った」
「個性を消し去るのは、消失弾とかでなけりゃ不可能だと思ってたんだが、力で消しされる存在がいるんだな」
「思わず僕は、恐怖を感じたんだ、恐怖のままに彼に言葉をぶつけたら、彼の手が光って、気づいたら元の場所に戻されたんだ」
「つまり精神世界から現実に戻るまでほぼラグ無しと」
「その際に彼は僕の全力を見るために、僕の奪った個性を復活させて、肉体も全盛期に戻してくれたんだ」
「・・・なぁ、そいつ消し去った個性の再生と肉体の再生を出来るって、化物が過ぎねぇか」
「それだけじゃ終わらないよブラックハング、彼は部屋に何かしら個性を使用して、部屋の空間を無限に広げた、僕が全ての個性を使用した技を使っても問題が無いほどに」
「あー、ちょっと待て、情報が多すぎる」
なんだ、AFOと会うためにタルタロス全域に個性が使えない何かしらの状態を付与して、AFOの精神世界に簡単に入って、簡単に出て、AFOの肉体を全盛期に戻しつつ自ら消し去った個性を再生させられる、さらに空間に干渉ができる個性?何の化物だ
「・・・いいかい?」
「あー、うん、いいぞ、情報が頭に何とか入って処理された」
「それで、僕の全力を片手で受け止めたと思ったら、一瞬で僕の個性を殆ど消し去って、何の痕跡も残さずに消えたんだ」
「すまん、もう一回パンクしそうだ」
AFOの全盛期の全力など想像できねぇが、やばいことはわかる、それこそオールマイトやら俺が協力しても止められるかどうかってレベルの
それを、片手で止めて?挙げ句AFOの個性をほぼほぼ消し去って、そこにいた痕跡を残さずに姿を消す?
「なんつーバケモンだ、それと、てめぇがそんなになった理由も掴めたぞ、折られたな心を」
「・・・そうだね、挫折というのを味わったのは初めてだよ、なんせ彼の態度からして、全く本気じゃなかったから」
「・・・全力じゃないってのは、話聞いてて、なんとなくそうなんだろうとは思うが」
「僕の予想が正しければ、彼は1割程しか力を出していないように感じたよ、とても、勝てる気がしなかった」
1割・・・それだけでタルタロスをほぼ無力化して、AFOの個性を消し去ったってのかよ、あの青い脳無といい、最近妙なことが多いな
「まぁ、話は聞けてよかったぜ、途方もない化物って分かって、公安やらが悩みそうだけどな」
「・・・絶望しないのかい?」
「絶望なぁ、してるに決まってんだろ、だからこそ、俺は動くんだよ」
「何故だい?」
何故ねぇ
「何故も何も、絶望に沈んでたって何も変わりゃしねぇからだ、沈んでる間になにか起きる可能性があるんだったら、俺は沈まずに動く、それだけだ」
ブラックハングが椅子から立つ
「まぁ、大まかな内容聞けたから帰る」
「・・・そういえば、言ってないことがあったね」
「あ?」
「彼とは以前に会ったことがあるはずなんだ、それなのに、今は青年ということ以外何もわからない、恐らくだけど、僕の彼に関する認識が改変されたということだろう」
「認識の改変・・・事実だとしたらよく気づいたな?」
「長く生きてるからね、似たような感覚の覚えがあるのさ」
「さすが長年魔王と呼ばれただけはあるな」
認識の改変・・・もしかしたら、俺が認識できてねぇだけで何回か行われてんのか、チッ、考えたって無駄ってわかるだろ、認識の改変は、改変されたと気づかれないことが前提条件なんだからな
「もう十分聞けたか」
「もうこれ以上話せることはないよ、何かしようと思っても、個性を消されてるんじゃあね」
「だから、今回の面会は時間制限がねぇんだろ、じゃあな」
ブラックハングが歩き、部屋から出ていく
「さて、存在不明のバケモンができることは、個性封じの空間が作れて、精神に介入できて、個性の消滅と再生、肉体の若返り、痕跡を残さない移動、認識の改変と・・・公安にどう説明したもんかな」ボリボリ
AFOが心折られてんのも予想外だったし、襲った相手も青年と一部の力以外わかんねぇとか・・・どうにも変なことが多いな
「あー、クソ、一人考えたって意味がねぇ、大まかな対策考えるのは俺の仕事じゃねぇ」
それに、俺のやることは変わらねぇんだからな