汚いガキどもを見つけたので虐待することにした。   作:史上最恐の悪役

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お久しぶりです!

(キヴォトス)に放たれた虐待者が向かった先とは!?


アビドスに汚いガキどもを見つけたので虐待することにした。
第17話


 

 

 

 

 

 ここはキヴォトスでも珍しい砂漠地帯。

 そのど真ん中で、何故か水着とピッケルを装備し、ただひたすらに地面を掘り進めている少女たちがいた。

 

 

 「ホシノちゃん……あのね……」

 「それ以上言わないでください!私も薄々感じているんですから!」

 「そうだよね?私だけじゃないよね……?そろそろ止めるべき?」

 「も、もうちょっと頑張ってから……!」

 「……ごめんね、ホシノちゃん。これは詰んじゃったよ〜……」

 「く、くうっ……!」

 

 

 華の女子高生が水着を着て地面を掘り進めるその光景は些か首を傾げざるを得ないが、これもまた彼女たちの青春の1ページなのだろう。

 

 たとえここが過酷な砂漠地帯であろうと。

 たとえありもしないオアシスを探し求めていようとも。

 たとえ女子高生がお金ではなく汗水を垂れ流していようとも。

 

 そんなことは大して重要じゃない。

 

 確かなことは、今、この場は何処までも()()()()()()()ということだ。

 

 

 

 

 

 ────いや、澄んでいる()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 「オイ、お前らァ!!もうへばってんのかァ?情けねぇぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 こ の 男 が い な け れ ば

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いち早く休憩に入った人がなんか言ってます、ねっ!!」

 「ひぃん……!サドさ〜〜ん!お水ちょうだ〜〜い!!」

 「ククッ、いいぜェ!アツアツに火照った体が思わずビックリするようなキンキンに冷えた水を持ってきてやるぜッ!!」

 

 

 

 

 

 彼の名はサド。

 この広大なキヴォトスにおいて史上最恐最悪の称号を(自称)する虐待者である。

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 よぉ!俺の名前はサド!

 自他共に認める最恐最悪のサディストだァ!!

 

 俺が赴く場所では女子供関係なく虐待をし、そして最後には全員漏れなく俺の従順な“道具”に成り下がっちまう。

 どれだけやめてくれと懇願されても耳を貸さず、むしろ悲鳴と涕泣を見たいがためにより苛烈な虐待を行う─────あぁ!なんて残忍極まりない人間なんだ!親の顔が見てみたい!!

 

 

 

 

 

 

 

 さて、そんな善心などお母さんの中に置いてきたような俺だが、現在は黒服さんから新たな任務───人材発掘の調査を頼まれたので、任務遂行のために精進している最中だ。

 

 人材発掘……つまり黒服さんは自分たち以外にも新たな仲間を作りたいのだろう。それか、外部からの協力者が欲しいのか………まぁ、詳しく聞いてないから分からん!

 だって『全部あなたにお任せしますよ。きっとそちらの方が上手くいくでしょうからね、クックック』って言ってたし。

 ククッ、やけに信頼してくれているじゃねぇか。やはりアリウスで行われた聞くにも堪えない凄惨な虐待話が俺の評価に繋がったのかねェ?

 

 さてさてさ〜〜て、今はそんな些細なことなどどうでもいい。

 今は────そう!新たな“()()”であるコイツらに虐待してやらねばなァ……!!

 

 「オラ!水だ!」

 「わ〜!ありがとう〜♪」

 

 紹介しよう!この如何にもアホそうな面をしている緑髪アホ毛の名前は梔子ユメ。

 俺がこの地に来て1番最初に出会い、1番最初に虐待して“道具”にしたガキだぜ!

 

 「ひぃん……!冷たいものを一気に飲んだせいで頭が……!でもすっごく美味しい〜!!」

 

 それと最近気づいたんだが………コイツ、滅茶苦茶ヒヨリに似ていやがる。

 今の如何にもアホっぽい反応もそうだが、その容姿や雰囲気もやたら似ている。姉妹と言われたら信じてしまうぐらいには似ている。

 クッ!これはもしやカモフラージュ作戦!?名前を呼び間違えさせることで、俺に羞恥を与える気か!?

 

 コイツ……!一丁前に逆らいやがって……!!

 

 「オラオラ!ちゃんと飲めよバカ野郎!!」

 「ひゃう!?なんで急に頭を撫でるんですか!?」

 「虐待だッ!!」

 「これも虐待なの!?」

 

 ハーッハッハッハ!!見ろ!怒りで顔を真っ赤に染め上げておるわッ!!

 バカめ!俺に逆らうからこうなるんだよ!

 

 「…………」

 

 さて、このアホに制裁を加えたから良しとして、お次はアビドスの中でも随一の問題児を相手にしないといけねぇ。

 

 ククッ、コイツの相手は骨が折れる────しかし、それでこそ調教のしがいがあるってもんよ!!

 

 「オラ!ホシノも飲め!」

 「ッ!!わ、私は要りません!」

 「クククッ、その反骨心……流石はホシノと褒めてやりたいところだが、今回ばかりは強制虐待だァ!!それともなんだァ?飲ませて欲しいのかァ?」

 「なっ!?………ぐぅぅっ!飲みます!自分で飲みますからっ!」

 

 俺の手から水を掻っ攫うようにスクイズをぶん取り、豪快に水を飲み干すピンク色のチビガキの名前は小鳥遊ホシノ。

 こんな豆粒みてぇにちっこいガキだが侮ることなかれ。コイツこそ超危険人物なのだよ!!

 

 何故こんなチビガキが超危険人物に値するのか。これには海の底にある深海よりも深い深いワケがある。

 

 まず、あの鷹のように鋭い目つきを見てくれ。あの目は『絶対友達出来ないだろ』って程に恐ろしい目つきをしていやがる。

 そして何より、このガキが纏う雰囲気だ。まるで『私は孤高ですよ』とも言いたげなオーラは、かつて俺が虐待していた()()()()()と類似する部分があるなァ?

 

 ククッ、またしても見抜いちまったぜェ?お前の本性をッ!!

 

 

 

 

 コイツ……厨二病初期段階だぜ、絶対になァ!!!

 

 

 

 

 厨二病……またお前なのか。またお前が俺の覇道の妨げとなってやってくるのか。まったく、何処の地域でも厄介なものだな、厨二病患者は!!

 

 だがまだ初期段階だ。ミサキのように包帯巻き出したらいよいよ重症だ。つまり、ホシノはまだ間に合うということ。

 ククッ、これは『試練』だ。厨二病に打ち勝てという『試練』と俺は受け取ったぜェ!!

 

 「な、何ジロジロ見てるんですか」

 「俺は絶対にお前に打ち勝つ!!!」

 「どういう意味ですか……」

 

 それにしてもいい飲みっぷりだなァ、ホシノの野郎。

 なんだか……そう、何処かの居酒屋でお酒をがぶ飲みしているサラリーマンの情景が浮かび上がってきそうだぜ。

 ……オイオイ、これじゃあまるで─────

 

 

 「何か()()()()みたいだな、お前」

 「お、おじっ……!?あなたは女性に対するデリカシーはないのですか!?」

 「砂漠のど真ん中で水着を着ているようなヤツらにデリカシーも何もねェだろうが!!」

 「そ、それはユメ先輩が……!!」

 「だ、だってぇ……地面を掘ってたらドカーンって地下水が湧き出るかも、って思って……」

 「そもそもそんな確率存在しました!?」

 

 こんな炎天下の砂漠のど真ん中で元気に言い争いとは……流石は俺の“道具”と褒めてやりたいところだァ!

 

 しかしな、ホシノよ。お前は1つ思い違いをしているぜ。

 

 「クククッ、いいかァ?ホシノ。確率云々じゃねェんだよ、コレ(ロマン)ばかりはなァ!

 「ッそう!!サドさんの言う通りだよ、ホシノちゃん!これは理屈だとか効率だとかじゃないのっ!!もっと大事なことのために戦っているんだから!」

 「ほら!()()()ユメ先輩が勢いづいちゃったじゃないですか!!こうなった先輩は結構しつこいんですよ!?」

 「知らねェよ!!コイツが()()()()()()()のはいつものことじゃねェか!そんなことよりここ掘るぞ!ほら、ここ掘れワンワン!!」

 「犬扱いするなァァァァァァ!!!」

 「………あ、あの〜……もしかして、今軽くディスられてちゃったりする?私。ねぇねぇ?…………誰も聞いてないや。ひぃん………」

 

 待っていろ、オアシス!金銀財宝!!

 俺がテメェらを有効活用してやるからよォ!!

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 結局今日もなんの成果もなしに帰宅し、シャワーを浴びてから再び学校へ向かうために足を進める。

 

 それにしても、今日は一段と疲れた。

 それもそうだろう、何せ数時間も砂漠を掘り進めていたんだから。おまけに、何の成果も得られなかったし……

 

 「はぁ……」

 「あ、ホシノちゃんダメだよ?ため息をしたら幸せが逃げちゃうんだって!」

 

 ため息ひとつも吐きたくなりますって。

 というか、どれもこれも先輩のせいなんですからね。

 

 「まったく、ユメ先輩のせいで無駄な時間を過ごしました」

 「えぇ!?ホシノちゃんだってノリノリだったじゃん!!」

 「うっ……そ、そんな事ありません!!アレは……そう!あの火の顔の変質者に煽てられたからです!!」

 「火の顔……?それってもしかしなくてもサドさんのことだよね?」

 

 サド……あの変質者が名乗った名前だ。

 私たちの目の前に突然現れては『お前らは今日から俺の“道具”だ!』とかイカれたことを言い出した、真性の変質者。

 

 「その通りですよ。というか、あの人以上に変質者が似合う人はいないと思います。何なんですか?自分を虐待者だとか自称して……危ない“大人”にも程があります」

 「でも、実際サドさんに虐待されたことあった?」

 「そ、それは…………」

 

 必死に今までのアイツの行動を振り返ってみる────が、残念ながら私の記憶には虐待されたような出来事は一切なかった。

 

 そう、コレが1番厄介なのだ。

 実際に虐待されたら問答無用で銃を撃ったり、アイツをアビドスから出て行かせる事が出来るのに、あの変質者は自身を虐待者と宣う癖して虐待らしいものは一つもやらないのだ。

 

 この前なんて『お前らから好きなものを取り上げてやるぜェ!!』と言いながらアビドス高等学校の別館を掃除し出したんですよ。

 ちりとりに回収される砂をまざまざと見せつけながら掃除していましたが、アレは一体─────え、もしかして私たちは砂が好きだと思われてる?

 いや、そんなまさか……

 

 「ふふっ、確かにサドさんはちょっと変な人だけどね……。でも、本当に酷い人はわざわざ私たちのためにご飯作ってくれる?」

 「…………」

 

 今ユメ先輩が仰ったように、コレが私たちが現在学校に向かっている理由だ。

 あの変質者はこともあろうことか、別館の『生徒会室』に居候し、おまけに料理まで作っているという、まるで学校を我が物として扱っているのだ。………まぁ、ちゃんと毎日掃除しているので許しますが。

 

 ちなみに、私は今日初めて相席する事になった。

 ユメ先輩は以前から夕食を一緒にしているらしく、ここ最近はアイツとユメ先輩から何度もしつこく勧誘されては断っての繰り返しだったが、今日は疲れたし、たまにはいいかと思って彼からお裾分けしてもらおうと思った次第だ。

 別にアイツに心を許したわけじゃない。

 

 「…………どうせその行為も虐待だと思っているんじゃないんですか?」

 「うへへ、流石ホシノちゃん。この前なんて『砂漠でうどんを食わせるというミスマッチ!!俺はなんてヤツなんだ!』って叫んでたよ」

 

 何ですか、それ。ますます意味が分からなくなってきたんですが。

 

 

 

 「来たかァ!ガキども!!」

 

 別館の校門前までやって来ると、まるでずっと待っていましたと言わんばかりに、校門に体を預けるアイツがそこにいた。

 

 「何ですか、まだ出て行ってなかったんですか?早めにこんな砂漠地帯から出ていく事をお勧めしますよ」

 「ククッ、何度言っても無駄だぜェ?所詮ガキの戯言、俺の心には響かない」

 

 そんな挨拶にも似たいつものやり取りを終えると、何処からかいい匂いがしていることに気づく。

 コレは………シチュー?

 

 「サドさん!何だかいい匂いがしますね♪」

 「ククッ、今日はホシノもいるからなァ、俺の最強の虐待料理を用意してやったから覚悟しなッ!!」

 

 そんな捨て台詞を吐いた後に高笑いしながら校舎へと消えていくアイツにユメ先輩と顔を見合わせながら一緒に困った顔をする。そして、アイツに続いていくように私たちも校舎内へと入っていく。

 

 ふんっ、別にいい匂いがするからって美味しいとも限りませんからね。

 もし不味かったら正直に言ってやります。それでショックを受けて、このアビドス地区から出ていくのであれば御の字ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お、美味しい……」

 

 普通に美味しいんですが……

 今日はいつもより運動したから空腹だったというのもあるかもしれないけど、それ以上にこのシチューには()()()()がする。心まで温かくなるような、そんなシチューだ。

 私の口内で優しさとシチューのまろやかさが溶け合って、この世で最も美味しいシチューへの領域に至っているとすら感じてしまう。

 

 これは嘘でも、口が裂けても『不味い』なんて言えないですね……

 

 「ククッ、強がっちゃってまぁ……。ならおかわりでもするかァ!?あぁん!?」

 「お、お願いします……」

 「ハーッハッハッハ!!たっぷり入れてやるよォ!!」

 「あっ!私もお願いします!!」

 「ユメもか!自らミスマッチの地獄に進むその心映え……俺はお前らに『敬意』を表するぜ!ま、ちゃんと虐待はするけどなッ!!」

 

 ………やっぱり変人ですよ、この人。コレが虐待だと思っている頭の可笑しさには思わず心配するレベルです……

 

 そんな勝手な憂いを抱いていると、肩をトントンと優しく叩かれる。

 振り向けば、まるで聖母のような優しい顔つきでアイツの後ろ姿を見るユメ先輩がいた。

 

 「ね?あんな優しい味を余さず出してくれるような人が何か別の企みがあって私たちに近づいて来たなんて……私には到底思えない。今まで色んな“大人”から騙されてきた私だから言えることでもあるの」

 

 ………先輩は優しいからそう言えるだけです。

 

 化けの皮なんて剥がれるのは一瞬。“大人”なんて、みんな自分のことしか考えていないようなヤツらだ。私だけはしっかりしないと……

 

 「………私は……アイツの事を信用できません……」

 「うぅ〜〜ん……まぁ、最初はそれでいいかもね!」

 

 そうしてあっという間に夕食の時間は過ぎて行った。

 ちなみに、私は合計3皿おかわりしたことは余談です。

 





新たな虐待が始まる……!
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