日本語おかしいなーと思った所もなおしてます。
よろしくお願いいたします。
「わぁっ! おまえここにいたのかよ!」
「おっ、来たんだね。もう待ちくたびれたよ。君たち、せっかくのいいところを見逃しちゃったね、実に惜しい」
「こいつ、けっこう元気そうだぞ。傷も負ってないし。……でも、カナデはなんか疲れた表情してるな……」
パイモンがカナデを見ながら、『ほらな?』と言いたげに蛍達に向けて説明する。
確かにあれから蛍達と別れてからカナデはタルタリヤとこの秘境を探索していた。
彼は、秘境の魔物達をウキウキと楽しそうに倒していく。もちろん、彼にも疲れはあるのだが……それよりもタルタリヤは戦う事自体が好きである為、ノリノリで次々と魔物を倒していくのだから、付き合ってたカナデはヘトヘトになっていた。
さすがに休憩は挟んだし、ペースをカナデに合わせている様だが、それでも彼の勢いは衰えない。
「あははっ、これだけ身体を動かせるのは久しぶりだからね! いい運動になったよ。
それに、旅人。相棒として、古きライバルとして、君は知っているはずだ。こういうサプライズに満ちた戦いは、俺の好みだってことを。
秘境が再構築されている間、部屋が上下に移動して、魔物も一緒に辺りを駆け回っていた。
うん! ここ何日か、とても楽しく戦えたよ。
それに「式大将」が必要とする拓本もいくつか見つけられた。
中には彼の記憶と力が入っているはずだよ」
「ちょうどいいタイミングだったな。早くそれらを回収しようぜ、『式大将』!」
「うん、そうだね」
辛炎が明るい声で式大将を見ながら話すと『式大将』も頷き、タルタリヤが差し出した拓本を受け取る。
「……うん。でも、やはり「拓本」に残っている符術の力には限界がある、だから僕が取り戻せる記憶も限られている」
「まだ足りないのか? じゃあ計画通り、引き続き秘境の奥深くへ進もう」
「いやいや、秘境は再構築されたんだから、せっかく見つけたルートもとっくに使えなくなってるって!」
「その点については心配無用。秘境の再構築には規則がある。だからなんとなく方向が分かるんだ。あっちに向かえば間違いないだろう」
「ち、ちょっと待ってくれ、質問があるぞ! 『式大将』、さっき「拓本」に残ってる力が足りないから、記憶の回復にも限りがあるって言ってたけど。だったら、なんでその道が正しいってわかるんだ? この前おまえと一緒にあの扉を通ったら、オイラたちは秘境の外に出た……つまりここにある扉には、本物じゃないものもあるってことだろ! もしおまえが間違えてオイラたちを危ない場所に連れて行ったら、それこそ終わりじゃないか」
「そう心配するのも無理はない、だが僕は君たちが納得のいく答えを示すことはできない……もし、「寮司」の直感だと言ったら、受け入れてくれるか?」
「なんか心許ないな……」
式大将はパイモンの不安そうな声に対して、正直に答えるとパイモンは不満そうに眉を顰め、口をすぼめる。
「パイモンの言ったことはもっともだが、アタイたちは「式大将」という案内役を信じるしかない。
じゃないと、ここにずっといる羽目になるだろ? それに万が一、秘境がまた動き出したら……その時は、もっと方向が分からなくなるかもしれない!」
辛炎のその自信満々な言葉に、パイモンは『確かに……そうだな。じゃあ信用してやるぞ』と元気よく声を跳ねさせながら言うと、タルタリヤは腕を組みながら口を開いた。
「ふむ、外に行ってから、少し焦ってるみたいだね。
もしかして……何かトラブルにでも遭ったんじゃないかな?
俺の知る限り、現段階では稲妻の情勢はまだ安定しているとは言えない。このような秘境は天領奉行が対処すべきことだが、天領奉行は人手が不足していて、全体の局面を制御するには不十分だ。
だから、君たちが依頼を受け、ここへ来た。
そしておそらく、それは天領奉行による依頼だったのだろう、君たちは彼らの命を受けている。あいつらのやり方なら、直接秘境に突撃して、すべてをねじ伏せてしまう。
そうなる前に「式大将」の記憶を取り戻さなければ、もうチャンスはない。
タルタリヤは外には出れていないはずだが、何となく事情は知っているような口ぶりで話す。
その説明にパイモンは怒った様に両手をあげて『全部
「俺は確かにあることを調査しているが、《《君たちの考えているようなことじゃない》。
このことはまた後にしよう、今は目先の問題の方が先だ。
旅人、俺は君と付き合いがある、こういうところでわざわざ嘘をつく必要はない。
稲妻に着いた後、俺は周辺地区で魔物の痕跡を見つけ、自然とこの秘境まで辿り着いたのさ。ここは闘士のために設立された訓練場のように……戦いと殺し合いしか存在しない。ここにいると、自分を思いっきり解放して楽しむことができる!
こう言っちゃ悪いけど、そこの二人に会ったのはこれが初めてだ。俺が立場をあまり気にしない人だっていうことを、君たちは知らない。
善悪、正邪、使命……これらのことは本当に重要なことなのか? 極限の戦いや楽しい殺し合いよりも魅力的なのだろうか?」
「──はいはい。戦闘狂発言でこの場を乱すんじゃないの。というか空気読め。君は。皆に引かれるよ?」
カナデはタルタリヤの話を静かに聞いていたが、さすがに我慢の限界を迎えたのか口を挟む。
「あはは、そんなつもりじゃなかったんだけどね?
つまりだ、ただ、道中の魔物を恐れず前へと進め……それだけが言いたかったんだ。もし君たちが全力を尽くせないのなら、俺が君たちの代わりにすべてをねじ伏せる。もし君たちがそれに抵抗を感じるのなら、俺が殺戮に関わるすべてを背負う。
なぜなら……戦いは俺の一番得意なことだからね」
タルタリヤはカナデの呆れた表情を見ながらもにこやかに笑みを浮かべながらそう話してきたので、半目になってぺち、と軽く音を立てながらタルタリヤの額を手で叩いた。
それを見てわざとらしくタルタリヤは額を抑える。
「カッコつけるんじゃないの。そうやって、何でも一人で背負い込もうとしない」
「いてっ。……うーん、手厳しいね」
「それに、そういう事は思っていても口に出さない。君は社会人。社会に出てるわけ。だから、大人の責務を果たせ。いい?」
「はいはい、わかったよ。……じゃあそろそろ行こうか? パイモン、まさか怖気付いたんじゃないよね?」
「う、うるさいぞ! オイラが怖気付くわけないだろ! だってオイラには最高の仲間の蛍がいるんだからな! な、蛍!」
「うん、そうだね」
パイモンは蛍に抱きつきながらそう話すと、彼女は優しく笑いながら頷いた。
※※※
「この部屋は陰陽寮の最深部に非常に近い。たしか……僕と晴之介もここに長く留まっていた。僕たちはずっと稲妻各地から来る武人を観察していた。彼らは宴で酒を飲む時、『我々も強大な魔物を倒す力を手に入れた!』と声高く叫んでいたよ」
「もしかしたら、あんたと惟神晴之介って、その武士たちを連れて魔物を退治しに来たんじゃないか?」
「その可能性もあるが、他の可能性もある。言い換えれば、そのような状況は晴之介がわざと仕組んだものである可能性がある。制御不能になった陰陽寮を再び掌握するため、武士たちを引き連れ、秘境に入り魔物を退治するよう命じた」
休憩を挟む為、とある部屋につくと、辺りを確認する。
安全地帯であると確認した後、式大将が話を切り出したため、辛炎が考えた様に目を閉じながらそう話すと、パイモンは『『式大将』は、公子の言ってた推測についてさらに考えてるのか?』と訊ねると、『式大将』は目を開いて首を縦に振った。
タルタリヤはパイモンの発言に不服そうな表情で口を挟む。
「まったく、俺だって別に毎回悪い方に考えてるわけじゃないよ!」
「ああ、ただ合理的で包括的な推測をしただけだ。みんなに悪意はないと知ってる。
僕の記憶はまだ完全なものじゃない、だが欠けている部分もどんどん減ってきた。もうすぐ全回復するだろう。それに、なんだか感じるんだ……前に進めば、晴之介に会えるかもしれないって」
「……まあ、そりゃあそうなるよね」
カナデは腕を組みながら、『式大将』の話を聞いてそう呟いた。
式大将が悩んでしまうのは無理もない、何故なら記憶が無い事の不安と、取り戻した記憶との矛盾が発生しているからだろう。
「でも、この陰陽寮は、別に最近できたものってわけじゃないんだろ? その人はこの中にずっといるのか? うぅ……」
そんな中、蛍が悩んだ表情で手を挙げた。
「「式大将」。打ち明けたいことがある」
「旅人? ちょっと待て、あんたもしかして……」
「……やっぱり私から話す必要がある」
「え?……みんなの真剣な表情から察するに……とても重要なことみたいだ、どうしたんだい?」
「ち、ちょっと、蛍!待ってくれ! 真剣すぎてもあれだろ?
ここはもう十分不気味なのに、これだとなんか内輪揉めしてるみたいだ!
───やっぱりオイラが言うぞ!
あの時、秘境から魔物が逃げ出してるって聞いて、天領奉行の武士たちと一緒にここまで来たんだ。オイラたちがおまえに会った時、おまえは秘境の由来をまったく知らなかった。それどころか、自分がなんで生まれたのかさえも……でもオイラたちは、あの時おまえが本当になにも知らなかったって
「うん」
「探索が進むにつれて、オイラたちは秘境の深くに入り、真相がすぐ目の前のところまで来た……でも今に至るまで、この秘境が……邪悪な目的で創造されたかどうか、まだ判断できていない……箱には宝も災いも入っている可能性がある。つまりオイラたちは、その箱を開ける最後の瞬間にまで来たんだ! 警戒もなしに開けるわけにはいかないだろ?」
「もし惟神が悪意を持っていたら……稲妻に危害を加えようとしていたら。
パイモンと蛍は式大将にそう告げる。
その言葉に、彼はしばらく考えているが、辛炎が少し意を決した様に息を吐いた後、言葉を発した。
「……アタイは他人が後戻りできない選択をするのを見るのが好きじゃない。だけど……旅人が言ったように、アタイたちは十分な準備をして、お互いに責任を持つ必要があるんだ。聞かせてくれないか?《式大将》?」
「分かった……どうやら僕が決断を下す時が来たようだね。
ここまで、僕はずっと謎に包まれたまま君たちの助けを受けてきた。たとえ短い間しか共に戦っていないとしても、お互いに秘密があってはならない。
今ある情報では、まだ保証はできない。
でも。僕は晴之介を信じたい、でもこの年月を経て、彼が変わっていないかどうかは分からない。それか、僕の記憶が偽りのものだという可能性もある。
……僕は「陰陽師」によって作られた「式神」で、記憶も不完全だ。君たち4人こそ、今の僕にとって完全に信頼できて、すべてを託せる人たちなんだ。
僕は君たちを信頼している。だけど晴之介への……責任もある。
彼は僕を創造してくれた、僕は彼に付き従う義務がある。もし君たちの言った通り、彼が悪者だった場合、彼に制御されるのも僕の運命だ……
できることなら、この善良な心を最後まで持ち続けたい。でも道具は主の意志に逆らってはならない。彼が僕を創造したというのなら、僕を制御することができるだろう。
もしこれから僕と晴之介が、天に背き道理に反することをしでかしたら、その時は……
「「………………」」
『式大将』は決意を込めた様に、静かにそう話した。
その言葉を聞き、パイモンと蛍はお互いの顔を見合ったが、ふわり、とパイモンは飛び直した。
「うぅ……最終的に難題をオイラたちに投げるなんて……でも意外と誠実だったな。それに責任感のあることも言ってたし! 蛍、この答えなら、おまえも納得できるよな!」
「うん、「式大将」。今なら完全に信用できる」
その言葉に、その場にいる皆はパイモンと蛍が出した結論に同意する様に頷いた。
それを見て、辛炎が話を切り出した。
「でも、つまりあんたら……今のって、つまり。事前に話し合って、演技してたのか? 片方が疑う役で、もう片方が信じる役を演じるって……」
「アハハッ、いい方法だね。この方法なら、「式大将」の記憶にまだ欠けている部分があるかどうか試すことができる……旅人、成長したね」
それから、辛炎がそう聞くと、タルタリヤは軽い口調で感心するように言葉を続けたが、パイモンはその言葉にムスッ、とした顔を浮かべた。
「なにが「試す」だ! オイラたちは緻密な計画を立てて、一発で成功させたんだぞ!
……辛炎が言ってただろ? こいつはこいつのやり方で、信用できるかどうか確かめるって。
だったらオイラたちも、オイラたちのやり方がある。それに、今これを言えば、『式大将』を励ますこともできるしな!
たとえ式大将が迷ってても、オイラたちは『式大将』を信じてて、一緒に前へ進む。
このことを、わからせてあげたかったんだ!」
「もし「式大将」が本当に仲間だったら、すぐに敵味方を選ぶようなことはしない。自分自身に存在する脅威を正直に言えてこそ、仲間に対して責任を持っていると言える」
「そうだね。まあ、私は心配して無かったけれど」
パイモンが力説すると、タルタリヤが冷静に発言を返す。
それを聞いたカナデは腕を組み、彼の発言を肯定したあと、軽く言葉を返した。
「……カナデは簡単に人を信じすぎじゃないか? オイラたちは2人で凄く!すごーく!悩んでたんだぞ?」
「まあ、それは正しいと思うよ。一人で考えていても息詰まるだけだしね。誰かと話を合わせるのはいい。
だけどね。私は『信じるものは救われる精神』だから。
誰かにとっては無駄でも私にとって大切なことなら別にいい。
例えば──『
「……確かに美味しいものを食べたら嬉しくなるし、幸せになれるけど。なんか、違わないか? それ?」
「ふふ、それにもし悪い事になっても止めればいいだけでしょ。それに、式大将のあの言葉に嘘偽りはない。ね? 式大将」
「うん。まあ、僕は嘘が嘘が得意じゃない……僕の心からの気持ちを感じ取ってくれているなら、嬉しい」
柔らかくカナデが微笑みながら式大将に伝えれば、彼は頷く。
紙とペンで出来た身体だ。表情は読み取れないが、声音はどこか嬉しそうだった。
それを見ながら、タルタリヤは目を細めつつ、口を開く。
「善人でも他人を騙し、他人を利用する時がある。その逆で、悪人にも懸念や心配事があるというものだ。自分にとって残忍ともいえる答えを口にできたということは……たしかに覚悟を決めているということだね」
その言葉にパイモンは考えながら口を開く。
「ああ! 辛炎が言ってたように、えっと……なんて言うんだっけ……」
「ん? なんのことだ?」
「あっ、思い出した! 『この言語はすごく誠実で、人の心の奥底にある最も正直な部分を動かすんだ』!」
「一文字も間違わないなんて、あんたよくそんなの覚えてたな……」
パイモンがそう発言すると、辛炎は軽く笑いながらそう言った。
どうやらパイモンは記憶力が悪いというわけではないようだ。
「……それで、戦う前の決起会は終わったかな? 終わったなら行こうか、速戦即決だ!」
「式大将、心配するな。アタイたちがあんたのそばにいる」
「 分かっている。僕も全力を尽くす、君たちに面倒はかけない」
「かけても大丈夫だ! 最終的にオイラたちが勝てればな」
「……パイモンは戦えないのに自信満々だね……。まあ、一応その覚悟で行こう」
カナデはパイモンの発言を呆れたように聞いたあと、少し笑いながらそう言った。
「……でも、最悪の事態にも備えておく必要がある。この扉の向こうが秘境の奥深くではなく、仕掛けに繋がっていたら……」
「おいおい、縁起でもないこと言うなよ!」
「もしもの話だよ。そうならないという保証は誰にもできない、そうだろ?」
「それはそうだけど……」
タルタリヤの発言にパイモンは不安そうな顔を浮かべる。
そんなパイモンに『残念なことに、確かにそうだ。今の僕ではそれを防ぐことはできない……僕はまだここを完全に掌握したわけじゃないんだ、すまない』と式大将は申し訳なさそうにそう答えた。
「俺は別になんとも思ってないよ。聖地に挑戦できるまたとないチャンス、もう10回再構築してくれてもいいくらいだ」
「うぅ……オイラはいやだぞ。楽しみたいならおまえ一人で行ってこいよ!」
「タルタリヤが言うとガチにしか聞こえないんだよなぁ……やめてよ」
「アハハ、冗談だよ、半分は」
「おいおいおい……!」
カナデが呆れた様に呟くと、タルタリヤは笑いながら軽くそう話した。
その発言に思わずパイモンは勢いよく突っ込む。
「まあ、冗談はさておき……そろそろ行こうか。進む順番はもういいよね? ここが危険な場所だって、もう誰もがわかってるだろうし」
「はいはい。じゃあ先頭行こっか。蛍が最後でいい? 私はこのバカを見張らないと」
「うん、わかった」
「辛炎もそれでいい?」
カナデは周りに確認を取りながら、辛炎に視線を向ければ辛炎は軽く頷き答えた。
「ああ、アタイも構わない」
「でも、もしかしたらまた閉じ込められる可能性もあるし皆気をつけよう」
「そうだな、気を引き締めていこう!」
「じゃあ行こうか」
蛍がそう発言したのを聞き、一同はまた見つけた扉を開いたのだが……───。
どんな話がみたいですか? 参考にいたします!
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タルタリヤ if