思っていたより長かった……。
この次に設定載せてから、書いてきます〜。
その後、二人はしばらく様々な場所を回った。雑貨屋、書店、服屋などを見て回りながら、街中を歩き回った。
途中で気になるものがあれば、手に取ってみたりして会話を弾ませていく。
そんな中でふとカナデが思い出したように呟いた。
「そうだ。買い物は大分済んだし、いい場所連れて行ってあげる。……ちょっと歩くけど、いい?」
カナデがそう訊ねると、彼は嬉しそうに笑って答えた。
「うん。もちろん。君となら何処へでも」
その返事を聞いて、カナデも嬉しそうに微笑むと、そのまま目的地へと足を進める。
そうして少し歩くと、カナデはとある森のような場所付近で立ち止まると、辺りを見回す。
「この辺りかな……」
カナデがそう言うと、草木がガサガサと音を立て、何かが姿を現した。
ポテポテと歩く小さな葉っぱの様な物が生えた生物だ。
「あ、いたいた」
カナデはそう呟くと、その生物に声を掛ける。
すると、その生物は「黒いナラ!」と嬉しそうにカナデの傍へと寄ってきた。
「久しぶり。元気だった?」
カナデはしゃがみ込み、その生物を撫でながら話しかける。すると、その小さな生き物は嬉しそうに「元気だよ!」と返事をした。
「ちょっと持ち上げてもいい?アランユタ」
「いいよー」
カナデはそう言うと、その小さな生き物……アランユタをそっと抱き上げる。そして、タルタリヤに見せた。
「えっと、この子見える?」
「うん、見えるよ。これは……?」
タルタリヤは驚いた様子を見せながらも訊ねると、カナデは丁寧に答える。
「あ。やっぱり見えるんだ。この子はアランナラって種族なんだよ。前に言ってたと思うけど、本来なら子供にしか見えないけれど、大人にもたまに見れるんだよね。君にも見えるかな〜って思ったんだけど本当に見れるんだ」
カナデが感心したようにそう話すと、彼は興味深そうにアランユタを見つめながら口を開いた。
「へぇ……そういえば前にそんな話していたね。……うん、テウセル達が喜びそうだ。」
「ああ、弟くん達ね。確かに」
カナデは前に無理やりタルタリヤの家に連れてかれて、家族に会わされた事を思い出す。
彼の兄と姉は家を出ていたが、まだ幼い弟が2人と妹1人は両親と暮らしていたはずだ。
「これ、他の人に一応内緒にして欲しいんだけど、彼らは草神の眷属でこの辺に住んでいてね……夢を管理してるんだよ。だから、不思議な光景に案内したりできるの。」
カナデはそう説明をすると、小さなアランナラを地面に下ろしながら言葉を続ける。
「この辺に彼らが住む場所があって……。えっと、こっちだよね」
カナデが指をさしてアランユタに聞くと、彼は「こっちだよ!」と答えてくれた。そして、その小さな足でトコトコと歩き出すので、カナデとタルタリヤはその後に続くことにした。
しばらく歩くと、オブジェの様な物がある。
カナデはその前で神の目の様な宝石をライアーに変えて演奏を始める。
すると、外の景色が変化し、空が紫に染まる。カナデの演奏に合わせて、アランナラがぴょんぴょん跳ねる。
その様子を見て、カナデは微笑みながら演奏を続ける。
「へぇ……すごいな」
その光景を見た彼は感嘆の声を上げる。その声を聞きながら、カナデは小さく笑みを浮かべ、演奏を続けた。
そして、演奏を終えると、カナデはライアーを仕舞い込んだ。
「はい、終わり」
カナデがそう告げると、小さなアランナラは嬉しそうな笑顔を浮かべると、何処かに跳ねて行った。
その背中を見送りながら、カナデは前にいる人物に声を掛ける。
「どう?結構いい演奏だった?まあ、本物には負けるだろうけど」
「うん、よかったよ。やっぱり君はすごいね」
カナデが自信満々に尋ねると、彼は素直に称賛の言葉を口にする。
その反応を見て、カナデは満足げに笑む。
「ふふ、ありがとう。……ほら、雰囲気が変わったでしょ?ここは「夢の世界」なんだ。私も詳しく分かってないけど、そういうものだと思って?」
「なるほどね。よく分かったよ」
そう答えると、彼は辺りを見回し始める。と、カナデに話しかけた。
「ここは随分広いんだね。どこを見ても似たような景色で迷ってしまいそうだ」
タルタリヤの言葉を聞いた瞬間、カナデはクスッと微笑む。そして、少し考える素振りを見せると、彼の手を掴んだ。
「この辺は危ない魔物とかいないし、せっかくだから案内するよ。ヴァナラーナって言うあの子達がいる住処があるんだよね」
「……カナデって、人いないと結構大胆だよね」
「うるさい。そもそも人いるところで大胆なのが変だからね」
カナデが恥ずかしそうに顔を逸らしながら言い返すと、彼は笑いながら「はいはい」と返事を返す。
そして、カナデの手を引いて歩き出した。
暫く歩くと、目の前には小さな建物やアランナラ達がそれぞれ自由気ままに過ごしている光景が見える。
そこで近くにいたアランナラにカナデは「アランシャはいる?」と声を掛ける。
すると、建物の中から可愛らしいアランナラが出てきた。
「あ!黒いナラだ!」
そう言いながらこちらに駆け寄ってくると、そのままカナデの足元に抱き着いてくる。
「あはは、元気そうだね」
自然とタルタリヤの手を離すと、カナデはしゃがみ込んでアランシャの頭を撫でた。
「…?知らないナラが居る。茶色のナラだ!黒いナラのお友達?」
「そう。そうだよ」
カナデがそう言うと、アランシャはカナデから離れると、タルタリヤを見上げてキョロキョロと顔を動かす。
「ナラは悪いナラ?前に似た様な「カメン」?しているナラを見た事がある。」
アランシャがそう聞くと、カナデはくすくすと楽しそうに笑い出した。
「あー、ある意味悪いナラかもね〜。ちなみに「ナラ」ってアランナラ語で「人間」って意味だよ」
タルタリヤに向き直りながらカナデはそう言う。その表情は普段より子供の様な無邪気さがあった。
「つまり悪い人間って言ってる?カナデは酷いなぁ」
彼はおどけた様子で肩を竦めると、カナデは楽しそうに笑う。
「ふふ、冗談だよ。大丈夫だよ、この人は君達に危害を加えないよ。」
「そうなの?茶色のナラ、いいナラ?」
アランシャはキョトンとした表情を浮かべながら首を傾げる。その様子を見て、カナデは目を細めた。
「優しいナラだよ。アランバリカくらい強いんだよ!だから、安心していいよ〜。」
そう言いながらアランシャの頭を撫でていると、アランシャは「分かった!」と嬉しそうに手をあげた。
その姿を見たタルタリヤは微笑ましく思うと同時に、カナデは可愛い生き物に弱いのだなと改めて思っていた。
「……そう言えばカナデ。君は覚えてないみたいだけど、初めて俺と君が会った時、君は「スメールにいた」って言っていたんだけど、覚えてる?いや、今となったら別に思い出さなくても良いけど……その……」
そう歯切れ悪く聞いてくるタルタリヤに対し、カナデは顎に手を当てて考える仕草を見せる。
そして、ポンと手を叩いて答えた。
「そう言えばそんな話していたね。…でも覚えないんだけ……いたっ。…っ、頭痛い」
「え?…大丈夫?」
突然頭を抱えて蹲るカナデを見て、心配になったのか慌てて駆け寄ってくる。
「うん、大丈夫……だから心配しないで。……あ。ちょっと、分かったかも。「知らない」んじゃなく、「思い出さない」ようにされてるのかも、しれない。」
「思い出さない?どういう事?」
訝しげな表情をする彼に、カナデは更に何かを考え込むように視線を落とす。
「うーん、多分だけど……。私が前に「スメール」にいた時、そこで何かがあって、記憶が…?はぁ。いい機会だし、話でもしよう。あっちに大きな木ある、から。」
「ああ、そうだね。そうしようか」
※※※
カナデの提案に頷きながら二人で歩き出すと、アランナラ達が暮らす場所の端あたりにある「夢の樹」がある場所まで辿り着いた。
そこには大きな木が聳え立っており、樹、と言うよりは紫色の球根の様にも見える。
「たまにここ見てるアランナラがいるんだけど…今日はいないんだ。まあ、丁度いいか」
そう呟くと、カナデは木の根元に腰を下ろす。そして、隣に座るように手招きをした。
「はい、ここ座って」
「ああ。それで?何を話してくれるの?」
タルタリヤはカナデに言われた通り隣に座る。胡座をかいたような体制だ。
「…えっと、今までちょっと怖かったと言うか。だから聞けなかったんだけど、君の記憶では私と君はいつ、出会ったの?」
「えぇ?今さらそれを聞くんだ。……別に気にしないでいいのに。」
カナデはそう言いながら苦笑すると、言葉を続けた。
「まぁいいや。そうだね……俺が君を見つけたのは、まだファデュイに入る前。一人で小さな時、俺は故郷の「海屑町」で暮らしてたんだけど、その時、雪森の中で迷って……」
※※※
それからカナデはタルタリヤから彼がまだアヤックスであった時の話を聞く。
そして、その時に出会い、別れてからずっと探してくれていた事も。
「……重いね、それ……。別に私を探さなくても、諦めても良かったのに、それに容姿が違うのに、よく分かったね」
カナデは少し驚いている様子でそう言うと、タルタリヤは苦笑しながら答える。
「まあね……。でも、容姿は違っても、性格とか雰囲気で何となく分かるものだよ。それに、君があの時俺にかけてくれた言葉も忘れる訳ない。……カナデが何気なく言った言葉でも、俺にとっては大切な言葉なんだ。」
その言葉を聞いたカナデは少し照れくさそうにしながら「……そっか」と答えた。
それから少し沈黙が流れ、カナデは小さく溜息を吐く。
「はぁ。そっか。うん。えっとさ、多分君は……気にしないと思うけど、一応言っておくね」
「?何を?」
不思議そうな表情を浮かべる彼に対し、カナデは真剣な眼差しを向ける。そして、言葉を続けた。
「私が実は異世界の記憶があるって言ったら信じる?そして、君が見たその姿は、きっと私の前世の姿。……つまり、私は元々この世界の住人じゃない」
「は?」と思わず声が出るが、すぐに我に返る。
そして、改めてカナデの顔を見つめた。だが、その表情は真剣そのもので嘘を言っているようには見えない。
「はぁ……やっぱり驚くよね」
カナデはそう呟くと、苦笑いを浮かべる。そして、続けてこう言った。
「急に言われて信じられないだろうけどね、私は中途半端な人なんだよ。丸ごと異世界から来たならまだしも……魂だけ、ここに来た感じなんじゃないかなって。だから、私が旅をする本来の理由は「異世界に行く為に神になる事」神じゃなくても行けるらしいけど、私は「魔女会」に入れる程優秀でも無い。だとしたら……私にとって身近な存在は「神」だったから。それに。私は前に恋人はいたけど…気がついたんだ。恋人がいたら……こんな自由気ままに旅は出来ない。それに、恋人がいない方が気楽な事もある。」
そこで言葉を区切ると、彼女はゆっくりと立ち上がった。そして、どこか寂しげな表情で「夢の樹」を見る。
「それに、ちょっと怖いんだ。大切なものはいつもなくなる。私はろくでもない人間なんじゃないかって。自分勝手で、我儘で、自分の事しか考えてない。……なのに、もし君が私の事を嫌いになったらって考えると……」
そこまで言うとカナデは言葉を詰まらせた。そして、そのまま黙り込んでしまう。
その様子を見たタルタリヤは溜息を吐くと、カナデの手を握った。そして、そのまま引き寄せると自分の胸の中にカナデを抱き寄せる。
「へ?」
突然の事にカナデは間の抜けた声を出すと、困惑の表情を浮かべながら顔を上げた。
すると、すぐ目の前には整った顔があり思わず息を吞む。
「あ……あの……」
「ねぇ、カナデ」
何故か緊張していると、名前を呼ばれ、更に心臓の鼓動が早まる。
「な、何?」
緊張しながらカナデが返事すると、タルタリヤは真剣な眼差しで見つめてきた。
その瞳に吸い込まれそうな感覚に陥りながらも、目を逸らすことができないままカナデはただ見つめる事しかできない。そして、彼は静かに口を開いた。
「君がどんな過去を抱えてきたか俺には分からない。でも、これだけは言える。君がどんな人だとしても、俺は君を嫌いになったりしないよ」
そう言って、彼はカナデの頬に手を添える。
「だって俺は君の事を愛してるから」
その言葉を聞いた瞬間、カナデは目を見開き固まった。だが、すぐに我に返ると、顔を真っ赤にして俯く。
「な、何……急に……」
「ん?だって、君が不安がってるみたいだったから。それに、君だって俺の事好きだろ?」
その言葉にカナデは何も言えなくなり黙り込む。そして暫く沈黙が流れた後、彼女は小さく頷いた。
「……うん」
──この人はいつだって、欲しい言葉をくれる。
カナデはそう思いながら、彼の胸に顔を埋める。すると、彼は優しく頭を撫でてくれた。その感触が心地よくて目を閉じると、少しずつ心が落ち着いてくる。
「……ありがとう。」
彼女は小さくお礼を言うと、顔を上げて微笑んだ。その表情を見て、今度はタルタリヤが顔を僅かに赤くした。
そして、彼は照れ隠しのようにカナデの髪の毛を撫でる。
「うん。どういたしまして」
そう言って微笑むと、彼はカナデの頬に手を添えてゆっくりと顔を近づけてくる。
「え?ちょっ、ちょっと……」
カナデが戸惑っていると、唇に柔らかい感触が伝わってきた。触れるだけの軽い口付けだが、それでも十分に分かる。
「ん……っ」
カナデは変な声が出てしまった事に対し顔を真っ赤すると、慌てて彼から距離を取る。
「急になに!?」
驚きと恥ずかしさが入り交じったような表情を浮かべて叫ぶと、タルタリヤは悪戯っぽく笑って答えた。
「ん?キスだけど?」
「っ!!そう言う事を聞いてるんじゃなくて……!なんで!?」
動揺している様子のカナデを見て、彼はクツクツと笑い声を上げる。
「いや、なんか可愛くてつい……」
「つい、じゃない!……もう」
カナデが不機嫌そうに眉を寄せると、両手をタルタリヤの頬に伸ばすと、ふにふに、と軽く引っ張った。
「痛い、痛いって。ごめんよ」
謝る素振りを見せながらもどこか楽しそうな様子に呆れつつも、カナデは手を離した。
「全く……反省してないでしょ?」
ジト目を向けるが、彼は特に気にしていない様子で肩を竦めるだけだ。
せっかく大事な事を言おうとしたのに、これじゃ台無しだ。カナデはそう思いながら溜息を吐く。
「はぁ。……やっぱり無しにしとこうかな。」
「え?何を?」
キョトンとした表情を浮かべる彼に、カナデは拗ねた様な口調で答えた。
「何でもない」
だが、その答えに納得いかなかったのか、彼はカナデに詰め寄る。
「何でもないって顔してないけど?」
カナデはジッと見つめる視線から逃れる様に顔を背ける。
そして、小さな声で言った。
「もう、恥ずかしいから言わない……!」
その言葉を聞いた瞬間、タルタリヤの表情がパアッと明るくなる。そして、嬉しそうにカナデの手を取った。
「え、何?なんで手握るの?」
戸惑いを隠せないカナデに対し、彼は笑顔を浮かべたまま口を開く。
「俺と恋人になってくれるんだよね?」
その言葉を聞くと、カナデは目を丸くした。いつもあえてなのか違うのか分からないが空気を読まないタルタリヤがカナデが言おうか言うまいか悩んでいた事を言い当てるとは思わなかったからだ。
「え、こわ…。明日は槍が降るかもしれない……」
思わずカナデは本音を呟くと、彼は苦笑いを浮かべる。
「ちょっと、酷くない?」
だが、すぐにいつもの表情に戻ると、今度はカナデの手を引き自分の胸に引き寄せた。そして、そのまま強く抱きしめる。
「わっ!?」
カナデは驚きの声を上げたが、そのまま大人しく抱きしめられていた。
──やがて、カナデはゆっくりと顔を上げる。
すると、目の前には優しい表情を浮かべた彼の顔があった。
「もう一度言うけど、俺は君の事を嫌いになったりしないよ。」
そう言い、彼はカナデの額に軽く口付けをした。そして、ゆっくりと抱きしめる力を強める。
「だから、安心して。君がどんな存在でも……俺は君の事を受け入れるよ」
その言葉を聞いた瞬間、カナデの目から涙が溢れた。そして、彼にしがみつく様に抱きつき涙を流す。
「うん……っ」
カナデは泣きながら何度も頷くと、そのまま暫くの間泣き続けた。
「落ち着いた?」
「……うん」
カナデはぐす、と鼻を啜りながら答えると、恥ずかしそうに顔を伏せる。
「その……ごめん。服濡れちゃったね」
申し訳なさそうな表情を浮かべながらカナデは離れようとするが、逆に強く抱きしめられてしまう。
「良いよ別に。気にしないで」
彼は優しく微笑むと、カナデの目尻に浮かんだ涙を拭き取る。
「でも……」
カナデは困った表情でタルタリヤを見上げる。どうすれば良いのか分からない。そんな表情だ。
「うーん、じゃあさ。」
彼は少し考えると悪戯っぽく微笑み、カナデの耳元に口を寄せた。そして、囁くように問いかける。
「もう一回キスさせてくれないかな?」
「……え?何で……?」
突然の申し出にカナデは困惑を隠せなかった。だが、彼はお構い無しに続ける。
「いや、なんかしたくなっちゃってさ。それに……」
そこで言葉を切り、彼はカナデの頬に触れると、ゆっくりと撫で回す。
「っ!?」
カナデはビクッと肩を揺らし、顔を真っ赤にさせた。その様子を見た彼はクツクツと笑い声を上げる。
「ははっ、顔真っ赤だね」
揶揄うように言われ、カナデは更に顔を赤くする。
「う、うるさい……!」
カナデはキッと睨むが、逆に彼の嗜虐心を煽ってしまったようだ。
タルタリヤはカナデの顎を掴むと上を向かせた。そして、そのまま顔を近づけてくる。
「ちょ、ちょっと待っ……!」
カナデは慌てて制止しようとしたが間に合わず、唇同士が触れ合った。
「んむっ!?」
カナデは驚きの声を上げるが、すぐに力が抜けてしまう。そして、そのまま受け入れてしまった。
暫くの間、二人は唇を重ねていたが、やがてゆっくりと離れる。するとカナデは蕩けた様な、ぼんやりとした様な表情を浮かべていた。
カナデは呼吸を整えながら恨めしそうな視線を送るが、彼は余裕そうに微笑む。そして、再びカナデを抱き寄せると、耳元で囁いた。
「もう一回してもいい?」
その言葉を聞くと、カナデはビクッと肩を震わせたが「調子に乗らない」と言って軽く胸を押し返す。
そして、少し距離を取った。
「もうしない」
カナデは頬を態とらしく子供の様に膨らませてそっぽを向くと、そのまま歩き出す。だが、数歩歩いたところで足を止めると振り返り、べっ、と舌を出して挑発的に笑った。
「でも……キスは嫌じゃない」
そう言い残すと、再び歩き出した。その背中を見ながら、彼は肩を竦める。
「やれやれ」
苦笑しつつも、その顔はどこか嬉しそうだ。彼はゆっくりと歩き始めると、カナデに追いつくために歩き出したのだった。
どんな話がみたいですか? 参考にいたします!
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